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幻聴・幻覚、ハイになるなど。人間の脳に作用する10の外的刺激

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 幻覚を見たり、幻聴が聞こえたり、気分が高揚したり、集中力が高まったり、時に幽霊すら見えたり…

 日常の意識とはまるで違う世界を認識するのに、お酒や薬に頼る必要はない。ちょっとした外的要因により脳に暗示がかかってしまうという。ここではそんな10の現象についてみていこう。

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10. インフラサウンドと幽霊の関係

Ghost Sound Effect

 聞こえるはずのない音が聞こえた、あるいは見えるはずのないものが見えた、という証言が絶えない場所がある。

 そうした場合、人はそこが呪われていると噂する。が、ほぼ全てのケースで、詳細や構造に基本的に共通した部分がある。

 幽霊とされるものの目撃前やその最中、寒気や危機感を感じたという話も伝えられる。しばしば、それは同じ場所で繰り返し起こり、それが幽霊の証拠であるとされる。

 だが科学者は超自然的な力を借りずとも、こうした現象を論理的に説明できるかもしれないと考えている。

 犯人はインフラサウンドという音だ。これは人間の耳に聞こえる下限をわずかに下回るが、無意識下では脳によって認知されている。

 ホラー映画などに利用され、全員にではないが、確かに効果をあげてきた。幽霊で有名な場所の多くにはインフラサウンドが発生している。これが幻覚や闘争・逃走反応を作り出し、幽霊が現れたと思い込ませている可能性がある。

9. ランナーズハイは本当。依存性があり危険な場合も

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  ランナーズハイという言葉を聞いたことがある人もいるだろう。そして、その高揚した状態について少々誇張されていると考えている人もいるかもしれない。

 だが、ランナーズハイは本当にある現象で、多くのランナーが依存症になっている。マラソン好きの多くのランナーが走った後で不思議な感覚と深い疲労感を報告している。これは通常の耐久力を超えて突き進ませる能力のようなもので、体が受けている苦痛やストレスから心が切り離されているのだ。

 ランナーズハイを味わった人からは、幽体離脱のような現象や多幸感が報告されている。まったく安全だという話もあるが、他の依存的感覚と同じく、危険なこともある。なぜなら一度これを味わったランナーの多くがもう一度体験したくなるからだ。しかしランナーズハイを味わうには、体を限界を超えて追い込まねばならない。

8. ブルーライトやレッドライトが気分に影響する

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 色が人の心に与える影響についてはよく知られている。緑から紫まで、あらゆる色が精神に何らかの影響を与えるとする説もある。面白いことに、文化によって色の認識は様々であり、色の効果について普遍的な回答を得ることは難しい。

 だが一貫した結果が出るのは赤と青だ。ほとんどの場合、赤スペクトルは興奮を引き起こし、青スペクトルはそれを沈め、落ち着いた感覚を与える。

 しかし色が人間に与える効果を信じる人たちの間でさえ、意見の一致を見ないことが1つある。それは、実際の色よりも、色相や彩度の明るさのほうが大きな影響を与えているというものだ。これについて、今のところきちんとした説明はされていない。

7. 感覚遮断でありとあらゆる幻覚が見える

People Try Sensory Deprivation Tanks For The First Time

 幻覚というと、麻薬常用者や統合失調症の患者が見るものだと思うかもしれない。だが、健康な人にも簡単に幻覚を見せることができる。

 ケンブリッジ大学の研究では、被験者に光や音が遮断された部屋に15分間入ってもらうという実験をした。

 わずかな時間だが、光と音を完全に遮断することで、被験者をまるで麻薬でも投与したかのような幻覚状態にすることができる。

 幻覚が見えたという人、気分が滅入り、被害妄想を感じたという人、「部屋の中に邪悪な存在を感じた」と話す人など、様々な報告があった。

 驚いたことに、ある被験者は、そこでの経験を「重要」だったと話している。研究者の考えでは、脳が感覚的なフィードバックに慣れすぎているために、それが消えたとき、普段通り感じられるよう感覚的フィードバックを埋め合わせるのだという。

6. バイノーラルビートによる変性意識

Endorphin Release – FEEL GREAT – binaural beats

 バイノーラルビート(左右の耳で周波数の異なる音を聞く)は、変性意識についての最も不思議かつ現代的な現象の1つである。これはiドージング(i-dosing)と呼ばれ、ヘッドフォンで単純な音波を聴いているだけで、人間の持つ様々な能力が向上するのだそうだ。

 中には幽体離脱したり明晰夢を見られるという人も。その根拠として引き合いに出される科学によると、それぞれの耳に異なる音が入ったとき、脳がそれをつなぎ合わせ、脳の両半球を同期するこうすることで、認知力や集中力など、本来持っている潜在能力が引き出されるのだとか。

 一種の幻聴であるが、バイノーラルビートの危険性を証明しようとした実験は、今のところ成果なしで終わっている。

 単なるプラセボ効果である可能性もあるが、多くの人がバイノーラルビートをリラクゼーションの手段として利用しており、効果が得られているということだ。

5. 卓球の球とホワイトノイズでトリップ

Ganzfeld Experiment 1

 幻覚体験を味わう最も変わった方法の1つが、ガンツフェルトマスクだ。これを使えば、かつてウォルフガング・メッツガーが理論化した視界を体験できる。心理学者のメッツガーによれば、特徴のない虚空(雪嵐など)を長時間見続けた場合、幻覚が見えてくる。ガンツフェルトとは、ドイツ語で全体野を意味する造語だ。

 やり方は、まず卓球の球を半分に割って、これで目を覆う。大切なのは特定のものは見えないが、光は通すようにすること。紙で代用することもできる。

 それからヘッドフォンを着け、ホワイトノイズを流す。これは周囲から余計な情報が入ってこないようにするためだ。7の感覚遮断に近い。

4. 就寝前と起床前には幻覚を見やすい

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 いく度か触れたが、健康な人だって普通に幻覚を見ることがある。しかし、その引き金となる要因はそう頻繁には発生しない。

 一方、入眠時幻覚と覚醒時幻覚は非常に一般的で、ほぼすべての人が経験しているだろう。

 入眠時幻覚と覚醒時幻覚は、その名の通り、眠る際や目が覚める際に生じる幻覚だ。寝ぼけた状態は、夢と現実の間にある状態であり、脳はその区別ができないことがある。寝ている間の恐怖体験は、こうした心理学的現象が原因である可能性が高い。

 これを味わってみたいのならば、深い眠りについているときに無理やり起こされることがコツであるようだ。こうすることで、まだ夢を見ていると脳に勘違いをさせることができる。なお、しょっちゅう眠りを妨げられては健康に悪いので注意しよう。

3. 恐ろしいほど簡単に偽の記憶を植えつけることができる

 記憶は自分だけのものと考える人は多いだろう。自分が直接見聞きしたからこそ憶えているのだ、と。

 だが実のところ、記憶とは思っているよりも不安定なものだ。そもそも、記憶は私たちの認識や世界観に基づいて集められたもので、完全に正確なものではない。そのままを記録するビデオカメラではないのだ。

 さらに、出来事をきちんと記憶している人であっても、恐ろしいほど簡単に別の出来事が起きていた、あるいはやったはずのことをやらなかったと思い込ませることができる。

 犯罪心理学者のジュリア・ショーは、偽の記憶をいかに簡単に作り出せるか研究し、それが刑事裁判に与える影響を指摘した。

 彼女によると、犯罪の告訴理由から始まる裁判で、断片的に情報を与え、内容を繰り返し伝えるうちに、人は事実と事実でないことの区別がどんどん難しくなってしまうのだという。

 操作された人は、どれほど操作されているのか自覚できるが、それでも真実を認識することが難しくなる。精神的に参っている個人からあやふやな自供を引き出し、それを有罪にする刑事司法システムにおいて、その意味合いは甚大である。

 誰もが犯罪者に。記憶の書き換えにより犯していない罪を自分がやったと信じ込ませることは簡単であることが判明(国際研究)

2. 脳は温度について実に騙されやすい

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 温度の認識に関して、脳は非常に奇妙なところがある。外の温度がある程度安定していれば、寒さや暑さを感じない程度までほぼすべての温度に適応できる。また熱い温度から冷たい温度に急激に変化した場合、人体はこれに対して激しく反応することもできる。

 この事実は、脳が熱さや冷たさといった感覚情報を扱う非常に複雑なシステムであり、その理解はまだ完全ではないということである。

 最も興味深い現象の1つが、”サーマル・グリル・イリュージョン”という錯覚だ。これは熱い部分と冷たい部分(どちらも中程度)が格子状に並んでいる場所に手を置くと、痛みを伴う焼けるような感覚を覚えるというものだ。主な原因は定かではないが、脳の感覚中枢が混乱していることと関連があると考えられている。

 また飲み物に関する逸話も面白い。西洋では、暑い日に涼もうと冷たい飲み物を飲む。だが常に暑い国々では、熱い飲み物を飲む人が大勢いるのだ。

 夏に熱いお茶を飲むことについて、科学的な裏付けがある。熱い飲み物を飲むと、体が熱くなったと考えて、体温を下げようとするのだ。ただし、汗の湿気を逃しやすいゆったりとした服を着ること。さもないと効果は得られない。

1. 無音の部屋で、体内の活動が聞こえる

Heartbeat sound

 感覚遮断については述べたが、外部の雑音を可能な限り排除した場合どうなるのかという疑問もある。これを知るために専用の無音室が作られる。通常、こうした部屋は、部屋の中に部屋を作り、音が一切生じないようにした非常に洗練された設計をしている。

 無音室の実験では、多くの被験者が不快な経験をして、長い間入っていられない。一部の人からは、体内が動く音が聞こえて、非常に気になったという報告がされている。

 消化器系が動く音や血液が心臓によって押し出され頭部に流れる音が聞こえたという報告、さらには変わった耳鳴りがするという報告もある。

 耳鳴りはまったく正常なものだが、音に囲まれた自然環境では気がつかないものだ。部屋に長時間滞在できた被験者は、さらに奇妙な幻聴を体験している。

 あるラジオ番組のホストは、1時間無音室に滞在し、ハチの群のような音やフリートウッド・マックというロックバンドの曲が聞こえたと話している。それは非常にはっきりと聞こえ、彼が頭の中で鳴っているものではないと確信したほどだった。

via:10 Ways to Manipulate Your Brain (Without Drugs)/ written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント、18件

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  1. もあも~あって映像を妄想しても目には映らんでしょ
    その妄想と目に映るものの間に 壁みたいなものが脳にあると思うんだ
    その壁が壊れて 映るものと妄想がごちゃ混ぜになるのが幻覚って考えてる

  2. >>感覚遮断でありとあらゆる幻覚が見える

    TEDでいってたね、視覚障害者には幻覚があらわれる、しかし精神に異常があるわけではないと

    >>無音の部屋で、体内の活動が聞こえる

    これは4分33秒の作者がうけたインスピレーションらしいね、音は死ぬまで聞こえるのだというのが衝撃だったらしい

  3. 物凄く真剣に考え事をしている時は目の前の景色が見えていないというか意識していなくて
    考えていることが視界に浮かぶんだけれど、これも幻覚みたいなもんか

  4. 柔道の落ちグセもランナーズハイみたいなもんかね。一回落ちると落ちやすくなるんだけどすげー気持ち良いらしいね。セクロス首締めとか?

  5. 3の偽の記憶については、実に簡単に発生させることができるよ。
    興味のある方は下のサイトにてどうぞ。簡単にできる偽記憶の実験。
    ttp://psychmuseum.jp/false_memory/
    (日本心理学会という学術団体のあるページです。ご安心を)

    1. ※5
      見事に想定どおりの結果になったよ。
      終わった後でも納得できずにもう一回見直した。

    2. ※5
      よく分からんかった・・・
      なんで切手があったことになるんだ??

  6. 私、寝付くときによく、血液がジュッジュッって鼓動と同じ感覚で流れる音が聞こえるんだけど、みんなは聞こえてないってこと⁈

  7. 洗面台で水をチョロチョロ流しているときに、その音がが文章に聞こえることがある。「だから恐竜はいないって言ったでしよ、」のような。起きぬけに変な言葉が脳内再生することもよくある。このあいだは、「お屋形さま、築城でござりまする。」だった。

    1. ※9
      うちの食洗器はおっさんの独り言みたいな声で「よっこいせ、よっこいせ」と聞こえることがある。そういう時は「おっさん今日も頑張って洗ってくれてるなあー」と親しみを感じる。

  8. 6の動画再生した途端に膝で寝ている猫がめっちゃうなされ始めた…

  9. 3 みたいなのにはやはり自分
    をしっかりさせるしかないね、

  10. 中高の友達を同じ職場で見たことあるけど
    向こうの会社じゃ学生時代引きこもりだった設定にされてるらしい
    俺の会社も大概ブラックだが3みたいな刷り込みやってんのかね

  11. 光や音が遮断されて15分で幻覚症状ってのはびっくりだな。そんなに短時間でなるんかい。
    たまたま実験した部屋がいわくつきで、本当に邪悪な存在がいたんだったりして。

  12. 6の「バイノーラルビート」とかいう動画聞いてみたら、しばらく耳鳴りが止まらなくなってしまったんだけど・・・

  13. 今までで脳へのダメージ感じたことは空腹・重度うつ・離脱症状・睡眠不足。
    一番やばかったのは睡眠不足。3日寝ないだけで新しい世界が開く。

  14. 覚醒と無意識の狭間(寝るに寝られずに半分起きて半分寝てる)みたいなときの幻覚ほど最悪なものはないと思う。体が痺れて音は異常に大きな耳鳴りと化物の嗤い声みたいなものしか聞こえず、目の前には子供の落書きのような宇宙人の大群。無理矢理体を動かし意識を覚醒させてやっと抜け出せる。真面目に怖い。

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