茜とは? わかりやすく解説

あかね【アカネ】

読み方:あかね

根岸短歌会機関誌明治41年(1908)に「馬酔木(あしび)」が終刊したのち、三井甲之編集により創刊短歌のほか小説西洋文学批評など掲載する総合文芸雑誌となるが、伊藤左千夫らが離反してアララギ」を創刊したため、明治42年(1909)に休刊明治44年1911)、新聞として復刊したのち、大正元年(1912)に「人生表現」に改称大正14年1925)まで刊行された。


あか‐ね【×茜】

読み方:あかね

《「赤根」の意》

アカネ科蔓性(つるせい)の多年草本州以南山野に多い。四角柱とげがある心臓形で先がとがり、4ずつ輪生するように見えるが、2枚托葉(たくよう)。晩夏多数淡黄緑色小花円錐につける。根は染料薬用。《 秋》「—の実つぶせし指を妻示す/秋を」

1根からとった赤色染料成分アリザリン

茜色」の略。

[補説] 書名別項。→アカネ


作者上田三四二

収載図書花衣
出版社講談社
刊行年月2004.7
シリーズ名講談社文芸文庫


アカネ

アカネ
科名 アカネ科
別名: -
生薬名: センソウ茜草
漢字表記
原産 日本東南アジアヒマラヤ地方
用途 茜染用いた植物四角、根は太くダイダイ色です。根を煮込んだ液に、灰汁処理した布をつけると、緋色赤黄色」に染まります浄血通経止血などの処方配合されます。
学名: Rubia cordifola L.
   

あかね (茜)

Rubia argyi

Rubia argyi

Rubia argyi

Rubia argyi

Rubia argyi

Rubia argyi

わが国本州から四国九州それに朝鮮半島中国分布してます。山野ふつうに生え、他の草木などに絡みついて伸びますには4稜があり、下向き生えます三角卵形から狭卵形で、4個が輪生します。このうちの2個は托葉発達したもの。8月から10月ごろ、葉腋から集散花序をだし小さな淡黄緑色の花を咲かせます。根はひげ根で、古い時代から茜染め原料とされてきました茜色とは、もともと「あずき」の種皮のような濃い赤紫色のことで、いまでは夕焼けような橙色の意味変化してます。 
アカネ科アカネ属多年草で、学名Rubia argyisyn. Rubia akane)。英名はありません。
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読み方
あかね
せい
せん

アカネ

( から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/25 13:40 UTC 版)

アカネ
アカネ
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: リンドウ目 Boraginales
: アカネ科 Rubiaceae
亜科 : アカネ亜科 Rubioideae
: アカネ属 Rubia
: アカネ R. argyi
学名
Rubia argyi (H.Lév. et Vaniot) H.Hara ex Lauener et D.K.Ferguson[1]
シノニム
英名
madder

アカネ(茜、Rubia argyi)はアカネ科アカネ属つる性多年生植物。シノニム R. akane茜色をしており、草木染めの原料になり、薬草としても利用される。判子業界で「アカネ」と呼ばれるのは同じアカネ科でもインドから東南アジアにかけて分布する特定のクチナシ属の木本のことであり、本種とは全くの別物である。

名称

和名アカネの由来は、根を乾燥すると赤黄色から橙色となり、赤い根であることからアカネと名づけられたといわれる[4]。地方による呼び名があり、ベニカズラ[5]、アカネカズラ[5]ともよばれている。

中国名は、東南茜草のほか、主線草、紅藤仔草、過山龍とも表記される[1]

分布・生育地

分布は中国朝鮮半島台湾日本東南アジアに分布し[6]、日本では本州四国九州に分布する[7]。山地や野原、路傍、林の縁などでふつうによく見かけることができる[4]

形態

つるは長さ1 - 3メートル (m) に生長し、盛んに分岐したは四角く、下向きに細かい逆刺があり、他の草木に絡まって長く伸びる[4]。春になると根から芽を出し、成長する。

は長い葉柄がついた長さ3 - 7センチメートル (cm) 、幅1 - 3 cmのハート型か長卵型で先端がとがる[4]。茎に4枚輪生するが、そのうち2枚は托葉が変化したもので(偽輪生)、実際は対生である[8]。見分けるには枝分かれを見ればよく、枝が出ている方向の葉とその向かいの葉が本当の葉で、それとは違う2枚が托葉の変化した葉である。葉柄や葉の縁、裏面の葉脈にも逆刺がある[4]

は晩夏から秋(8月 - 10月)にかけて[7]、茎の先端か上部葉腋から花序を出し、多数の淡い黄緑色や淡黄色の目立たないごく小さな花が咲く[4][9][6]。 花冠は5裂して、雄しべが5本つく[4]。アカネの花は多数分岐した枝の先に咲く(写真参照)。

果実は径5 - 6ミリメートル (mm) の球形をした液果核果で、花よりも大きく晩秋のころに黒く熟して目立ち、ふつう2個の分果状に分かれるが、1個のものもある[7]。核果に核が2個あり、ほぼ球形で表面はざらつき、腹面に楕円形の穴がある[7]。核の中の種子は、径3.5 - 4 mmほどで、腹面に大きな穴がある[7]。冬にはほとんど地上部は枯れてしまう。種子からの発芽は大体2月下旬から3月ごろ。

根は太いひげ状をしており[4]、生のときは光沢のある赤黄色で、乾燥すると暗紫色になる[9]

利用方法

古くから、根を晩秋に採集して草木染めに用いる茜染(あかねぞめ)がよく知られている[4][6]。アカネの名は「赤根」の意で、その根を煮出した汁にはアリザリンが含まれている[要出典]。アカネで染色した色のことを茜色と呼ぶ[10]。同じ赤系色の緋色もアカネを主材料とし、茜染の一種である[8]。このほか黒い果実も染色に使用できるという。

現在では、アカネ色素の抽出には同属別種のセイヨウアカネ(西洋茜、R. tinctorum)が用いられることがほとんどである。セイヨウアカネは常緑で、葉は細長く6枚輪生。根が太く、アカネより収量が多い。色素の構成物質がアカネとは若干異なる。

薬用としては、秋から冬に掘り起こした根を天日で十分乾燥させたものを生薬とし、茜草根(せんそうこん)と称している[5][9]。止血、解熱、咳止め、強壮、利尿、通経に薬効作用があるとされる[5][9][6]民間療法では、鼻血血便に1日量5グラム、打撲には1日量10グラムの根を600 ㏄の水で煎じて冷ましてから1日3回に分けて服用する用法が知られている[5][9]生理不順には1日量5グラムを煎じて温かいものを服用する[5]。妊婦や胃腸が冷えやすい人への使用は禁忌とされている[5]。また、根は健康酒にも利用される[6]

若葉は食用にも利用できる[6]

栽培

日当たりを好む性質であるが、夏場は半日陰がよい[6]。繁殖は種蒔きか株分けによって行われ、3 - 4月または、9 - 10月頃が適期である[6]

ただし、庭などに生え雑草扱いされることから、家庭では一般に栽培させることはない[6]

アカネの文化

日本では上代から赤色の染料として用いられていた。日本茜を使って鮮やかな赤色を染める技術は室町時代に一時途絶えた。染色家の宮崎明子が1997年にかけて、延喜式正倉院文書などを参考にして、日本茜ともろみを併用する古代の染色技法を再現した[11]。ヨーロッパでも昆虫学者のジャン・アンリ・ファーブルがアカネ染色法の特許を取るなど、近代まで染料として重要視されていた。

和歌でも「茜さす」のように明るさを強調する枕詞に用いられて詠まれ、万葉名では茜、茜草、赤根、安可根のように書かれる[8]万葉集にアカネが登場する歌は13首あり[12][13]、そのすべてが「紫」「日」「月」「照る」「昼」にかかる枕詞である[8]天智天皇の妃であった額田王が、かつての夫大海人皇子(天武天皇)に向けて詠んだ一首[12]が良く知られる[8]

ギャラリー

脚注

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rubia argyi (H.Lév. et Vaniot) H.Hara ex Lauener et D.K.Ferguson”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年5月3日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rubia akane Nakai”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年5月3日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rubia cordifolia L. var. mungista Miq.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年5月3日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i 内藤俊彦 1995.
  5. ^ a b c d e f g 貝津好孝 1995, p. 176.
  6. ^ a b c d e f g h i 耕作舎 2009, p. 8.
  7. ^ a b c d e 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2012, p. 82.
  8. ^ a b c d e 山田孝彦 & 山津京子 2013.
  9. ^ a b c d e 馬場篤 1996.
  10. ^ 稲垣栄洋『残しておきたいふるさとの野草』三上修(絵)、地人書館、2010年4月10日、51頁。ISBN 978-4-8052-0822-9
  11. ^ 宮崎明子 (2016年12月1日). “日本茜 格別の赤染める 室町時代に途絶えた古代技術 栽培から織機まで再現”. 日本経済新聞. https://www.nikkei.com/article/DGKKZO10110460Q6A131C1BC8000/ 
  12. ^ a b あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る 額田王  萬葉集1巻20
  13. ^ あかねさす日並べなくに我が恋は吉野の川の霧に立ちつつ 車持千年 萬葉集6巻916

参考文献

関連項目

外部リンク


茜(吉井丈絵)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 01:14 UTC 版)

水戸黄門外伝 かげろう忍法帖」の記事における「茜(吉井丈絵)」の解説

かげろう組のくノ一行動共にすることが多く、3人の中ではリーダー格。人吉第10話)では、宿の仲居3人の意識一時的に乗っ取る忍法使い仲居運んでいた膳を自分達の部屋持ち込ませる

※この「茜(吉井丈絵)」の解説は、「水戸黄門外伝 かげろう忍法帖」の解説の一部です。
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