終刊
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1936年11月号で平林彪吾「肉体の英雄」が検閲で12ページを削除され、続いて各号で検閲にかかるなど、当局の監視が強まりだす。10月に徳田秋声研究会を開いていたところに警官隊が踏み込み、無届集会として、出席していた高見、新田、田村、田宮、本庄、立野信之ら16人が連行されたが、容疑は特になく3日ほどで釈放された。 1937年になると紙の値上がりなどで赤字が重なり、人気作家の武田も新聞小説の原稿料をつぎ込んだ。同年9月号が発売禁止、10月号以降も次々に発売禁止となり、経営はさらに悪化し、各地で定期購読者が警察に呼び出された。 1937年11月に、唯物論研究会のメンバーが一斉摘発される「唯研事件」が起き、『世界文化』グループも治安維持法違反で検挙され、次の対象は『人民文庫』らしいという噂が流れて執筆グループ内に動揺が生まれた。12月には山川均ら労農派400余人が逮捕される第一次人民戦線事件が起き、警保局は人民戦線派の執筆禁止を出版社に通告した。この事態から、高見、新田、武田の話し合いにより、1938年1月号が発禁となったままで終刊となった。 人民文庫賞 第1回 平林彪吾「肉体の罪」
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