育休を終えて、久しぶりに職場に戻った。 懐かしいオフィスのドアを開けた瞬間、空気の重さに気づいた。 同僚が、私より先に昇進していた。 笑うしかなかった。 同じタイミングで入社して、同じように努力してきたのに、育休を取っただけで私は“取り残された人”になっていた。 悔しくて上司に聞いた。 「どうして私だけ昇進していないんですか?」 返ってきた答えは冷たかった。 「育休中は成果が出ていないから、評価対象外です」 なるほど。 この国では、“命を生むこと”は“何もしていない”ことになるらしい。 社会を支える新しい命を育てても、会社の数字に残らなければ「無価値」。 一方で、家庭も持たず、残業ばかりしている独身たちが「努力家」の顔で出世していく。 あいつらの努力って何? 誰も待ってない家に帰るだけの人生を、仕事で埋めてるだけじゃないのか。 愛されない孤独を“キャリア”という名の鎧で隠してるだけだろ。