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2019年11月4日月曜日

普通にやってくこと

普通であったり、特に面白くなかったり、いつもどおり上手く行かないことに、がっかりせず、頑張らず、淡々とやる、みたいなことがきっと必要なのだなあ、と。
つまりもっともっと良くというのは一種の快楽依存みたいなもんで、時として過剰になるし、変わらないことに極端にがっかりしてしまったりするし、普通でええねん、普通にさほど成功しないくらいでええねん、と。
それを延々と積み重ねることで、運が良ければいつかどこかにたどり着くねん、と。
そういうことを、Super Hexagonをやりながら思った。
 

2019年9月8日日曜日

Legal Dungeon ネタバレ考察

以下、Legal Dungeonのいちばん最後までのネタバレを含みます。

***

注:エンディング14の見方は分かってないです。

蒼が犯罪に至るまでの道筋を抑えると、あまり詳細に描かれていない最後の話も一応は理解できるような気はする。始まりは二個目のホームレスの事件からで、この山本さんの事件というのは、その後の「釣り」をやるときにわざわざ山本さんを連れてきたことから、蒼にとって傷になっていることが分かる。
この「釣り」の代金は一万円で、逮捕エンドの方で山本さんが支払っていないビラの料金と同じなのは、もちろんそういうことだろうと思う。山本さんは(チャットを見る限りたぶん渋谷を経由して)蒼に行方不明になった孫を探していることや、金の相談をしていて、蒼はその代金を工面してやる代わりに釣り餌を頼んだわけで、もちろんそのせいで山本さんが殺されてしまうなんて、想像もつかなかっただろう。
エンディングで蒼が泣き崩れるのは、電話の内容で自分が頼まれた金の使いみちを理解したからであって、また、鳥居祐一を犯人に仕立てたのも、元々なんの問題にもならなかったはずの事件を特殊窃盗にせざるを得なかった(鳥居祐一は山本さんを取り押さえた張本人)ことに、何らかの憎悪があったせいもあるのかなと思う。

全体を通して、まだ良くわからないこともいくつかある。

例えば、自殺幇助の事件は、瓶が二つ転がっていたとか、二回お金を振り込んでいることが明らかに重要なポイントになりそうなのだけど(以前も足りなかった、ということで訴えられていることと関連するし)、あまり言及もなくすんなり通り過ぎてしまう。

また、出世エンディングで、原田がなんで蒼のベッドのこと知ってんねん(女の上司のベッドを知ってるって普通ありえないよね?)とか、冷蔵庫のおつまみってなんやねん、とか、……って今書くためにテキスト読み直してて気づいたけど、あれは原田が蒼を怪しんで家に侵入してベッドを確認した(ので、おつまみのことも知ってる)という話ですね、これ。
そこから行くと、署長が「冷蔵庫」って意味ありげに言ってるのは、おそらく蒼の家か車は盗聴されてて、このときの会話から蒼が関与しているのを知ったということなのだろうか。

もちろん一番大きな謎というのは、エンディング14のことで、適当にググってみた感じではそれについて明確な正解を書いている人は見つけられなかった。
作者のインタビューを読むと「すべてのエンディングは、犯人への裁定を変更することで見られる」と、わざわざエンディング数に言及したあとでこう言っているので、どれかの事件の結果を変えられるようなキーワードを入れるのではないかと思う。

とはいえ、フォーラムでは思いつく限りの名前とキーワードは入れてみた、と書いている人もいるので、単純にゲーム内に出てきている単語などではないような気もする。
また、作者上述のインタビューで、「ゲームオーバーにならないために評価を操作したあなたと、評価のために被疑者を拷問した(現実の)警官のどこが違うのか考えるべきだ」なんてことも言っているので、よりメタ的な視点で考える必要があるのかもしれない。

2019年7月17日水曜日

Bloodstainedクリアした

Bloodstainedクリアした。月下の夜想曲と蒼月の十字架をやったことがあったんだけど、完全にその系譜っていうか、そんなどころじゃなくぴたりと同じ列に並んでるタイトルだった。ちょびちょびジャンプしてキャンセルしながら切りかかったりするところすら同じだった。
同じだったので、完全に同じように面白かった。
斬月の顔がありがちな男前じゃなくて、なんかムイッと口をひん曲げてるオッサンであったのが非常に良かったですね。まあ月下の夜想曲と同じ感じのゲームなので、最後はヴェルマンウェ枠の武器で蹂躙っすよ。

2017年12月10日日曜日

子供といっしょにOvercookedをする



自分の好きなゲームを誰かとやるっていうのは、ずいぶん久しぶりだなと思った。
子供の頃にあたえられたゲームがPCゲームだったので、たいていゲームの相手は兄だった。それは本当に楽しかった記憶なのだけど、当時のPCゲーにはさほど多人数プレイや、協力プレイのものは多くなく、私と兄がある程度成長してからはあまりそういう機会もなくなってしまった。
その当時のPCゲームというのは大変にニッチな趣味であって、私は他人とゲーム体験についてあまり共有できず、そのうちそもそもそれを求めることもなくなった。ゲームは一人でやるもんだ。

ただ、子供ができてからは、ぽつぽつ協力ゲーをまたやるようになった。
海外ではCOOP(協力プレイ)のゲームが日本より人気なこともあり、steamのインディーズゲームにも優れたローカルCOOPを備えたゲームがいくつも有る。Overcookedはコンシューマにも移植されたゲームで、めちゃめちゃな環境下で料理を作るゲームだ。楽しげなゲームだが一人でやると結構面倒くさい。

発売当時に買ったときはまだ子供が小さくて、たとえば「たまねぎ取ってきて!」と言っても、それをどこに置けば良いのかわからなかったりした。つまり「たまねぎを一つ取って、お父さんのキャラクターから取れる位置のテーブルにおいて」、という指示をちゃんと明確にしなくてはならなくて、クリアのためには私は細々指示を出し続けなくてはならず、本人は延々細かく指示され続けなくてはならず、あまり楽しめなかった。

それが今ではざっくりした指示でも良いどころか「こっちはぼくがやる!」なんて作業を進めてくれる。子供の成長は目覚ましい。また、相手の様子を見ながら、作業をフォローしていくとうまく回ってきてゲーム自体も楽しくなってくる。

家族とゲームをするなんて懐かしい。
子供を見ていると、そこに遠い日の自分が居るのを感じる。

2016年12月5日月曜日

steamリンクを買ったらWifiルーターまで買うことになった

前の記事に書いたとおり、steamリンクとコントローラーを買った。
steamリンクは自分のPCとテレビなんかをwifiで接続してストリーミングするための機器で、ChromecastだのFireTVStickだのAppleTVだの、ああいう製品群のひとつだ。


買った時点では使えなかった。というのもうちのwifi環境は802.11b/gしか対応していない8年も前のエントリクラスの製品で、帯域が全然足りておらず、しかもwifiルーターとPCとテレビは階を隔てた別の部屋にある。少し動かすと画面が固まってしまい、使い物にならなかった。遅延10秒とかそんなレベルである。

果たしてwifiを置き換えたとして、これが治るのかということには確証がなかったが、どのみちwifiの帯域が不足しているのは間違いなかった。スマホにタブレット、数々のゲーム機、ChromecastにFireTVStick、いつのまにか家の中には無線通信する機器だらけだ。そんなわけで、AtermのWG1800HP2という一世代前の上位機種を買うことにした。

で、設定したらバキっと動いた。遅延は感じられないというほどでないが、僅かだ。本当に一瞬の操作遅れが命取りみたいなものではきついかもしれないが、私は気にならない。ちょっと集中してゲームをしていたら忘れる程度のものだ。


もともとは私がPCで作業をしていると、長男が私が部屋でゲームをしていると思ってやってきてはゲームをしたがるので、テレビのある部屋でゲームができるようにならないか、と思って買ったものだが、その目論見は外れた。というか注文して届く前に気づいたが、steamリンクでゲームをしている間、PCはゲームにフォーカスがあたっている状態になるので、作業のしようがない。

ただ居間でPCゲームが出来るのはなかなか愉快だ。昔は良く妻の隣でゲームをして、ストーリーについて一緒にあれこれ話をしたりしていたが、PCゲーが中心になってからはあまりそういうこともなくなっていた。steamリンクでまた昔みたいにゲームをやったりできるかもしれない。

不満が無いわけでもない。なんとなく動作が不安定だ。PCの状態によるのか、いきなりsteamクライアントが落ちたり、なぜかゲームが終了せず二重に起動していたり、ダイアログがPC側に出ているせいでsteamリンクが無応答(フォーカスされているウィンドウ以外にダイアログなどが出ると表示されない)に見えたり、いちいち二階の作業部屋まで行くのが割と面倒だ。しかしこれはリモートデスクトップを利用してノートPCからアクセスすれば良いかもしれない。




+1500円くらいで現行世代のエントリークラス(でも帯域はこれより広い)も買える。

steamコントローラーを使い始めた

steamコントローラーとsteamリンクが国内販売が始まったので購入した。人気が高いからか発送までかなり時間がかかったが、土曜日に届いて、何時間か試しにsteamコントローラーを使ってみた。steamリンクについてはまた改めて書く。


steamコントローラーは言わずと知れた、valve社謹製のコントローラーで、おそらく、マウスやキーボードが必要とされているタイトルのゲームもコントローラーだけで遊べる、とか、コントローラーだとどうしてもFPSなんかでマウスに撃ち負けるのをどうにかする、とかそういうところを目標に作られたのではないかな、と想像している。


というのも、steamコントローラーには右スティックがなく、代わりに大きなタッチパッドになっており、これの挙動は(設定で変更できるが)基本的にアナログスティックよりは、マウスや、ノートパソコンのトラックパッドなんかのイメージに近く、PC側での認識は完全にマウス操作になっている。
スライドすると、振動で細かいクリック感を出すようになっていて、慣性があるので素早く動かすと動かした量以上に素早くカーソルが飛んで行く。
これはつまり、ほぼ等速で動かすしかないスティックとは違って、熟練すれば、狙ったところに瞬時にぴたりと動かせる、というようなことを狙っているのだろうと思う。

では実際に使ってみてどうか、というと、かなり辛い。これはそもそも私がここ十年近く、steamを含めゲームの大半を360コントローラーでやってきており、また右スティックに完全に慣れているというところも大きいと思う。なので、そういう人間の意見である、と差し引いて聞いてほしいが、狙ったところに合わせられないし、また右ボタン位置も縦にかなりずれているせいで、反射的にAだと思ってYを押したりしているようなことが何度も発生している。

またコントローラ本体のナリもかなり大きい。私の手は世間一般の男性として、平均くらいなものだと思うが、少し持て余しそうな感じがある。360のコントローラーが手にすっぽりハマる感じなのと比べると、こちらは手の中で一杯になるという印象だ。しかし使っていてそこまで疲労感などを覚えることもないため、これはそもそもそのように持つほうが良いと考えて作られているようにも感じる。

更に、ゲームによっては、コントロールが、マウス+キーボードがある、または右スティックを備えたコントローラー、という前提で作られた武器選択になっているものがある。これはつまり、キーボードでは数字キーで武器選択、コントローラーではLBなんかを押しっぱなしにすると武器選択ホイールが出て、右スティックで選ぶというようなものだが、steamコントローラーの場合、LBを押しっぱなしにして武器選択ホイールを出しても、右スティックがなくパッドはマウスなので選べない、ということがあり、この操作をどうやっていいのか私にはわからなかった。

それでは、steamコンを使わないか、というと、そうではなくて、しばらくはこれを使ってみようか、という気になっている。

というのも、前述のとおり、やはりこれを使うとエイムがちょっとマシになるのではないかということに、期待を持てそうだと感じたからだ。まだ全然うまく動かせないが、それでも、狭い範囲での動作だと、今までよりヘッドショットがかなり取れやすい感じがする。それに、これまでスティックだと、狙っているところまで、ウニョーン、と動かしている気がしているのが、ぴしっと動かす感じがするので、ゲームの手触りが少し違う感じがして楽しい。
マウスの代わりになるのも便利だ。さほど多くはないが、steamのゲームにはコントローラーサポートがないものがあるが、そんなゲームもある程度ならプレイすることができる。感心したのが、それぞれのゲームの他人のコントローラーの設定が、公開されていればそのまま利用することができることだ。しかもこれは利用者数などでランク付けされているので、みんなが認める良いキーコンフィグみたいなものを、何も悩まずに使ってしまえる。

ほかには、グリップの裏にある握りボタンみたいなものが、何かと便利だ。この位置はとにかく押しやすいので、多くのコミュニティのキーコンフィグで「使う・乗る・拾う」みたいな便利用途をまとめた設定にしてあったりして、キーバインドがどれかわからなければとにかく握る、みたいな感じでどうにかなったりする。これは結構気持ちが良い。




結局こっちに戻るかもしれないけど。

2016年4月24日日曜日

Nuclear Throneを140時間近くやっている

注意:ネタバレ全開の記事です。

前回に攻略メモ的なものを書いてから、途中やるのをやめたりしつつもNuclear Throneのプレイ時間は140時間に届こうとしている。前回から100時間経験を詰んだが、どうなったかというと、案外うまくなっていない気もする。1時間やってれば1回位はNuclear Throneに到達するし、4,5回に一回くらいは二周目にも入れるが、立ち回りを覚えた以上の上達はないような気がする。ちなみに最高到達点は二周目の1-3とかだと思う。二周目はカオスすぎてそれこそ立ち回りとかじゃなくて、反射神経なんかの世界という気がするので、先に進めない。

前回書いたときとはゲーム自体が正式版になって仕様変更されているところ、追加になっているところがある。たとえばベータ版のときはNuclear Throneは倒したらそのまま二周目に続くようになっていたが、正式版では普通に倒すだけだと、玉座に座ってクリアになるようになった。

▲二周目に続かないで終わってしまう
二周目に行くには、玉座に行く途中の道にある巨大なジェネレーターを4機すべて破壊してからボスを倒さなければならないが、これがかなりきつい。普通にボスを倒すのは、ベータのときより簡単になった気がするが、二周目に行くのは前より遥かにキツい。なんせジェネレーターはかなり堅い。

▲ジェネレーター、ボス戦が始まってアクティブ化しないと破壊できない

ゲーム自体の難易度調整も色々入っているのではないかなと思うけど、ちょっとした武器の修正とか、敵の強さ修正なんかは気のせいかもしれずあまり自信がない。たぶんそもそも公式がちゃんと更新のたびに公開しているのだろうし、攻略Wikiを読めば書いてあるだろう。

個人的にでっかい変更としては、雪の面のボス(Lil' Hunterというらしい)が強化されたことだ。前の記事ではあんまり強くないとか書いてるけど、現状ではNuclear Throneの次に強いキャラクターだ。山のように避けにくい弾をばら撒いてくるので近づきづらい上に小さいので弾が当たりにくい。面の構成的に狭いところで出てきてしまうと単純に詰む、すごく嫌なキャラだ。壁に隠れて乱射してなんとか仕留めるしかない。Bolt Marrow(矢がちょっと誘導弾になる)と強めのボウ系の武器があれば、画面外から撃ち込みまくって倒せるのでちょっとはマシになる。

キャラの登場条件も変わっていて、前は適当に進めていけば全部揃ったが、隠しステージへの侵入に登場条件が変わったものがあり、正直攻略Wikiを読まなきゃわからないような感じになった。一応書いておくと、ねじ回し(スクリュードライバー)を持って3-1まで進んで、金色の縁取りがある車を攻撃して修理して行けるY.V's Mansion.でY.Vが手に入る。

▲この車をスクリュードライバーで叩く


▲Y.Vのマンション。敵強い。
Last wish(体力全回復+弾薬)をとって雪の面に咲いているラフレシアっぽい花に何回か体力をやればJungleに進めてPlantが手に入る。

▲この時点でLast Wishを持ってればこの花が出現する


▲Jungle。敵が隠れまくってるので誘導兵器とかショットガンとかで撃ちまくる
あとは以前と変わらないが、一応書いておくとHorrorの獲得条件は、経験値の入ってるポットを2ステージ連続スルーすることだ(割らないでクリアする)。1回スルーで、ポットはでかくなって、2回目にスルーするとHorrorが敵として出てくるので倒せば使えるようになる。この出現条件のせいで後半の面で敵をやっつけてたらポット取りそこねてHorrorが出てきて結構やっかいな目に遭うことがある。
▲やっかいな目にあっているところ
立ち回りは、前回書いたときとさほど変わった所はないが、突然変異はBolt Marrowが好きになった。これとTrigger Fingers(敵を倒すとリロードが早くなる)を併用して、Splinter Pistolとかで撃ちまくっていると楽しい。後半でもそれなりに安定する。
あと個人的には弾が遅くて爽快感がないのであまり使わないが、追加された武器ではSeeker系等は見た目より攻撃力があるので、雪の面みたいな道が狭いところで連射してると、上手いこと敵を掃討してくれる。

逆に使わなくなったのはSluggerで、攻撃力があっても速射性が低すぎて、うっかり飛び込まれて殺されるリスクが無視できないと考えるようになった。上位種なら使うが、Slugger自体はかなり優先度を下げた感じ。

ともあれ、やっぱり大変面白いゲームなのでおすすめです。

2016年1月30日土曜日

The Beginner's Guide感想

The Beginner's Guideをプレイした。
The Stanley Parableのクリエイターが作った作品で、あちらよりは遥かに短くあっさりとしていて、90分ほどで終わるし、より作家性の強いものでもある。わお、そんなものが出てたのか、じゃあやらなくっちゃ、という人はプレイしてくると良い。このあとに内容について触れるので。


この作品をそのまま受け取ればフレネミー(友達のように見える敵)の話だろう。語り手はCodaのことを勝手に解釈して、あいつは病気だと触れ回って、あまつさえ勝手に作品を改変して、それを人にやらせることで才能ある病んだ友人のことを心配する自分であろうとし、自分にない創作する力というものを友人にやらせて成果物だけを己の手柄として扱っている。Codaが悩んでいるのは創作についてのことではなくてお前が居るせいだと最後にははっきり言明されている。

そもそもゲームというのは作者が誰かにやらせるものであり、その中での体験というのは、作者が誰かに体験させようとしていることであって、作者が欲していることであるというような解釈がそもそも的はずれなのだと思う。

そのラインで考えると、わざわざCodaがやってくれと言ってきて、しかも最初にやらされたはずの版では永久ループになっていたあの掃除のゲームに深い意味があるのだという気がするが、これについては私はあまりピンと来ていない。この時点では別に語り手はまだCodaのゲームを改変して人にやらせたりまではしていないはずだし、なぜそんなもんをやらせてニヤニヤしてんだろうか。案外Codaは深い意味とか考えるよりはもっと単純に「ループしてるゲーム延々やっとるー!」くらいのお茶目な人だってことなのだろうか。

それから語り手がつけたのが街灯だけなのかということも気になる。私はなんとなく、街灯があるところ以降はすべて勝手に作ったのではないかと思ったりする。



もうちょっとまともに解釈的な話で言うと、Codaというのは作者自身のことであり、語り手は世間の声であって、芸術家である自分に対して踏み込んで来ようとすることへの拒否反応のようなものであるというようなことだ。ごく単純に面白さのために作ったものをやたらと深読みしたり、意味はなんだと問いかけたりし、自分の精神状態がゲームに反映されているだのと言いやがる。芸術ってのはそんなこっちゃないのだ。ただ作っているだけなのだ。黙れ。黙ってお前も作ってみろ。そんなところではないだろうか。

最後のステージは文脈からするとCodaが作ったものであるわけはなくて、語り手の心理の反映であり、そこで語り手が言う「いろいろやらなきゃいけないことがある」というようなことは、物を作り出したということだ。語り手は(この記事がまさに書いているように)批評的なことばかり言うのをやめて、創作を始めて、広大な迷路の中へと踏み込んでいく。奇しくも、Codaの最初の作品のように、天に浮かび上がり、足元のはるかな迷宮と、果てしない空の下でゲームは終わる。
これは創作者のための、The Beginner's Guideなのだ、と。

まあそういうこと書くと、村上春樹の文学評で呼んだ覚えのあるフレーズで表現すると、「ちょっとその見立てはイージーだと思うな」という感じかなという気もする。(たしかこれは作中の木が父性の象徴である的な評論についてのコメントで特にゲームの話は関係ない)。

もうちょっと踏み込めば、実際には作品というのは往々にして、それほど単純にはっきり比喩として表現しきれるものでもない。というか、それこそがこの作品のひとつのテーマであるとも言える。人の精神がそうであるように、作品は微妙に矛盾するような複雑な面を持ちえるし、他者への言及は同時に自己への言及にもなりうる。

実際のところ、最後の部分でちょろっと書かれているだけだけど、(Codaなんて人物が実際にはもともと居なかったとしても)最初のCodaの作品には街灯はなかったのだし、もっと意味は薄くごく単純で純粋なものだったのだろう。そこに街灯を立てたのは語り手であり、そのような明確な意味というのは、語り手が付け足していくようなものなのだという意味にもとれる。

もっとも、Codaは自己であり、語り手は他者であるというのは前述のとおりやや単純すぎる考え方で、実際のところCodaと語り手はひとつの人格としてあっても不思議ではないと思える。賞賛を得たいというのは誰でも持っていて不思議ではない気持ちだし、何かを作っているときに、ふと、これって自分が作りたいわけじゃなくて人が褒めてくれるからやっているだけだよな、なんてことを思ってイヤになることもある。昔はもっと純粋にものを作ることを楽しめたのに今はそうじゃないという風に考えることだってあることだ。芸術家としての純粋さみたいなものと、評価を得たいという気持ちはそんなに遠い考えではないのだろう。



ちなみにこのトレイラーもその仕込みの一つに入れてあるのだろうなと考えられて楽しい。ここで起動されてるバコバコ跳ね返される柱のステージには、実際のゲームにはあった仲良くなりたい有名な人みたいなものは存在していない。それからゲーム内に無かったフレネミーっぽいステージなんかがあって、適当に見てる限りENEMYの人が「GIVE US ANSWERS」とか「ARE YOU OKAY?」とかゲーム内の語り手が言いそうなことを発言してたりする。また途中のエクスプローラには2011年の6月以降のゲームもあるし、それは明確にCodaはその後も作り続けていて、語り手と絶縁しただけであるという風にも見える。

単なる想像だけで書けば、このトレイラーで見えているのは実際に昔このゲームの製作者が作っていたオリジナルバージョンであって、四角い頭の奴らと街灯を立てて、自分の試作に意味をあとづけてして、ひとつの作品に仕上げたのかもしれない。
だとすると、それはすげーイカすやり方だなと思ったりする。




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イージーすぎるぜ。

2015年9月27日日曜日

かもせー!/Mold on Pizza Deluxeレビュー

ちょっとしたRTSというか、タワーディフェンスならぬタワーアタックゲームなのだけど、なかなかバランスが良くて面白かった。元はスマホゲーっぽいんだけど、戦略性と数で押せ押せみたいなアクション的な部分がいい具合に調節されている。たぶんスマホゲーだから連打して押しこむっていうゲーム性を重視しているためだと思う。


名前の通り、見つけたピザをカビさせようとするカビ軍(プレイヤー)と、すでにピザに居る何か(他の菌?)のRTS系ゲーム。カビには複数の種類があり、時間経過で資源が増えてカビを増やしていくことができる。前述のとおり、タワーアタックで、元から陣地を築いている敵に対して攻め込んで全滅させればステージクリアとなる。


ステージは結構な数があり、途中でカビのアップグレードや他の種類のカビが増えていく。


一応敵と味方には得意な攻撃や防御があるのだけど、完全なジャンケンをきっちりやるような窮屈なゲームではなくて、前面に壁を築きつつ遠距離攻撃を大量配置して連打(カビをクリックすると上図みたいな特殊攻撃が資源(æ°´)を消費して発動する)して強行突破みたいなことの方が上手くいくことが多い。このあたりの考えるより物量で乗り切れみたいな部分が絶妙に頭わるくて楽しい。


またたまにボスキャラとか特殊ステージなんかもあって面白い。
値段安いし結構おすすめ。


2015年9月21日月曜日

無駄な上達と固執/Cook, Serve, Delicious!(2)

自分が何かをうまくなるとかそういうことが、たとえば海外のRPGみたいにスキルポイントに限界があって、つまりは有限のリソースなのだとしたら、私はもう、それはそれは無駄なことにそのスキルポイントを使ってしまっていて、すげー使えないキャラクターになっている自信がある。
もう現在ですらそうなのだから、もっと真面目に勉強とか技術の習得とかに専念すりゃ良いのだろうけど、まあゲームばっかりしている。世のまともなプログラマの人は家ですげー勉強とかするらしいが、私のような専門卒の四流プログラマはそんなことしないし、だいたい定時で帰っているし、それでも飯が食えるので本当にプログラマになって超良かったなと思っている。好きなパソコンの前に座って、好きなプログラム書いて、好きな技術調べたりできるんだから最高である。これが肉屋で働いていた頃とか、特に好きではない肉の機械(重いし刃とかついてて危ない)を分解して洗ったり、毎日床のダンボールを剥がして新しいのを貼り直したり、一日中店頭に立って申し付けられる肉を計量しつづけたりとか、たいそう辛かった。人生は苦しみであった。

もっともそういう単純作業を懐かしく思う気持ちがどこかにあるのか、延々料理を給仕し続けるゲームをやっているわけで、我がレストランはついに5つ星になったのであった。


現在、ゲーム内で100日目、プレイ時間は20時間を超えている。こんな単純なゲームそんなに夢中になってやるもんじゃない気がするが、なんというか、微妙にバランスが良くてついついハマってしまっている。5つ星になれば、とりあえずやめられるかなと思っていたが、驚くべきことにまだ先があるようで、Hungly Festivities Tournamentという一回でもミスったら終わりで、お題の料理のバリエーション(料理によるが十以上あったりする)を延々作り続けるというイベントを全部クリアしなければならないらしい。

このイベントは結構地獄で、まだ2ステージ目の破滅のピザをクリアしたところだが、すでに先行きが不安だ。1プレイ平均20ピザくらい焼いたはずで、200回くらいはプレイしたと思うので、4000枚くらい焼いてやっとのことでクリアしたが、このゲーム中最強のレシピのややっこしさを誇るスープとか出てきたらクリアできる気がしない。


たとえばこのスープのレシピの場合、Bowtie Noodles(日本ではファルファッレとかいうリボン状のパスタ)(左スティック↓)、Bouillon Cubes(ブイヨン)(左スティック←)、Seasoning(香辛料?)(X)、



トマト3つ(LT+左スティック↑の状態でRTx3)、人参3つ(LT+左スティック→の状態でRTx3)、セロリ3つ(LT+左スティック↓の状態でRTx3)で下ごしらえして、煮込めばできあがりである。
で、こういうのが10以上のパターンで入れるものが変わるので、制限時間内に作らなければならない。ちなみに操作の取り消しは不可なので、たとえば上記のような操作x32個を一度も間違えることなく入力すればクリアというわけだ。

こんなものを延々やる理由はあるか、と言われると全く無いが、それでもついついやってしまい上達してしまうところに自分の本日のスキルポイントの枯渇があるのだろうなと思ったりする。こんなことでも延々やってれば当然向上していくだけで、ピザのステージをクリアしたときなんて後半は頭がぼんやりして、英語で書いてあるレシピをなんとなく読むままに手が自動で動いていくような感覚すらあった。自分のイメージの範囲を超えて自分が動いているというのは快感である。
色々な分野で、いくつか経験があるが、最初のうちは「こんな一瞬で何かを判断し動作するのは無理だ」とか思ったりするが、何度も何度も同じ動作を繰り返すと、そのうち体が勝手に定形動作をしてくれるので頭は他のことを考えるようになったりする。そういうのは楽しい。

もとより、何かをうまくなるということは娯楽なのだと思う。
肉屋でも週に6日もシフトを組まれて、土日は朝から晩まで働いていて、遊ぶ時間がなくて本当にやめたくて仕方がなかったが、働くことそのものは嫌いではなかった。私はグラム100円の安肉を試食で美味しく焼けるようになったし、チーフの指示を聞きながら適切なラベルを肉に貼りつつトレーにパックすることができるようになった。
それは明らかに楽しかったなと思う。もっともそんなことを朝も晩もなく延々やるもんではないので、ゲームとしてやってりゃ十分であろう。


ゆるやかで心地よいパズル/Mini Metroレビュー

特に何も考えなくて良いような、パズル的なものをやりたい時ってもんがある。考えないのにパズルというのは矛盾しているように見えるが、たとえばナンプレ(数独)でも、ピクロスでも、作業のような単純なルールを状況に当てはめているだけで、慣れればごく無意識に近い。あれは環境音のCDみたいな、ほかのことを考えることを遮るためのノイズのようなものだ。ただナンプレじゃ延々夢中になって時間を忘れるには、やや味気ない。思考の強度的にも割と集中しないと堂々巡りになったりしてしまう。


Mini Metroはそんなときにばっちしの単純かつハマり度の高いパズルゲームだ。
ゲームルールは簡単で、マップ内に次々と記号の駅が発生していき、駅には他の記号の駅に向かいたい乗客が発生していく。プレイヤーは乗客を待たせることなく、駅と駅を接続するだけだ。

ゲームを始めると、ほとんどルールが語られることもなく操作するままに任されるので、最初のうちはどのようにすべきかもなかなか良くわからないのだけど、それがまたいい。ランダムで駅や乗客が出てくるため、かっちりした正解があるというよりは、アドリブ力任せで、プレイヤーごとの解法があり、プレイごとに手触りが変わる楽しさがある。

たとえば最初にぐるりと円形に線路を作成して、その後円の中や外に駅が増えていったので、円周の路線の車両の数を増やして環状線にして、それ以外の路線は環状線と交差するような構成にしたり、珍しい記号の駅(記号の発生率はあきらかに偏りがある)を中央にして乗換駅(乗客が待機できる期間が伸びる効果がある)としてみたり、狙った構成が上手く効果を上げると楽しいし、出来上がった路線図を見るのも楽しい。


他のことを考えるには、次々と状況が変わっていくし、かといって忙しいと感じるほどのものではない(というか線路の敷設とか組み直し時にはポーズもできる)。なので、時間を忘れて延々プレイすることができる。また1プレイ自体は、割とすぐにゲームオーバーになるため、そこでやめようと思えば中断することも難しくない。

ちなみに個人的な現状での攻略のポイントは、何駅も単線だけでしか行けないというような状況を出来る限り避けるということだ。2,3駅くらいなら良いが、それ以上先に孤立している駅とかがあるとそういうところがやがて破綻の原因になる。また車両数を増やすとか、乗換駅を作るというのも一時的な解決策にはなるが、根本的には路線をいかに構成するかというゲームだという気がする。

派手なゲームではないけど、良いゲームだなーという感じがする作品だ。


2015年9月6日日曜日

俺の料理風経営シム / Cook, Serve, Delicious!

PS時代というのはまだまだ家庭用ゲーム機というのがまともに流行っていた時代で、変なゲームも多かった。でも私は変なゲームが好きだ。無難に普通の面白いくらいなら、多少つまらなくたって企画を間違えた感のあるゲームの方が楽しい。

俺の料理は面白くて、それでいてちょっと変でなかなか良いゲームだ。



販売がSCEなので、おそらく当時新しかったアナログパッドを活用するとかそういう企画から始まっているのではないかと思うけど、内容は料理店を舞台にしたアクションパズルとでもいう感じのものだ。おそらく客の料理の注文をさばくゲームというのはコレ以前にもあるのだけど、このゲームが新しいのはたいてい注文を記憶するとか待機時間のマネジメントが中心になるその系統のゲームを、複数のちょっとしたアクションのミニゲームで置き換えてある部分だ。
めんどうくさい記憶を使う部分はすっぱり落として、単調な作業の継続にになることを避けるため複数の注文をまとめたり、グルメの来訪など、飽きない工夫が散りばめられている。グルメの食事をものすごく丁寧につくって、あとの同注文を超手抜きしてまとめ、高得点を獲得しつつ注文を大量に捌けたりするとたいそう気持ちいい。見た目はキワモノだがものすごくよく考えてあり、触っていて楽しいゲームだ。



それからだいぶ年月が過ぎたが、キワモノゲームはやはりキワモノであって、なかなか同じようなゲームをやりたくってもの後続がないなーと思っていたところに現れたのがSTEAMのCook, Serve, Delicious!である。



ちなみに料理をごく簡単な手順だけで作る部分のみで言えば、クッキングママなんかも同系統な気がするが、これは別に料理ゲーをつくろうと思えば自然とこんな感じになるだろうし、そもそもゲーム的な快楽の所在がまるっきり違うので勘定に入れない。俺の料理はあくまで、単純作業をすばやくこなすことが楽しいのであり、クッキングママはごっこ遊びの楽しさである。その点、Cook, Serve, Delicious!の気持ちよさはやはり単純作業をこなすところであり、ついでに言うとインターフェースの見た目とかから感じても、あきらかに俺の料理の影響下にある。



見てのとおり、左上側に出ているのが料理であって、これが時間切れに向かって左側に移動していく。調理工程を一段階進めると時間が戻ったり、調理以外の「害虫駆除」とか「トイレの掃除」みたいな雑用が邪魔してくるのも同じだし、コンセプトが同じとかじゃなくて、システムの基本は同じである。



ただ複数注文やグルメの来訪はなく、またグラフィックも見てのとおり手書き同人ゲーム感丸出しのもので俺の料理よりむしろ退化している。アクション部もアナログパッドをがちゃがちゃやるのではなく、基本的には下に書いてあるレシピどおりに操作するだけである。たとえば上図なら、まずカップサイズをラージにして(A,A)、お茶を選び(→)、注ぎ(↓)、終了する(LB)というような感じだ。

ではこれは単純に俺の料理を単純にしてしょぼくしただけのものなのかというとそんなことはない。Cook, Serve, Delicious!は俺の料理のゲームとしての基本をある程度応用して、また別の面白さを作り出している。このゲームには俺の料理と違って、経営シムの側面がある。

Cook, Serve, Delicious!は日々レストランを経営して、収益を上げて、メニューを増やし、料理をアップグレードして、調理器具を増やしていく。俺の料理は面をクリアしたらおしまいだが、こちらはその結果が良いほど収益も上がるので、また違った楽しみがある。ちょっとずつ自分のレストランが豪華になっていき、料理が複雑で収益性の高いものに置き換わっていくと嬉しい。




そもそも俺の料理より単純であるのも、面をクリア型ではなく、何十回もやり続ける作業であるからではないかと感じる。総じて、計算して、色々なバランスや手触りを変えて、俺の料理とは違った面白さに置き換えてられているという感触だ。

俺の料理も含めて、ちょっと変わった面白い小品をやってみたいならおすすめだ。





俺の料理
俺の料理
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2015年8月30日日曜日

Big Pharmaで薬品工場を設計する



Big Pharmaは基板に電子部品を配置する作業に似ている。というと、電子工作が趣味の人にしか通じないだろうけど、つまりは、必要な要件を満たしつつ、限りある部屋の中で決められた場所へと経路をつなぐということである。

ゲームには薬にする素材と、薬を加工する機械があり、それをつなぐことがゲームの基本的なルールである。ある入出口に供給される素材を決め、いくつかの機械を通過させて自分が作りたい薬に加工したら、また入出口へとつなぐとその加工費と薬の売価で利益が決まる。
ルールは案外単純で、勝利条件などもさほど厳しいわけではないので、なんとなくやっていればクリアできるが、ちょっとだけ考えるような課題が延々出てきて、また動いてる状態も面白いし、お金も増えていくし、ついついプレイし続けてしまう。
昨日買ってちょこちょこプレイしていたら、すでにプレイ時間が6時間になっている。


インターフェースは英語だけだが、ルール自体は単純なので最初に理屈さえ飲み込んでしまえば不自由することはない。(ただ薬の薬効なんかは聞きなれない単語が出てくるので辞書を引いて調べている)

ゲームの根幹である薬を作る部分については、以下の様なルールがある。
  • 素材には薬効と副作用がある
  • 薬効と副作用は、一定の濃度の間で発現する(発現してなければ効果はない)
  • 薬効と副作用は、薬を一定の濃度で特定の機材に通すと変更できる(副作用は外せないものもある)
  • 副作用がなく、成長した薬効のもののほうが高く売れる
  • BASICの機材は薬の濃度を変更するもので、+1にしたり、+3にしたり、倍にしたりする
  • すべての素材は最後に薬としてMAKERSの機材でパッケージ化する必要がある
  • より高い薬効には、特定の属性(?)の素材と合成が条件に入るものがある(マークでわかる)
というような感じ。素材がどのような成長をするかなどはCURESのタブか、流れてくる素材をクリックすれば確認できる。薬効は発現していなくても成長はさせられるので、目的の薬効まで育てたら、発現する濃度にしていけば良い。もちろん薬を加工するのにはお金がかかるが、成長させる金額より加工費の方が安くなることが多い。
このほか、あたらしい素材を探させたり、素材の供給金額を下げたり、より高いレベルの機材を開発したり、機材の運用費や調達費を下げたり、等々にたいして金額を割り振っていく部分もある。

私はもともとシミュレーションなどは苦手であまりプレイしないのだが、これは全体的に単純に作ってあり、パズル的な快楽が強いのでついつい長時間プレイしてしまう。だらだらラジオなんかを聞きながらプレイしていると時間を忘れて楽しい。こういうのの食品工場版とかあるとよいかもしれない。




2015年8月22日土曜日

一撃必殺/Titan Souls

同じことを繰り返すのが苦手だ。アクションゲーム、とくに日本のアクションゲームでは多いような気がするが、同じパターンの敵の攻撃を何度も何度も避けて、攻撃をし続けてゲージを削るようなゲームが苦手だ。なぜ一回できたことを二度も三度もやらされるのか。もちろん面白いものだってあったけど、多くは冗長だし緊張感がない。
なら、一回成功したら倒せたら良いし、一回失敗したら敗北で良い。
Titan Soulsはそんなゲームだ。



主人公は弓使いだが、矢は一本しか持っていないので一回射ると、その矢を拾うまでは再度射ることはできない。また防御力はなく、敵の攻撃には基本的に一撃死である。ただ大変良い部分として、ボスも弱点を射てば一撃で倒すことができる。もっとも敵によっては弱点を露出させるためには数度撃たなければならないものもあるが、ほとんどは三発以下で弱点を射つことができる。
一番最初のボスだけ何発か射たなくてはならないが、それがゲーム内最多であると思う。


日本語訳はないが、会話などがないため問題ない。静かで雑魚は存在せずボスを倒し続けるというのはワンダと巨像を思わせる。ドットや楽曲もよくプレイしていて楽しい。ノーマルですべてのボスを倒すまで4時間程度だが、損はないゲームだと思う。






ワンダと巨像
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2015年7月20日月曜日

自由と放埒の日々と、その別れ/アサシンクリード4 ブラックフラッグ

商船から積み荷を奪い、追いかけてきた戦艦を吹き飛ばし、乗り込んだ先の将官をバッサバッサと切り倒す。丘に上がれば酒を喰らい、女を抱いて、悪巧みの日々。そこは新世界で、ヨーロッパの支配力も完全には及んでいない。残してきた過去の傷や、いつかこんな日々が終わるという予感はあっても、海も空も青く広くどこまでも続いていて、それが続くかぎりどこへでも行けるみたいに船は走っていく。まるで自分たちにはなにもかも許されているかのように。

もちろん、そんな日々はいつまでも続くことはなく、一時は共に過ごした仲間も、去り、裏切り、殺されていく。事態は悪化の一途をたどり、何もかもが思い通りにいかない。世界そのものが悪意を持っているみたいに、大事だったものはなくなり、楽しかった日々は記憶の中に残るだけだ。好きだった人たちが戻ってくることはもう無いし、愛した場所からも去っていかなければならない。何かもが最初から無かったように、どこかへ行ってしまった。

それでも残るものがある。それが信念である。

というあたりがこのゲームのテーマなのだと思う。
生きていくなら、人は自分の過去と向き合わなければならない。たとえば何もかもが手遅れだったとしても、自分の過ちが消えるわけではないから。そうして、人生が自分の思い通りにはならないことを受け入れたときに、新たな船出を始めることができる。

ラストシーンはこのゲームでもっともたくさん見てきたであろう航海シーンとほとんど変わらないのに、ひたすらに胸に迫る。エドワード・ケンウェイは自分の過ちを認め、自由や放埒を求めるのではない、もっとまともで確固としたものへと船出していく。その先にはたくさんの困難が待っているのだろうけど、それでも彼ならきっと乗り越えていくのだろう。
そう思って、ちょっとだけ泣いた。




2015年3月15日日曜日

Hotline miami2クリアした

※以下のエントリは全面的にHotline miami2のネタバレです。

Hotline Miami2

人の頭をバットで殴ってまわれるゲームがあったら最高だし、自分も敵も同じ強さで死にまくりながら殺して回れたらもっと最高だ。現実のごとく理不尽な難易度で、自分の血しぶきと相手の血しぶきの中を前へ前へと進めば、その死までの刹那にはたしかに生のかすかな感触が残る。FPSゲーマーは死にたがっているという研究が有るらしいけど、私達は死にたいのではなくて、死までの隙間でたしかな生を確認したいのだ。
それがあって、あとはいい音楽が流れていればそれ以上に望むことなんてない。

HotlineMiami2は依然イカすゲームだった。
ゲームバランスが悪いとか、窓の向こうから銃弾が飛んでくるとか、レビューには批判的な意見もあるし、その言っていることにはだいたい同意できるのだけど、それでも残酷な命のやりとりがあり、最高の音楽があったので、私は気分を害されるようなことはなかった。評判の悪いハワイの最後のステージもきらめくような陽射しと他と比べても何か穏やかな感じのする曲調でひたすら心地よくすらあった。

[ハワイ最終面の一個前の曲]

 
[ハワイの最終面の曲](埋め込みが許可されてないのでリンク)

そんなわけでゲームとしては大好きだし、曲も最高で面白かったという以外の感想は殆ど無いのだけど、ストーリーや難易度を見るとやはりこれはDLCなのではないかという疑問もある。

2

もともとこれはDLCとして作られた経緯があるらしい。それは1を完全にやっている前提のゲームバランスからも見て取れる。これがDLCとして販売されたなら、ステージの難易度はそもそも1の一番むずかしい面より上になるのに不自然はなく、さほど批判を受けることもなかっただろう。

作劇上も同じことが言えて、本作では複数の視点から話が書かれていて、新キャラなんかも居るのだけど、そのどれもが強く話を牽引するような目的を持つわけではなくサイドストーリー的な物語だ。1がある前にはこんなことがあり、1のあの人はこんな人で、1がこんなことを引き起こした、それはファンからすると気になることではあるが、そんなものは二次創作でだって構わないようなもので、それこそDLC的なものだ。だが、物語にあらたなテーマを設定したり、以前出た結論を先に進めるのは作者にしか出来ないことであり、それこそが続編に求められることである。

もっとも、そんなものはもはやないというのが作者の結論であって、だからこそのあのエンディングなのかもしれない。暴力は何も産まず、暴力の行き着く先はより大きな暴力による破滅でしかない、そういうことなのかもしれない。だがそれにしたってあの終わり方は2にするために取ってつけたようだ。

もしもこれがキャラクターごとにそれぞれリリースされたDLCなら、より高い評価で持って迎え入れられたのではないかという気がする。商業的に大きな成功になるかは別の話だが、これがDLCであれば出来の良いDLCであるという評価になるだろう。誰もDLCに対して続編であるべき理由を求めはしないからだ。

もっとも

長々書いたけど、それでもやっぱり冒頭に書いたとおりイカす音楽があって、敵の頭をかち割りまくれるゲームは最高じゃないかというのが私の結論である。それ以上に望むことはない。なにも。

2015年2月17日火曜日

アナログゲームを積む遊び

子供のころ、うちには古いボードゲームがひとつだけあった。おぼろげに太平洋戦争の艦隊戦をやるゲームだったように記憶しているが、プレイしたことはない。それは兄がぜんそくで入院した折にかわいそうに思った父が兄に買い与えたものだが、結構本格的なボードゲームだったらしく子供に分かるような簡単なルールではなかった。それに懲りたのか、以後うちでは人生ゲームだとかUNOみたいなメジャーなもの以外ではボードゲームを買うことはなく、めでたく私は重度のビデオゲームマニアになったが、アナログゲームのことは殆ど知らない。

それから私はビデオゲーム中毒になったことを遠因として、社内システムなんかを作る種類のプログラマになったが、数年前から電子工作もするようになった。もともと興味のあった分野で、濃く入れたコーヒーのようにブラックな会社をやめて職業訓練で制御プログラミングを受講したことでとっかかりが出来た。シュタインズゲートのダイバージェンスメーターを作ったのが最初で、それからくだらないものをいくつも作った。

プログラムは面白いが、電子工作にまた別の面白さがある。手触りの有無というのが大きな違いだ。プログラムを書くことで、物理的にモーターが動いたりするのは楽しい。自分のやったことが確かに現実に影響を及ぼすことなのだという実感が有る。
ビデオゲームとアナログゲームの間にも、そういう違いが有るのではないか。



というわけで、最近アナログゲームを月に一個買っていいという許可を自分に与えたぜイェー!

カルカソンヌとか街コロとかトランプとか買ったけど、妻と遊ぼうとすると子ども(3歳)がやってきて、「ぼくもつくるのー!」とか言って適当にカルカソンヌのパネルを並べまくったりするし、街コロはサイコロふるだけだから出来るんだけど、逆にサイコロふるだけなのでそのうちやる気を失い始めたりして、あまりプレイできていない。

もっともあと一年もすれば遊べるようになるだろうし、積みゲーは大人の嗜みであるので、悠然とゲームをコツコツと積み続けている。そうしていつかディセント(2,3時間とかプレイにかかるファンタジーゲーム)なんかを子どもとやれたら良いなあと思っている。




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2014年11月26日水曜日

Nuclear Throne攻略的なメモ

(2016/4追記) この記事はNuclear Throneがまだ正式版になる前に書かれたもので、内容は現在のものと異なる可能性があります。 最近書いた記事はこちら(あまり攻略的には書いてないです)。


Nuclear Throneを40時間超遊んで、やっとラスボスらしきやつを倒した。


せいぜい7エリア、15ステージ程度のアクションゲームをクリアまでにかかる時間としてはかなり長かったが、一応クリアしたのだと思うので、紹介と攻略メモ的なものを書いておきたい。

Nuclear Throneの紹介

Nuclear Throneは見下ろし方のローグライクアクションゲームだ。最近こういうジャンルを割と見かけるけど、それらと同じく、ステージがランダム生成されて、武器のドロップはランダムであり、ついでにレベルアップで手に入る成長要素(突然変異)もランダムだ。

登場するのは上のスクリーンショットのとおり、たぶん核戦争か何か起こった後の世界に生き残ったミュータントたちであり、何かしらの理由によってNuclear Throne(核の玉座)と呼ばれるものを探し求めている。このあたり公式設定とかちゃんとあるんだろうけど、あまり詳しく読んでいない。アクションゲームである。そんなに設定とか関係しない。

基本的に武器の大半は銃器であり、敵の撃ってくる大量の弾をかいくぐりながらステージ内の全敵を倒すとクリアになる。敵も自分も含めてかなり脆く設定されていて、数発の被弾でゲームオーバーになる。ボムはない。コンティニューもない。後半はほぼこちらは一撃死、相手は数発撃ち込まないと倒せないというようなバランスになり、運が悪いとステージに入った瞬間に大量の敵のどまんなかに居たりする。

内容的には全方位シューティングといっていいのかもしれないが、これがアクションだと感じるのは、割と地形を使って隠れながら撃ったり、慎重に敵に囲まれないように進むというようなことを重視される部分があるからだ。

キャラクターごとに能力が異なり、また武器の数が多いこと、アップデートが結構頻繁にあること(アップデートされるとそれまでの設定の保存が消えるのはアレだが)などからリプレイ性はかなり高い。その証拠にすでに40時間以上も遊んでいる。

攻略メモ

このゲームをやっていて、いくつか気づいた点があるので、その辺をざっくりと書いていきたいと思う。もちろんまだ一回ボスを倒した程度なので、完全な攻略でもなんでもなく、私はこんな感じでやっている程度のものである。

キャラクターの選択について


ROBOTを使っている。ROBOTは武器を食うことで弾か体力を回復する能力を持っている。この能力の突然変異を取れば、二個武器を食った分の回復が手に入る。回復アイテムが少ないこのゲームではかなり重宝する。
またキャラ紹介欄にある通り、より良い武器を見つけることができる。後半でしか手に入らない強武器(ガトリングスラッガーとかライトニングライフルとか)なんかは一個出れば圧倒的に有利にゲームを進めることができるので、これも重宝する能力だ。

武器の選択について


ステージごとに有利な武器というのは違っていて、最初のエリアはまあどうにでもなる。次のネズミが出る1ステージのエリアはショットガンなど突進するネズミを止められる武器が便利だ。それ以降は敵が微妙に硬くなってくるのでスラッガーなんかを重宝する。よく手に入る中ではスラッガーとアサルトライフルの組み合わせなら多分最後のエリアまで対応できると思う。

強武器系はバカみたいに強いけど、たいていの場合弾切れになるので、メインで使っている武器とは違う弾を利用するやつが手に入れば、そのステージのみ乗り切るのに使ったりすることが多い。ミニガンとかプラズマキャノンとかバカみたいに強いが、継続的に使うには弾消費が大きすぎる。

上にも書いているが強武器系でも弾の消費が少ないやつがあって、スラッガーを連発できるガトリングスラッガーとか、オートショットガンなんかが使いやすい。このあたりは普通の武器としても、囲まれたときの力押しにも使えて便利だ。
エネルギー兵器強化の突然変異があるなら、レーザー系とかも良いが意外と後半非力になる印象がある。ライトニング系は後半でも全然使えるが、いかんせん手に入る率が低めである。

エリアごとの立ち回りについて


エリア1(砂漠):
好きに進む。ステージ1でボスが出てきた場合、速攻で始末すると海底の面に移動して、エリア3のステージ3にショートカットできる(ROBOTでのプレイ時のみかも)。ただレベルも低しい武器もないのでたいていジリ貧になる。ボスは適当に周りを回ってれば被弾しない。

エリア2(下水道):
1ステージで終わる暗闇ステージ。ねずみが突進してくるのをとにかく気をつける。弾切れになりやすい。ただこの辺りならまだ近接武器も全然イケるのでショベルとか拾って弾温存のためにぶん殴るのも手である。たまに近接で殴ってくる奴が来るので注意する。こいつは次のステージまで含めてものすごい強敵。こっちと同じく敵の近接攻撃も壁抜けするので、こいつの近くの壁に近寄らない。
でかいネズミは子ネズミを出すのでさっさと始末する。たまに突進されて即死するのでそれだけ気をつける(壁ぶち破ってくる)。

エリア3(スクラップヤード):
ここから急激にレベルがあがる。硬いし飛んでくるし弾を乱射してくるカラスとか、エリア2でも出てくる近接攻撃野郎とか、更に硬くてかなりの射程を持つ火を吐いてくるトカゲとか、遠距離から撃ってきて殺すと爆発するスナイパーとか厄介な敵だらけになる。
ステージ自体も壁から炎が吹き出したりする。
敵のパターンを覚えて用心深く進んでいくほかないが、スラッガーとかあるとさくさく敵が殺せるので多少楽になる。エリア1,2くらいだと他の武器でもサクサクなのでスラッガーとか発射の遅いクソ武器にしか見えないのだけど、実は後半でも通用する攻撃力がある。

途中のステージの台座みたいなものを破壊すると警察的な奴らがワープアウトしてくる。さほど硬くないので速攻で沈めるのが吉だが、でかいやつだけは硬くついでに実弾兵器を跳ね返すシールドを展開する。ショットガンで至近距離から撃ってシールド展開されるとこっちが即死する。
ただこれはエネルギー兵器は貫通するのでレーザー系の武器があるなら、それを連射するのが手っ取り早い。無いなら距離を取って動き回りながら注意深く撃つ。

ステージ3のボスは大爆発するので遠距離から撃ち殺すと良い。弾切れになりそうなら、飛んでくる遅いミサイルを撃ち落とすと弾か回復が手に入る。攻撃は弾幕シューティングじみてるがさほど難しくないのでどうにかなる。

エリア4(水晶窟):
1ステージで終わるエリア2のグレードアップ版。
ねずみ代わりの水晶虫みたいな奴も、遠距離からビームを連射してくる結晶体もとにかく硬い。攻撃力の高い武器があってもなくても、とにかく壁に張り付いてビームを警戒しながら敵を処理していくほかない。

エリア5(雪原):
敵は更に硬く、攻撃は激化する。ただROBOTでやってればこの頃には結構な強武器を持っている可能性が高いので、割にどうにかなる。浮遊砲台みたいな奴以外は突進に注意する。浮遊砲台は周りを巻き込んで爆死するし、撃ってくるとかなり厄介なので優先的に潰していく。
スマートガンとかあると突進してくる敵を狙わずに撃てるので楽かも。

ステージ3の最初で警察っぽいのの親玉みたいなのが上から落ちてくる。あんまり強くないけど、爆発するので多少距離を取りつつ早めに始末するのが良い。

エリア6(研究所):
1ステージエリアの最終面。とにかく小さいのが大量に突っ込んでくる。ただエリア5を突破出来る程度の武器があればそんなに苦労しないと思う。弾を惜しむと即死する可能性があるのでバンバン撃てば良い。これはエリア7でも同じ。撃たねば死ぬし、弾が切れても死ぬので撃つしか無い。

エリア7(宮殿):
敵の攻撃が激しすぎて正直コツとかあまりわからない。
とにかく弾を撃ちまくりながら敵の弾を避ける。広い場所なので隠れる場所は少ない。なので、自動で敵に当たる武器とか範囲攻撃系武器なら撃ちまくりながら敵の弾だけに注目して戦う。

Nuclear Throne:
武器の破壊力が十分でそこそこ弾避けが得意なら特に苦戦しない気もする。とにかく初見のとき、敵が動き出してくるまで画面中央にいないことです(あれは酷いと思う)。

ミューテーション(突然変異)について


私の好きな突然変異。優先度順。

Bloodlust:
敵を殺すとたまに1HP回復するやつ。回復アイテムが少ないゲームなので重宝。

Second Stomach:
回復アイテムの効果倍。同上。

Rhino Skin:
HP+4。同上

Scarier Face:
敵がちょっと脆くなる。序盤のネズミとかに役に立つ感強い。

Laser Brain:
光線兵器強化。武器の引き次第なのだけど、そもそもレーザーとかライトニングとか好きなので。

Plutonium Hunger:
アイテムの吸い込み力強化。後半とか拾いに行く暇がないので重宝する。

最後のボスとか弾幕シューなので、移動早くするやつとか敵弾遅くする奴とかもあるといいかも。
アイテム落とし率アップとかはあればつけるけど、効果はあんまり実感してない。


というわけですごいおすすめなのでみんなやろう。

2014年8月17日日曜日

渋い男の物語だけど、主人公はセガールだ/Max Payne3

Max Payne3はマックス・ペインシリーズの最新作で、本作からGTAのロックスター・ゲームスが開発している。ジャンルはTPS。マックス・ペインというのは主人公の名前で妻と子を殺された不運な男の名である。
steamで安かったので前作を未プレイのまま3から始めたが面白かった。前作の話も、そういう過去を背負っているというくらいで出てくるが、直接的なつながりはないので3から始めても問題なさそうだ。

シューティング部が単純ながら奥深く作ってあり、ストーリーも大きな陰謀に翻弄されながら主人公が足掻くというのもので大変好みであった。フィリップ・K・ディックやレイモンド・チャンドラーでもそうだが、どうも私は人生の旬も過ぎた男が自分の失敗した人生を抱えつつも、苦しい現実と戦い続ける話が好きであるようだ。
己の人生もそのように捉えているからかもしれない。


そんなわけでMax Payne3は大変良いゲームである。TPSが好きだとか、重めのストーリーが好きだとかいう人なら、文句なしでおすすめできる。

でも、わざわざこんなエントリを書き始めたのは、このゲームがおすすめですって言いたかっただけではない。
このゲーム内でのペインさんのあまりの強さに違和感があり、それがやるほどに面白くて仕方なくなってしまったので、その違和感を伝えてみたかったからである。

ただ繰り返しになるが、それは取り立てて言わなければ気にするほどのものでもないし、私もそれが嫌ではない。この部分も含めてこのゲーム大好きである。

(以下、具体的な内容ではないけど、ネタバレになるかもしれないことを書きます)

このゲームの何がおかしいかっていうと、タイトルにも書いた通り、ペインさんがセガールくらい強いってことである。ちょっと古めのアクション映画が好きならスティーブン・セガールのことはご存知かと思うが、知らない人のために書いておくと、スティーブン・セガール主演の映画の多くは主人公のセガールは常に最強のキャラクターとして位置づけられている。基本的に敵は全部一撃死であり、相手が銃を持っていてセガールが持っていなければ一瞬後には奪って撃ち殺しているし、セガールは相手が軍隊だろうがなんだろうが特に考えなしで平然と乗り込んでいって全員ぶちのめす。
これらはだいたいペインさんにも当てはまる。

それはでも、ゲームの表現上しかたがないのでは、という意見もあるかもしれない。
なるほど、たしかにFPSでは主人公が自分一人であるので、ただの一兵卒のはずの主人公がセガール映画ばりに人を殺すようなこともよくある。しかしそれらとセガール映画が違うのは、主人公の最強性について、その物語世界が認識しているか否かという部分にある。

Call of Dutyの主人公はプレイの仕方によっては信じられないほど強いが、ストーリー部で主人公が最強の殺人兵器みたいな扱いをされることはない。つまりゲーム的には多分できるけど、「お前どうせ一人で行けるから皆殺しにしてこいよ」とか言われることはない。あくまでも主人公は一兵卒であって、いくらなんでも数百人も殺せるわけはないのである(ゲーム的には可能だとしても、そういうことができる特異な人物として描かれているわけではない)。

それに対してセガールは、物語内で敵に、パンイチで北極点に放置しても翌日には家のプールサイドに白いスーツを着込んで現れる男だ、とか言われちゃったりする。つまり物語世界がセガールの強さを織り込み済みで構成されていて、物語内の人もセガールは人間とは思えないほどに強いと感じている。そのあたりがセガール映画はB級映画と呼ばれる所以でもあるし、私がセガール映画が大好きな理由でもある。

それでMax Payne3はというと、設定も物語も重たくて真面目なものなのに、どうも話が後半に行くに連れ世界がペインさんの強さを織り込み済みであるように感じる部分が増えてくる。たとえば南米の武装ギャングの本拠地に刑事崩れのボディガードである主人公と相棒の二人で乗り込んだりする。まあそれは敵の規模についての情報があんまりなかったのだろうとか、どうしたって行くしかなかったからとかいう風に納得することができなくもない。たださらにそのあと特殊部隊の本部ビルに主人公一人が丸腰で入っていくというのはどう考えても、主人公が特殊部隊が束になってもかなわない人間である前提の作戦ではなかろうか。

もっともそのあたりを制作サイドも分かっているのか、ペインさんはモノローグで(ゲーム中の大半でモノローグが流れ続ける)「もっと計画を練るべきだったのかもしれない」とか自分の行き当たりばったり的性格を強調してくるのだけど、特に考えもなく特殊部隊の本部に一人で乗り込んで皆殺しにしてみようと思うって行き当たりばったりじゃなくてペインさん完全にイカれ野郎である。

もちろんこれは物語上、ずっと酔いつぶれて何もかもを失敗した男がついに能動的に暴れに行くという展開上に必要なものである。また前述のとおりやってるとそこはかとないバカゲー感に愉快になってくるので、治す必要など全くないと思うし、もっとやれ、と思う次第である。



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コンシューマ版もけっこう安い。
レビュー見てると敵が硬すぎるとか言う意見が散見されるけど、スローがあることでわかるけどヘッドショット前提のバランスだし(かなり補正されるので楽)できないならイージーでやると良いかもしれない。あとSMGとアサルトライフルが結構攻撃力違うし弾にそう困ることもないので、アサルトでがっちり撃ってもOK。BLACKとかに比べたら紙みたいなもんすよ。

2014年2月25日火曜日

Plunkerでゲームをつくってブログに貼るよ

できあがったゲーム


tiny艦隊clicker! これのために作った!(保存できません)

言いたいこと

コードのサンプルはPlunkerとか使って動かせる形にしたほうがわかりやすいし楽しい。

まえおき

前のAngularJSのエントリでPlunkerの埋め込みページを使った。
このページではPlunkerでゲームをざっくり書いて、それをこのブログに貼るまでを説明する。ちなみにゲームそのものの作り方とか内容には触れない。どうせクソゲーだね。

類似サービスの比較

PlunkerはHTML・JavaScript・CSSなんかをWebアプリ上で作成して、公開できるサービス。競合としてはJSFiddle、Plunker、CodePenとか。ざっくりと比較するとこんな感じ。

JSFiddle
Githubなんかでもバグ報告するとバグが再現するfiddleでくれとか言われるのを見かける。とにかく一番メジャー。
ただ、コード全部を単純に書くことが出来るわけじゃなくて、メニューからJavaScriptのロード位置を設定したり、読み込みライブラリも別途指定したりという感じで、最初は多少戸惑うかもしれない。慣れれば別にって程度ではある。

CodePen
見た目がかっこいいしさくっと動く。
コード全体を書けないのはJSFiddle譲りだけど、今風にJavaScriptにCoffeeScriptつかったりLiveScriptつかったり、CSSにSassとかScssとかLESSとか使ったり出来る。普通にこれが一番良いな! と思ったんだけど無料プランだと外部ライブラリが一個しか読めないとか書いてあって使ってない。使い方あるなら是非使いたい。
でも使ってる人はあんまり見たことない。

Plunker
二番手な感じながら、上の二つとは違って、普通のHTMLとかJavaScriptを書く感じで使えるサービス。つまり普通にファイル作ってそこにプログラムを分割できる。ので、そこそこのサイズのプログラムでも作れる。外部ライブラリ云々とかもHTMLから書けるので気にする必要は無い。というか新規作成時に有名なライブラリを一覧にしてくれて、クリックで挿入してくれたりするのが結構嬉しい。
あとエディタのテーマ変えられるのも良い。難点としてはなんか、実際の動作速度なのかデザイン上の問題なのか、なんとなくもっさりした印象があるところ(個人の感想です)。
こっちもPlunkerでくれとか言う人をわりあいと見かける。

というわけで、私はPlunkerを使う。

Plunkerの使い方

というほど詳細な話はしない。だいたいのことは触れば分かる。
Ctrl+Sを押せば保存もできるし、その履歴も残る。
自分が作ったPlunkじゃなければ保存は出来ないけどForkして自分のページに取り込んで編集することができる。左側がファイルとタイトル・概要、右側がプレビュー、外部ライブラリの検索とインポート(別に使わないでも取り込むことは可能)、右側の一番下が設定でエディタの色とハイライトのテーマとか、タブサイズとか、更新の間隔やオンオフを切り替えられる。
作ったものは冒頭の例のようにiframeでブログなどに埋め込み可能だ。

tiny艦隊Clickerについて


好きにForkして改変等してもらってOK。
ただ画像はAmazon S3上に置いてあるので、呼び出し量が増えてお金がかかるようになったりするとこっちの都合で消したり差し替えたりDropboxに置き直したりする可能性がある。そのためフォークしてどこかに公開するなら差し替えたほうが良いと思う(個人で改変したり実験したりする分にはそのまま使ってもらって全然OKです)。
あともしどっかに公開したりするときはこの記事にリンクしてくれると嬉しい。

てなわけで、コードを公開するときにPlunkerとか使って実際に動いていじれるようにしてくれると色々楽しいと思った。