吉永 賢一著 「東大家庭教師が教える頭が良くなる勉強法」
吉永 賢一著 「東大家庭教師が教える頭が良くなる勉強法」のご紹介。
この著者は凄いです。題名の通り、東京大学理科Ⅲ類(医学部)を卒業しているのですが、その受験生時代、センター試験では物理を3分、代ゼミ模試では数学を5分で、英語を8分で回答し、それぞれ満点を取っているそうです。
また、宅地建物取引主任者資格試験の時には、わずか5日間の準備期間で合格したそうです。
著者は小学校時代から勉強することが大好きで、その頃から「最小の時間で最高の結果を発揮するには、どう勉強すればいいのか」ということを常に考えていたとのこと。
好きな勉強の中でも“暗記”することが一番好きだったという(私の常識で言えば)変わり種です。
「わかる」とは、「意味がわかった!」と心の底から実感すること。「腑に落ちる」という言い方がぴったりかもしれません。
そして、「わかる」と「覚える」は、バランスよく、かつ両極端にやっていくことが大切とのことです。
両極端にとは、暗記するときは「わかろう」なんて思わずに、ひたすら「暗記」するのです。この時、「“わかる”もついでにやっておこう」なんて思ってしまうと、その分、暗記のスピードが落ちてしまうからです。
「これは覚えるんだ」と決めたら何も考えずにひたすら覚える。これくらい割り切ることが必要なようです。
「暗記」→「わかる」→「暗記」→「わかる」、と繰り返すことで記憶に定着させていくのですが、この「わかる」と「覚える」は最小限の量にとどめ、「慣れる」に重点を置くことが重要とのことです。
なぜならば、「慣れる」ための練習を通して、「覚えたつもり」「わかったつもり」になっている部分を見つけることができるからです。
無意識レベルで実行できるようになるというのは、言い換えれば「体が覚えている」レベルです。
このレベルに至ることは、勉強であれ、スポーツであれ、芸事であれ、何かを身につける際の最終的なゴールと言えるでしょう。
そして、このレベルに至るには、練習しかありません。練習で大切なのは、「量」や「回数」です。なので、「練習する」とは「繰り返す」と言い換えることができます。
そして繰り返す回数は、著者の目安としては「300回」とのことです。これくらい繰り返すと、だんだんと無意識でも行えるようになってくるそうです。
「300回」となるとものすごい数の繰り返しのように思えるかもしれませんが、「覚える」「わかる」「慣れる」の3つを進めていく中で、自然に回数を重ねることができるので、そんなに深刻に考えずに、気楽に繰り返していって下さいと著者は言います。
また、当然のことながら、回数を重ねるに従って慣れていき、読むスピードや解くスピードがアップしてきますので、繰り返しのカウントが加速度的に速くなり、あっという間に300回くらい軽くこなせるようになるはずですよと。
たとえば、英単語の問題集をやるとします。最初のうちは「一週間で一周やる」というペースで続けていきます。これを続けていくと、次第に問題になれてきて、回を重ねるごとにスピードがアップしていきます。
そして、「一週間で一周」が物足りなくなってきたら、一週間にやる分量を一周から二周に、二周から三周にと増やしていくのです。
人間の潜在能力とはすごいもので、「早くやるぞ!」と意識すると、どんどん解答のスピードが高速化していくのです。
こうやって、解答の高速化を図っていくと、問題を解く際、「考える」ということをしなくなり、無意識のまま、ひたすら解答を書いていくという状態になっていきます。
ここまで至れば、無意識レベルでの知識の習得が進んでいる証拠です。
また、間違えることを恐れないということも必要です。「どんどん間違えよう」という気持で解けば、「不正解」への恐れが減り、さらにスピードを上げるために特に頭を使わないようになるため、無意識のレベルでの解答となります。
そこで正解できれば無意識レベルで習得されている証拠ですし、不正解となってしまえば、まだそのレベルに達していないということです。
「慣れる」の段階での「間違い」は歓迎しましょう。間違えることで、自分はその項目を「体で覚えていない」ことに気づき、修正していくことができるからです。
これは、私たちも日々の生活の中で感じていることだと思います。「2週間後が期日」と言われると、最初の一週間はなかなかエンジンがかからないものの、一週間前、3日前、1日前・・・・・と期日が近づくにつれてすごい集中状態でこなしていけるということがあります。
「やらないと困ったことになる」という事態に直面すると、私たちは途端にもの凄いエネルギーが出始めるのですが、これは人間に備わった非常に便利な機能なので、これを勉強に活用しない手はありませんと著者は言います。
例えば英語の勉強なら、1年間のTOEICの試験全部(8回?)に申し込んでしまえば、だいたい一ヶ月半置きに締め切りがくることになるので、一年間ずーっと集中することができることになります(ちょっとお金がかかりますが)。
中でも、「すべてを肯定してみる」という考え方(心の持ち方)には大いに共感します。
著者は、生徒にいつも「図太い善人になろうね」と言っているそうです。
図太さとは「肯定する」こととのこと。何でも肯定できるような人になりましょうってことですね。
「図々しいね」と言われたら、「そうなんです。図々しくて、自分でも困ってしまっているんですよ」と肯定する。
「ひどい人だね」と言われても、「そうなんです。本当にひどい人間で自分でも手に負えないんです」と肯定する。「バカだね」と言われても、「そうなんです。つくづくバカで、困っているんですよ」と肯定する。
こうやって肯定に肯定を重ねていくと、人間は本当に強くなれるのだそうです。
「他人の意見の影響で、落ち込んだり、腹を立てたりしたくない」と決意することによって、次第に影響されなくなってくるはずです。
だから、「できない」という言葉が口癖になってしまっていると、本当に「できない」ことだらけになってしまうのです。
何気なく声に出してしまっているのかもしれなせんが、言葉の威力は強力です。自分では望んでいないにもかかわらず、知らず知らずのうちにそちらの方向に進んでしまいます。
だから、「できない」という言葉は、あなたが日常的に使う言葉からどんどん取り去っていきましょう。
私たちの人生に「否定」は必要ないのかもしれません。人生を「肯定」して生きていきましょう。
この著者は凄いです。題名の通り、東京大学理科Ⅲ類(医学部)を卒業しているのですが、その受験生時代、センター試験では物理を3分、代ゼミ模試では数学を5分で、英語を8分で回答し、それぞれ満点を取っているそうです。
また、宅地建物取引主任者資格試験の時には、わずか5日間の準備期間で合格したそうです。
著者は小学校時代から勉強することが大好きで、その頃から「最小の時間で最高の結果を発揮するには、どう勉強すればいいのか」ということを常に考えていたとのこと。
好きな勉強の中でも“暗記”することが一番好きだったという(私の常識で言えば)変わり種です。
覚える、わかる、慣れる
成績を上げるには次の3つの要素が必要だとのことです。- 覚える(暗記)
- わかる(理解)
- 慣れる(練習)
「わかる」とは、「意味がわかった!」と心の底から実感すること。「腑に落ちる」という言い方がぴったりかもしれません。
そして、「わかる」と「覚える」は、バランスよく、かつ両極端にやっていくことが大切とのことです。
両極端にとは、暗記するときは「わかろう」なんて思わずに、ひたすら「暗記」するのです。この時、「“わかる”もついでにやっておこう」なんて思ってしまうと、その分、暗記のスピードが落ちてしまうからです。
「これは覚えるんだ」と決めたら何も考えずにひたすら覚える。これくらい割り切ることが必要なようです。
「暗記」→「わかる」→「暗記」→「わかる」、と繰り返すことで記憶に定着させていくのですが、この「わかる」と「覚える」は最小限の量にとどめ、「慣れる」に重点を置くことが重要とのことです。
なぜならば、「慣れる」ための練習を通して、「覚えたつもり」「わかったつもり」になっている部分を見つけることができるからです。
勉強(に限りませんが)の王道は、やっぱり練習の繰り返し・・・それも大量に
「慣れる」とは、「覚える」「わかる」で身に付いた知識を繰り返すことで、無意識レベルで実行できるようになることです。無意識レベルで実行できるようになるというのは、言い換えれば「体が覚えている」レベルです。
このレベルに至ることは、勉強であれ、スポーツであれ、芸事であれ、何かを身につける際の最終的なゴールと言えるでしょう。
そして、このレベルに至るには、練習しかありません。練習で大切なのは、「量」や「回数」です。なので、「練習する」とは「繰り返す」と言い換えることができます。
そして繰り返す回数は、著者の目安としては「300回」とのことです。これくらい繰り返すと、だんだんと無意識でも行えるようになってくるそうです。
「300回」となるとものすごい数の繰り返しのように思えるかもしれませんが、「覚える」「わかる」「慣れる」の3つを進めていく中で、自然に回数を重ねることができるので、そんなに深刻に考えずに、気楽に繰り返していって下さいと著者は言います。
また、当然のことながら、回数を重ねるに従って慣れていき、読むスピードや解くスピードがアップしてきますので、繰り返しのカウントが加速度的に速くなり、あっという間に300回くらい軽くこなせるようになるはずですよと。
スピードに慣れることで無意識レベルを深めていく
「問題集を解く」というのは、「慣れる」の段階において効果的な勉強法ですが、知識を無意識のレベルまで深めたいのであれば、普通に解いていてはダメだそうです。繰り返し解く中でどんどん「高速化」を図っていくことが大切とのこと。たとえば、英単語の問題集をやるとします。最初のうちは「一週間で一周やる」というペースで続けていきます。これを続けていくと、次第に問題になれてきて、回を重ねるごとにスピードがアップしていきます。
そして、「一週間で一周」が物足りなくなってきたら、一週間にやる分量を一周から二周に、二周から三周にと増やしていくのです。
人間の潜在能力とはすごいもので、「早くやるぞ!」と意識すると、どんどん解答のスピードが高速化していくのです。
こうやって、解答の高速化を図っていくと、問題を解く際、「考える」ということをしなくなり、無意識のまま、ひたすら解答を書いていくという状態になっていきます。
ここまで至れば、無意識レベルでの知識の習得が進んでいる証拠です。
また、間違えることを恐れないということも必要です。「どんどん間違えよう」という気持で解けば、「不正解」への恐れが減り、さらにスピードを上げるために特に頭を使わないようになるため、無意識のレベルでの解答となります。
そこで正解できれば無意識レベルで習得されている証拠ですし、不正解となってしまえば、まだそのレベルに達していないということです。
「慣れる」の段階での「間違い」は歓迎しましょう。間違えることで、自分はその項目を「体で覚えていない」ことに気づき、修正していくことができるからです。
人って、切羽詰まらないとなかなかやらないんですよね。
その他にも色んな“小技”が紹介されていますが、その中の一つ、「締め切り効果」で集中力の限界に挑戦する。これは、私たちも日々の生活の中で感じていることだと思います。「2週間後が期日」と言われると、最初の一週間はなかなかエンジンがかからないものの、一週間前、3日前、1日前・・・・・と期日が近づくにつれてすごい集中状態でこなしていけるということがあります。
「やらないと困ったことになる」という事態に直面すると、私たちは途端にもの凄いエネルギーが出始めるのですが、これは人間に備わった非常に便利な機能なので、これを勉強に活用しない手はありませんと著者は言います。
例えば英語の勉強なら、1年間のTOEICの試験全部(8回?)に申し込んでしまえば、だいたい一ヶ月半置きに締め切りがくることになるので、一年間ずーっと集中することができることになります(ちょっとお金がかかりますが)。
「すべてを肯定してみる」って、「すべてを受け入れる」ってことと同じかも
本書は“勉強法”の本なので、当然「技術面」に重点が置かれているのですが、それだけで終わらずに、「気持ち(心)」の問題、あるいは「考え方」にまで踏み込んでいる点がユニークだなって思いました。中でも、「すべてを肯定してみる」という考え方(心の持ち方)には大いに共感します。
著者は、生徒にいつも「図太い善人になろうね」と言っているそうです。
図太さとは「肯定する」こととのこと。何でも肯定できるような人になりましょうってことですね。
「図々しいね」と言われたら、「そうなんです。図々しくて、自分でも困ってしまっているんですよ」と肯定する。
「ひどい人だね」と言われても、「そうなんです。本当にひどい人間で自分でも手に負えないんです」と肯定する。「バカだね」と言われても、「そうなんです。つくづくバカで、困っているんですよ」と肯定する。
こうやって肯定に肯定を重ねていくと、人間は本当に強くなれるのだそうです。
「他人の意見の影響で、落ち込んだり、腹を立てたりしたくない」と決意することによって、次第に影響されなくなってくるはずです。
“否定”の言葉って、とても強力なんですよ
「できる」よりも、「できない」という言葉の方がより強い力をもっているようです。例えば、催眠術では、「このペンが持ち上がらなくなる」と暗示をかけてから、「さあ、このペンを持ち上げてみましょう」と指示しても、持ち上がらないそうです。だから、「できない」という言葉が口癖になってしまっていると、本当に「できない」ことだらけになってしまうのです。
何気なく声に出してしまっているのかもしれなせんが、言葉の威力は強力です。自分では望んでいないにもかかわらず、知らず知らずのうちにそちらの方向に進んでしまいます。
だから、「できない」という言葉は、あなたが日常的に使う言葉からどんどん取り去っていきましょう。
私たちの人生に「否定」は必要ないのかもしれません。人生を「肯定」して生きていきましょう。
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