米国のケーブルテレビ大手Time Warner Cableは現地時間2011年4月1日、加入者に提供しているiPad向け番組配信アプリケーションで、新たに17チャンネルの配信が可能になり、今後もチャンネル数を増やしていくと発表した。ESPN News、CNBC、MSNBCなどが加わるほか、まもなくBloomberg News、Sprout、Hallmark Movieなどのチャンネルも提供できるとしている。また同業の米Cablevision Systemsも同日、iPad向けアプリケーションを公開した。
Time Warner Cableは3月15日にiPad向けのテレビ番組視聴アプリケーション「TWCable TV」を公開し、ケーブルテレビ番組のストリーミング配信を開始したが、3月31日、大手テレビ局からの反対を受けたとし、Discovery Channel、MTV、FXなど計11のチャンネルの配信を中止した(関連記事:iPadへのTV番組配信はダメ? 米大手CATVが一部配信断念)。
ケーブルテレビ番組のモバイル端末向け配信を巡っては、テレビ局大手が難色を示す一方で、ケーブルテレビ会社は、米Netflixや米Huluなどのオンラインストリーミングサービスへの対抗を打ち出し、積極的に展開している。
利用には、ケーブルテレビの加入者IDとパスワードを入力すること、指定のインターネット接続業者を利用して家庭内でのみ視聴可能といった制限を設けており、配信先がテレビのスクリーンでもiPadのスクリーンでも法的には変わりがない、というのがケーブルテレビ会社の主張。しかし米Wall Street Journalによると、テレビ局側はiPadでは視聴率計測の方法が確立しておらず、広告事業が脅かされると懸念している。
Cablevision Systemsが1日に公開したiPad向けアプリケーション「Optimum App for iPad」は、同社サービスの全チャンネルについて視聴を可能にしたほか、ビデオオンデマンド配信や録画予約機能なども備えている。Time Warner Cableのアプリケーションよりもサービスの範囲が広く、今後物議を醸しそうだとWall Street Journalは伝えている。
[Time Warner Cableの発表資料]
[Cablevision Systemsの発表資料]