肥前とは (ヒゼンとは) [単語記事]

肥前とは、日本の旧国名、地名、苗字である。 "肥" の由来だが、火の国(ひのくに)から来ているとされる。火山跡の経ヶ岳や福江火山群跡、活火山の雲仙普賢岳や肥後(熊本県)の阿蘇山系の火山が見られ、古くから火の国と呼ばれる由来が少なくとも多数ある。

概要

かつての肥前国。肥後が熊本県にあるのに対して、こちらは福岡県の筑後国を挟んで現在の佐賀県、長崎県に位置する。ちなみに、『壱岐』と『対馬』はその島周辺で1国だったため、『肥前』には含まれない。肥前の国庁は現在の佐賀県佐賀市大和町付近にあったとされ、肥前国庁跡の近くには資料館が出来ている。

佐賀郡(さか、現在の『さが』)、松浦郡(まつうら)など11の郡で構成されていた。

後に肥前国は佐賀藩や島原藩などの諸藩に分かれ、現在の都道府県では佐賀県と長崎県に分割されている。現在、『肥前』を冠する市町村は無いが、かつて佐賀県東松浦郡に『肥前町』があった(現:唐津市)。

マスメディアは長崎県にはテレビ局が4局あるが、佐賀県は1局しかないため、隣県の福岡県の電波を拾っていたりする。しかし、ラジオ局は長崎の放送局、長崎放送(NBC)の支局である『NBCラジオ佐賀』が佐賀県にあったりする。

『薩長土肥』の『肥(肥前)』を表す場合は佐賀藩がある佐賀県の事を指す。

なお、JR九州の駅を見ると、佐賀県と長崎県には『肥前』の付く駅が3線で合計14駅存在する。特に長崎本線に関しては11駅存在するため、JR1線あたりの旧国名付きの駅が最多だったりする。

全国に53件所在。恐らくは肥前国の発祥。

かつて刀工に『肥前』を名乗る者がいた。