2023/04/09
百万回生きていたかもしれなかったのは鳩山先生
出勤の方が増えてきたことと、新入社員、学生さんが動き出す季節になってきたせいか、電車も混んできましたし、当地では桜の季節も早々に終わりに向かいつつある中、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
今週辺りから、ポツポツ春ドラマも始まりだしますので、出張中の移動中などにどの作品を見ようかと色々チェックしてますが、ドラマは逆に増えてますのでどこまで追いかけれるかという感じです。
前クールは、最終的にTBSの「100万回言えばよかった」とカンテレの「罠の戦争」のみ完走できました。
特に「100万回言えばよかった」は「おかえりモネ」の脚本を担当された安達奈緒子さんのオリジナルで、言ってしまえば「幽霊が出てくるミステリーもの」という非常に難しいジャンルながら、切ない恋愛ドラマとミステリーを両立させた良質なドラマで、井上真央さんと佐藤健さん、松山ケンイチさんの演技に毎週末引き込まれてました。
劇中では主人公たちが子供の頃に読んでいた絵本として、またドラマの展開のキーになる様に「百万回生きたねこ」が出てくることもあり、今更ながらとしっかり読み返しました。(再確認すると1977年の発行の絵本で、既に124刷も重版されてます)
この絵本も色々な捉え方のある作品と思いますが、白いねこと知り合って本当の愛を知った主人公のねこは幸せだったのでしょうし、それまで猫が何度も経験した自分の「死」より、最愛の存在を喪った喪失感の方が大きかったという事なのかなと思います。
「100万回言えばよかった」の脚本を書かれた安達奈緒子さんは以前もご紹介させて頂いた通り、奥田圭子さん主演「こんな学園みたことない!」のメインライターである溝田佳奈さんと同じ日本脚本家連盟スクールのご出身です。
溝田さんのキャリアの詳細は分かってないですが、1977年の発行の絵本という事で、「百万回生きたねこ」はスクールの題材として使われてたのではとこじつけ、鳩山先生とさやか先生に置き換えて考えてみました。
(百万回生きたねこをご存知ない方には、分かりにくい部分もあり申し訳ございません)
研究者として大学に残るつもりだった鳩山は教授とのケンカの為に、渋々教師になってます。
青葉コンサルタントの調査では、先生になるしかなかったという”でもしか先生”と表現されています。教師になった時点で大学なんか大嫌いになって、夢見る青年としての鳩山は一度死んでしまったのかと思います。
更に野球部のコーチになるも、喫煙した生徒を殴りその生徒の甲子園の夢を絶たせたことで、コーチとしても死んでしまってます。古尾谷さんは野球好きでしたが、鳩山は本当は野球なんか大嫌いだったのかもしれません。
その後、生徒なんか大嫌いでも、淡々と鴻南学園の教師として働いてた鳩山ですが、烏山の学園乗っ取りにより教師生命を奪われそうになったところで、白いねこならぬ一条寺さやか先生が現れたというところでしょうか?
自分の事が大好きな鳩山は、さやか先生を仕事帰りの居酒屋に誘いますが、最初は「自信過剰じゃないの?」と思いながらも、相談の為に訪れたさやかに「僕の事が恋しくて来たのか?」と問い、呆れられます。
それでも二人は色々な危機を乗り越えながら惹かれ合いますが、本当に愛しあっている事を確認し合えたのは、最終回での別れに際してですので、改めて二人の恋愛の発展状況につき、次回以降整理していきたいと思います。
(以前4話まで整理していて途中になってましたので、改めて再開します)
抜け殻の様になっていたところから、絵本にもう一度力をもらったところで、今回もM君の謎かけで締めさせて頂きます。お題は、鳩山先生の様に教師になるしかなかったという「でもしか先生」です。
でもしか先生と掛けて
地震後に点検が入ったエレベーターと解く
その心は
ちゃんとシドウできますか?
それでは次回もよろしくお願い致します。
コメント
Re: 100万回動いたエレベーター
ありがとうございます。
エレベーターの駆動系はそういう感じなのですね。勉強になります。
まあ少なくとも、こちらもあと7年はと思います。
2023/04/23 17:41 by 夢 時次郎 URL 編集
100万回動いたエレベーター
2023/04/21 18:57 by トムゴン URL 編集
Re: 夢破れて
いつもありがとうございます。
子供が小さいときに存在は知ったのですが、今回のドラマを機に自分も初めてきちんと読みました。
なんとなく機会があれば、使おうと思っていたところ、改めて鳩山の境遇に合わせると
100万回はともかく、なかなか挫折から始まってることに想いが至りました。
鳩山先生敢えてもめている訳ではないと思いますが、確かにさやか先生以外ときちんと話している描写少ないですね。
胸襟を開いていたのは、炉ばた亭の太助さん位かもしれません。
その辺りと、さやか先生の存在の大きさという事を、もう一度振り返ってみたいと思います。
「ヒポクラテスたち」は大森一樹監督の実体験も影響してるのでしょうけど、ああいう理系の学生だったのかもですね。
謎かけもありがとうございます。当初「でもしか先生」の意味が通じてなかったのですが、うまくキャッチアップして
もらえました。
2023/04/10 21:03 by 夢 時次郎 URL 編集
夢破れて
きちんと読んだことがなかったので、取り急ぎあらすじをチェックして今回の記事を読み直して見ましたが…納得です。
鳩山先生の教師生活は、ゼロどころかマイナスからのスタートだったんだなと、再認識しています。
鳩山先生って基本、人付き合いを得手としない、群れることを嫌っている人物のようにも感じます。鴻南学園でもさやかさん以外の教師とは、疎遠とはいかないまでも、距離を置いているような印象を覚えます(私だけかもしれませんが)。
一発でニトロと見抜いた20話のシーンから、恐らく理系・化学系の研究者を目指していたと思われますが、教師でなく民間企業の研究者になってもおかしくないところ、その道を選ばなかったということは、群れるのを嫌う性分が影響したのかな…と、想像してみたくなります。
古尾谷さんの主演作で「ヒポクラテスたち」という映画がありましたが、研究者を目指していた当時の鳩山先生は、そのイメージに近かったのかなと想像しています(こちらは医学生の役でしたが)。
「こんな学園みたことない!」は、屈折した思いを抱える生徒たちだけでなく、屈折した青年教師をも、一人の若く美しい女教師が救う物語だったのかな―と、改めて感じています。
>Mさん
これは巧い!個人的にかなりポイント高い一作ですね。
三枚寄りの、座布団二枚で!
2023/04/10 16:54 by リトルノ URL 編集