湊かなえさんの贖罪について。 ネタバレありです。 麻子の友達だった秋恵の行動で気になることがあります。 秋恵は南条が好きだったはずなのに、別の男友達と付き合ったのは、麻子 の気持ちを聞いて諦めたか譲るような気持ちになったからでしょうか？ また、酔った勢いでしてしまったことに、真面目な性格上、お付き合いという形をとることにしたんでしょうか？ 南条は秋恵がちがう人と付き合ってしまったから、諦めざるをえなかったのはわかりますが…。 なんだか秋恵の行動が理解できないです。 麻子のことを、大好きな南条を譲ってもいいほど大切な友達と思っていたようにも思えません。 読み落としならすいません。 意見をお聞かせください。

麻子が秋恵と南条の間に割り込んでくるまでは、バイト先で二人は仲が良く、秋恵は南条の事を、南条は秋恵のことを好ましく思っていたはずで、しかし互いにはっきりと想いを伝え合うことはできていなかった。 一方、麻子は当時秋恵がまさか南条の事を密かに想っていたとは気付かず、自分の恋を成就させるために南条と仲の良い秋恵に協力をしてもらいたくて、相談したが当然秋恵は二人の仲を取り持つことを拒否する。 それを麻子は自分勝手な憶測から「秋恵を誰かとくっつけさせて、恋人同士の関係になれば、彼女は感謝して自分の恋愛成就にも協力してくれるはずだ」と決め付け、自分の友人の中の金持ち男子で秋恵に興味を持っていた人物を唆し、「彼女は奥手だけど、酔わせて体を一度奪っちゃえばうまくいく」というような事を提案して勝手にデートを設定し、その気の無い秋恵を陥れた。 そして真面目な秋恵は他の男と酔わされて奪われた事だとしても、もはや綺麗な体でない限り、片思い（だと思っていた）の相手である南条には何も言わず彼の前から遠ざかり、成り行き上金持ち男子としばらくは付き合うことになり、同時に麻子と南条の間を心ならずも取り持つ役目を負わされることになった。 ですから、絶対に麻子の事が大切で友情をとって南条を諦めたのではなく、諦めざるを得ない状況に追いやられたと解釈するほうが正しいと思います。 だからこそ、麻子から妊娠のことを聞かされ逆上して、当てつけに偽装自殺を図り（結局は麻子が到着遅れたため命を落としたが）南条に宛てて「実はずっと好きだった」という告白の遺書を残したのだと思います。 実は、ずっと秋恵は心の中で悔しがっていたのでしょうね。