米マイクロソフト(MS)のビル・ゲイツ会長は2008年5月7日、来日に伴う記者会見を実施した(写真)。注目が集まる米ヤフーへの買収提案の撤回(関連記事)については、「ヤフーとは対話を進めるべく努力したが、結論はそれぞれが独自の道を進むべきというものだった。スティーブ・バルマーCEOが声明を出したように、マイクロソフトは(ヤフーとは)独立した戦略に集中する、としかコメントできない」とした。
ヤフー買収が実現しなかったことで、検索シェア首位の米グーグルへの対抗は単独で進めざるを得なくなった。会場からはその具体策への質問も出たが、「来月、米シアトルでサーチ・エンジンの次期バージョンを発表する」と技術面を明かすのみにとどまった。
このほか、ゲイツ会長の考えるコンピュータの将来像について「今後10年間では、人と機械のインタフェースが変わる。机を触る、ホワイトボードを使う、ペンを使う、言葉を話す、といった人の自然な行動に反応する『ナチュラル・インタフェース』が台頭する」と予想した。
次期Windowsの「Windows 7」の登場時期については、「パートナー企業と調整している。今回もそうなるとは断言できないが、過去はだいたい2~3年おきに新バージョンのWindowsを発売してきた」と答えた。
ゲイツ会長は、2008年7月1日から会長職にはとどまるものの経営の一線を退く。今後の立場について、ゲイツ会長は「17歳からずっとマイクロソフトの経営にフルタイムでかかわってきた。しかし、7月からはパートタイムでしか勤務しない。戦略のアドバイスはするが、会社経営はしない。その代わり、ビル&メリンダ・ゲイツ財団にフルタイムでかかわるようになる」と説明した。