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2015年9月27日日曜日

かもせー!/Mold on Pizza Deluxeレビュー

ちょっとしたRTSというか、タワーディフェンスならぬタワーアタックゲームなのだけど、なかなかバランスが良くて面白かった。元はスマホゲーっぽいんだけど、戦略性と数で押せ押せみたいなアクション的な部分がいい具合に調節されている。たぶんスマホゲーだから連打して押しこむっていうゲーム性を重視しているためだと思う。


名前の通り、見つけたピザをカビさせようとするカビ軍(プレイヤー)と、すでにピザに居る何か(他の菌?)のRTS系ゲーム。カビには複数の種類があり、時間経過で資源が増えてカビを増やしていくことができる。前述のとおり、タワーアタックで、元から陣地を築いている敵に対して攻め込んで全滅させればステージクリアとなる。


ステージは結構な数があり、途中でカビのアップグレードや他の種類のカビが増えていく。


一応敵と味方には得意な攻撃や防御があるのだけど、完全なジャンケンをきっちりやるような窮屈なゲームではなくて、前面に壁を築きつつ遠距離攻撃を大量配置して連打(カビをクリックすると上図みたいな特殊攻撃が資源(æ°´)を消費して発動する)して強行突破みたいなことの方が上手くいくことが多い。このあたりの考えるより物量で乗り切れみたいな部分が絶妙に頭わるくて楽しい。


またたまにボスキャラとか特殊ステージなんかもあって面白い。
値段安いし結構おすすめ。


なんでも揚げて食えばうまい動画

まずい揚げ物というものに出会ったことがない。なんでも揚げればうまい気がする。
そんなバカっぽい動画ネタによく使われそうなものでも、まともに料理できそうな人がやるとちゃんとしたものに見えるなーとこの動画を見ていて思った。



マックマフィン、カリフラワー、アボガド等々うまいのか気になるものいっぱいで楽しい。乾麺のラーメンを素揚げと、バジル揚げたのにラーメンの粉スープかけるのとかは家でも簡単に出来そうだしやってみたい。ChefStepsでは他にもなんでもかんでもワッフルメーカーに突っ込んで焼こうみたいな奴もあって、それもすげー楽しそうだった。



うまそう。



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MW(手塚治虫)の感想

熱心な手塚読者ではない。火の鳥を読んだこともブッダを読んだこともない。ただ、最近Kindleで手塚治虫の漫画が300円以下で買えるものが多いことに気づいて、短編集なんかを中心に結構読んでいる。なかなか長いものまではまだ手が出せていないが、今更言うまでもないことながら手塚治虫は凄いなと感じる。特に大人向けに書いているような作品はしびれるくらいかっこいい。

MWは最近読んだ中で一番イカす作品だった。
ベースの設定なんかは蘇る金狼にそっくりで、出版順から言えば手塚治虫が影響を受けているのだろう。主人公は昼間は真面目な顔をもっているが、その裏側には自分の目的のためには平気で人を殺すような悪人だ。もっとも蘇る金狼が金のために犯罪に手を染めるのに大して、MWの美知夫はもっと何か邪悪なようなものに見える。途中その犯罪は何かしらの意味があるかのように見えるときもあるが、結局のところ本当の目的は完全にはわからない。何か元の理由はあったが、同じ手塚治虫のガラスの城の記録のように、ただ倫理観が単純に壊れてしまっているのだというのが答えのように感じる。大藪春彦のクールな犯罪者はスーパータフなために何でも平然とこなしている感じがするが、手塚治虫の方はそれが病理であり異常者であるというような表現に見える。

そんな犯罪者が抜け抜けと世間を出しぬいて、それが(お決まりだけど)やがて破綻していくというだけでも面白いのに、MWはそこに更に表題でもある米軍の化学兵器が絡むことで話のスケールが広がって、飽きずに最後まで一気に読んでしまった。得体のしれない名前のとんでもない化学薬品がアメリカ軍によって作られていて、それを手に入れようとするというのはコインロッカー・ベイビーズによく似ている。コインロッカー・ベイビーズはMWが完結してから二年後に出版されているので、影響を受けていてもおかしくない気がする。

主人公はサイコパスであり、同性愛の描写がかなり濃く描かれていて、ここまで先鋭的な作品が70年代に書かれたというのは本当に信じがたいのだけど、もっとも現在に至ってもここまでの作品というのは多く無いはずだし、年代とか関係なく単純に手塚治虫一人が異常であるというだけなのだという気もする。




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2015年9月26日土曜日

NetflixとHuluを契約してみた

Youtube見てると最近バンバンNetflixとHuluのCMを見る。
Netflixは麻薬王にのし上がった男とか、8人の他人が感覚を共有する的な話とか、アメコミのデアデビルのドラマ版とか、どうもオリジナルコンテンツが豊富らしい。んで、Huluはかなり前に使ったことがあるのだけど、海外資本月額VODサービスとしてはたぶん日本に最初に入ってきた老舗なのだけど、日本法人自体は去年日本テレビに売却されたとかいうようなニュースが有った。

で、Netflixを契約してみたのだけど、YoutubeのCMを見ててカリオストロの城がなんとなく見たくなってHuluも契約してしまい、図らずも競合二社のサービスと同時に契約したので、感想を書こうと思う。ただ、テーブルに料金とか並べてどうこう言うつもりはあんまりない。面倒くさいし、たぶんもう誰かがやっているだろう。

で、いきなり結論を書くと、そんなに変わらないし、どっちも継続的に使わない気がする。

そもそも前述のとおり、以前Huluを契約したのだけど解約したのは、そんなに見たいものが無かったし、探せば幾つか見てみようかなという程度のものはあっても、わざわざ探した時にはだいたい無いというようなことが続いたからだ。そういうものなのだというなら、それは仕方ないだろうけど、そういうものなのだとしたら、自分には必要がないものなのだろう。
たとえばテレビのバラエティでも番組どころか、「バナナマン」と調べたって1本の冠番組も出てこないように、見逃したテレビ番組を見る向きには使えないし、映画なんかもツタヤの方が遥かに品揃え豊富だ(そりゃ値段が違うけど)。

なので、海外ドラマ見たいとか、DVD買うのは高いから一ヶ月だけ契約してざっと見て解約するとかじゃない限りは、あまり使いでの無いサービスなんじゃないかと思った。まあみんなそう思ってるからHuluは日本法人を売却したんだろうし、Netflixにしても似たようなズコーっつう感じのサービスである。

差異はHuluの方が多分ずっとコンテンツが多く、しかしNetflixには独自コンテンツがあるということだ。Netflixはコンテンツ量で言えばマジで何もないという感じすらする。そりゃ一人で全部見られるとかそういう話ではないけど、私の地元の何十年前に潰れたビデオ屋の廃墟にだってもう少しビデオが残ってると思う。Netflixは契約しないと何が見えるのかわからない(検索できないし一覧もない)のだけど、それはこの何もない棚を人に見せないためじゃないかと邪推したくなる。
Netflixの独自コンテンツはそんなに数は多そうではないけど、面白そうなものは多い。なので月1000円(SDなら500円付近だけど酷い画質だ)で独自コンテンツを見られて、ついでにちょこっとテレビ番組とか映画を見られるチャンネルを契約してんだと思えば、まあ良いのかもしれない。
HuluはNetflixの独自コンテンツに興味がなくて、もうちょい多くコンテンツが見たいというならこっちだろう。

もっとも貶してはみたけど、そんなにダメかというと、1000円ならまあこんなもんじゃねえかなと思ったりする。ケーブルテレビで1ch契約したら500円~ってところなので、適正な値段であるという気はする。見るものないなーって思っているなら、使えるのではないだろうか。あとNetflixとHuluでどっちもChromecastに対応しているのは良かった(Huluはアプリからしか使えないっぽいけど)。

まあなんか、どこがやろうが日本国内だと同じような感じになるだろうから、もうYoutubeに動画上げられたら消すか権利者が収益受け取りか選べるとかにしちゃえば、なし崩し的にTVで流れてるコンテンツ片っ端からYoutubeに上がったりすんじゃねえのと思ったりする。DVD発売するってなったらバコっと一撃で全消しにできるとかね。

Apple TVでもFire TVでもなんでも良いけど、一個あると便利。

2015年9月23日水曜日

世界は単純ではないが、幸福は案外単純であるのかも/畏悦録 水木しげるの世界

水木しげるが好きだ。
人生はごく理不尽に蹂躙され破壊され得ることを実感として知りつつ、それでもまあ、生きているなら生きているなりのいいこともあるわな、というような底の明るさがある気がする。
登場人物はあっさりととんでもない運命に突き落とされたりするけど、それはごく平易な筆致で描かれていて、ややもするとその状況は考え方の違いや状況の変化で、くるりと幸福と不幸を入れ替えてしまう。世界がそのように描かれて、そしておそらく本当にそうであろうと思うと、私は妙な安心を覚える。


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畏悦録に収録されている短編にも、そんな感じで通底した明るさを持ちつつ、どう捉えれば良いのかわからないような状況が、くるりと吉凶を入れ替えるような感じのものが多い。

血太郎奇談の「なんじゃそりゃ」的なハッピーエンド(だと思う)とか、霊形手術のそれでいいのか的な終わり方とか、天国なんかはもう完全に、いったいなにが幸福で、何が不幸であるのかということについての話だ。ただ天国のような訓話は単純な文明社会批判になっておしまいになりそうなものを、しかしあんな原始的な生活が幸福なのか、おれはまだ旅をつづける、と締めるのがなんとも良い。かと思うと、コケカキイキイみたいに「悪いやつをとにかくぶん殴ろう」みたいな単純な話を豪速球でぶち込んで来るところにも水木先生の魅力がある。

そしてそういうテーマの結論を、大人物という作品の中で、ごく普通の人のはずの妻が語る。
人の一生はまるで寒暖計のように感情が上下するだけのものよ
そこにいくばくかのお金があっちに行ったり
こっちに行ったりするだけのことよ
良いなあ。

2015年9月21日月曜日

無駄な上達と固執/Cook, Serve, Delicious!(2)

自分が何かをうまくなるとかそういうことが、たとえば海外のRPGみたいにスキルポイントに限界があって、つまりは有限のリソースなのだとしたら、私はもう、それはそれは無駄なことにそのスキルポイントを使ってしまっていて、すげー使えないキャラクターになっている自信がある。
もう現在ですらそうなのだから、もっと真面目に勉強とか技術の習得とかに専念すりゃ良いのだろうけど、まあゲームばっかりしている。世のまともなプログラマの人は家ですげー勉強とかするらしいが、私のような専門卒の四流プログラマはそんなことしないし、だいたい定時で帰っているし、それでも飯が食えるので本当にプログラマになって超良かったなと思っている。好きなパソコンの前に座って、好きなプログラム書いて、好きな技術調べたりできるんだから最高である。これが肉屋で働いていた頃とか、特に好きではない肉の機械(重いし刃とかついてて危ない)を分解して洗ったり、毎日床のダンボールを剥がして新しいのを貼り直したり、一日中店頭に立って申し付けられる肉を計量しつづけたりとか、たいそう辛かった。人生は苦しみであった。

もっともそういう単純作業を懐かしく思う気持ちがどこかにあるのか、延々料理を給仕し続けるゲームをやっているわけで、我がレストランはついに5つ星になったのであった。


現在、ゲーム内で100日目、プレイ時間は20時間を超えている。こんな単純なゲームそんなに夢中になってやるもんじゃない気がするが、なんというか、微妙にバランスが良くてついついハマってしまっている。5つ星になれば、とりあえずやめられるかなと思っていたが、驚くべきことにまだ先があるようで、Hungly Festivities Tournamentという一回でもミスったら終わりで、お題の料理のバリエーション(料理によるが十以上あったりする)を延々作り続けるというイベントを全部クリアしなければならないらしい。

このイベントは結構地獄で、まだ2ステージ目の破滅のピザをクリアしたところだが、すでに先行きが不安だ。1プレイ平均20ピザくらい焼いたはずで、200回くらいはプレイしたと思うので、4000枚くらい焼いてやっとのことでクリアしたが、このゲーム中最強のレシピのややっこしさを誇るスープとか出てきたらクリアできる気がしない。


たとえばこのスープのレシピの場合、Bowtie Noodles(日本ではファルファッレとかいうリボン状のパスタ)(左スティック↓)、Bouillon Cubes(ブイヨン)(左スティック←)、Seasoning(香辛料?)(X)、



トマト3つ(LT+左スティック↑の状態でRTx3)、人参3つ(LT+左スティック→の状態でRTx3)、セロリ3つ(LT+左スティック↓の状態でRTx3)で下ごしらえして、煮込めばできあがりである。
で、こういうのが10以上のパターンで入れるものが変わるので、制限時間内に作らなければならない。ちなみに操作の取り消しは不可なので、たとえば上記のような操作x32個を一度も間違えることなく入力すればクリアというわけだ。

こんなものを延々やる理由はあるか、と言われると全く無いが、それでもついついやってしまい上達してしまうところに自分の本日のスキルポイントの枯渇があるのだろうなと思ったりする。こんなことでも延々やってれば当然向上していくだけで、ピザのステージをクリアしたときなんて後半は頭がぼんやりして、英語で書いてあるレシピをなんとなく読むままに手が自動で動いていくような感覚すらあった。自分のイメージの範囲を超えて自分が動いているというのは快感である。
色々な分野で、いくつか経験があるが、最初のうちは「こんな一瞬で何かを判断し動作するのは無理だ」とか思ったりするが、何度も何度も同じ動作を繰り返すと、そのうち体が勝手に定形動作をしてくれるので頭は他のことを考えるようになったりする。そういうのは楽しい。

もとより、何かをうまくなるということは娯楽なのだと思う。
肉屋でも週に6日もシフトを組まれて、土日は朝から晩まで働いていて、遊ぶ時間がなくて本当にやめたくて仕方がなかったが、働くことそのものは嫌いではなかった。私はグラム100円の安肉を試食で美味しく焼けるようになったし、チーフの指示を聞きながら適切なラベルを肉に貼りつつトレーにパックすることができるようになった。
それは明らかに楽しかったなと思う。もっともそんなことを朝も晩もなく延々やるもんではないので、ゲームとしてやってりゃ十分であろう。


ゆるやかで心地よいパズル/Mini Metroレビュー

特に何も考えなくて良いような、パズル的なものをやりたい時ってもんがある。考えないのにパズルというのは矛盾しているように見えるが、たとえばナンプレ(数独)でも、ピクロスでも、作業のような単純なルールを状況に当てはめているだけで、慣れればごく無意識に近い。あれは環境音のCDみたいな、ほかのことを考えることを遮るためのノイズのようなものだ。ただナンプレじゃ延々夢中になって時間を忘れるには、やや味気ない。思考の強度的にも割と集中しないと堂々巡りになったりしてしまう。


Mini Metroはそんなときにばっちしの単純かつハマり度の高いパズルゲームだ。
ゲームルールは簡単で、マップ内に次々と記号の駅が発生していき、駅には他の記号の駅に向かいたい乗客が発生していく。プレイヤーは乗客を待たせることなく、駅と駅を接続するだけだ。

ゲームを始めると、ほとんどルールが語られることもなく操作するままに任されるので、最初のうちはどのようにすべきかもなかなか良くわからないのだけど、それがまたいい。ランダムで駅や乗客が出てくるため、かっちりした正解があるというよりは、アドリブ力任せで、プレイヤーごとの解法があり、プレイごとに手触りが変わる楽しさがある。

たとえば最初にぐるりと円形に線路を作成して、その後円の中や外に駅が増えていったので、円周の路線の車両の数を増やして環状線にして、それ以外の路線は環状線と交差するような構成にしたり、珍しい記号の駅(記号の発生率はあきらかに偏りがある)を中央にして乗換駅(乗客が待機できる期間が伸びる効果がある)としてみたり、狙った構成が上手く効果を上げると楽しいし、出来上がった路線図を見るのも楽しい。


他のことを考えるには、次々と状況が変わっていくし、かといって忙しいと感じるほどのものではない(というか線路の敷設とか組み直し時にはポーズもできる)。なので、時間を忘れて延々プレイすることができる。また1プレイ自体は、割とすぐにゲームオーバーになるため、そこでやめようと思えば中断することも難しくない。

ちなみに個人的な現状での攻略のポイントは、何駅も単線だけでしか行けないというような状況を出来る限り避けるということだ。2,3駅くらいなら良いが、それ以上先に孤立している駅とかがあるとそういうところがやがて破綻の原因になる。また車両数を増やすとか、乗換駅を作るというのも一時的な解決策にはなるが、根本的には路線をいかに構成するかというゲームだという気がする。

派手なゲームではないけど、良いゲームだなーという感じがする作品だ。


2015年9月14日月曜日

ペーター・キュルテンの記録/火の山(手塚治虫)

手塚治虫の火の山。一日限定で¥99になっていて、思わず買ったら完全に読んだことのある本で、たぶん探せば家に紙の本である。


火の山
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どの作品も面白いけど、ペーター・キュルテンの記録が面白い。たまたまちょっと前にハンターハンターを古本で買い直して読んでいたのだけど、何度も繰り返し出てくるテーマとして、「仲間のことは思っているのに、なぜそれ以外の人間にはそんなに酷いことができるのか」というような話が出てくる。実在の人物であるペーター・キュルテンもまさにそんな人間で、妻のことは愛してとても大事にしていたのに、たくさんの人間をゴミのように殺し、犯し、家に火をつける。
そのことがなぜかということについて、結論というのはこの話の中にはたぶん無いのだけど、たとえどれほど酷い悪魔のような殺人鬼でも、普通に人を愛するような部分があり、人というのはそういう複雑な部分がある、陳腐な言い方をすればそういうことなのだろうと思う。



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2015年9月6日日曜日

俺の料理風経営シム / Cook, Serve, Delicious!

PS時代というのはまだまだ家庭用ゲーム機というのがまともに流行っていた時代で、変なゲームも多かった。でも私は変なゲームが好きだ。無難に普通の面白いくらいなら、多少つまらなくたって企画を間違えた感のあるゲームの方が楽しい。

俺の料理は面白くて、それでいてちょっと変でなかなか良いゲームだ。



販売がSCEなので、おそらく当時新しかったアナログパッドを活用するとかそういう企画から始まっているのではないかと思うけど、内容は料理店を舞台にしたアクションパズルとでもいう感じのものだ。おそらく客の料理の注文をさばくゲームというのはコレ以前にもあるのだけど、このゲームが新しいのはたいてい注文を記憶するとか待機時間のマネジメントが中心になるその系統のゲームを、複数のちょっとしたアクションのミニゲームで置き換えてある部分だ。
めんどうくさい記憶を使う部分はすっぱり落として、単調な作業の継続にになることを避けるため複数の注文をまとめたり、グルメの来訪など、飽きない工夫が散りばめられている。グルメの食事をものすごく丁寧につくって、あとの同注文を超手抜きしてまとめ、高得点を獲得しつつ注文を大量に捌けたりするとたいそう気持ちいい。見た目はキワモノだがものすごくよく考えてあり、触っていて楽しいゲームだ。



それからだいぶ年月が過ぎたが、キワモノゲームはやはりキワモノであって、なかなか同じようなゲームをやりたくってもの後続がないなーと思っていたところに現れたのがSTEAMのCook, Serve, Delicious!である。



ちなみに料理をごく簡単な手順だけで作る部分のみで言えば、クッキングママなんかも同系統な気がするが、これは別に料理ゲーをつくろうと思えば自然とこんな感じになるだろうし、そもそもゲーム的な快楽の所在がまるっきり違うので勘定に入れない。俺の料理はあくまで、単純作業をすばやくこなすことが楽しいのであり、クッキングママはごっこ遊びの楽しさである。その点、Cook, Serve, Delicious!の気持ちよさはやはり単純作業をこなすところであり、ついでに言うとインターフェースの見た目とかから感じても、あきらかに俺の料理の影響下にある。



見てのとおり、左上側に出ているのが料理であって、これが時間切れに向かって左側に移動していく。調理工程を一段階進めると時間が戻ったり、調理以外の「害虫駆除」とか「トイレの掃除」みたいな雑用が邪魔してくるのも同じだし、コンセプトが同じとかじゃなくて、システムの基本は同じである。



ただ複数注文やグルメの来訪はなく、またグラフィックも見てのとおり手書き同人ゲーム感丸出しのもので俺の料理よりむしろ退化している。アクション部もアナログパッドをがちゃがちゃやるのではなく、基本的には下に書いてあるレシピどおりに操作するだけである。たとえば上図なら、まずカップサイズをラージにして(A,A)、お茶を選び(→)、注ぎ(↓)、終了する(LB)というような感じだ。

ではこれは単純に俺の料理を単純にしてしょぼくしただけのものなのかというとそんなことはない。Cook, Serve, Delicious!は俺の料理のゲームとしての基本をある程度応用して、また別の面白さを作り出している。このゲームには俺の料理と違って、経営シムの側面がある。

Cook, Serve, Delicious!は日々レストランを経営して、収益を上げて、メニューを増やし、料理をアップグレードして、調理器具を増やしていく。俺の料理は面をクリアしたらおしまいだが、こちらはその結果が良いほど収益も上がるので、また違った楽しみがある。ちょっとずつ自分のレストランが豪華になっていき、料理が複雑で収益性の高いものに置き換わっていくと嬉しい。




そもそも俺の料理より単純であるのも、面をクリア型ではなく、何十回もやり続ける作業であるからではないかと感じる。総じて、計算して、色々なバランスや手触りを変えて、俺の料理とは違った面白さに置き換えてられているという感触だ。

俺の料理も含めて、ちょっと変わった面白い小品をやってみたいならおすすめだ。





俺の料理
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PSアーカイブスでも買える。

2015年9月2日水曜日

Kindleのセール本のページ

「図解」とかのシリーズを100円でどかどかっと買って、考えてみるとこれまでも興味を持つ本なんかがセールになっていたことがあったのかなと思った。たまにブログなんかでセール情報を見て買うことはあるけど、そもそもその情報の大本ってどこなのか。

Kindle 日替わりセール

で、見つけた。
ここのページから月替りセールとかに移動したり、それらの情報を通知するメールに登録できたり、セール情報のtwitterのアカウントへのリンクがあったりする。もっともここからすべてのセール情報が見られるのかわからんけど――たまにやってる○○社の本全部50%オフ!みたいなのとか全部拾えるのか?――とりあえずtwitterアカウントをフォローして、メールに登録してみた。

読んでない本ばっかりどんどん増えていくような気もするけど、物理的に場所をとるわけでもなし、気にせず買っていこうと思う。

9/10まで「図解」とか「知っておきたい」とかのKindle本が100円セール

9/10まで図解、とか、知っておきたい、とか、などのシリーズのKindle本の100円セールがやっていたのであれこれ買ってみた。

図解とか知っておきたいが100円セール

簡単に言うと社会の資料集のようなもので、普通に買うと1000円くらいする。
ぱらぱらっと見ただけだけど、ジャンルごとに分けられているので資料集なんかより範囲が限定されている分、内容はしっかりしているっぽい。日本史、世界史とかぼんやりしている箇所のおさらいをこの機会にやってみようかなと思った。おっさんぽい。

ほかにも、「知っておきたい」のシリーズは伝説の武器や英雄やモンスターなんてものの本がいっぱいあるので、創作の元ネタの資料として持っておくのも良いだろう。

知っておきたい 伝説の英雄とモンスター
西東社 (2014-02-07)
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自分で創作をやらなくたって、ゲームや漫画に色々な用語として出てくることがあるのだから、ざっくりとでも分かっていた方がもっと楽しめるかもしれない。ちなみにこれらのシリーズは図解とかをしている関係上、フォントを分離できないようで、字のサイズなどの変更ができないようだ。なので、大きな画面での閲覧が薦められているが、でっかいタブレットが無いならKindle Cloud Readerを使えばPCで読めるのでおすすめ。