写真1●VMware vCloud Datacenterは、プライベートクラウドと組み合わせたハイブリッドクラウドを構築できる
写真1●VMware vCloud Datacenterは、プライベートクラウドと組み合わせたハイブリッドクラウドを構築できる
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写真2●認定パートナーのVMware vCloud Datacenter同士で互換性が保たれる
写真2●認定パートナーのVMware vCloud Datacenter同士で互換性が保たれる
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写真3●VMware CEOのPaul Maritz氏(左)とソフトバンクテレコムの代表取締役副社長の宮内 謙氏(右)
写真3●VMware CEOのPaul Maritz氏(左)とソフトバンクテレコムの代表取締役副社長の宮内 謙氏(右)
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 ソフトバンクテレコムとヴイエムウェアは2011年2月22日、ソフトバンクテレコムが2011年7月からクラウドサービス「VMware vCloud Datacenter」を提供すると発表した。VMware vCloud Datacenterを提供できる認定パートナーは、米BlueLock、英Colt、米Verizon Businessなど海外に6社あり、ソフトバンクテレコムは7社目。国内では最初の認定パートナーとなる。

 VMware vCloud Datacenterは、米VMwareが2010年9月に発表したサービス。仮想化ソフトの「VMware vSphere」や様々なインフラの仮想環境を統合管理できる「VMware vCloud Director」、仮想環境のセキュリティ機能を提供する「VMware vShield」などを使って構築され、認定パートナーを通じてユーザーに提供される。VMware vSphereで構築したオンプレミスの仮想環境(プライベートクラウド)と統合して一つのシステムとして利用できる、いわゆるハイブリッドクラウドを実現する(写真1)。

 社内システムの仮想マシンをシームレスにVMware vCloud Datacenter上に移行したり、逆に社内に戻したりできる。また、認定パートナーのVMware vCloud Datacenter間でも互換性が保たれるので、企業が海外展開する場合に物理的に近いパートナーのサービスを使って、仮想マシンを運用することも可能になる(写真2)。

 ソフトバンクテレコム 代表取締役副社長の宮内 謙氏(写真3)は、「これまで海外展開する国内企業は、海外拠点で利用するシステムのために現地のデータセンターを借り、そこでハードウエアの調達からシステムの構築までを行っていた。認定パートナーとの連携によって構築作業の効率化と管理の容易性が向上する」と説明する。

 VMwareは、ソフトバンクテレコムを国内初の認定パートナーとした理由を「革新的な企業で決断が早かったから」(VMware CEOのPaul Maritz氏)と説明した。ただし「国内のパートナーは将来的に増える」としている。

 なお、ソフトバンクテレコムが提供するVMware vCloud Datacenterは、3月から早期検証プログラムとして、佐川急便グループのシステム構築・運用・管理を担うシステム会社のSGシステムや野村證券、そのほかの金融系1社がテスト運用を始める。利用料は、「時間単位の従量課金を予定しているが、正式な金額は7月に発表する」(宮内氏)としている。