RealNetworks社が RealJukebox なるもののβ公開を開始した。
マイクロソフトが MS-Audio を軸に音楽配信事業をすすめるならば、Real社は MP3 を
軸にそれをすすめるといった、火花散る牽制の展開。
MP3Codec の圧縮がむちゃ早いというので英語版βを試してみる。流石に日本語は扱え
ないので注意です。ちなみに RealPlayer と同じくサポート+α付の製品版と free で
使える無印版の二つがある。今回は free 版のレビュー。
んで色々と試してみる。RealJukebox 自体はハードディスクジュークボックスプレイヤー
といった感じで、CDやインターネットから音楽をがんがんHDDに集めてそれをじゃん
じゃん再生するツールって感覚。データのジャンル分けやお気に入りプレイリスト、
ランダムプレイといった機能が物凄くしっかりしたプレイヤーで大量のデータを快適に
再生できる環境を与えてくれる。かなりいい感じ。
データの再生は MP3 や CD などが扱えるのだが、基本は .rmx という拡張子のファイル。
これが要するにネットワーク配信を見据えたセキュリティー強化フォーマットという
奴なわけだ。セキュリティー情報もろもろと共に音楽データがくっついていて、Codec は
RealAudio と MP3 が選べる感じ。違うマシンで聞いたりするためにはセキュリティーを
かけない形でデータを作るか、セキュリティーキーをフロッピーに作って持ち運ぶと
いった形態らしい。なるほどね。
んが、RealJukebox でデータを作って扱うと必ずこの .rmx ファイルが作られる。つまり
MP3 ファイルとかは作ることができないわけだ。しかし、MP3 の再生はできるし、プレ
イヤーは良くできているし、個人の閉じた環境で使うのには割りと申し分のないもの
ではある。
ただ、MP3 Codec の最高が通常の 128kbps でなく 96kbps であるところが気になる。
おそらく 128kbps で配信できる帯域ということなんだろうけども、帯域が下がるという
ことはそれだけ圧縮ノイズ(音の劣化)がひどくなるということである。実際聞いてみる
とまあまあ気にならないレベルではあるけど、高音域が荒れることがある。リバーブや
コーラスの聞いた音に高音域のアタックの強い音が入ってくるとちときつい。
MP3を採用していても 128kbps がないというは大きな欠点ではないだろうか。
圧縮は確かに早い。うちの環境(K6-200MHz)でCDからのダイレクト変換が約1.3:1 実時間
で、1.3倍の速度で変換してくれる。5分の楽曲が3分50秒くらいで圧縮できる感覚。
しかもCDからのダイレクト変換をサポートしているので、まさにげしげしと変換でき
とっても便利。
先の 96kbps の問題さえ無ければとても優秀なツールで日本語版が出たら MP3 から
即乗り換えても良いくらいなんだけどなあ…。