鉄がサビるような、紙が燃えるような酸化現象が体の中でも?
2回に渡って、日本医科大学の太田成男教授の著作 「水素水とサビない身体」を紹介させて頂きましたが、水素水愛用の友人知人に話を聞いてみると、飲んでいる水素水は人それぞれ(当たり前)。
それでは今現在、市場にどんな水素水が出回っているのかを、その特徴と共に色々と調べてみよう、というのが今回の記事の中身(の予定)です。
市販水素水の比較記事を中心に、水素水関連の情報を載せているサイトはいろいろとありますが、中でも「水素水比較ぶった斬りランキング」や、「水素水を比較|実際に購入して溶存水素濃度測定」がとても参考になりました。
他のサイトの情報も色々と参考にさせて頂きながら、自分なりに疑問点を整理したいと思います。
先ず第一の疑問。「水素水」という項目で色々と調べていくと、「還元水」という言葉によく出会います。「還元水」=「水素水」なの? 取り敢えずは、この辺りから切り込んでいこうかな。
よく、酸化・還元といった具合に、酸化と還元という言葉はセットで使われることが多いと思います。これは、酸化と還元とは必ず同時に起こる化学反応だからです(一方が酸化されれば、他方は還元される)。
ということで、酸化も還元も(一般的には)化学用語なので、ここで少し化学のお話を。
先ずは、私たちの日常生活の中で最も身近な化学反応である酸化から。一番分かり易い酸化現象は、やっぱりサビでしょうね。鉄がサビるのは、鉄が酸素と結び付いて(酸化されて)酸化鉄を生成するからです。
りんごの切り口が変色するように、食物を常温で置いておくと徐々に色や味が変わってくるのも、酸化が原因のことが多いようです。これを避けるために、種々の酸化防止剤が用いられたり、真空パッケージが使われたりするわけです。
また、紙や木が燃えるのも酸化反応なんです(だから空気のないところで物は燃えないのです)。この酸化反応は発生するエネルギーが大量な為、発光と発熱を伴い、その火や光を見て私たちは燃焼というものを認識しています。
「水素水とサビない身体」から、生活習慣病を始め多くの病気は、活性酸素がその原因の一つである(一説には、あらゆる病気の90%の原因とも)という知識を得ました。
活性酸素(ヒドロキシルラジカル)の何が問題かといえば、その強い酸化力です。この酸化力によって、人の体の細胞やDNAを傷つけていくわけです。
上で酸化の例に出したような、鉄がサビたり、食物が変質していったり、あるいはさらに急激な酸化反応である燃焼と同じようなことが、体の中の様々な細胞に対して活性酸素が引き起こしているのかもって考えると、空恐ろしくなりませんか。
還元を化学的に表現すると、「原子の酸化数が小さくなる化学反応のことで、具体的には物質から酸素が奪われる反応、あるいは、物質が水素と化合する反応等が相当する」となります。
「酸化数を小さくする」ってのは、砕いて言えば「酸化する力を弱くする」ってこと。“還元” された物質は、酸化する力が弱くなる(あるいは失う)のです。
じゃあ、その物質がどれくらい酸化する力が強いのか、あるいは還元する力が強いのか(正確には、「物質の電子の放出し易さ、あるいは受け取り易さ」)を定量的に表したものが「酸化還元電位」というものであり、単位にはプラス・マイナスのボルト(V、実際はmV)が使われます。
プラス数値が大きいほど酸化力が強く、マイナス数値が大きいほど還元力が強くなります。
やっと「還元水」に戻ってきました。「還元水」というのは、対象とする物質を還元する力がある(マイナス数値の)水ということを表しているのです。
では、その「還元水」は、何のお陰で還元する力を持っているのかといえば、(多分、ほとんどは)水素の還元力によるものだと思われので、「還元水=水素水」という理解でいいんじゃないかな。
測定時期のほとんどが10年以上前の数値なので、現状とは異なるのかもしれませんが、少なくとも地域によって大きな差があることは分かります。
一般的に、水道水は+500mV~+600mV以上の酸化還元電位を持つとのことですが、例えば東京都各所の水道水の数値は、+500mV台前半から+700mV前後。
千葉県の数値は全般的に悪く(プラス数値が高く)、+700mV以上の地点が何箇所かあります。一方で、千葉県館山市の井戸水は-75mVなんてのもあります。
自然水でマイナス数値を示すものは他にもあり、特に「山梨県富士吉田市の富士山の一合目の湧水」は-310mVと、驚きの数値が。
他にも、「山形県の小野川温泉源泉」が-390mVとか、「群馬県草津の白旗の湯」で-89mV、「富山市の井戸水」が-77mVとかで、なるほど水にも良し悪しがあるのねって納得した次第。
ちなみに、市販ミネラル水(「六甲のおいしい水」とか)での酸化還元電位は+300mV前後のようです。また、水道水も浄水器などで塩素を取り除くだけでも+300mV程度までは下がるとのこと。
+100mV以下だと生体内で還元作用を示すとか、人間の体液や臓器は-500mV~+250mVなので、+250mVを基準に、それ以下が「還元水」といった記述もありました。
あるいは、「酸化還元電位が-200mV以下の水を還元水と呼ぶ」と主張しているのも。
要は、明確な基準はないってことのようです。
ところで、各地の名水と呼ばれる湧水や井戸水は、+200mV以下であることが「名水の一般的基準」というような記述も見かけました。ってことは、もしかしたら「名水」は還元水に含まれる?
さて、冒頭に掲げた「市販水素水の特徴を調べて」という本題に入る前に、前振りの積りだった「還元水」の話だけで終わってしまいました。
次回、今回出てきた酸化還元電位というものを踏まえながら、改めて本題に突入、かな?
それでは今現在、市場にどんな水素水が出回っているのかを、その特徴と共に色々と調べてみよう、というのが今回の記事の中身(の予定)です。
市販水素水の比較記事を中心に、水素水関連の情報を載せているサイトはいろいろとありますが、中でも「水素水比較ぶった斬りランキング」や、「水素水を比較|実際に購入して溶存水素濃度測定」がとても参考になりました。
他のサイトの情報も色々と参考にさせて頂きながら、自分なりに疑問点を整理したいと思います。
先ず第一の疑問。「水素水」という項目で色々と調べていくと、「還元水」という言葉によく出会います。「還元水」=「水素水」なの? 取り敢えずは、この辺りから切り込んでいこうかな。
鉄がサビるのも、紙が燃えるのも “酸化” という名の化学反応
そもそも還元水という呼称の “還元” とは何なのか?よく、酸化・還元といった具合に、酸化と還元という言葉はセットで使われることが多いと思います。これは、酸化と還元とは必ず同時に起こる化学反応だからです(一方が酸化されれば、他方は還元される)。
ということで、酸化も還元も(一般的には)化学用語なので、ここで少し化学のお話を。
先ずは、私たちの日常生活の中で最も身近な化学反応である酸化から。一番分かり易い酸化現象は、やっぱりサビでしょうね。鉄がサビるのは、鉄が酸素と結び付いて(酸化されて)酸化鉄を生成するからです。
りんごの切り口が変色するように、食物を常温で置いておくと徐々に色や味が変わってくるのも、酸化が原因のことが多いようです。これを避けるために、種々の酸化防止剤が用いられたり、真空パッケージが使われたりするわけです。
また、紙や木が燃えるのも酸化反応なんです(だから空気のないところで物は燃えないのです)。この酸化反応は発生するエネルギーが大量な為、発光と発熱を伴い、その火や光を見て私たちは燃焼というものを認識しています。
「水素水とサビない身体」から、生活習慣病を始め多くの病気は、活性酸素がその原因の一つである(一説には、あらゆる病気の90%の原因とも)という知識を得ました。
活性酸素(ヒドロキシルラジカル)の何が問題かといえば、その強い酸化力です。この酸化力によって、人の体の細胞やDNAを傷つけていくわけです。
上で酸化の例に出したような、鉄がサビたり、食物が変質していったり、あるいはさらに急激な酸化反応である燃焼と同じようなことが、体の中の様々な細胞に対して活性酸素が引き起こしているのかもって考えると、空恐ろしくなりませんか。
“還元” された物質は、酸化する力が弱くなる
さて、ここで登場するのが酸化と対になる還元です。還元を化学的に表現すると、「原子の酸化数が小さくなる化学反応のことで、具体的には物質から酸素が奪われる反応、あるいは、物質が水素と化合する反応等が相当する」となります。
「酸化数を小さくする」ってのは、砕いて言えば「酸化する力を弱くする」ってこと。“還元” された物質は、酸化する力が弱くなる(あるいは失う)のです。
じゃあ、その物質がどれくらい酸化する力が強いのか、あるいは還元する力が強いのか(正確には、「物質の電子の放出し易さ、あるいは受け取り易さ」)を定量的に表したものが「酸化還元電位」というものであり、単位にはプラス・マイナスのボルト(V、実際はmV)が使われます。
プラス数値が大きいほど酸化力が強く、マイナス数値が大きいほど還元力が強くなります。
やっと「還元水」に戻ってきました。「還元水」というのは、対象とする物質を還元する力がある(マイナス数値の)水ということを表しているのです。
では、その「還元水」は、何のお陰で還元する力を持っているのかといえば、(多分、ほとんどは)水素の還元力によるものだと思われので、「還元水=水素水」という理解でいいんじゃないかな。
水道水は “酸化水” なわけですが、その中でも強い弱いはあるようで
ところで、水道水はどれくらの酸化還元電位値なのでしょうか。ネットで検索してみると、全国各地の水道水や自然水の酸化還元電位を測定したものを公開しているページがいくつかありました。測定時期のほとんどが10年以上前の数値なので、現状とは異なるのかもしれませんが、少なくとも地域によって大きな差があることは分かります。
一般的に、水道水は+500mV~+600mV以上の酸化還元電位を持つとのことですが、例えば東京都各所の水道水の数値は、+500mV台前半から+700mV前後。
千葉県の数値は全般的に悪く(プラス数値が高く)、+700mV以上の地点が何箇所かあります。一方で、千葉県館山市の井戸水は-75mVなんてのもあります。
自然水でマイナス数値を示すものは他にもあり、特に「山梨県富士吉田市の富士山の一合目の湧水」は-310mVと、驚きの数値が。
他にも、「山形県の小野川温泉源泉」が-390mVとか、「群馬県草津の白旗の湯」で-89mV、「富山市の井戸水」が-77mVとかで、なるほど水にも良し悪しがあるのねって納得した次第。
ちなみに、市販ミネラル水(「六甲のおいしい水」とか)での酸化還元電位は+300mV前後のようです。また、水道水も浄水器などで塩素を取り除くだけでも+300mV程度までは下がるとのこと。
酸化還元電位の値がいくつから「還元水」になるの?
一方で、この酸化還元電位の値がいくつから「還元水」と言えるのでしょうか。+100mV以下だと生体内で還元作用を示すとか、人間の体液や臓器は-500mV~+250mVなので、+250mVを基準に、それ以下が「還元水」といった記述もありました。
あるいは、「酸化還元電位が-200mV以下の水を還元水と呼ぶ」と主張しているのも。
要は、明確な基準はないってことのようです。
ところで、各地の名水と呼ばれる湧水や井戸水は、+200mV以下であることが「名水の一般的基準」というような記述も見かけました。ってことは、もしかしたら「名水」は還元水に含まれる?
さて、冒頭に掲げた「市販水素水の特徴を調べて」という本題に入る前に、前振りの積りだった「還元水」の話だけで終わってしまいました。
次回、今回出てきた酸化還元電位というものを踏まえながら、改めて本題に突入、かな?
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