具体例(線形の場合)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 22:23 UTC 版)
「スペクトル法」の記事における「具体例(線形の場合)」の解説
ここでは、基本的な多変量計算とフーリエ級数の理解を前提としている。 もし g ( x , y ) {\displaystyle g(x,y)} が2つの実変数を取る既知の複素関数であり、gがx, yに関して周期的であるとき(つまり、 g ( x , y ) = g ( x + 2 π , y ) = g ( x , y + 2 π ) {\displaystyle g(x,y)=g(x+2\pi ,y)=g(x,y+2\pi )} である場合 )、以下を満たす関数 f(x, y) を見つけることを考える。 ( ∂ 2 ∂ x 2 + ∂ 2 ∂ y 2 ) f ( x , y ) = g ( x , y ) for all x , y {\displaystyle \left({\frac {\partial ^{2}}{\partial x^{2}}}+{\frac {\partial ^{2}}{\partial y^{2}}}\right)f(x,y)=g(x,y)\quad {\text{for all }}x,y} ただし、左辺はx, yにおけるfの2次偏微分係数をそれぞれ示している。これはポアソン方程式であり、物理的には熱伝導の問題、またはポテンシャル理論の問題として解釈できる。 フーリエ級数でfとgを書くと、 f =: ∑ a j , k e i ( j x + k y ) {\displaystyle f=:\sum a_{j,k}e^{i(jx+ky)}} g =: ∑ b j , k e i ( j x + k y ) {\displaystyle g=:\sum b_{j,k}e^{i(jx+ky)}} であり、これを微分方程式に代入すると、次の方程式が得られる。 ∑ − a j , k ( j 2 + k 2 ) e i ( j x + k y ) = ∑ b j , k e i ( j x + k y ) {\displaystyle \sum -a_{j,k}(j^{2}+k^{2})e^{i(jx+ky)}=\sum b_{j,k}e^{i(jx+ky)}} ここで偏微分を無限和と交換している。これは、たとえばfに連続的な2次導関数があると仮定した場合に正当である。フーリエ展開の一意性定理により、フーリエ係数を項ごとに等しくする必要がある。 (*) a j , k = − b j , k j 2 + k 2 {\displaystyle a_{j,k}=-{\frac {b_{j,k}}{j^{2}+k^{2}}}} これは、フーリエ係数aj,kの陽な表現である。 周期的境界条件から、ポアソン方程式はb0,0 = 0の場合に限り解を持つ。したがって、我々は自由に解の平均値a0,0を選択することができる。これは、積分定数の選択に対応する。 ここからアルゴリズムを構成するため、有限数の周波数のみを解く。 これにより、 h n {\displaystyle h^{n}} に比例する誤差が発生する。ただし h := 1 / n {\displaystyle h:=1/n} であり、 n {\displaystyle n} は処理対象の最大周波数である。
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