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大そうじへの備え
spqr.hatenablog.com
26冊目の本です。冬コミ(コミケ93)の新刊はNHKで放送された、デビッド・スーシェ主演のドラマ『名探偵ポワロ』の同人誌になります。内容はドラマ全70話から、各話に登場する働く人たちとして、「家事使用人」(メイド、執事、庭師など)をリスト化して、個々の立ち位置や着用する制服を、イラストを交えて紹介する本です。 紹介数は「153人」以上です。 今回は「上巻」として35話分までを扱います。本来は第35話「負け犬」が最後の話数となりますが、代わりに第65話「オリエント急行の殺人」を盛り込みました。また、思ったよりも大きなボリュームゾーンとして、近接する領域の「喫茶店・レストラン」、「ホテル」の制服を着たスタッフも紹介しています。登場機会が多すぎたためです。 単一の作品を扱う同人誌は、サークルSPQRとしての同人活動では初めてです。 タイトル:『『名探偵ポワロ』が出会った「働く人たち」ガイド〜執事
Twitterでは報告していたので、こちらにも。 星海社から、2017年内予定で、「日本のメイドブームを網羅的に解説する書籍」を刊行することとなりました。今時点の原稿量は約51万文字、『英国メイドの世界』2冊分で、分冊になります。2011年に企画の話をいただきつつ、仕事が忙しく進んでいませんでしたが、ようやく調査と原稿が完了しましたので、刊行に向けて進めます。予定では10-11月ぐらいです。 『英国メイドの世界』の久我真樹(@kuga_spqr )さんがこの秋に世に問う新刊『日本のメイドカルチャー史(仮)』の原稿をプリントアウトしたら、7cmを超えるこんな厚さになりました。もはや原稿ってレベルじゃねえだろ!(><) URL 2017-05-15 21:07:42 via Twitter Web Client 星海社からいただいた仮のタイトルは、『日本のメイドカルチャー史』です。1990年代
小林さんちのメイドラゴン : 1 (アクションコミックス) 作者: クール教信者出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2014/07/25メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 『小林さんちのメイドラゴン』が京都アニメーションによってアニメ化するのを記念して、「ドラゴンが恩返しでメイドになる」という同作品以前に、どういう「人外メイド」(人ではない存在がメイド:擬人化する場合・しない場合)作品があったのかを考察しようかと思います。京アニとメイド作品についても語ることが多いので、その考察は近いうちにします。 そもそも『小林さんちのメイドラゴン』の場合、「恩返しはわかる。でも、なんでメイド?」という疑問が生じるかもしれません。これは雇用主となる小林さんがメイドマニアで、ドラゴン・トールの命を救い、行き場所がなかった彼女に対して、「うちくる?」と同居を申し出て、かつメイド姿というリクエ
小説 君の名は。 (角川文庫) 作者: 新海誠出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー発売日: 2016/06/18メディア: Kindle版この商品を含むブログ (6件) を見る 新海誠監督の最新作�『君の名は。』を見てきました。新海誠監督の作品をきちんと見始めたのは2007年の『秒速5センチメートル』がきっかけでした。当時、この作品の第1話がYahooで公開されており、その桜の描写と、『秒速5センチメートル』という言葉、そして描かれた新宿の風景に興味を持ち、公開時は劇場まで行きました。桜、大好きなのです。そこから、過去作品を一気に見ました。 その後、新作が出るたびに見ていました。そして最近、久々の新作ということで映画より先に出た小説版を読み、公開初日に劇場へ行きました。今回は小説版を先に読んでからですが、「あと少しだけ」に届いた物語に、接することができたように思い
『カードキャプターさくら』20周年を記念して 2016年は、『カードキャプターさくら』の連載開始から20周年を迎え、新作の発表やアニメ化が話題となっています。 カードキャプターさくら公式サイト http://ccsakura-official.com/ カードキャプターさくら 連載開始20周年記念 イラスト集 作者: CLAMP出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/03/23メディア: コミックこの商品を含むブログ (3件) を見る 本当に偶然ですが、日本のメイドイメージを研究する活動を続ける中で、私は今年になって『カードキャプターさくら』が1999年時点で「メイド服を着たウェイトレスがいる学園祭」を描いていることに気づきました。以前、『カードキャプターさくら』を読んでいたものの、強い印象に残っていませんでした。 メイド研究をしていて楽しいのは、こうした「作品が、もう一度取り上げら
asin: 4047296562:detail ということで、早速購入してきました。感想はTwitterでのつぶやきからです。 今日は『シャーリー』の最新作も入手。森薫さんのメイド神ぶりを再確認し、あの揺るぎなさを見習いたいです。そして靴を磨くシャーリーの姿を見て最初は「靴」支店だったのですが、今は「大きな作業用エプロンのぶかぶかさ」、エプロンの多様性を引き出すその描写に、新しい魅力を感じました。 2014-05-17 22:57:42 via web @kuga_spqr あ。「視点」が「支店に」…… 2014-05-17 23:04:36 via web to @kuga_spqr シャーリーが大きなエプロンをつける、大きな帽子を被る、大きな手袋を手に、というのは、やはり揺るぎ無いものですね。本当に、あの作品にはぎっしりと詰め込まれています。 2014-05-17 22:59:14 v
新刊のタイトル『メイド表現の語り手たち 「私」の好きなメイドさん』で確定しました。ページ数が100、B5サイズ、それでいてフルカラーという規格外の同人誌です。今回は本文デザインでumegrafix さんにご尽力いただき、私の同人誌史上、最も美しいレイアウトになることができました。 冬コミには2013/12/30(月)、2日目・東1“H”24a、サークル『SPQR』で参加します。 表紙見本 本文見本 そしてようやく、ご参加いただけるゲストの方たちをご紹介できます。これまでの同人活動でご縁があった方たちにお声掛けし、メイドスキーとして名高い方や、メイドへこだわりを持つ方、メイド表現の一翼を担う方、メイドがいる世界観が好きな方など、幅広い領域からお越しいただけました。 基本的には活動されている領域・表現の自己紹介から、好きなメイドさんの魅力を語っていただく内容です。のわきさんと有井エリスさんはイ
2012/04/01より、秋葉原のカフェ『月夜のサアカス』の本棚をお借りして、私の蔵書の一部を公開します。『月夜のサアカス』はコンセプト系のカフェで自分も利用者として使っていて、居心地のいいお店です。 月夜のサアカス:公式サイト 公開の背景としては、2012年04月より秋葉原のカフェ『月夜のサアカス』で蔵書を一部公開に記したように、自分で読み切れない本を死蔵させたくないこと、そしてアクセスしやすい場所に公開することで「メイド情報のインフラ」としての役割を果たす2点が中心です。 企画の意義を付け加えるならば、『月夜のサアカス』はコンセプト系のカフェで、かつ平日は周辺の会社の方々が普通にランチで使えるような雰囲気のお店です。そうした「強い関心を持たない方々」と接点を持ち、「家事使用人やヴィクトリア朝、屋敷へ関心を持ってもらう」試みは、私にとって大きな意義を持つアクションです。 さらに、私自身が
はじめに(ここはQのネタバレなし) 『新世紀エヴァンゲリオン』は自分にとって特別で、アニメから受けた影響が最も大きな作品です。1995年の放送時、19歳だった私は毎週欠かさず、それこそ放送があった水曜日を待ち望んでいましたし、その当時は普通だったVHSに録画を欠かさずにしていました。今でも、「あ、録画をし損ねた」と飲み会の時に思い出したこと、『最後のシ者』を深夜まで何度も繰り返し見ていたことを覚えています。 あの頃、関連するゲームでも遊びました。たとえばセガサターンの派生ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン』(委員長が主題歌を歌う)や『新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression』、それに『新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド』、そしてTRPGのシステムで出た『新世紀エヴァンゲリオンRPG NERV白書』など、エヴァのキャラクターや世界観を相当楽しみました(その楽しみ方の原点は『
倒錯の偶像―世紀末幻想としての女性悪 作者: ブラム・ダイクストラ,富士川義之出版社/メーカー: パピルス発売日: 1994/04メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る 最近、同人メイド関係で今までお会いしていなかった方にお会いしてみようと、酒井シズエ様、そして墨東公安委員会様とお話をする機会を持ちました。今まで、個人的に「自分が言いたいことは、同人で行う」をモットーにしており、人に会って話すとすっきりして創作意欲がなくなるんじゃないの(やや『化物語』の阿良々木君的発想ですが)、というのを危惧もしていました。 実際にお話をしてみると、自分では気づかないけれども知っていることや、相手の視点で見ると見えてくること、そして自分が伝えようとして伝わっていないことなどが見えてくるんですが、何よりも全員が長く(お二方は10年以上?)メイドジャンルに関わっているわけで
ヴィクトリア朝時代のインターネット 作者: トム・スタンデージ,服部桂出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2011/12/21メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 48回この商品を含むブログ (18件) を見る インターネットとヴィクトリア朝? 『ヴィクトリア朝時代のインターネット』は1999年頃に執筆された本で、2011年12月に日本での翻訳版が刊行されました。著者の方は歴史研究家というより、テクノロジ系のジャーナリストで、そうであるが故に歴史資料本とは異なり、読者層を非常に広く設定し、またこの時代に興味が無い人であっても「現代のインターネットとの比較」を自然に行える点で、非常に同時代性を持つ書籍に思えます。 『ヴィクトリア朝時代のインターネット』はまず電信成立の歴史的経緯から、それがどのように社会インフラとして普及していき、どのように使われたか、誰によっ
私は「英国の歴史的な家事使用人」の研究を10年以上続ける立場で、彼らの職種や転職事情、仕事の詳細や労働環境、そして個々人の生き方に強い関心を持ってきました。今回、夏コミ新刊の『英国メイドがいた時代』前半はその延長で作っていますが、後半は「家事使用人」から「家事労働者」へと名を変えた職業が、1980年代以降に英国で復活した現代事情も扱っています。 現代事情を扱うのは正直なところ、非常に難しいです。それでも、今回は「家事使用人の延長として語りえる要素」「読んだ方々に、現代との比較を想起させる要素」を選択して盛り込みました。その中で、ページ数や締切という制約もあって、現代に繋がるところで「ここにも繋がっている」と細かく言及できなかった点が3つありますので、補足として記します。 私が学ぶ「歴史的な家事使用人」が照らしえる領域は非常に広く、少しでも顔を上げると様々なジャンルの学問との重なりがあります
英国メイド(家事使用人を含む)関連書籍の歴史の整理の一環です。まずはメイド関連の知識が掲載されている資料本の変遷を暫定的に公開します。語感がいいので30年史にしていますが、厳密ではありません。私が把握する限りなので、すべてではありません。 1980〜1990年代:「貴族の屋敷」と「生活史」の範疇 『路地裏の大英帝国』(1982年) 『英国生活物語』(1983年) 『英国のカントリー・ハウス』(1989年) 『生活の世界歴史10 産業革命と民衆』(1992年) 『英国貴族の館』(asin:4062050900)(1992年) 『台所の文化史』(1993年) 『イギリスのある女中の生涯』(1994年) 『19世紀のロンドンはどんな匂いがしたのだろう』(1997年) 『英国貴族の邸宅』(1997年) 『英国ヴィクトリア朝のキッチン』(1998年) 『英国カントリーハウス物語』(1998年) 『図
最近、知人との会話の中で「仕事」という言葉をポジティブな意味で使ったら、ネガティブな意味で受け止められて、そのギャップが面白いなぁと思う機会がありました。「その人が使う言葉は、その人がどのような経験をして、見方をしているかで決まる」というのは、『英国メイドの世界』を出版した時に、痛切に感じました。 「メイド」の言葉も、受け手によって大きく意味が異なります。 歴史的英国メイド研究をする立場として無視できないのは、日本における「メイド喫茶」の話題です。私が出版できたのもある意味でそのブームと無縁ではないこともありますので、「英国メイド」経由で「メイド喫茶」に興味がある人に向けてこのテキストを書いてみます。 「私が好きなお店が、今後も続いていくように」との願いもあります。メイド喫茶に詳しい方には「いまさら何言っているの?」と思うことばかりかもしれませんが、多分、私のブログの読者はあまりこの領域に
待望の『Under the Rose』の新刊が発売されてから、しばらく時間が経過しました。本来はすぐ感想を書きたかったのですが、私にとって『Under the Rose』という物語は特別で、自分自身を問われるように内奥へ入り込んでくるもので、なるべく丁寧に味わい、咀嚼し、堪能してから感想を書きたい想いがありました。 ざっくりと『Under the Rose』7巻・最新刊発売(2011/10/01)に記してから間隔が開きましたが、ようやく体勢が整ったので感想を書きます。 Under the Rose 7 春の賛歌 (バーズコミックス デラックス) 作者: 船戸明里出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス発売日: 2011/09/26メディア: コミック購入: 5人 クリック: 59回この商品を含むブログ (37件) を見る ネタバレを回避しての感想で、抽象的な話に終始せざるを得ませんが、「出口が
一昨日、少し機会があって、『エマ』について知人と話しました。その中で私が『エマ』で最も好きなエピソードに触れた時に、『エマ』10巻「アデーレの幸せ」を思い出しました。ここで語られるアデーレの視点は、著者である森薫さん自身の生き方が反映されている、そうでなければ描けないと私は思っています。 だから私は、このエピソードが持つ「仕事の本質」が凝集された結晶のような輝きが大好きです。 以下、ネタバレを含むので、未読の方はお気を付け下さい。 エマ 10巻 (BEAM COMIX) 作者: 森薫出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2008/04/25メディア: コミック購入: 5人 クリック: 213回この商品を含むブログ (246件) を見る 「アデーレの幸せ」というエピソード アデーレはドイツから英国にやってきた富裕なメルダース家に連れられてきたメイドで、ヘッド・ハウスメイドとしてリーダ
先月に『コクリコ坂から』を見てきました。感想を書くのが遅れましたが、作品全体とても強烈な昭和ノスタルジーを感じて、ぎりぎり、昭和51年に生まれた(1976年)私にも懐かしさを伴うものでした。私の年齢ですと、黒電話や家にあったテレビのチャンネルを回す(または物理的に外せる)など、まだ昭和な雰囲気の余韻を味わえていたのではないかと思います。 『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』が「団塊ジュニアが、子供時代を過ごした昭和への郷愁」だとしたら、『コクリコ坂から』は、「団塊世代が、学生時代を過ごした昭和への郷愁」を強く感じました。物語の舞台は東京オリンピックの頃なので、私が生まれる以前の時代で、どちらかと言えば、私の親(団塊世代)が見ると、よりノスタルジックに作品を楽しめるのかもしれません。宮崎吾郎監督は1967年生まれとのことで、私よりもさらに昭和の空気を吸われている方です
久しぶりの経過報告となります。『英国メイドの世界』は2010/11/11の発売から、先日の2011/07/11で遂に8か月を経過(9か月目に突入・もうすぐ10か月へ……)しました。発売から半年で返本期間を迎えると、基本的に本は在庫となって出版社に戻ってきます。半年が経過しても尚、書店の棚に残り続けられる本は、わずかです。 半年が経過した5月に書いた『英国メイドの世界』刊行から半年経過と振り返り(2011/05/13)時点では「これから、返本ラッシュが始まる」と書きましたので、その辺りの続きとなります。 そうは言いつつ、自分で出来ることはしようと、書店の方に「この本は残せる」「他の本との併売ができる」との見込みを持ってもらおうとしたり、様々な角度で伝えて本の売り上げをなんとか伸ばせないかと努力したりしました。そうした様々なアクションの振り返りもします。 結論を最初に書くと、初期のインパクト以
最近、Twitterで見た言葉です。 同人が許されてることを「当たり前」と思ってると、いずれそういう奴の誰かがとんでもない地雷踏むと思うよ。まぁ、そん時は俺も一緒に吹っ飛ぶんだけどね。 2011-06-26 15:02:47 via ついっぷる for iPhone 俺らはそういう胡乱な場所に生きてる。だから一般人や、まっとうな出版社で仕事してる人達へのリスペクト忘れちゃダメだと思うんだ。一同人屋として。 2011-06-26 15:05:20 via ついっぷる for iPhone 同人もコミケも、明日なくなってもおかしくない場所なんだよ。だからコミケスタッフは血を吐いて来たし、今でも血を吐いてる。その辺は、あるのが前程の世代には伝わらないだろうなぁ。まぁ、オッサンの繰り言ですわ。 2011-06-26 15:33:52 via ついっぷる for iPhone 最近はネットの情報共有
英国メイドの終焉を語る際には、「使用人問題」という言葉は欠かせません。英語では「The Servant Problem」「The Servant Question」と表記するこの問題は、時代によって「何が問題か」という意味が異なりました。 まず、19世紀末までに表面化した大きな問題は「優秀な使用人のなり手不足」です。こちらの見解は主に中流階級の女主人(=メイドの雇用主)の間で強い支持を受け、使用人個人の資質に対する攻撃や不満を含んだものでした。いわく、「昔の使用人は優秀だった」、いわく「メイドの質はひどく、訓練が足りない」など。 もう一つの視点が、同じ「なり手不足」でも、「メイドという職業全体」への需要に対する供給不足という、より高いレベルでの構造的問題を扱うものです。こちらが大きく顕在化し、政府が取り組み始めたのが第一次世界大戦に前後した時代で、1920年代以降はほとんどの場合、個人の資
ヴィクトリア朝は『シャーロック・ホームズ』のイメージや、『エマ』のメイドなどで街並みや衣装、生活様式といった点で伝わるところも多いですが、価値観、特に道徳面では非常に厳しい時代でした。社会に力を持った中流階級は福音主義と呼ばれる、宗教上の立場を尊重していました。 福音主義は生涯をかけて信仰に沿った敬虔な生活を続け、「来世の準備」として現世を生きる考え方とされています。プロテスタントのひとつの立場で、代表的なものが18世紀にメソディスト派です。メソディスト派は福音主義にのっとり、清貧を重んじ、形式的儀礼より道徳的生き方や振る舞いを通じて魂の幸福を求める信仰活動を行いました。 日々をどう生きるかによって評価されるとなると、日々の行動に宗教的価値観が強く取り入れられました。ヴィクトリア朝の中流階級では道徳的であることと信仰に沿った生活が望ましいとされましたが、その一方で、商工業を従事するプロテス
最近、チェックしていたところ、グループSNEの初の商業出版『モンスター・コレクション』が25周年を記念したと知りました。懐かしいのと、原点回帰の意味を込めて書きます。 DRAGON BOOK 25th Anniversary モンスター・コレクション テイルズ (富士見ドラゴン・ブック) 作者: 安田 均,水野 良,山本 弘,友野 詳,清松 みゆき,秋田 みやび,中村博文出版社/メーカー: 富士見書房発売日: 2011/02/19メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 21回この商品を含むブログ (9件) を見る 私は小学生の頃にゲームブックに出会い、その後、『コレクションシリーズ』に相当、はまりました。25周年というと、私が10歳ぐらいの頃ですね。 TRPGとの出会い グループSNEによる「コレクション」シリーズは、本全体に一つの流れがある中、たとえばあるモンスターを描写する「
昨年から電子書籍について考察をしてきました。私は同人をメインの場としており、どちらかというと「今のプロ作家が、電子書籍の時代にどう対応するか」というより、「アマチュア個人が表現の機会と代価を得ることで、より創作に時間を割ける環境をつくること」に興味があります。 とはいえ、出版社と作家の関わり方には関心があり、出版から完全に電子書籍に切り替わった場合に最も大きく変わる要素、「著者はいつ、対価を受け取れるか」という点の解消を行うビジネスモデルがいつ出るのか、注目していました。 電子出版だけになると著者は出版の代価をいつ受け取れるのか? 昨年出版した私の本の場合、「印刷した部数」から印税を受け取り(契約書に基づく期間内で支払われます)、仮に印刷部数の10%しか売れなかったとしても、私の取り分は保証されています。(契約形態によって成果報酬となったり、入金タイミングも出版社との契約内容によりますが、
本コラムは出版した本に1日でも長く生きてもらうため、著者に出来ることの第3回目です。本を出した著者が何を出来るのかを考えていくテキストです。 第1回目:出版した本に1日でも長く生きてもらうため、著者に出来ること(2011/01/16) 第2回目:本を書店で初めて売る体験から気づいたこと(2011/01/26) 初見の方は、上記リンクを先にお読みください。 目次 1.はじめに〜前回の続きも兼ねて 2.書店で本を売る感覚 2-1.長期・書店の数の多さ 2-2.返本率 3.書店が一冊の本にかけられるコスト 4.書店の方に提案可能な「私」の取り組み 4-1.POPは店員の方々によることを前提 4-2.書籍フェア・棚つくりへの著者リソース利用の提案 4-3.POPと書籍フェアの実例 5.まとめ 5-1.文脈を作る・関連性を描く 5-2.情報を伝える「ウェブ」の窓口を著者が持つ 1.はじめに〜前回の続
本コラムは出版した本に1日でも長く生きてもらうため、著者に出来ることの第2回目です。本を出した著者が何を出来るのかを考えていくテキストです。 初見の方は、上記リンクを先にお読みください。 目次 1.はじめに 2.筆者が自分の本をなかなか見つけられない〜ジャンルの曖昧さ 3.新刊の強さ 4.書店には本が多すぎる 5.総論 1.はじめに 『英国メイドの世界』の刊行後、私は配本を確認している大書店に出かけました。自分の本が売られているのを見て、私は「ただ書店に並べられるだけでは、買われない(買う気が起こらない)と」思いました。 そもそも書店にはあまりにも多くの本が並んでいました。「こんなに本があるのに、自分の本は見つけてもらえるのだろうか?」と感じたのが、今回のテキストのスタート地点です。 2.筆者が自分の本をなかなか見つけられない〜ジャンルの曖昧さ まず、私が訪問したお店のほとんどで、自分の本
私は、2010年から電子書籍関連を調べてテキストを書いてきました。個人での表現活動を同人で10年以上続けた立場から、電子書籍によって得られる表現機会の広がりに関心を持っていたからです。しかし、昨年11月に講談社から『英国メイドの世界』を刊行したことで、書店の現場や本を売ることに意識が向かい、多くを考えました。 今回のテキストでは、初めて本を出す著者の目で見た現状と、これまでの同人活動の体験から書店販売を相対化し、著者が出来ることを広げ、「本の刊行時、著者としてやってきたこと」という話に繋げたいと思います。 これから全5回ぐらいで、私が初めての出版に際してどのような情報で判断を行い、行動してきたのかを、公開可能な範囲で書いていくつもりです。自分の体験を記録し、考察して、他の人の参考になるかもしれないので発表するというのは、半ば趣味みたいなものでもあります。 目次 0.前提情報:刊行した書籍:
はじめに 『英国メイドの世界』へのAMAZONレビューでいただいた「平易で十全」や「今までにあった家事使用人研究のどの文献よりも読みやすい」と評価していただけたことは、自分にとって響くものでした。同人誌から品質を上げていく際、講談社BOX編集部と共に最もこだわった部分だからです。 読者の方には「読み、感じたことがすべて」です。制作側の意図は評価対象となりませんが、「同人版との違い」「出版社で出すことで得られたこと」を自分として確認する目的で、以下に今回の講談社BOX版で目指した「読みやすさ」を実現するために何をしたかを記します。 『英国メイドの世界』は2つの意味で、私がこれまで多くの研究書を読む中で感じたことや、同人誌を作る中で研鑽したことを踏まえた理想を追求しました。 ・1.日本に存在しない本でかつ、初心者だった頃の自分が読んで楽しめる本 ・2.物理的に読みやすく、読んだ内容が頭に残るこ
今年の5月に魔王と勇者の物語から受け取ったもの(2010/05/17)と感想を書いた、ウェブで公開されていた小説『まおゆう』が、年末にエンターブレインから刊行されます。 まおゆう魔王勇者 (1) 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」 作者: 橙乃ままれ,toi8出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン発売日: 2010/12/29メディア: 単行本購入: 25人 クリック: 1,935回この商品を含むブログ (172件) を見る この本でモチーフにしている関連書籍だけで副読本が作られそうな予感もしますが(本オタク的には知りたいです。ご本人のtwitterでは、聖書関連もあると触れた気もします)、この本を読んで私がこの1年、気になった関連性が高そうな本をご紹介します。視点としては近代の産業化によって国が豊かになるプロセス、ルネサンスと宗教改革、銃の登場と国民皆兵的な軍事上の
『英国メイドの世界』は11/11の発売から、アキバBlog様に掲載された11/12以降、幸いにも想定以上の動きをしています。私の確認範囲でbk1で11/12〜13,15に本全体の売上ランキング1位(在庫あり)、AMAZONでも11/12〜11/14の間で30位台〜70位台を推移しておりました(両方のデータ詳細は書店(オンライン含む)でのランキング調査・定点観測にて公開)。 担当の方より『英国メイドの世界』が店頭に置かれている可能性が高い(一定数の在庫がある)書店についての情報を貰いましたので、実物をすぐ手にしたい、試しに読んでみたい方はご確認下さい。 なお、告知後、店頭から在庫が消えている可能性もありますので、お求めの際にはご面倒でも、店舗に一度ご連絡いただけると確実となりますので、よろしくお願いいたします。 また、店舗内のどこに本が配置されているか分かりにくいので(私の確認範囲では新刊か
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