fc2ブログ

神秘思想家のまとめ本を書いています

0 Comments
うえしん
 2018年に最初のkindle本を出してから、ずっとまた本を書きたいと思っていたのですが、なかなか構想がわきあがらず、いまになってようやく書きたい本がかたちになりました。

 神秘思想家のまとめや紹介を書けば、入門書や入り口のきっかけになるだろうし、知っている人には要点整理や見直しがまた可能になるだろうと、ふと思いついたのがはじまりです。

 哲学思想ならそういった思想家のまとめ本や要約本はいくらでも出ていますが、神秘思想家ではまずありませんし、現代神秘思想家の研究書も出ていません。すこしでもその隙間を埋められればと思います。

 神秘思想のテーマにはながらく滞留していて、バラモン教やイスラーム神秘主義、キリスト教神秘主義と手をのばしてきたのですが、やっぱりいちばんわかりやすく、深く心に刻まれたのは、さいしょに出会った神秘思想家たちです。

 ジッドゥ・クリシュナムルティ、バグワン・シュリ・ラジニーシ、ニサルガダッタ・マハラジといった人たちの思想をまとめたいと真っ先に思いましたし、そこにリチャード・カールソンやアンゲルス・シレジウス、『ヨーガ・ヴァーシシュタ』もつけ加えたいと思いました。いちばん胸に刻まれて、心に残っている人たちをまとめたいと思いました。

 7月ころから書きはじめて、リチャード・カールソンの章と、クリシュナムルティの章はもう書き上げました。いまはニサルガダッタ・マハラジの章に手をつけています。

 文字数では7万6千文字、原稿用紙では190枚分はもう書いたので、企画倒れの危機期間は脱したのではないでしょうか。

 なにより本を書くことによって、自分のためになったことがいちばん大きかったと思えました。思想家たちのもやもやして、まとまらなかったものが、自分のなかで線を結ぶことができたように思います。

 カールソンは神秘思想家ではありませんが、思考の特質とそれが感情の増幅になることを再認識しましたし、クリシュナムルティは恐怖症のエクスポージャー療法そのものをいっているのだと再認識できました。

 あやしくて、オカルトだと思われている神秘思想を、現代的に、心理学的に、哲学的に「使えるもの」、「利用価値のあるもの」にできないかが、私の探究と創作の目標でもあります。

 だから、本のタイトルを『セラピーとしての神秘思想家たち』や『心理療法としての神秘思想家たち』にしようかと考えましたが、ニサルガダッタ・マハラジの章を書いている現在、それを超えた神秘的な部分に踏み込んでいるのではないかと迷っています。

 神秘思想の核というのは、言葉や思考で組み上げられた世界の客観視や破壊だと思っています。人は言葉でつくった世界を実在のものと思っています。この幻想の世界を打ち壊すのが、神秘思想の要です。禅とまったく同じですね。

 読み込んでいると、神秘思想はどうも言葉や知識のみならず、記憶の敵対視もずいぶん強いことがわかってきました。現れては消える断続的で、はかないこの世界に、言葉と記憶によって継続や実在の幻想が打ち立てられて、実在の夢の世界から人々は出ることができないようになっていると思われます。

 神秘思想は、言葉と記憶のシステムから離れることではないかと思います。言葉の実在の世界は、人々にまことにウソっぱちの世界を実在していると思わせるのに十分です。

 「一なるもの」や「実在」、「一者」との合一という神秘体験的なものは、現代ではどう解釈したらいいのか、現代的に納得できるかたちで見せることができるのかは、今後の課題です。言葉と記憶のシステムをとりはずした先には、刹那に現れては消えるこの世界のほんらいの姿があらわれることになるのでしょうか。


 いぜんはヴァーティカル・エディターという原稿用紙を表示できる縦書きエディターを使っていましたが、いろいろ問題がありましたので、今回はタテエディターというソフトを使っています。縦書きの表示感覚をけっこう大切にしたいわけです。行数や列数を決めて表示できるのですが、フォントの大きさを変えるとそれが崩れるので、どう使ったらいいか試行錯誤です。

 ということで、本の創作がいちばん重要になりますので、ブログの更新もツイッターの更新もおろそかになるのは仕方がないです。

 神秘思想なんて怪しくて遠回しで見ている人も、もっと神秘思想を知りたいと思っている人も、クリシュナムルティやラジニーシ、マハラジを愛読している人も、この本との出会いがあたらしい世界の創造・認識につながればいいなと創作に励みたいと思います。

 この本で言葉の実在を破ったような体験ができれば、悟ったような気分になれるかもしれません。



▼私のkindle本と参考にしたい神秘思想家の本
   


関連記事
うえしん
Posted byうえしん

Comments 0

There are no comments yet.