今回は、筆者のもう一つの仕事である大学教育について考察したい。
筆者は先日、マサチューセッツ工科大学(略称MIT)のMOOCを受講した。MOOCとは、Massive Open Online Courseの略で、Courseは大学の授業のことである。Openは、オープンソースのオープンと同様の意味と説明したらご理解頂けるだろうか。
オープンソースならぬ“オープンコース”
オープンソースならぬ“オープンコース”。つまり、大学の授業をオンラインで世界中の多くの人々(=Massive)に届けるということだ。MOOCの概念自体は、かなり前から存在した。だが以前は、それを実現する技術がなかった。しかしITの高度化・普及と共に、MOOCは2012年頃から急速に発展してきている。
現在、メジャーなMOOCとしては、MITやハーバード大学が提供する「edX」が有名だ(写真1)。そのほか「Coursera」、「UDACITY」などがある。
注目すべきは、各大学での実際の授業を提供していることで、無料のコースも多くある。つまりネット環境さえあれば、世界中のどこからでも年齢や学歴と関係なく、超一流大学で教えられる内容を垣間見ることができる。やる気とある程度の能力さえあれば、高校生でも中学生でも受講が可能だ。