核分裂とは? わかりやすく解説

かく‐ぶんれつ【核分裂】

読み方:かくぶんれつ

ウラン・プルトニウムなどの重い原子核が、中性子などとの衝突によって同程度質量の2個以上の原分かれる現象その際大きなエネルギーを出す。同時に2、3個の中性子発生するため、連鎖反応起こす可能性をもつ。原子核分裂核分裂反応。→核融合

細胞分裂のとき、細胞質分裂先立って二つ分かれる現象通常有糸分裂形式をとるが、無糸分裂もある。細胞核分裂

「核分裂」に似た言葉

核分裂

読み方かくぶんれつ
英語表記nuclear fission

核反応nuclear reaction)の一種で、ウラン(他にトリウムプルトニウムなど)の重い原子核中にはほぼ等しい質量をもつ2つの(まれに3つ以上)原子核片に分裂するものがある。これを核分裂と呼ぶ。
核分裂には、自発核分裂(spontaneous fission)と誘導核分裂(induced fission)がある。
誘導核分裂は、ウランー235外部から中性子などが当たると核分裂が起こり同時に中性子が2~3個放出され別のウラン原子核にこれが当たると次々に核分裂を引き起こす(この現象核分裂連鎖反応ともいう)。
自発核分裂は、中性子衝撃エネルギー加えなくても、自発的に核分裂を起こすものをいう、例としてカリフォルニウム252は、α崩壊(96.9%)と自発核分裂3.1%)を起こすので中性子線源として利用される

核分裂

原子核二つ上の異な原子核割れることをいう。原子核構成している中性子陽子結合が、新たに中性子吸収することによって不安定になり、核分裂を起こす。核分裂を起こす核種として、ウラン-235プルトニウム-239等がある。原子核分裂するとき、エネルギー2、3個の中性子放出する。その中性子が他のウラン原子核にあたることで、核分裂が次々と起こる。これを連鎖反応呼び、より大きなエネルギー生まれる。臨界」の項を参照 核分裂

核分裂

同義/類義語:細胞核分裂
英訳・(英)同義/類義語:karyokinesis, nuclear division

細胞分裂期一部で、分裂すること。細胞質分裂が伴うと、さいぼ卯が2分四、二つ娘細胞ができる。
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核分裂反応

(核分裂 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/22 09:55 UTC 版)

核分裂反応(かくぶんれつはんのう、: nuclear fission)とは、原子核が分裂して同程度の大きさの原子核に分かれること。核分裂または原子核分裂ともいう。1938年に、オットー・ハーンフリッツ・シュトラスマンらが天然ウランに低速中性子(slow neutron)を照射し、反応生成物にバリウムの同位体を発見した。この結果をリーゼ・マイトナーオットー・ロベルト・フリッシュらがウランの核分裂反応であると解釈し、fission(核分裂)の語を当てた[1]


注釈

  1. ^ 核分裂反応は確率的に起こるため、他の核種を生成することもあり、反応はあくまで一例にすぎない。
  2. ^ 実際の反応ではウラン235だけでなく核分裂生成物による二次的な核反応等が複数起きるため、必ずしもこの通りの値にはならない。

出典

  1. ^ 小田稔ほか編、『理化学英和辞典』、研究社、1998年、項目「nuclear fission」より。ISBN 978-4-7674-3456-8
  2. ^ 三澤毅ほか、『原子炉物理実験』付録1A「原子炉物理の基礎知識」より。京都大学学術出版会 ISBN 978-4-87698-977-5
  3. ^ 山本義隆『新・物理入門 増補改訂版』駿台文庫、2004年、319頁。ISBN 978-4-7961-1618-3  C7342
  4. ^ 2017年度の家庭のエネルギー事情を知る ~家庭でのエネルギー消費量について~”. 環境省. 2021年4月29日閲覧。
  5. ^ E. Rutherford (1911). “The scattering of α and β particles by matter and the structure of the atom”. Philosophical Magazine 21 (4): 669–688. Bibcode2012PMag...92..379R. doi:10.1080/14786435.2011.617037. http://web.ihep.su/dbserv/compas/src/rutherford11/eng.pdf. 
  6. ^ Cockcroft and Walton split lithium with high energy protons April 1932”. Outreach.phy.cam.ac.uk (1932年4月14日). 2012年9月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月4日閲覧。
  7. ^ Chadwick announced his initial findings in: J. Chadwick (1932). “Possible Existence of a Neutron”. Nature 129 (3252): 312. Bibcode1932Natur.129Q.312C. doi:10.1038/129312a0. http://web.mit.edu/22.54/resources/Chadwick.pdf.  Subsequently he communicated his findings in more detail in: Chadwick, J. (1932). “The existence of a neutron”. Proceedings of the Royal Society A 136 (830): 692–708. Bibcode1932RSPSA.136..692C. doi:10.1098/rspa.1932.0112. http://www.chemteam.info/Chem-History/Chadwick-1932/Chadwick-neutron.html. ; and Chadwick, J. (1933). “The Bakerian Lecture: The neutron”. Proceedings of the Royal Society A 142 (846): 1–25. Bibcode1933RSPSA.142....1C. doi:10.1098/rspa.1933.0152. 
  8. ^ E. Fermi, E. Amaldi, O. D'Agostino, F. Rasetti, and E. Segrè (1934) "Radioattività provocata da bombardamento di neutroni III," La Ricerca Scientifica, vol. 5, no. 1, pages 452–453.
  9. ^ Richard Rhodes (1986). The Making of the Atomic Bomb, Simon and Schuster, pp. 267–270, ISBN 0-671-44133-7.
  10. ^ Hunter, H F, and Ballou, N E. FISSION-PRODUCT DECAY RATES. N. p., 1951. Web.
  11. ^ 日本アイソトープ協会 編『アイソトープ手帳11版』丸善、2011年、126-127頁。ISBN 978-4-89073-211-1 


「核分裂反応」の続きの解説一覧

核分裂

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 00:46 UTC 版)

放射性同位体熱電気転換器」の記事における「核分裂」の解説

RTG原子炉は、全く異なった原子核反応利用している。原子炉制御された核分裂のエネルギー利用するウラン235プルトニウム239原子分裂すると、中性子放出され、それが引き金となり、中性子吸収剤制御され速度連鎖反応さらなる核分裂を引き起こす需要に応じて出力変更でき、管理のために完全に停止できるというメリットがあるが、危険な高出力での暴走起きないように保守が必要というデメリットがある。 RTGでは連鎖反応起こらず同位体の量とその半減期のみに依存した、完全に予測可能で安定的に減少する速度で熱が生産される事故的な暴走原理的に起こりえない。一方、熱生産の量を需要に応じて変化させることができず、不必要な時に停止できない過剰需要時には蓄電池等の補助的な電源供給が必要であり、打上げ前や初期飛行段階含めて全ての段階適正な冷却が必要である。 プルトニウム238には核拡散リスクはない。その高い出力から、RTG燃料には向いているが、核兵器には使えないプルトニウム238は、「核分裂可能」ではあるが、「核分裂性」ではない。まれにアルファ崩壊代わりに自発的に核分裂することはあり、また核分裂で出る高速中性子によって分裂誘起されることはあり得るが、核兵器必要な持続的な連鎖反応起こらない核分裂性プルトニウム239よりも比較的高い頻度自発的に分裂するため、プルトニウム238混入は、核兵器劣化させ、不完全核爆発可能性高める。

※この「核分裂」の解説は、「放射性同位体熱電気転換器」の解説の一部です。
「核分裂」を含む「放射性同位体熱電気転換器」の記事については、「放射性同位体熱電気転換器」の概要を参照ください。

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核分裂

出典:『Wiktionary』 (2021/08/16 01:49 UTC 版)

名詞

   (かくぶんれつ)

  1. 重い原子核中性子陽子ベータ線ガンマ線等を吸収して、ほぼ同じ質量の2個以上の原分裂する現象
  2. 細胞分裂時に細胞質分裂前に二つ分かれる現象

関連語

語義1
語義2

対義語

翻訳

語義1

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