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kururu.hatenablog.com
『数学ガール/乱択アルゴリズム』の執筆も一段落したそうなので、結城さんに関して私がすごいなと思っているけれども、多分あまり話題になってないことを一つ。 あーーっとその前に。なんか2chで私が『数学ガール/ゲーデルの不完全性定理』のときに「アドバイザー」やったとか書いてあったんですが、大嘘ですからね。っていうか、むしろここが重要。普通のレビュー以外にやったことはといえば、大変だからやめた方が良いと言ったことくらいで。 というわけで、礼儀に反しない範囲で必死になって「そんな本を書くのは危険だから絶対にやめなさい!!」と匂わせたのですが、全く効き目がなかったようでプロジェクトはそのまま続行したようでした。今、この本を楽しんでいる人たちにとっては実に幸運なことに。 http://d.hatena.ne.jp/kururu_goedel/20091224/1261638376 それはともかく、オンラ
@kururu_goedel: @zhanpon 著者のEnderton 先生はUCLAの人。いい人ですよ。 2010-06-25 23:51:33 via Seesmic to @zhanpon @kururu_goedel: @zhanpon あれは良い本ですが(授業でも使いました)、recursiveとかの定義がえらくinformalなんで、そこだけは何か他の本で補えるとよいかも。 2010-06-25 23:50:57 via Seesmic to @zhanpon @kururu_goedel: おやすみなさい 2010-06-25 15:15:39 via Seesmic @kururu_goedel: 「ゲーデルの不完全性定理を詳しく教えてください」だそうですよ、奥さん。URL 2010-06-25 15:13:59 via Seesmic @kururu_goedel: そ
ずっと予告していたやつ、半分くらい書けたので少しずつアップします。その1、その2、その3がそれぞれ1時間ずつでわかった気になって3時間で完成という方針で。歴史的経緯は無視して、「今から考えると、こんなふうにして発見されるのが一番自然だよね」というような説明をしています*1。また、Cohenの元々の論文にあるような強制法のことは全く知らずに書いています。Kunenの定式化がやっぱりベースになっているかな。 さてと。P.Cohenが連続体仮説の独立性を証明する前にさかのぼります。あなたがスタンフォード大学でSol Fefermanにそそのかされてこの問題を解こうと思い立ったとします。まずなにをやればよいでしょうか? それがその当時にわかっていたら苦労は無かったわけですが(爆)。 ZFCが無矛盾*2であると仮定します。証明したいのはすなわちZFC+¬CHが矛盾しないこと*3。論理式の集合が無矛盾
正直なにがどうなってこういう表現になっているのかさっぱりわからないのですが、集合論に対する誤解が広まるのはできれば避けたいので。思想地図vol.5 - hiroyukikojimaの日記の中の話。星野伸明という人の論考に対するとても面白い紹介なのですが、一箇所引っかかって仕方がない文が。 測度論(measure theory)は、簡単に言えば、「無限集合論のお化け」のようなもので、その抽象度の高さは現代数学の中でも際だったものである。 http://d.hatena.ne.jp/hiroyukikojima/20100327/1269666256 この際、「その抽象度の高さは…」は置いておきます。測度論より抽象的な分野なんてたくさんあると思うのですが、最新のmeasure theoryを知っているわけでもないし。ただ、「無限集合論のお化け」ってなんですか?測度論はもちろん無限集合を扱うわけ
もっと真面目に時間があるときにしっかりと書こうと思っていたのですが、時間があるときは来ないということが経験的にはっきりしてきましたのでとりあえずやっつけ書きします。30分間で出来る限りということで。後で書き足したり変更したりすればいいや。一時期一生懸命本を読んだり考えたりしましたが、今はその時の蓄積の記憶で書きます。 念のため、私は数学が専門ですし、純粋数学で応用をアピールできない状況を念頭において書いています。 良いプロポーザルとはどんなものか? 冗談抜きに、私が初めてプロポーザルを書いたときにはこのことすらわかっていなかったんですよ。一生懸命良いものを書こうとだけは思っていたものの、それが何を意味するかさえわかっていなかったんです。 もちろん一般的な意味で良い文章である必要はありますが、プロポーザルなどのような文書に特徴的なのは「いろいろな人がいろいろな目的でいろいろな方法で読む」とい
はいはい、そこまで言うなら釣られてやろうじゃないの。 僕が TeX を使うのを辞めた3つの理由 - ++C++; // 管理人の日記 僕が TeX を使うのを辞めた 10 の理由 - ++C++; // 管理人の日記 念のために言っておくと、(私にとって)本当のことは書くけれども全体としてはこれもネタ記事。数学の世界で10年以上生きてきた人間の半径50cmの真実。Wordが、弱点と言われていた部分を強化しているという話は事実だろうし、普通の企業で働く人にとってはTeXを勉強するよりも有効だというのもまあそのとおりなんでしょう。 でも、TeXを使うべき人がいない、使うべき理由が無いと言うならやっぱり違うでしょうと。あー、このへんもWORDで出来るよと言うなら教えてください。 \mathcal, \mathfrakにあたる字体が無い 少なくともWord2007では表示出来るそうです。ごめんなさ
お断り: 私が読んだのは献本していただいたものです。また、ネタばれおよび私の妄想(かなり強度)を含みます。 「螺旋だ」 どうにもエピローグのこれがきついです。もちろん第7章の終わりの観覧車は螺旋でない単なるループ、第9章の終わりの灯台は螺旋、そこから見える海は今の世界から飛び出していこうとするミルカさんの暗示。んで、観覧車のことじゃない苦手なことはそれが暗示する単なるループでしょう。 というところで私の妄想は膨らんで、最初の『数学ガール』の第1章、桜の木を見上げて立っていたミルカさんを思い出す。ああ、彼女は終わりが見えないループの中、何年も何年も同じ場所で誰かを待っていたのだろうなぁと。同じ学校、同じ年齢のままで。(だから強度な妄想を含むと断っていたでしょうが。こういうのが気持ち悪ければさっさとページを閉じなさい!)。 そう考えればようやく「ミルカさん、テトラちゃんのイスを蹴っ飛ばす事件」
書き忘れましたが、私が読んだのは献本していただいたものです。山形浩生はどこかで、献本されたものは自分で買いなおしてそれでも割高感がなかったもの以外は書評しないと書いていて、それは一理あるので今回は「書評」ではないと明記しようと思っていたはずなのですが忘れました。というわけで、その点をご了承ください。 えーと、もう少し待とうかと思っていたんですけど、まあ書いちゃいます。 数学ガール ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3) 作者: 結城浩出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2009/10/27メディア: ペーパーバック購入: 37人 クリック: 930回この商品を含むブログ (156件) を見る 初めに(誤解を避けるために) 思っていたことをつらつら書いていたら、なんだかとんでもなく誤解を招きそうな文章になりそうだったので*1、重要な点をいくつか 良い本です。本
えーと、Twitter / t33f: 集合論って結局何がしたいのか根本的なところまで理解できてない ...に後でツッコミを入れると言ったやつなのですが(反応まで4ヶ月は私の場合標準)。よく考えてみると、私の考えが他の集合論者に共有されているわけでもないので、以降は私見ということで*1。あ、以降集合論というのはZFC集合論のことを指します。 集合論の何が嬉しいかというと、以下の二点になると思います(もう一度断っておくと、これは私見です)。 ほとんどの数学が集合論のモデルの中で展開できる 集合論に特有の強力なツールがたくさんある あ、ちなみにパラドックスの回避云々はデマですからね。ZermeloがZFCの原型になる公理系を発表した動機は、彼自身による実数の整列可能性の証明を弁護するため。もちろん集合論を公理化するならばすでに知られているパラドックスは最低限避けなければいけないとは思っていたで
もうすでにいろいろな人がそれぞれの立場から書いてくださっていて、まああんまり付け足すこともないのですが。 大元: ユビキタスの街角: 論文査読の落とし穴 taroleoさん: Leo's Chronicle: 論文の先にあるもの 私の反応: 実用性のない研究をそこまで全否定しなくても… - くるるの数学ノート かがみさん: 2009年4月 はやしさんの昔の記事: はやしのブログ ものを考えたり知ったりすることはおもしろい。, はやしのブログ 役立たず万歳! てなさくさん: て日々(2009年4月7日(火)) 住井さん: Twitter / esumii: 私はいつも、例えばニュートンとかユークリッドとかの研究が当時 ... まず、id:taroleoさんの記事に関しては、「実用」「役に立つ」という言葉の解釈の違いから誤読していたということで了解*1。私たち純粋数学の研究者は日頃から、「そん
まあ、私たちのような世界のことは考えずに書いていらっしゃるのでしょうが。 研究の「便利さ」が見出されるのは、近い未来かもしれないし、もっと長くて何十年後かもしれない。それでも、自分の研究の成果が、どのように世の中にインパクトを与えることができるかを考え、そしてそれを一番理解してくれる、あるいは実用化につなげてくれる環境に身を置くことが、研究へのモチベーションの維持するためにも、さらには研究を埋没させないために最も大事なことだと思う。 http://leoclock.blogspot.com/2009/04/blog-post.html どう見ても集合論者は最初から失格です。本当にありがとうございました。 えーと。別に知的興味でいいんじゃないかと思うんですが。私たちは(少なくとも私は)本当に面白くて自明でないことをやっていると思っていますし、それが世界中でたった数人にしか理解できないものであ
えーと、タイトルは釣りです。一応自分もレビューアとして関わっているわけなんで。出版直後に献本を頂いておきながら、今頃のそのそ書いてみます。 数学ガール フェルマーの最終定理 (数学ガールシリーズ 2) 作者: 結城浩出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2008/07/30メディア: ペーパーバック購入: 35人 クリック: 441回この商品を含むブログ (261件) を見る レビューはとても面白かったです。っていうか、あの結城浩さんから定期的にメールが来るですよ?なんかミーハー的に嬉しいじゃないですか(爆)。多分数学的に間違った記述はないと思います。レビューはしたけれども査読と言うわけじゃないのでプレッシャー感じる必要もなかったのかもしれませんが、やっぱり気になって細かく読んでコメントしました。もっとも、最初から大穴はありませんでしたが。 んで、改めて出版されたものを読
初めに言っておくと、私はid:aurelianoさんの科学が絡まない記事は割りと好きでして、http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20080620/1213933128とかhttp://d.hatena.ne.jp/aureliano/20080726/1217073495は良かったなぁと思います。 それだけに、よく知らないことに手を出してやけどしなくても良いのではないかと思うのですが。 本題。「ゲーデルの不完全性定理は世界は矛盾していることを証明している。」だとぉ! - くるるの数学ノートではもうすこしましな理解をしていることを前提にして書いていました。あそこでは、ゲーデルの不完全定理そのものについては言及しておらず、「ゲーデルがこの定理にこめた隠された本質を俺は理解しているのだ」という構造になっていたので*1、不完全性定理そのものは普通に誤解している程度かなと
id:aurelianoさんのエントリには面白いものも多いと思うのですが。 http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20081102/1225620016 久しぶりに激怒しました。感情的に書こうかとも思ったのですが、ここのスタイルではないので。私のゲーデルに対する知識は、他の数理論理学者または集合論者の方々に比べるとお粗末なので、本当は他の方々にお願いしたいところではあるのですが。 それからついで言っておくと、ゲーデルの不完全性定理は世界は矛盾していることを証明している。それを受け取れるかどうかがうすらバカとそれ以外とを隔てる分水嶺となる。 これがどのくらいゲーデル本人の見方と異なっているかはゲーデルの哲学に関する文章を一つでも読んでいれば明白でしょう。または、あの美しい「カントルの連続体問題とは何か」を読んでいれば。それは私にだってわかります。彼は、数学が矛盾して
はてなブックマーク - 大学に行く意義 - くるるの数学ノート 2008年09月25日 natu3kan natu3kan そうか、その業界(ギルド)のヒエラルキーを学ぶために大学に行くのか。横暴な教授に耐えて自分の研究成果を発表する方法とか。大学行かないとギルド入るのも一苦労だしな。 どこをどう読んだらそういうふうに解釈できるのか全くわかりません。「ですね、わかります。」メソッドっぽいです。横暴な教授とかギルドのヒエラルキーとか、そういうものが幅を利かせている分野もあるかと思いますが、少なくとも私の近辺ではそういうことはほとんどありませんし、私はそんなものを匂わせるようなことすら書いていないと思います。ギルドがないとは言いませんが、それなりの定理を証明しさえすれば認められないことはないと思います(もちろん、その結果はより細かくチェックされるでしょうが)。 私がイメージしている「技芸」は、
最上の日々 - 8月17日 まあ、ほとんどの人は大学を「○○大卒」というラベルを取るためとか、人脈を作るためとか、それなりに社会的に認められた立場で自由に過ごすためとかに使っているわけでしょうが、それはここでは無視しておきます。 なぜ人は大学に行くのだろう。結構不思議だ。大学で学べる程度の知識であればほとんど本を読めば足りるのだから。 (中略) だとすると残る意義は、質問できることだが日本人はあまり質問しない。あとは本より生身の人間は注意を引きつける力がつよいこと、同じ事を学んでいる友達がいること自体が学習を促進させること、友達と議論できることくらいだろうか。 ものすごくmisleadingな文章だと思います。そりゃ知識なんてのは本でなんとかなるんですよ。もしなんらかの専門分野で活躍し続けていきたいなら、大学を出た後も勉強はし続けていかないといけないわけですし。でも、それだけじゃだめなんで
量子脳理論 - 白のカピバラの逆極限 S.144-3 個人的な意見だが、「連続体仮説」(continuum hypothesis)が何なのか理解できない人に、ペンローズの仕事を批判する資格はないと思う。 「連続体仮説が何なのか」を本当に理解している人って、Woodin以外にいるんですか?特に、世界の多様性がどうのとかいう問いかけに対して、連続体仮説が持っている意味について語れる人なんて。 うは、forcing required ですか。この夏に結構がんばって理解しようとして(生半可に分かっているとも言い難いけれども)、でもたぶん「数学的手法として非常に面白いが」「世界観を変えるものではない」と思いました。 id:nuc さんとかk.inabaさんが理解しようとしてわからないほどforcingは難しいものではないはずで、そうなっちゃうのはちと問題だなぁと。いや、真面目に細かいところをつめよう
(元ネタ: アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本) まあ、どのくらいの数の集合論オタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、 「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、 その上で全く知らない集合論の世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」 ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、集合論のことを紹介するために 見せるべき10個の定理を選んでみたいのだけれど。 あー、こんな象が針の穴を通るより、買っていない宝くじで10億円当たるよりあり得ないシチュエーションってどうよ。もうこの後は普通に行きます。単に自分の集合論観を伝えられるような定理でそこそこ理解可能なものをピック G. Cantor: 集合論の始まり。少なくともKanamori先生によれば。 N. Aronszajn: Aronszajn treeは存在する
ゲーデルと20世紀の論理学 4 集合論とプラトニズム 作者: 田中一之出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2007/07/24メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 135回この商品を含むブログ (14件) を見る というわけで書評書きます。集合論者としてのバイアスがかかることはご了承ください。 まず最初に言わないといけないことは、「(特に最近の)集合論に興味がある非専門家の人は、自分が日本語を読めることに感謝しつつこの本を読むべきである」ということ。松原先生による第II部は、英語で書かれたものでもここまでのものはないだろうというくらいに、深いところまで簡潔にしかし手を抜かずに書いてあります。この短さの基礎知識を前提としないサーベイに、プレシピタス性とか飽和性とかウディン基数とかの定義が入っているというのはすごいとしか言いようがありません。 その前にある渕野先生による第I部では
反応が遅くなりすぎるのもよくないのでざくっと。モティベーションは「無限のスーパーレッスン」に酩酊する: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる。Wikipedia(ja)によるゲーデルの不完全性定理の項はこちら→ゲーデルの不完全性定理 - Wikipedia ラッセルのパラドックスについてはラッセルのパラドックス - くるるの数学ノートで書きましたが、ここで問題にしているのはの真偽の話でした。それに対して、ゲーデルの不完全性定理は真偽ではなく、証明できるかできないかの話です。大体の筋としては 論理式はわりと自然な形で自然数にコードできる 割と自然なコードなので、「ある論理式の変数になにか項を代入してできた論理式のコード」とかは自然数論(加減乗除+α)で書き表せる 論理式の列もわりと自然な形で自然数にコードできる 論理式の列がある論理式の証明になっているかどうかを自然数論でチェッ
えーと、この前のひどい言われようですが - くるるの数学ノートでid:roi_dantonさんがbewaadさんのところにつけたコメントでのゲーデルの不完全性定理の使われ方についてコメントしたわけですが(なんだこの読みにくい文は!)。読み返してみると削りすぎて本来言おうとしたことが完全になくなってしまっている(爆)ので、ちょっと補足しておきます。 ゲーデルの第一不完全性定理は以下のように表せます。 公理系Γが 自然数論を含み 帰納的に定義可能な ときには、論理式φで、Γからφも¬φも証明できないようなものが存在する。 いや、まあ厳密じゃないですが。第一が「証明って何よ」ってことをきちんとやらなければどうしようもないわけで。とりあえずってことで。 私が気にしているのはΓが満たさなければいけない二つの条件のことです。 自然数論 ここでの自然数論というのは、自然数全体の集合にに足し算と掛け算とい
またもや羽生喜治善治棋士(以下敬称略)の言葉に引っ掛けますが。 http://d.hatena.ne.jp/kaz24/20060518/1147984980 週刊東洋経済TKプラス | Key Personプラス: - 「ネット社会を生きる奥義」 羽生善治(前編)(1) 週刊東洋経済TKプラス | Key Personプラス: - 「ネット社会を生きる奥義」 羽生善治(後編)(1) 数学に関して少し偉そうなことを書こうと思うと、実質的に羽生がどこかで書いていることになってしまいます。はてブでもそれなりに登録されているんですが、いまいち核心部分が理解されていないように思うので、よろしかったら読み直してみるのもよいのではと。 では逆にそれまでの積み重ねはなんだったのか 知識としては役に立たないとは断言できる しかし全く見なかったかたちになったときにどう適応するか、どう学んで理解するか、 その
つーか、もう一つ書こうとしていたことも既に羽生棋士が言っていました。 上手い人とそうでない人の差はどこで生じるのか? 羅針盤が効かない状況で「だいたいこっちにいくほうがいいだろう」という方向性 ベストじゃなくても大体あってるという感じの判断だけは間違えない、感性の違い 「分からない」「答えが出ない」場面にどうするかというのが勝敗を分ける エルデシュのことを書いた本などを見ると、彼を「問題をすぐ解いちゃうからすごい」という方向で称えているわけなのですが、もっと重要な点があるのではないかと。彼は相手に合わせて適切なレベルの適切な問題を聞く能力がとても高かったと聞いています。つまり彼は、彼自身解けない問題であっても、どの程度の難しさの問題で解くのにどういう適正や能力が必要かを見抜いていたわけです。彼が持っていたその力のおかげでどれだけ数学が進歩したことか。 分かることが分かるのはある意味当たり前
この前の記事に対して選択公理が黒魔術っぽいなんてコメントがついていたのですが。どうもこのあたりに関して一般の人の認識と私たちの認識がずれているような気がします。 選択公理が「正しいか正しくないか」「採用するべきかしないべきか」という方向で議論することは現在では圧倒的に少なくなりました。少なくとも集合論者の間では。ZFの整合性からZFC(ZF+選択公理)の整合性が出る、というのも理由の一つではありますが、もっと大きいのは選択公理が(哲学的というよりは)数学的に扱われるようになったことでしょう。このあたりの経緯はMooreの選択公理に関する本によく書かれています。 Woodinなど選択公理の成り立たないモデルをよく使う人たちは、決して選択公理が「正しくない」と思っているわけではなく、単に決定性の公理(AD)などがよりよい仮定になる場合があるから使っているわけです。そして、ZFCのモデルとZF+
うわ、結城さんにお願いされてしまってます。日記は楽しく拝読しています。プログラミングのことはよくわかりませんが、作業への取り組み方などがとても参考になります。 追記:はてなブックマークに「集合論者にとってはωは偶数なんですが。」というコメントが。そ、そうなんですか。解説お願いします。すごく知りたい! [結] 2006年6月 - 結城浩の日記 単に、(普通の)集合論者相手なら、even ordinalやodd ordinalが何を指すのかはたいてい共通認識があって、(おそらく公式に定義されているわけではないけれども)問題なく通じるということなのですが。「集合論では」と書いていないことに注意。 なぜそう認識しているかという部分を書いてみます。自然数に関しては、「2で割り切れるのが偶数」というのが普通の定義だと思います*1。nが非0なmで割り切れるというのは、n=mkとなるような自然数kが存在す
はてなの続き。 最初に断っておくと、Woodinなどがをプッシュしている理由は今回書くものよりもはるかに高度なものです。まあ、よく知られている現象ということで。 えーと、脚注についているのは同業者じゃないとわからない内容だと思うのでわからなくても無視してやってください。 countable support iterated forcing 強制法を繰り返し使うことをiterated forcing(逐次強制法?)と言います。例えば、Martinの公理の証明などは典型的な例ですね。その中でもproper forcingのcountable support(CS) iterationというのが、実数の性質を変える場合にはよく使われます。まあ、実数に関する整合性証明の9割方はこれでしょうか。 ところが、この方法を使うと連続体濃度は常に以下になってしまうのです。通常はですね。*1 んなもん単に技術
ask.fmに書いた回答が見られなくなっているので、こちらにサルベージしておきます。ネタバレ注意。 Q. 集合論を勉強したら質問しに来ますね。 A. えっ、別に集合論の勉強なんてしなくてもどんどん質問してくださっていいんですよ。例えばスクールデイズで一番好きなのはどのキャラですかとか。 【以降、ネタバレ注意】 もうここは桂言葉で譲れないですね。ああ、アニメしか観ていないことは断っておきますが、厨二病なのでできるだけ主人公を推しキャラにしたくないという気持ちがはいってしまうんですが、あんなに素晴らしいヤンデレに脳がやられない方がおかしいです。 いや、本当は途中まで刹那がいいかなとか思ってたんですよ。見た目はともかく立ち位置みたいなのが。でも、戦略家ぶっている割には、世界と誠をくっつける作戦も絶望的に全て失敗しているし、身体を差し出してまで乙女を切り離そうとして、でも結局は誠の自堕落を加速さ
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