画面を4分割して,作業スペースを四つ登録したSpaces
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バックアップしたデータにアクセスするTime Machineのファイルブラウザ
バックアップしたデータにアクセスするTime Machineのファイルブラウザ
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Cover Flowを表示中のファインダーと,Docに設定したStacks
Cover Flowを表示中のファインダーと,Docに設定したStacks
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 アップルは6月11日,新OSの「Mac OS X Leopard」を発表した。同社は,今回のリリースで「最終版に近いバージョン」と表現しており,機能は製品版とほぼ同じと見られる。完成版の出荷は10月を予定している。今回の発表で主な新機能が明らかになった。

 MacOS Xにはアプリケーションやフォルダのアイコンを画面脇に並べて,クリックして開く「Doc」という機能が付いている。今回,Docに「Stacks」という機能が追加された。Stacksはブラウザからダウンロードしたデータやメールの添付書類など,デスクトップに散らかりがちなデータなどを一つにまとめる機能。Docに登録したStacksアイコンに入れたアイテムは,そのアイコンにカーソルを合わせるだけで中身が連凧のようにポップアップ表示されるので,何を登録したかがすぐにわかる。アプリケーションのアイコンも用途別にStacksでグループ化して管理すれば,Docをすっきり整理できる。

日時を指定してファイルを復元

 またファインダーのデザインはこれまでiTunesで利用してきたスタイルに統一した。フォルダ内のデータの中身をアプリケーションを起動せずに確認できる「CoverFlow」は,3次元効果を使い,まるで本棚から目当ての本を探すような操作性を持つ。Mac Bookなどに搭載のコンテンツ操作形式「Front Raw」に近いスタイルだ。日時を指定してファイルを復元ハードディスク上のデータを自動的にバックアップする「Time Machine」は,削除してしまったデータを保存日時を指定して復活できる便利な機能を含む。ワイヤレスでハードディスクに接続可能な環境があれば,一つのディスクに複数のマシンのファイルをバックアップできるという。

 「Spaces」は作業内容に合わせてデスクトップの状態を保存する機能だ。メールや原稿を書く場合やデザイン作業をする場合など,作業内容によって使うアプリケーションは異なる。しかしこうした作業は一定の時間内に並行して行うことも少なくない。その結果,デスクトップは様々なアプリケーションウィンドウでいっぱいになる。Spacesはディスプレーを必要なだけ区切った中に,アプリケーションウィンドウの配置を記憶したデスクトップを登録できる。ユーザーはSpacesにアクセスして切り替えたいデスクトップを選ぶだけで,現在の作業に必要な環境を整えられる。作業内容を切り替えるたびにアプリケーションを隠したり,ウィンドウを配置し直す手間が省けそうだ。

 本バージョンより「Boot Camp」を標準搭載する。セットアップアシスタントに従うだけで32ビット版のWindows XPとWindows VistaをMacintoshにインストールできる。バーチャルPCのようにグラフィックス性能に制限がなく,Windowsからもビデオカードなどのハードウエアにアクセスできる環境が整う。

 また,Windows利用時もキーボードやiSightといったハードとの連携は保たれるので,サードパーティーのドライバソフトをネット上で探してダウンロードする必要が無くなるという。価格はシングルユーザーライセンスが129ドル。同一の家庭内で5ユーザーまでが利用できるライセンスのMac OS X Leopard Family Packは,メーカー希望小売価格199ドルを予定している。