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2015年8月30日日曜日

Big Pharmaで薬品工場を設計する



Big Pharmaは基板に電子部品を配置する作業に似ている。というと、電子工作が趣味の人にしか通じないだろうけど、つまりは、必要な要件を満たしつつ、限りある部屋の中で決められた場所へと経路をつなぐということである。

ゲームには薬にする素材と、薬を加工する機械があり、それをつなぐことがゲームの基本的なルールである。ある入出口に供給される素材を決め、いくつかの機械を通過させて自分が作りたい薬に加工したら、また入出口へとつなぐとその加工費と薬の売価で利益が決まる。
ルールは案外単純で、勝利条件などもさほど厳しいわけではないので、なんとなくやっていればクリアできるが、ちょっとだけ考えるような課題が延々出てきて、また動いてる状態も面白いし、お金も増えていくし、ついついプレイし続けてしまう。
昨日買ってちょこちょこプレイしていたら、すでにプレイ時間が6時間になっている。


インターフェースは英語だけだが、ルール自体は単純なので最初に理屈さえ飲み込んでしまえば不自由することはない。(ただ薬の薬効なんかは聞きなれない単語が出てくるので辞書を引いて調べている)

ゲームの根幹である薬を作る部分については、以下の様なルールがある。
  • 素材には薬効と副作用がある
  • 薬効と副作用は、一定の濃度の間で発現する(発現してなければ効果はない)
  • 薬効と副作用は、薬を一定の濃度で特定の機材に通すと変更できる(副作用は外せないものもある)
  • 副作用がなく、成長した薬効のもののほうが高く売れる
  • BASICの機材は薬の濃度を変更するもので、+1にしたり、+3にしたり、倍にしたりする
  • すべての素材は最後に薬としてMAKERSの機材でパッケージ化する必要がある
  • より高い薬効には、特定の属性(?)の素材と合成が条件に入るものがある(マークでわかる)
というような感じ。素材がどのような成長をするかなどはCURESのタブか、流れてくる素材をクリックすれば確認できる。薬効は発現していなくても成長はさせられるので、目的の薬効まで育てたら、発現する濃度にしていけば良い。もちろん薬を加工するのにはお金がかかるが、成長させる金額より加工費の方が安くなることが多い。
このほか、あたらしい素材を探させたり、素材の供給金額を下げたり、より高いレベルの機材を開発したり、機材の運用費や調達費を下げたり、等々にたいして金額を割り振っていく部分もある。

私はもともとシミュレーションなどは苦手であまりプレイしないのだが、これは全体的に単純に作ってあり、パズル的な快楽が強いのでついつい長時間プレイしてしまう。だらだらラジオなんかを聞きながらプレイしていると時間を忘れて楽しい。こういうのの食品工場版とかあるとよいかもしれない。




2015年8月23日日曜日

2015年8月22日

もっと好きなものを作るべきだなと思う。
いや、それより前の段階で、何が好きか考えるべきだなと思う。
自分の創作については、最近はもうパッサパサで喉詰まりそうだ。
やれることしかやってこなかったことに限界が来ている感もある。
飽々している。



でっかいものとか作ったら楽しいかな。
狩りで捕まえたシカの首(壁からにゅっと生えてるやつ)みたいなの発泡スチロールとかで作ったり。


衝撃吸収マットみたいなやつつなぎあわせてもいいかも。



文章書きたい欲が再燃してきている感がある。

2015年8月22日土曜日

一撃必殺/Titan Souls

同じことを繰り返すのが苦手だ。アクションゲーム、とくに日本のアクションゲームでは多いような気がするが、同じパターンの敵の攻撃を何度も何度も避けて、攻撃をし続けてゲージを削るようなゲームが苦手だ。なぜ一回できたことを二度も三度もやらされるのか。もちろん面白いものだってあったけど、多くは冗長だし緊張感がない。
なら、一回成功したら倒せたら良いし、一回失敗したら敗北で良い。
Titan Soulsはそんなゲームだ。



主人公は弓使いだが、矢は一本しか持っていないので一回射ると、その矢を拾うまでは再度射ることはできない。また防御力はなく、敵の攻撃には基本的に一撃死である。ただ大変良い部分として、ボスも弱点を射てば一撃で倒すことができる。もっとも敵によっては弱点を露出させるためには数度撃たなければならないものもあるが、ほとんどは三発以下で弱点を射つことができる。
一番最初のボスだけ何発か射たなくてはならないが、それがゲーム内最多であると思う。


日本語訳はないが、会話などがないため問題ない。静かで雑魚は存在せずボスを倒し続けるというのはワンダと巨像を思わせる。ドットや楽曲もよくプレイしていて楽しい。ノーマルですべてのボスを倒すまで4時間程度だが、損はないゲームだと思う。






ワンダと巨像
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2015年8月21日金曜日

非日常の先の日常/オンノジ(施川ユウキ)

現代社会崩壊後に生きていく、という話で最初に思いつくのはさいとうたかをのサバイバルだけどそういうリアルなアレではなく、どっちかっていうとうる星やつらのビューティフル・ドリーマーみたいな、もう自分たちの他に誰も居ないけど生活にはなぜか一切困らないみたいなやつ。
ああいう話が大好きだ。

施川ユウキのオンノジは突然世界にひとりきりになってしまった女の子が、元男子中学生のピンクのフラミンゴと出会って日々を過ごすという話だ。そういうとゆるい日常系のようだが、そこはサナギさんの施川ユウキなので、ひとつひとつの4コマ漫画は鋭い切り口で面白く、それなのに切なさが残るという不思議な読後感になっている。
なんとなくAmazonで見かけてkindleで買ったらとっても良かったので、紙の本でも買い直した。

あとがきで施川ユウキが東日本大震災を挟む時期だったと書いていて、そう思って読むと、震災後の日々と重ねることもできるような気もする。ほとんど何の脈絡もなく自分の日常から放り出されて、そうなればもうかつての日常がどのようであったかを思い出すこともできない。テレビでは延々とACのCMがループで流れていて、ぼんやりとした不安が息を殺して部屋にずっと潜んでいるような気がした。しかし普段気づいていないだけで、生きていくというのは本来そういうことなのだ。と。そんな風に受け取ることも出来る。

私は今日もあの非日常からつながった一日を生きているし、そこを今では日常と呼んでいる。


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今年読んだ漫画で一番好きかもしれない。

2015年8月18日火曜日

おもちゃの銃をダンボールで改造する動画

おもちゃの銃を改造する動画というのはよくあるけど、難しいんだろうなーって感じがする。パテで部品をつくったり埋めたりして、それっぽい汚し塗装をして、ああいうのってできればなあ、と思うけど、どこから手を付けていいのかわからない。

しかし、難しく考え過ぎなのかもしれない。
べつにダンボールで部品を作って、缶スプレーでじゃっと塗っても良いのだ。



もちろんこの動画で作ってる人はあきらかに器用だし、それでも出来上がったものはわりとダンボールっぽい。でもいいじゃないか。ちょっと離れてみれば十分それっぽく見えるし、なにより自分でも作れそうな感じがするのがいい。しかも$27しかかかってない。
すてきだ。




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たぶんこれ。

2015年8月11日火曜日

なんでもダンボールでつくろうぜ/コクヨ ハサミ ロング厚刃 エアロフィット スペリオ チタン・グルーレス ハサ-PH240D

ダンボールでいろいろなものが作れれば素材代がいらなくて最高じゃないか? と思って、ダンボールを切り刻んで小さな箱に作り変えたりしていた。そのうちハサミで切っていて手が痛くなってきたので、ちょっと良いハサミを買ってみようかなと思った。
ちょっと良いといっても、別に高級品を買うわけじゃなく、どこから持ってきたのかわからない全然切れないハサミから、¥1,000くらいするちゃんとしたブランドのやつを買うということだ。


というわけで、コクヨのエアロフィット スペリオ チタン・グルーレスというなんだかすごそうな名前のハサミを買った。

使ってみた感想としては、確実に今までのハサミと比べると使いやすいし、軽く切れるようになった。もちろんダンボールなので、すごい超さくさく切れる! とかそんなことはないが、それでも明らかに手にかかる負担は減った。
持ち手ががっちりホールドしやすいというのも一役買っているのだろう。


後ろに写っているのはダンボールを切って、ダクトテープで張り合わせたおもちゃ。
背中の鍵を回すと頭の上のLEDが光るのだ。



怪しい伝説のアダムも山のようにハサミ持ってたし、用途別に揃えたりするもんなのかもしれない。

ものをつくりたい/パンタグラフの本2冊

パンタグラフというのは立体造形の作品なんかを作っているユニットで、日経パソコンの表紙のアレ、と言って通じる人には通じるかもしれない。通じない人もきっとどこかで見たことはあると思うのだけど、ちょっとおかしな架空の機械みたいなものを作っている作品が多くて、とにかくどれも面白い。



パラレルワールド御土産帳というのが、そういう機械っぽいものの作品集のような本で、造形工作アイデアノートという本はそれらをどのように作るかという作例や素材ごとの扱い方をまとめてある本で、どちらもとても良い本だ。

特に造形工作アイデアノートは、芸術作品の実際の作り方が乗っているという点で似た本はほとんど無いのではないかと思う。もちろん芸術作品をそのまま自分でも作ってみるという人は少ないだろうが、たとえばどのような既存の製品を応用して、それっぽい形を簡単に作るかというような考え方はものすごく参考になる。

この本に載っている作品には、実際の市販の製品(プラスチックのコップ、スプレー缶、ヌメリ取りみたいな)を塗装することでそれっぽく仕立てられたものも多くて、見ていてわくわくする。ああ、それなら100円均一なんて自分の将来の作品の山みたいなもんじゃないかと思えてくる。もちろん自分で作らない人だって、よく出来た不思議な機械が意外なものからできているとわかれば楽しめるはず。



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どうやって出来るのか知りたいのであれば文句なくおすすめ。

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作り方はないけど、作品はこっちのがいっぱい載ってて、また楽しい。

2015年8月2日日曜日

Lockitron Mechanical Assemblyのつかいかた

前回書いたとおり、Lockitron Mechanical Assemblyを買った。

自分でつくるスマートロック/Lockitron Mechanical Assembly - ばかおもちゃ製作所

それで、あれこれ触ってみて、だいたい動かせるようになったのでまとめる。
大半はSparkFunの資料を読めば事足りる。

Lockitron Hardware Hookup Guide - learn.sparkfun.com

上記の資料はArduinoだが、私はRaspberry Pi2から制御した。



制作動画


構成と制御の手順


Lockitron mechanical assemblyの構成は前回紹介したとおり以下のような感じ。

- 単3形4本の電池ボックス
- 3V~9Vくらいで駆動するモーター
- 鍵を保持するゴムパッド
- ゴムパッドを保持する回転部(内側・外側)
- 回転部の状態を取得するためのリミットスイッチ4つ

回転部は手でも鍵を開閉できるように二重になっている。概念的には以下の様な感じで動作するものだと思われる(実装は違うのでイメージである)。


図が下手でよくわからないかもしれないが、外側のリングには空間があるので、内側のリングは手で回すことができる。内側のリングはそのまま鍵の取っ手を挟んでいるので、内側が回れば鍵が動く。外側のリングはモーターで動き、内側のリングを押して回る。というかんじ。

これが手でも回せるし、モーターでも回せる、という機構になっている。

で、あれ、でもモーターで鍵閉めたら、手で鍵開けられないよね?(外側が動いて空間が90度回転しているので)って思ったら正解です。そうなると手で開けられない。だから、一度鍵を開けたり、閉めたりすると、そのあとモーターを逆回転させて、上図みたいに手で鍵の開閉ができる位置まで外側のリングを戻す必要がある。

そのためにリミットスイッチが4つ(手前に2つ、奥に2つ)ついていて、手前のスイッチは内側のリングの位置を判定するもので、これがそのまま鍵の開閉状態の検知する役割になっている。奥側のスイッチは外側のリングの位置を判定するもので、奥の2つが同時に押されている位置がちょうど上向きに90度自由になっている位置になる。

なので、たとえば鍵をモーターで開く場合の制御の順序としては、

1.鍵を開くことが指示される
2.内側のスイッチの状態を見て、すでに開いていれば4へ
3.違う場合、内側のスイッチが開状態になるまでモーターを回転させる
4.開閉状態が一致したので、モーターを逆転させる
5.奥側のスイッチが両方押された状態になったらモーターを止める

という感じになる。

モーターの回転方向や、どの向きが鍵の開いている位置なのかはどうも鍵によって違うようなので、自分で向きなどをちゃんと決める必要がある。また上の制御でよいのは、「鍵が90度の回転で開閉する」もののみである(ヨーロッパなどでは何度か回すようなものなどもあるらしい)。

ソフトウェア

上記さえおさえればあとは好きに書けば良い。
動画内で動かしているソフトウェアは以下に置いてある。

sashimizakana/diy-smart-locker

Node.jsでGPIOからLockitronのリミットスイッチやモーターの方向の制御をしている。モーターは東芝のTA7267BPというモータードライバーを利用している。

モータードライバー TA7267BP (2個入): 半導体 秋月電子通商 電子部品 ネット通販

単純な制御なので特筆するほどのことはないが、RaspberryPiのGPIOをプルアップにする方法がよくわからなかった。どうもArduinoとかみたいにさくっと切り替えられるのではなくて、そもそもチップの初期設定でプルダウンかプルアップか決まっていて、それを変えるにはデバイスツリーというハードウェアのプロパティについて記述するものを書き換えたりしないとダメっぽい(あんまりよく分かっていない)。
デバイスツリーについては以下のページが参考になった。

とあるエンジニアの備忘log: Device Tree 入門

で、正直バンバン書き換えるようなものなのか、そもそもそれが正しい手段なのかよくわからなかったので、そもそもプルアップのピンのみ使って作った。RaspberryPi2のプルアップのピンについては、ARMのCPUのマニュアルに書いてあった。

http://www.farnell.com/datasheets/1521578.pdf

102PからGPIOの設定について記してある。

それらを適当に結線したら、あとはExpressでサーバーを立ててsocket.ioで通信するようにして、フロントエンドをAngularJSで書いたがその辺はググればなんぼでもサンプルがあるだろうから省略する。そのあたりはまるごと全部使う人の用途に合わせて書くべき部分である。
なので、読むべき部分というのは実際に制御している以下のファイルだけである。

diy-smart-locker/lock.js at master sashimizakana/diy-smart-locker

前述のとおり、ロックのまわる方向や、どっちのスイッチが押された時に錠が開閉しているかの判定などは自分の環境に合わせて書き換える必要がある。錠やモーターを壊さないように、試すときには鍵を引っ掛けるゴムの部分は外しておいて、ごく軽くリングの部分をおさえて動作させてみると良い(軽くおさえないと、ニュートラル位置に戻るときに内側のリングも一緒に回ってしまう)。それで、ちゃんと鍵を回したい方にリングが回っているなら、良いし、そうでなければリングの現在位置や判定につかうスイッチを変えれば良い。

このサンプルだとサーバーにアクセスできればだれでも開閉出来るし、LAN内だけで運用するなら家の外から鍵を開ける前に無線LANに接続しなければならなくて面倒くさいし、実用性はない。実際に使うなら、BLEだとかICカードなんかでドアの内側と通信するようにするか、出先から鍵の状態を確認したり開けたりしたいならMBaaSなんかを使ってそれ経由で制御すると良いかもしれない。

参考

Lockitron Mechanical Assembly - COM-13648 - SparkFun Electronics

Lockitron Mechanical Assemblyの通販。
※単体で買うならSwitch Science経由で輸入するのが安い

Lockitron Hardware Hookup Guide - learn.sparkfun.com

SparkFunによる解説記事。中腹くらいのリミットスイッチのピン解説間違ってる気がする。書いてあるピンは右側の2つのピン配置で、左側はそれを上下反転された向きになるのでピンの位置が反転してるような形になっていた。
この記事内では両サイドのピンを使っているので、気付かなかったんだと思う。
(ピン側とプラス側が逆になっても動作変わらないはずだし)




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なぜか9月くらいにいっぱいスマートロックの製品が販売されるっぽい。