ヤマツツジ

火口原の
草を濡らして
ゆく雨に
山つつじ花
紅く咲きゐし

耕余集 - 峯村国一

ヤマツツジ

日本各地の山野に自生するヤマツツジ(山躑躅)は、春の山野を鮮やかに彩る代表的な樹木です。その花の美しさから、古来より人々に愛され親しまれてきました。冒頭の詩も万葉集から抜粋したもの。約1200年以上昔の人々も同じくこの花を愛でていたのですから、感慨深いものがあります。現在は全国各地にツツジ公園があることからも、いかに愛され続けているかが伺い知れます。

山ツツジは原種(野生種)ですので、どことなく野趣のある佇まいが魅力的です。
ヤマツツジの育て方

置き場所

屋外の場合

日当たりと風通しのいい場所を好みます。

「春・秋」

日当たりと風通しの良い環境で育成しましょう。気温が高い時は半日陰や明るい日陰に移動します。

「夏」

夏の高温時は直射日光や西日が葉焼けの原因になるので、半日陰の涼しい場所で管理しましょう。水切れに注意します。

「冬」

冬は寒い場所(凍結しない所)で冬を体験させ、植物のバイオリズムを整えてあげましょう。その際、寒風や霜からは保護します。寒さによって昨年の古葉が紅葉して落葉しますが、翌年にはまた芽吹くので問題ありません。

屋内の場合

優しい風や雨は植物をリフレッシュしてくれます。通年屋内では徐々に弱ってしまいますから、置き場所などを工夫する必要があります。

「春・秋」

窓辺など、明るく風通しの良い環境で育成しましょう。

「夏」

閉め切った部屋では蒸れてしまうことがありますので注意が必要です。また、カーテンレースなどで遮光して、柔らかな日差しで育成したり、北側の窓辺で育成したりといった工夫が必要です。

「冬」

冬は少なくとも5℃以下の環境で「寒さを体験」させる必要があります。

→植物の冬越しについて

水やり

乾きすぎない様に注意しましょう。春は1日1回、夏は朝夕の1日2回、秋は2日に1回、冬は2日に1回が目安ですが、乾いていないときは必要ありません。

肥料

肥料は月1回を目安に液肥を与えますが、開花前の1~2月・花後の5~6月・越冬前の9~10月は週1回を目安に施肥します。
※石木花推奨「バイオゴールド ヴィコント564」を基準にしています。市販の液肥等は種類によって与え方が異なりますので、ラベルをよく確認して与えましょう。

病害虫

害虫被害は少ないですが、梅雨時のさび病・うどんこ病などに注意が必要です。
→病害虫について

ヤマツツジ(山躑躅)の仲間

ヤマドウタン(山灯台)、コメツツジ(米躑躅)、サツキ(皐月)など。

木々の小話

ツツジという名前の由来。

漢字の「躑躅」は、立ち止まると言う意味を持ちます。山野に咲き誇るツツジがあまりに美しいので、立ち止まって見とれてしまう事からこの字が用いられたそうです。

また、ツツジという名前は「続き咲き」や「綴り茂る」という言葉が由来とされています。

ヤマツツジの詳しいお手入れ

ヤマツツジ(山躑躅)に適した用土

一般には赤玉に鹿沼や桐生砂を混用したものや、鹿沼単用で使用します。

【石木花の土|酸性】が適します。

ヤマツツジ(山躑躅)の植え替え

春と秋が植え替え適期です。

花が咲いてからのお手入れ

花が咲き終わったら、忘れずに花がらを摘み取ります。花がらを摘むことによって無駄な体力の消費を防げるので、病気に強くなり、花付きも良くなります。このとき、傷んだ葉や枯れた枝葉を取り除いてすっきりさせてあげましょう。

育成のポイント

〇花後や夏など、体力を消費したり暑さで傷んだりしやすい時期には、活性剤と液肥を与えると活性が落ちるのを防げます。また屋内管理の時間が長いと徐々に元気がなくなってしまいます。その場合にも効果的。

〇基本的に屋外管理が向いています。

Leaf
楕円形で、光沢のある深緑色。冬になると昨年の古葉だけ赤く色づき、落葉します。半落葉樹なのですべての葉を落とさず、最低限の葉を残して越冬します。
Flower
4~6月頃に赤紫色やピンク色の花を咲かせます。
Seed
花後に結実しますが、そのままにしていると翌年の花付きが悪くなります。
耐寒性 Cold
水やり Water
日光 Sun
肥料 Fertilizer