米グーグルは2006年10月11日、ワープロ機能と表計算機能のWebサービス「Google Docs & Spreadsheets」を発表した。これまで同社が提供してきたWeb上のワープロサービス「Writely」と表計算の「Google Spreadsheets」を統合したもの。ベータ版としての提供になる。Googleアカウントを取得することで無料で利用できる。
文書フォーマットはマイクロソフトのWordやExcelのほか、リッチテキスト(.rtf)、csvファイルなどに対応する。データをアップロードするとGoogle側にデータが保存され、インターネットに接続できればどこでもブラウザーを使ってアクセスできる。データを共有したい家族や同僚などにメールを送信し、互いに内容を編集することも可能だ。
代替としてよりも新用途に期待
実際に、どの程度まで使えるのか、WordやExcelのファイルを読み込ませて検証してみた。まずは表や画像を入れたWordの文書。驚いたことに、Wordで表示した場合と、ほぼ同じ内容をWebブラウザー上で表示できた。日本語表示も問題ない。ただ、「出張報告書」と書かれたタイトルがなくなった、画像の表示位置がずれた、といった問題はあった。
次にグラフつきのExcelファイルを読み込ませてみた。するとブラウザー上で罫線付きの表がしっかりと読み込めた。ファイルが複数のシートに分かれている場合でも、ウインドウ下部の選択肢から選べる。ただ、残念なのは「Spreadsheets」がグラフ表示に対応していないため、ブラウザー上ではグラフが消えてしまったこと。また、通貨の書式が「$」表記になってしまう点なども気になった。
さすがに現状ではWordやExcelの代替として使うのは難しい、という印象を受けたが、ネット上でデータを共有できてどこからでもアクセスできるというメリットはこれまでのパッケージソフトにはないものだ。今後の改善次第では、パッケージソフトをインストールして使うという従来のパソコンの利用形態を大きく変えるサービスになるだろう。
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