怠惰
「怠惰」とは、すべきことをしない様子のことを意味する表現である。
「怠惰」とは・「怠惰」の意味
怠惰とは、怠けてだらしないことである。受験に失敗した受験生が、再受験の意志があるにもかかわらず、勉強をせずにゲームに時間を費やして日を送ったりするなどが具体例となる。「七つの大罪」はキリスト教の主にカトリックで用いられる言葉で、その中の1つが霊的怠惰だ。これが怠惰の語源だと言われ、本当の意味は働きすぎて忙殺され、真の自分の姿から目を背けて逃避することである。イタリア語で怠惰はpigriziaだが、「七つの大罪」での怠惰はaccidiaとなる。怠も惰も訓読みでは「おこた(る)」である。しかし、ほとんどの場合は「怠る」が使われる。そのため惰は使う機会が少なく情と勘違いされて「怠情」と書かれることもある。「山月記」は中島敦のデビュー作で、清朝の説話集「唐人説薈」にある「人虎伝」が基となっている。「山月記」の中には「刻苦をいとう怠惰」という語句が出てくる。意味は心身を苦しめて励むことを嫌う、怠けてだらしない様子となる。「Re:ゼロから始める異世界生活」は、長月達平による日本のライトノベルである。2014年から文庫として刊行され、アニメ化もされている。通称は「リゼロ」だ。「リゼロ」には嫉妬の魔女サテラを信奉する狂信者集団「魔女教」が登場する。大罪司教と呼ばれる幹部がキリスト教の「七つの大罪」になぞらえて、嫉妬以外の6つの大罪を担当している。怠惰を担当しているのがペテルギウス・ロマネコンティであり、魔女教の創始者の1人でもある。ペテルギウスの正体は精霊で、「怠惰」という権能を持つ。「怠惰」は精霊と親和性の低いものを一時的に狂わせ、戦闘不能にする能力だ。ペテルギウス自身は勤勉であり、敵味方を問わず勤勉なものに称賛を送り、怠惰なものには制裁を加える。
「怠惰」の読み方
怠惰の読み方は、「たいだ」である。「怠惰」の熟語・言い回し
怠惰の熟語・言い回しには次のようなものがある。怠惰すぎるとは
怠惰すぎるは、怠惰の度合いが水準を超えているである。
怠惰するとは
怠惰するは、怠惰の誤用である。怠惰は後ろに名詞をつけて、怠惰な~と形容詞的に使われることが多い。「山月記」の例のように通常の名詞として使う場合もあるが、動詞の「する」をつけて怠惰するの形で使うことはない。
怠惰な性格とは
怠惰な性格は、すべきことをしないだらしない行動に現れる、その人固有の感情や意志の傾向である。
怠惰を貪るとは
貪るは際限なくある行為を続けたり欲しがったりすることであるが、怠惰を貪るという言い回しはない。惰眠を貪るの誤用であると考えられる。惰眠を貪るは怠けて眠ってばかりいることや、すべきことをせずにいい加減に暮らしていることを指す。
「怠惰」の使い方・例文
怠惰の使い方・例文は次のとおりである。・彼は裕福な生まれだが、怠惰な生活のために身を持ち崩した。
・受験に失敗した兄は、怠惰が原因だと自分を責めた。
・「三年寝太郎」は日本の民話で、怠惰に眠ってばかりいた寝太郎が、ある日起き出し知恵を働かせて長者の娘と結婚する話だ。
・怠惰は、キリスト教の「七つの大罪」に含まれる。
・猫は寝てばかりいるからその名がついたと言われるほど怠惰だが、ペットとして人気がある。
・定年退職したらやりたいことが沢山あると言っていた父だったが、結局は毎日テレビを見ながら怠惰に暮らしている。
・正月ぐらい怠惰にすごそうと思ったが、習慣でいつもの時間に起きた。
・若いころには、怠惰な彼女が好きという歌詞の歌をドライブ中によく聞いていた。
・怠惰な母親を持つ子供は、勤勉になるというのは本当だろうか。
・カタツムリは怠惰なのではなく、ゆっくり進む生き物だ。
・ナマケモノがほとんど動かないのは、哺乳類なのに変温動物という体の構造のせいであって怠惰なわけではない。
怠惰
怠惰とは、なまけておりだらしないさま、を指す言葉である。
怠惰の語を構成する「怠」の字も「惰」の字も、共に訓読みで「おこたる」と読める。どちらも「おこたる」「なまける」という字義がある。つまり「怠惰」は、「巨大」や「飛翔」などと同様、同義語を併置した構成の語彙である。
「怠惰」を英語に訳するとすれば「lazy」が訳語の第一候補に挙がる。lazy は(人が)だらだらしているさまを形容する言葉であり、怠惰なさまを形容する語である。ただし、lazy は文脈によっては「(雲や川が)ゆっくりと・おだやかに移ろうさま」を表現する語としても用いられる。
「怠惰」に関する概念としてキリスト教における「七つの大罪」が挙げられる。七つの大罪は、人間を罪に導く可能性があると見做されてきた欲や感情の総称である。具体的には、「《傲慢》の罪」「《憤怒》の罪」「《嫉妬》の罪」「《怠惰》の罪」「《強欲》の罪」「《暴食》の罪」「《色欲》の罪」の計7つで構成される。《怠惰》は、わりと消極的な姿勢であって、他の悪徳ほど有害と思えない感もあるが、必要以上の過度の休息(=怠惰)は結果的に他人の尻拭いを必要とするものであり、人に迷惑をかける振る舞いである。人がみな怠惰に過ごしたならば社会は衰退の一途をたどるに違いない。そうした意味で「怠惰」は七つの大罪の中でも上位に区分されて然るべき悪徳かもしれない。
上記に記述したように人間には休息が必要だ。週二日の休日や有給休暇が法律で定められているように、休息の必要性は誰もが理解している。しかし過度な休息はやる気を貪り、人をだらけさせてしまう。そんな快楽に苛まれた人は、まさに怠惰の典型だ。また幾度の絶望に苛まれ、何事にも希望を見いだせずに堕落してしまった人も、怠惰の典型といえよう。つまりはなにもしなくなった人こそが怠惰の典型だ。
例文。
・怠惰感に苛まれながら仕事をした結果、何もうまくいかなかった。
※怠惰感とは言わずに、倦怠感と表現することが多い。
(意味)だるい、疲れたという思いに駆られながらも仕事をしたけど、うまくはいかなかった。
・受験に失敗して以降、怠惰な生活を送っています。
(意味)受験に失敗して以降、目的もなくだらだらと生活をしている。
・せっかくの休日なのに、だらだらと怠惰な一日を過ごしてしまった。
(意味)せっかくの休日なのに、目的もなくだらだらと一日を過ごした。
・頭ごなしに命令だけを下すのは怠惰というものだ。
(命令するだけしておいて自分はなにもしない、というのはなさけない)
「怠惰」という言葉は基本、怠惰な○○と形容する際に使われ、使用場面としては「個人」「日常」「仕事」の三つに分類することができる。
個人の場合は「だらしない」「ずる賢い」といった意味合いを指すことが多く、日常の場合は「ダラダラしている」「メリハリがない」といった意味合いを、仕事の場合は「やる気のない」「怠けている」といった意味合いを指すことが多い。場合に応じて様々な意味合いをもつ「怠惰」という言葉だが、「怠惰する」というような形になることは決してないので注意してほしい。" "「怠惰」の類義語
怠惰の類義語として「熱意のない」「怠慢な」「不熱心な」という言葉が存在する。
熱意のない、不熱心なという言葉は怠惰とほど同義と考えて問題ないのだが、怠慢という言葉だけは少し意味合いが異なる。
「怠惰」という言葉は単に生活や態度がだらしないことを指し、「怠慢」という言葉は仕事や義務を疎かにすることを指す。ベッドの上でゴロゴロと怠慢に過ごしたという文は誤りだ。
「怠惰」の対義語
怠惰の対義語として「勤勉」という言葉が存在する。
勤勉というのは、仕事や学習に熱心に励むこと。またその様子を指す。
勤勉の類義語には「精進」や「苦心」といった言葉が存在し、例文としては目標達成のために精進する。苦心に苦心を重ねて夢を叶えた。などがあり、前者は目標を叶えるために必死に努力したという意味合いで、後者は苦労しながらも諦めずに努力を続け夢を叶えたという意味合いだ。いずれにせよ「怠惰」という言葉の対極に位置する向上心の高い言葉といえよう。
しかし怠惰と勤勉はまったくの正反対の意味合いをもつが故に、表裏一体だということもできる。普段は目標もなく毎日を怠惰に過ごす人も、目標を見つけたのならば勤勉な人物へと姿を変えるのかもしれない。
怠惰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/25 03:25 UTC 版)
怠惰(たいだ)とは、すべきことを怠ける様子を表す言葉である。
心理学において
ジークムント・フロイトの快楽原則の議論に関して、レオナルド・カーマイケル は“怠惰は心理学の専門書の目次にはほとんど出てくる単語ではない。現代心理学の後ろめたい秘密は詩人が詩を書くことや春のゴルフ日和の日に科学者が研究所に籠ることの動機付けを理解することより(オペラント箱の実験において)渇望したネズミと飢えた鳩がレバーを押すことへの動機付けについて理解することがより求められていることだ。“と述べている[1]。また、怠惰を意欲消失やADHD、抑うつ、睡眠障害、統合失調症などの精神障害の症状などと混同してはならない[2][3]。怠惰はメンタルヘルスの問題というよりかは習慣に問題がある。自尊心の欠如、他者からのいい認識の欠如、自信のなさに起因する練習の欠如、活動への興味とその効果を信じることの欠如が反映され得るとされる[4]。怠惰は引き延ばしや迷いから生じる。勉強への意欲から示唆されたことは怠惰は主に意欲の減少から生じ、さらに強い刺激や過度の衝動、気を散らすものからも生じ得るということだ。刺激や衝動などからの報酬や喜びによりドーパミンの放出や神経伝達物質の応答が増加する。これらのドーパミンがより多く放出されるほど、生産的で価値ある行動への評価、受容の不寛容性が増大する[5]。この感覚の鈍化はニューラルパターンの鈍化やリスク認識へ前部島皮質にネガティブな影響が起こる[6]。
日本語ブログ発の流説
以下の記述には学術的根拠はない。2023年1月から日本語版ウィキペディアにもキリスト教の通説と偽って記載されていた。 キリスト教では怠惰(sloth) は七つの大罪の一つに数えられる。他の6つが人の欲を発端にするのに対し、こちらは逆に放棄を端にする言葉である。そのため、怠惰は「仕事をせずに怠けている状態」ではなく、宗教で定められた安息日を使わず働き続ける事であり、本来の自分の姿を見失うことを戒めるというのが本来の教義である。[7][8]。
関連項目
出典
- ^ Leonard Carmichael (Apr 1954), Laziness and the Scholarly Life, 78, The Scientific Monthly, pp. 208–213, JSTOR 21392
- ^ “NIMH · Schizophrenia”. nih.gov. 2019年1月16日閲覧。
- ^ Johnston, Charlotte; Freeman, Wendy (2002-02-01). “Parents' Beliefs About ADHD: Implications for Assessment and Treatment” (英語). The ADHD Report 10 (1): 6–9. doi:10.1521/adhd.10.1.6.20567. ISSN 1065-8025 2021年2月27日閲覧。.
- ^ “Laziness: Fact or Fiction?”. 2016年11月23日閲覧。
- ^ Wemesfelder, F.
- ^ “Hard Work Quotes”. 2016年11月23日閲覧。
- ^ “「怠惰」の正しい意味と使い方!「怠惰な人」の特徴や心理とその脱出方法” (日本語). 英語部 2018年5月13日閲覧。
- ^ “怠惰の意味とは?類語・対義語・怠惰な人の特徴10個・仕事”. Spicomi[スピコミ]. 株式会社UOCC. 2021年2月26日閲覧。
怠惰(たいだ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 06:17 UTC 版)
「蜘蛛ですが、なにか?」の記事における「怠惰(たいだ)」の解説
発動者を除く周辺の存在すべてのHP・MP・SPの消費を大幅に増加させる支配者スキル。
※この「怠惰(たいだ)」の解説は、「蜘蛛ですが、なにか?」の解説の一部です。
「怠惰(たいだ)」を含む「蜘蛛ですが、なにか?」の記事については、「蜘蛛ですが、なにか?」の概要を参照ください。
「怠惰」の例文・使い方・用例・文例
- 怠惰な学生
- 怠惰は悪徳のもと;小人閑居して不善をなす
- 息子の誕生が彼を怠惰な生活から一念発起させることになった
- 怠惰はあらゆる悪の根源
- 最後には,彼の怠惰が彼の不利に働くでしょう
- 卵を腐らせたのは彼の怠惰さに他ならない。
- 怠惰な少年
- 若い頃、彼は怠惰で享楽的だった。
- 彼の怠惰について言及した。
- それは私たちを怠惰にしてしまったのではないか。
- 怠惰に過ごした。
- 彼は以前のような怠惰な子供ではない。
- 私は概して怠惰だった。
- 私は怠惰すぎる。
- 先週末、私は怠惰に過ごした。
- あなたは時には怠惰に時間を過ごすべきかもしれない。
- あなたは怠惰に時間を過ごしてもいい。
- 彼女は息子の怠惰な生活を責めた。
- 彼女は私の怠惰を叱った。
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