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2014年1月31日金曜日

帰ってきたヒトラーと水木しげるの劇画ヒットラー

ドイツで賛否両論。ヒトラーが現代に甦り、YouTubeの人気者に『帰ってきたヒトラー』(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース

帰ってきたヒトラー 上
ティムール ヴェルメシュ
河出書房新社
売り上げランキング: 204

どこのニュースサイトだか忘れたけど、この本がドイツで出たときに取り上げていたところがあって、なかなか面白そうな本だなと思っていたけど邦訳されたらしい。ヒトラーが現代によみがえるというと、B級の悪役ガハハ的なイメージがするけどそういう話じゃなくて、ヒトラーがYoutubeの人気者になっちゃって……というコメディらしい。
これまでヒトラーは冷血で人間では無いもののように描かれてきたのが、まともに人としてどういう人だったのだろうという考えから書かれているのが新しいところであるそうだけど、私はヒトラーをちゃんと人として描いた作品を既に知っている。

水木しげるの劇画ヒットラーだ。

劇画ヒットラー (ちくま文庫)
水木 しげる
筑摩書房
売り上げランキング: 15,014

水木先生が冷静な視点で描くヒットラーは、芸術肌で、思い込みが激しく、情熱家で、純情で、ちょっとばかし人よりカッとする、誰だって一度か二度くらい会ったことがありそうな奴だ。変な奴だなあと思ったとしても、そいつが稀代の悪人だなんて思えないし、水木先生お馴染みの素朴なキャラクター付けがされていることもあり、憎めない奴にすら見えてしまう。

もっとも漫画で見えないところで実際には信じられないほどの人々が、子供ですら殺されているのだから、あまりに素朴に描かれすぎではないかと思いもする。しかし、ひどいことをした人間が、性格的にもひどい人間であるかなんて、分かりやしないだろうとも思う(もっとも、だからこそ、ひどいことをした人間はその事実において、どれだけ良い性格の奴でも、ひどい奴なのだ)。
完全に地盤も何もない状態から独裁者にまで成り上がった男なのだ。むしろ、会ってみればとても魅力的で、この人のために何かしてやりたいという気にさせる奴だったりするんじゃなかろうか。

こういう、憎めない奴が誤った目的のために自分の助力を頼ってきたときに、果たして自分は正しく判断できるんだろうか、まあ権力者に頼られるなんて自分には有りはしないだろうけど、ちょっと気になった。

2014年1月25日土曜日

角川70%オフおすすめ、というか延々好きな本の話

本を読むと良い。
なんせ楽しい。

私はそこそこに本を読んできた人間ではあるけど、本で賢くなれるとかそういうことには懐疑的だ。
すくなくとも高校時代には漫画を除いたって一日一冊は小説を読んでいたし(漫画はもっと読んでた)、三年ほどマシン室勤務をしていた頃は多ければ一日三冊は本を読んでいたけど、それでどうなれたということもない。私は中の下の高校を下の下の成績で卒業して、だれでも入れる専門学校に入り、だれでもできるようなプログラムを書いて生活している。
しかしながら、賢くなれなくたって、あるいは馬鹿になるとしたって本があると良い。

ブラック企業に勤めていたころ、その後プレッシャーのキツい工場のシステム部門で働いてたころ、辛かった時期が続いたが本があったお陰でなんとかやっていくことが出来た。窓もないマシン室で毎日10時間以上一人でマシンの監視をしているときも、古本屋から100円で買ってきた小説のおかげで退屈することがなかったし、仕事に行きたくなくて次の日になってほしくない夜も、難しすぎて何が書いてあるのかさっぱりな評論集なんかを一文字づつ追うことで時間をゆっくりと感じて落ち着くことが出来た。結局中身は理解できなかったけれど。

そんなわけで、本を読むべきであって、角川が電子書籍を70%オフにするという信じられないことをしている。これだと漫画や文庫本なら150円から200円くらいで買える。大半が漫画だが思わず30冊ほど買ってしまった。これくらいの値段ならもう古本を買うこともないし、これで継続されれば、これこそが我らが夢見ていた本当の電子書籍の適性価格というやつなのではないか、と思う。

というわけで、買った本とか、おすすめの本とか、その関連とかを適当に書きなぐる。
おすすめというよりは本について適当に書きたいことを書くつもりである。
なお、70%オフの本以外にも紹介するし、電子書籍じゃない奴も入るかもしれない。


大塚英志が好きだ。
大塚英志を初めて知ったのがこの漫画で、そのあとにロリコン雑誌の編集長だったとか、宮崎勤の裁判に関わっていたとか、評論を書いているとか知った。ちなみにロリコンって今書くと、すわ児童性愛者! という感じだけど、吾妻ひでおなんかの漫画での使われ方を見ると、当時はたぶんプリキュアだとかみたいなアニメを好む大人を指して使われていたのかなと思う。
で、私はこの人の書くものが好きだ。この人の作品はもちろん、それよりも更に評論とか、素の文章のリズムが大変好きだ。書いていることも繊細で、頑なで、それでいてユーモアがあり、とにかく好きだ。出版社と喧嘩ばっかりしているし、イベントに現れて壇上の人に喧嘩ふっかけたとかそんな話も多くて、付き合うと疲れる人なのだろうなと思うけど、そんなところまで含めて好きだ。というか今思ったが私は人が自分の信念とか真っ直ぐさゆえに人と喧嘩している人が好きなのだと思う。ウラ・アオゾラブンコの文豪同士の喧嘩とか胸が踊る。

サイコ自身は高校時代に一巻を読んだ時には大変衝撃を受けたが、その漫画が今も続いているというあたりで、まあ何をかいわんやという感じもする。私ももう三十を越えた。面白いなと思う辺りくらいまで読んでやめれば良いと思う。このあとに何か衝撃的な結末が、とか、すごい伏線の回収があるはず、とかそういうことを期待してはいけない。

もっともその辺大塚英志は商業作品を商業的に正しくやってんだろうなという気がする。売れる以上作品を終わらせる理由はないのだろう。綺麗に終わっても、商品価値が失われてしまっては商業製品としては役に立たないってことなのかもしれない。

キャラクター小説の作り方 (星海社新書)
大塚 英志
講談社
売り上げランキング: 110,369

物語消費論改 (アスキー新書)
KADOKAWA / アスキー・メディアワークス (2012-12-24)
売り上げランキング: 9,617

そのあたり、この辺を読むとわかるような気もする。
ちなみにどっちも後半に行くに連れて脱線し始めてどこかに行ってしまうのは、漫画なんかと同じ。というか大塚英志の著書の多くがそうであるかもしれない。そのへんの脱線してまとまらなくなる辺りも私の好きなタイプの作者であるかもしれない。フィリップ・K・ディックとか。私自身がそういうタイプだからかも。

今回のセールだと、黒鷺死体宅配便ととでんかを買った。


黒鷺死体宅配便は上のキャラクター小説の書き方で例として上がったりしてて名前だけ知っていた。どっちもオカルトを話の軸に据えて割合似た印象の作品だけど、とでんかの方がよりウンチクが多く現実と架空の境界線が曖昧だったりしてて好みだ。
これをまとめて買って、一巻ずつ交互に読んでると、どっちにも笹山が出てたりして、途中でどっちがどっちのエピソードなのかよくわからなくなって混乱した。とりあえず現状は普通に面白いけど、まあ終わりとかは無いんだろうなという感じ。


逆に見事に終わると言ったら、とにかく矢上裕である。
エルフを狩る者達以降は打ち切りなのか、自分で終わらせてるのかは分からないが、大半が3~5巻くらいで終わっているがそのどれもが狙ったように綺麗に終わっている。私はどれも好きだ。
アゲハを追うモノたちは今回セールだったから買ったが、今までの矢上裕作品のキャラクターに似た人たちがパラレルワールドな感じで出てきていてなかなか楽しい。もっとも初めて矢上裕の作品を読むなら、やはりエルフを狩る者達がいいかもしれない。ただ巻数が多いのでそれが気になる人には、住めば都のコスモス荘をおすすめしたい。

住めば都のコスモス荘 1 (電撃コミックス)
矢上 裕 阿智 太郎
角川(メディアワークス)

原作付きではあるが話しはほとんどオリジナルだし大変矢上裕っぽい。
最終回あたりとか本当に大好きな漫画だし、中古でも安いのでおすすめ。

見仏記 (角川文庫)
KADOKAWA / 角川書店 (2013-05-31)
売り上げランキング: 74

いとうせいこうとみうらじゅんのイメージってどんなもんか。
多分なんかテレビに出てるメガネと、なんかテレビに出てるロン毛みたいな感じではないか。
なんで出ているのか分からないが、なんか文化人とかそういう奴なんでしょ? みたいな。
でもこの人たちは本当に面白い人たちで、大変すごい人たちなのだ。みうらじゅんはマイブームとかゆるキャラとか現在も普通に使われる言葉を作り出した人だし、いとうせいこうは日本語ラップの開祖とでも言うべき人だ。見仏記はその面白い人二人が一緒に仏像を見に行く旅行記だ。

ちなみにこの二人がやってるザ・スライドショーというイベントもすごく面白い。

ザ・スライドショー コンプリートボックス [DVD]
ジェネオン エンタテインメント (2002-10-11)
売り上げランキング: 22,725

またみうらじゅんのおしゃべりはYoutubeなんかでも聞ける。


いとうせいこうはなんといってもファミコン文学の最高峰(他を知らないけど)のノーライフキングがすごい。

ノーライフキング (河出文庫)
河出書房新社 (2013-03-27)
売り上げランキング: 7,602

子どもたちの中でファミコンの世界と現実の世界が交わっていくというお話。
でも決してファンタジーでありえないことが起きるということではなく、ファミコンを媒介として子供の間でだけ存在する共同幻想が生まれていくということ。私は子供の頃からゲームが大好きで、どうやったら自分はゲームの世界に入れるのだろうと真剣に思ったことが何度もあるので、この世界がゲームに侵食されていくイメージには胸がドキドキする。間違いなく私の人生のベスト小説のうちのひとつ。短くて読みやすい。

新興宗教オモイデ教 (角川文庫)
KADOKAWA / 角川書店 (2013-07-17)
売り上げランキング: 414

人生ベスト小説と言えば、新興宗教オモイデ教も入れたい。70%なので持ってるけど買った。
大槻ケンヂは最近ではアニメの主題歌なんかを歌っていることも多いけど、文筆業でもかなり有名な人で、小説やエッセイはどれも面白い。特に新興宗教オモイデ教は処女作にして、中二病文学というか、童貞文学というか、そういうものの最高峰にある。

縫製人間ヌイグルマー (角川文庫)
KADOKAWA / 角川書店 (2013-09-13)
売り上げランキング: 406

あとこれはまだ読んでないんだけど、井口昇監督、しょこたん主演で映画化されるそう。
あとしょこたんの理想の男性(ゲーム強い、猫好き、傷がある、キックがきれい、ヌンチャクが振れる)って、大槻ケンヂがかなりクリアしている気がするんですがどうでしょう。ライブ中にヌンチャク振る人ですし、傷のメイクしてるし。

人として軸がブレている (角川文庫)
KADOKAWA / 角川書店 (2013-09-09)
売り上げランキング: 321

これも買ったけどまだ読んでない。
エッセイはとにかく山ほど出てて山ほど読んでる。エッセイ好きな人なら面白いと思う。
エッセイは昭和軽薄体ってつまり、漫画誌とかの巻末の投稿コーナーの編集者のコメントみたいな(今でもそうか知らんけど)非常に砕けた調子で書かれている。「こーゆー絵を描けるなら、練習すればもっと上手くなれちゃうぞ!」みたいな。違うかもしれん。
今回の70%オフでもいっぱい出てるけどたくさんあるので、一冊だけおすすめするとしたら、今までのエッセイの面白いエピソードとかの総覧みたいになってるリンダリンダラバーソールが一番おすすめ。これを読むといかにして大槻ケンヂがロックミュージシャンになったかとか、バンドブームの時代(X JAPANとかが出てきた時代)はどういうものかわかる。

リンダリンダラバーソール (新潮文庫)
大槻 ケンヂ
新潮社
売り上げランキング: 150,690

もちろん大槻ケンヂの他のエッセイと同じくかなり脚色してある感じはする。
本人も言ってるけど、面白いと思ったら話を盛っちゃう人である。そのせいでAmazonのどれだかのエッセイだったかのコメントで「誰々と出会うエピソードが読むたびに派手になっていってる」とか書いてあって笑った(山ほどエッセイが出てるので同じエピソードは何度か語られているのです)。

というあたりでいつもどおり凄い長くなったのでおしまい。
本読もうぜ!

2014年1月20日月曜日

Unityが最高に楽しいのでゲーム作った「りつとび」

先に完成品

りつとび(単体ページ)

Unityについて

Unityはゲーム開発のためのエンジンを統合した開発環境です。
簡単に言うとゲームを作るための全部入りツール。

Unityのここがすごい

プログラミングをぜんぜんやらなくてもマウスぽちぽちしてるだけである程度のものが簡単に出来る。
たとえば冒頭のりつとびはソースコードだけで言えば全部で100行もないし、制作時間は何か作ろうと決めてから5,6時間程度。
Unityのつかい方が多少わかったので、もう一回似たものを作るなら1,2時間あれば出来る。
更に出力先は多少設定を変えるだけで、Web PlayerでもPCでもAndroidでもイケる。
そして一番重要なのが基本タダだということ。
年間1000万円以上稼いでいたり、より高度な機能を利用する以外はタダで利用できる。
Unityで1000万円以上稼いでPro買いたい!

りつとびについて

ともかく何かを作るのが習得する近道だろうと思ったので作った。
利用したモデルは鼻8Pさんのへちょますのモデル。
このMMDのモデルをMMD for Unityを利用して取り込んだ。
また爆発のパーティクルはWarFXという$20のものをアセットストアで購入した。
爆発のサウンドは同じくアセットストアから、無料だった8bit-Soundsというのを利用している。
プログラムは以下のような感じ。

律ちゃん

スペースキーとかマウスクリックとかでaddForceしてジャンプする。コケないように回転とか縦以外の移動について制約がつけてある。それだけ。

柱

回転するバーの柱部分。rotateでぐるぐる回る。
常に角度を取得していて、直前より減った(=360を越えた)場合一周したというメッセージをコントローラーに投げる。5回ごとに回転速度をランダムに変更する。

バー

回転するバー。
ぶつかると爆発のパーティクルを追加してぶつかった相手(律ちゃん)の足元あたりにAddExplosionForceして爆発を起こす。
上述のとおり律ちゃんには制約がついているので外してから吹き飛ばす。
んで、ヒットしたというメッセージをコントローラーに投げる。

コントローラー

各種メッセージを受け取って、スコアを増やしたりゲームオーバーにしたりする。

まだどういう風に分割すべきか、どのような方法で処理を伝えるべきかはあまりよく分かっていない。
SendMessageは高コストという話もあるし、そもそも誰が情報を必要とするかを送信者が知っている必要があるため、あまり便利に使えない。
それなら自分で購読者とメッセージ名を記録して通知があったら、呼び出せばいいやと思ったら、既に例があった。
http://wiki.unity3d.com/index.php?title=NotificationCenter
これを適当に直して使えばいいと思う。

まとめ

よい。
Unityは大変よい。
すごい面白いおもちゃを見つけたと思った。
あとりつとびは5周ごとの難易度が高すぎてクソだと思った。

次回予告

2Dゲームつくるよ!
(もともとそのつもりで始めた)
あと時間があったらりつとびの制作動画みたいなのもつくるよ!
艦くりもとりあえずちょっとだけアップデートするよ!(まだあまりできてないよ!)

参考

【Unity】素人が7日間クソゲーを作り続けてわかったこと – uinyan. com

Unity4入門   最新開発環境による簡単3Dゲーム製作
浅野 祐一 荒川 巧也 森 信虎
ソフトバンククリエイティブ
売り上げランキング: 3,046

公式のチュートリアルやってから読んだ。簡単なので初学者にはいい感じだと思う。

2014年1月13日月曜日

デイリーヤマザキのチーズタルトとプリンタルトがやけにうまい


うまい。やけにうまい。
デイリーヤマザキのプリンタルトとチーズタルトがやけにうまい。
こういう菓子パンって、プリン感とかチーズ感が足りなかったりして、食っても食わなくても一緒だったなって気持ちになることが多いんだけど、これはうまい。値段も安めで大変よい。大変よいので大変まずい。
何がまずいかって、チーズタルトの方なんて400KCalを越えてる。
プリンタルトは200KCalそこそこだけどローカロリーってわけではない。
やっぱうまいもののカロリーは高いぜって感じ。

2014年1月8日水曜日

イカすぜRisk of Rain

steamで買ったRisk of Rainが良いゲームだった。



全部の要素が見通せる程度に収まっていて、それでいて沢山のアイテムやプレイヤーキャラクターによってやるたびに手触りが変わる。ローグライクはあまり得意ではなくて、これはまごう事なきローグライクなのだけど、アクション性が高いからかクリアまで飽きることもなかった。初クリアまでにかかった時間は19時間ほど。

主人公キャラは見ての通り非常に小さく、マップはやたらと広大に感じる。慣れれば意外とそうでもないことにも気づくが、最初は設定のとおりどこか知らない惑星に取り残されたような心元なさを感じた。

音楽やグラフィックも素敵だ。とにかくエイリアンを殺しまくるゲームなのだけど、激しい感じではなく、最初のステージなんてメランコリックな印象すらあって、その曲がとても好きだった。
アートワークや音楽からは洞窟物語を思わせるところがあって、きっと制作者の人が好きだったりするんじゃないかなぁと想像したりもした。もっともアクションやゲームそのものの手触りは洞窟物語に似ている部分は特にない。

ともあれ面白すぎてキーボードでやっていたら肩がすごい痛くなったので360の有線コントローラーを買った(デフォルトで360コンがサポートされている)。そうすると肩も痛くなくなったし、それからまもなくクリア出来たしで、良いコントローラーがあるとゲーム体験はぐっと向上するなと思った。




現行機では360コントローラーが一番好き。