NECは2008年2月6日、システム・インテグレーション(SI)事業の今後の活動について、記者向けに説明した。要件定義や業務設計ができる専門要員を160人そろえるのをはじめ、3つの枠組みでSI事業を強化する。これらにより、50%以上の工期短縮などを実現し、SI事業の営業利益率を1ポイント高める狙いだ。同社の相澤正俊 取締役 執行役員専務は、「これまで顧客満足度が高かったとはいえない。内向きの改革ではなく、顧客視点の改革を進める」と強調した(写真)。
3つの枠組みとは、営業プロセスの改革、SI技術の強化、システム・エンジニア要員の強化、だ。営業プロセスの改革では、業務設計などIT企画のエキスパートを、現状の約30人から今後3年間で160人そろえる。また、営業のプロセスを改善し、効率化とコンプライアンス強化を図る。
SI事業を強化する柱は、以下の5つになる。(1)システム構築技術の強化、(2)システム開発標準の浸透、(3)ソフト開発の現場改善活動の進展、(4)プロジェクト・マネジメント標準の展開、(5)プロジェクトの審査機構の強化、だ。
例えば、(1)システム構築技術の強化では、システム部品を用いた開発を進める。これにより、50%以上の工期短縮を見込んでいる。具体的には、超大量トランザクション用などシステムのタイプによって、モデルを30種類用意して再利用を促進する。SOAやSaaS用のモデルも用意する。また、同社の開発標準であるSystemDirector Enterpriseを3年間で1200プロジェクトに適用し、生産性を1.5倍にする。
システム・エンジニア要員の強化は、国内外で進める。国内では、約100社を重点パートナーと位置付け、同社のノウハウを提供する。具体的には、プロジェクト・マネジメント手法のAPPEALをパートナーに公開し、利用を促す。また、海外ではオフシュア開発において、利用を拡大しながら、海外現地法人の内製率を高める。