みどりとは、国鉄からJR九州にかけて運行されている列車である。
博多駅~佐世保駅間を鹿児島本線・長崎本線・佐世保線経由で運行する特急列車である。16往復設定されており、繁忙期には臨時列車「九十九島みどり」、ゴールデンウィークには「有田陶器市みどり」が運行されている。
一部列車は博多駅~早岐駅間で「ハウステンボス」と併結して運行しており、早岐駅で連結・切り離しが行われる。2011年までは「かもめ」とも併結運転が行われており「かもめ・みどり・ハウステンボス」の3階建て列車は有名であった。
使用車両は主に783系みどり編成と787系。ハウステンボス併結運転時は全て783系であり、1~4号車がハウステンボス編成のハウステンボス、5~8号車がみどり編成のみどりとなる。また、4号車と5号車は貫通扉で通ることができる。
なお、車両運用の都合でハウステンボス編成やCM35編成(予備編成)を使用することもある。稀にみどり編成とハウステンボス編成が同時に検査に入ることがあり、「ハウステンボス編成のみどり+みどり編成のハウステンボス」と編成が逆転することもある。
ちなみに当初は肥前山口(江北)~早岐~諫早ルートが長崎線であった為に、博多駅~早岐駅~佐世保駅間を運行するみどりは早岐駅でのスイッチバックが必須となっている。早岐駅~佐世保駅間において、乗車券のみで乗車可能になる特例があり、乗り得列車として密かな人気になっているとか居ないとか。(青春18きっぷでも利用可能だとか)
佐世保線と特急列車として長い間活躍しているみどりだが、山陽新幹線が博多駅まで開業する前は山陽本線・日豊本線の特急列車であった。
当時唯一の関西~九州間の特急列車であったかもめの増発分としてサンロクトオのダイヤ改正で設定されたのがみどりの名称の初出である。これ以来、みどりはかもめの姉妹列車としてみられる事が多い。10月1日のダイヤ改正で大阪~博多間に設定されていたはずだが、主にはつかりで多発していたキハ80系の車両故障に対する予備車確保の為にひばりと共に運行開始が遅れ、みどりは12月15日から運行開始されている。
東海道新幹線開業に伴い従来のみどりの筋は電車特急はとに譲り、みどりは新しく気動車特急として新大阪~熊本・大分間となる。しかし翌年に鹿児島本線の電化が熊本駅まで到達すると新大阪~博多間を運行していた電車特急つばめがつばめ史上最長の運行区間として名古屋~熊本間に変更され、気動車特急みどりは直方市・飯塚市の利用客の需要にも応えるために筑豊本線を経由する初の特急列車として新大阪~大分・筑豊本線経由佐世保間に変更される。
日豊本線の電化が大分駅より宮崎側の幸崎駅まで到達すると筑豊本線経由佐世保駅発着列車は気動車特急いそかぜとして分離し特急みどりは新大阪~大分間の電車特急となる。このとき使用された車両は583系の改良前の月光型581系であり、昼夜運転が可能だった581系が初めて使用された昼の運用である。しかし現在でいうグリーン車が未連結だった為に別府・大分方面への旅行客にあまり評判が良くなかったので翌年には481系に車両変更されている。
山陽新幹線岡山開業翌年には新幹線接続列車として岡山駅発着列車も設定され2往復になり、日豊本線の電化が南宮崎駅まで達成すると宮崎駅発着列車も設定されるが多くの山陽本線特急がそうだったようにみどりも山陽新幹線開業に伴い廃止される。
ところで山陽新幹線博多開業の際に長崎本線と共に佐世保線にも新幹線連絡特急が設定される予定であったが、処々の理由で電化が遅れた為に昼行列車は本州直通特急かもめが廃止され佐世保線には気動車急行弓張が4往復から8往復に増発されただけに留まっている。
佐世保線が電化すると気動車急行弓張3往復減に対して予定通り小倉駅や博多駅から佐世保駅まで電車特急みどりが6往復設定され、全列車が肥前山口駅までは長崎駅発着のかもめと併結していた。気動車特急でなく電車特急同士が併結されるのは初であり、かもめ8両に対して当時の特急列車最短の4両で運行されていた。そして急行弓張減便に対して順調に特急みどりは増発されていき、国鉄民営化直前には13往復になっていた。また、ほとんどの列車は特急かもめと併結していたが国鉄民営化前には全列車が単独運転していた。
国鉄が民営化されJR九州になるとJR九州は使用車両の485系を自社の色である赤色に塗った為「赤いみどり」という列車名と矛盾が生じる事となる。ちなみに2002年10月から2003年3月までの半年間は885系も使用されていた為に「白いみどり」も存在していた。それ以降はみどりの使用車両は783系に統一されていた。
JR九州時代にはかもめの増発の対応としてみどりは再びかもめと併結する列車もでてくるようになる、また佐世保市内に遊園地ハウステンボスが開業すると早岐駅まで特急ハウステンボスと併結される列車もでてくるようになる。ちなみにハウステンボスの号数は基本的にみどりと同じとされている為にハウステンボスの号数には空き番号が存在している。これに伴い博多~肥前山口間は「かもめ・みどり・ハウステンボス」の三列車が併結される列車も存在する事となる。
しかし、これも2011年3月に九州新幹線が博多駅まで開業し博多駅~鳥栖駅間の線路に余裕が出来た事からかもめと併結は解消され、21年振りにみどりはかもめと併結しなくなった。また、リレーつばめ・有明で使用されていた787系が九州新幹線の開業で余剰となったので、一部のみどりに787系が充当されるようになった。「黒いみどり」の誕生である。
2022年9月の西九州新幹線開業に合わせて、みどりに振り子型車両である885系が上下合わせて10本に導入され、博多〜佐世保間の所要時間が最大9分短縮された。これにより「白いみどり」が帰ってくることに。一方で「黒いみどり」であった787系はみどりの運用を外れた。
885系が連結ができないこともあって、ハウステンボス連結列車についてはこれまで通り783系で運行される。
またみどりの一部は西九州新幹線かもめと接続するリレー特急「みどり(リレーかもめ)」となった。「白いみどり(リレーかもめ)」と言うなんだかよく分からない列車も運行されることになったが……。
また、日によっては783系がハウステンボスを連結してリレー特急となることがあり、この際は「みどり(リレーかもめ)・ハウステンボス(リレーかもめ)」となる。まさかの11年半ぶりの3階建て列車の復活である。なおいつになるかは分からないが、西九州新幹線全通後は佐賀~早岐~佐世保の運転になると思われる。(佐賀県知事が嫌がるのも無理ないわな)
文字数の都合で「下り1号」は「下1」と表示。参考として翌日からの新幹線停車駅も記載(新大阪~岡山間は開業済)。ひかりの停車駅は1時間に1本程度運行されていた通称「Wひかり」「赤いひかり」と呼ばれた最速便のみ記載。
駅名 | 新 大 阪 駅 |
大 阪 駅 |
新 神 戸 駅 |
神 戸 駅 |
西 明 石 駅 |
姫 路 駅 |
相 生 駅 |
岡 山 駅 |
倉 敷 駅 |
新 倉 敷 駅 |
福 山 駅 |
尾 道 駅 |
三 原 駅 |
広 島 駅 |
岩 国 駅 |
徳 山 駅 |
防 府 駅 |
小 郡 駅 |
宇 部 駅 |
小 野 田 駅 |
厚 狭 駅 |
新 下 関 駅 |
下 関 駅 |
小 倉 駅 |
博 多 駅 |
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下1 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||||
下2 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||||||
上1 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||||||
上2 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||
参考:新幹線の停車駅 | |||||||||||||||||||||||||
こだま | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||||
ひかり | ● | ● | ● | ● | ● |
参考としてみどり運行時に日豊本線で運行されていたにちりん2往復の停車駅も記載。
駅名 | 博 多 駅 |
黒 崎 駅 |
小 倉 駅 |
中 津 駅 |
別 府 駅 |
大 分 駅 |
臼 杵 駅 |
津 久 見 駅 |
佐 伯 駅 |
延 岡 駅 |
日 向 市 駅 |
宮 崎 駅 |
都 城 駅 |
霧 島 神 宮 駅 |
隼 人 駅 |
鹿 児 島 駅 |
西 鹿 児 島 駅 |
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下りみどり1号 | ● | ● | ● | ● | |||||||||||||
下りみどり2号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||
上りみどり1号 | ● | ● | ● | ● | |||||||||||||
上りみどり2号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||
参考:にちりんの停車駅 | |||||||||||||||||
電車にちりん | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||
気動車にちりん | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
←早岐・ハウステンボス駅 | 博多・佐世保駅→ | ||||||
1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | 7号車 | 8号車 |
G | 指 | 指定席 | 指 | 自 | 自由席 | G | 指 | 指定席 | 自由席 | 自由席 |
ハウステンボス | みどり |
←早岐駅 | 博多・佐世保駅→ | ||||||
1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | 7号車 | 8号車 |
G | 指 | 指定席 | 指 | 自 | 自由席 | G | 指 | 指定席 | 自由席 | 自由席 |
←早岐駅 | 博多・佐世保駅→ | ||||
1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 |
G | 指 | 指定席 | 指定席 | 自由席 | 自由席 | 自由席 |
←早岐駅 | 博多・佐世保駅→ | ||||
1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 |
G | 指 | 指定席 | 自由席 | 自由席 | 自由席 | 自由席 |
大町駅にはかつて停車する列車が存在していた。神埼駅・バルーンさが駅・北方駅・高橋駅・上有田駅にはイベント時のみ臨時停車する事がある。
●は全列車停車、○は半数以上が停車、▲は半数以下の一部が停車、=は他線区経由。
駅名 | 博 多 駅 |
二 日 市 駅 |
鳥 栖 駅 |
新 鳥 栖 駅 |
吉 野 ヶ 里 公 園 駅 |
神 埼 駅 |
佐 賀 駅 |
バ ル ー ン さ が 駅 |
江北駅 | 大 町 駅 |
北 方 駅 |
高 橋 駅 |
武 雄 温 泉 駅 |
上 有 田 駅 |
有 田 駅 |
早 岐 駅 |
佐 世 保 駅 |
ハ ウ ス テ ン ボ ス 駅 |
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みどり [博多~佐世保] |
● | ○ | ● | ● | ▲ | - | ● | - | ● | - | - | - | ● | - | ● | ● | ● | |
ハウステンボス [博多~ ハウステンボス] |
● | ○ | ● | ● | ▲ | - | ● | - | ● | - | - | - | ● | - | ● | ● | = | ● |
1961年10月 大阪~博多間に特急みどりが設定される。
停車駅は大阪 - 神戸 - 姫路 - 岡山 - 福山 - 広島 - 岩国 - 徳山 - 小郡 - 下関 - 門司 - 博多
1964年10月 東海道新幹線開業のダイヤ改正で運行区間が新大阪~熊本・大分間に変更される。
停車駅は新大阪 - 大阪 - 神戸 - 岡山 - 福山 - 広島 - 徳山 - 小郡 - 厚狭 - 下関 - 小倉 - 博多 - 久留米 - 大牟田 - 熊本と小倉 - 中津 - 別府 - 大分
1965年10月 熊本編成は特急つばめに変更しみどりの運行区間は新大阪~大分・筑豊本線経由佐世保間に変更される。
1967年10月 佐世保編成を特急いそかぜに変更しみどりの運行区間は新大阪~大分間に変更される。
1973年3月 岡山~大分間の1往復を増発しみどりは2往復になる。
1973年10月 運行区間が大阪→大分間・大分→新大阪間・岡山~大分間に変更される。
1974年4月 運行区間が大阪→大分間・大分→岡山間・岡山→宮崎間・宮崎→新大阪間に変更される。
1976年7月 エル特急みどりが計6往復設定される。内訳は小倉→佐世保間2本・博多→佐世保間4本・佐世保→博多・小倉間それぞれ3本。小倉・博多~肥前山口間は全列車で長崎駅発着のかもめを併結していた。
停車駅は小倉(2.5/2.5) - 黒崎(2.5/2.5) - 博多(6/6) - 鳥栖(6/6) - 佐賀(6/6) - 肥前山口(6/6) - 武雄(3/6) - 有田(3/6) - 早岐(6/6) - 佐世保(6/6)
1978年10月 1往復増発して小倉~佐世保間3往復・博多~佐世保間4往復の計7往復に増発。
1980年10月 全列車が博多~佐世保間の運行区間になると共に急行弓張の格上げで10往復に増発。
1982年11月 急行弓張の格上げで3往復増発しみどり13往復になる。
1992年3月 一部列車で博多~ハウステンボス間を運行する特急ハウステンボスを博多~早岐間で併結する。
2018年3月 早岐駅~佐世保駅間において、乗車券のみで乗車可能になる特例が設定される。
2022年9月 885系を導入し一部高速化。一部は西九州新幹線に接続するみどり(リレーかもめ)となる。
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最終更新:2024/12/23(月) 09:00
最終更新:2024/12/23(月) 08:00
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