春駒とは? わかりやすく解説

はる‐ごま【春駒】

読み方:はるごま

《「はるこま」とも》

張り子練り物で馬の頭の形に作ったものに竹をさして胴とし、その端に車をつけた玩具子供がこれにまたがって遊ぶ。

門付け芸の一。正月各戸回り、馬の首の形をしたもの持ったり、また、これにまたがったりして歌い踊るもの。また、その芸人民俗芸能として新潟県佐渡地方山梨県甲州市一之瀬などに伝承されている。《 新年

春、野辺放ち飼いにした馬。

「立ち放れ沢辺になるる—はおのが影をや友と見るらむ」〈後拾遺・春上〉


春駒

読み方:ハルコマ(harukoma)

正月祝い各戸回った門付芸人、またその歌。


はるこま 【春駒】

日本で、年の始めに馬の頭の作り物持ち家々訪れて歌った舞ったりした門付け芸人。またその歌。在郷若衆正月一五日に町家廻って行い祝儀をもらう風もあり、万歳楽系統だが、起源白馬節会と関係ありそうだ。→ 白馬節会

はるこま〔春駒〕

春駒を手にした美人の舞姿の構図
舞踊人形及び羽子板多くこの構図がある。江戸時代16011867年)、正月に馬の玩具持った女性が町舞い歩いた姿。舞踊にもとりいれられている。

春駒

読み方:ハルコマ(harukoma)

正月家々めぐって新春ことほぎ述べ門付け芸の一つ

季節 新年

分類 人事


春駒

読み方:ハルゴマ(harugoma)

暖かな日差しの下でのびやかに遊ぶ馬のこと

季節

分類 動物


春駒

読み方:ハルコマ(harukoma)

初演 明和8.1(江戸森田座)

音曲


春駒

読み方:ハルコマ(harukoma)

初演 寛政3.1(江戸中村座)


春駒

読み方:ハルノコマ(harunokoma)

分野 河東節

年代 江戸中期

作者 巷郎(珪琳)


春駒

読み方:ハルノコマ(harunokoma)

分野 長唄

年代 成立年未詳

作者 作者未詳


春駒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/26 22:20 UTC 版)

春駒

  1. 日本の伝統玩具 → 「#玩具」を参照。
  2. 門付け芸のひとつ。 → 「#門付」を参照。
  3. 鹿児島県郷土菓子 → 「#菓子」を参照。
  4. 高村光太郎の詩→「#詩」を参照。

本項では上記について記述する。新年を表す季語でもある。

玩具

春駒(はるこま・はるごま)とは張り子などで馬の頭の形をつくり竹を指し、下端に車をつけ子供が跨って遊ぶ玩具。藤原時代の中世の詩集にすでに春駒のことが書かれており、かなり古い玩具と思われるが、上述のような形になったのは江戸時代と見られている[1]

門付

勝川春英「春駒」

獅子舞同様、予祝のための正月の門付け芸のひとつであった。正月に各戸を回り、馬の首の形をしたものを持ったり、また、これにまたがったりして歌い踊ることや、それによって金銭などを受け取る芸人を指した。『故事要言』には、年の初めに馬を作って、頭にかぶって歌い舞う、とあった[2]。江戸時代においては非人などに許された物貰いの芸のひとつだが[3]、正月の祝いとして芸者役者などによって座敷や舞台でも舞われ、新年の踊りとしても各地に広まった。

由来は、白い馬(駒)を見て邪鬼を祓う[4]平安時代宮中の正月行事「白馬節会(あおうまのせちえ)」(陰暦正月7日に左右馬寮から白馬を紫宸殿の庭に引き出し、天覧する宴)にちなんだものと言われる。語源としては、元は春になり、放し飼いにする馬のことを言う。

幕末の武士、内藤鳴雪は正月の春駒の門付の様子を以下のように描写している[5]。 「そのうち新年になった。春駒というものが来る。これは馬の頭に鈴をつけ、それに手綱をつけて打振り打振り三味線で囃し、それが済むと、ちょっとした芝居一くさりをする、私の所ではこの春駒によく銭をやるので、度々来て芸をした。この春駒の中で、金三郎といって、美男であり芸も多少勝れている者があった。下女などは『金さん金さん』といって、後を追うてよそで芸をするのまで見た。後にこの金三郎が、尾上多見蔵に認められて、本当の役者になり、やがて名代になって市川市十郎と名乗った。(後略)」

春駒を題材にした日本人形

民俗芸能としての春駒踊り

一之瀬高橋の春駒

または胴に馬の頭や尾をつけて、三味線や太鼓で囃し祝い唄を唄い踊る。春駒踊りは民俗芸能として新潟県佐渡地方・山梨県甲州市塩山一之瀬高橋などに伝承されている。養蚕の神ともされる[6]

  • 郡上おどり春駒 :“七両三分のはるこま”の掛け声と共に踊るテンポの良い踊り。
  • 岐阜県白川村の春駒踊り:岐阜重要無形民俗文化財
  • 佐渡の春駒:「はりごま」と佐渡では呼ぶ。男の春駒、女の春駒がある。
  • 沖縄のじゅり馬:春の到来を寿祝(ことほ)ぐ予祝の芸能。「じゅり」は尾類と書き、遊女のことで、戦前まであった那覇の辻遊郭の女性たちが旧暦正月20日に着飾って行列し、手綱のついた馬の頭を象ったものを帯前に付けて踊ったのが始まり[7]。現在も那覇市辻で踊りが披露される。
    尾類馬踊り[8]
  • 山梨県甲州市塩山一之瀬高橋 一之瀬高橋の春駒:国の選択無形民俗文化財[9]小正月行事である道祖神祭りの一種。
  • 群馬県川場村の門前春駒:群馬県重要無形民俗文化財。毎年2月11日に養蚕の守護神「金甲稲荷神社」に奉納される。大正時代、それまで毎年来村して春駒踊りをしていた旅芸人がある年から来なくなったところ、不作が続いたため、村人が代わりに踊るようになった。旅芸人一家(父・母・娘)に扮した地元の青年たちが村内約130戸を門付して回り、家内安全と五穀豊穣を祈る[10]
  • 宮城県仙台市秋保の田植踊の春駒:本踊の余興として踊られる古歌舞伎風な踊りのひとつ。ユネスコ無形文化遺産[11]

菓子

春駒

春駒(はるこま)とは、鹿児島県郷土菓子である。

製法は、晒し餡上新粉白玉粉小麦粉黒砂糖白双糖を混ぜ合わせた物に水を入れて捏ね上げ、形を10cm程度の円柱状に整えた後に蒸し上げて完成となり、その食感はういろうに近似している。

鹿児島城下新照院通町の武士が作ったのが始まりとされており[12]、昔は数十cm程に長く作られた為、その形状から陰茎を指す、うまんまら馬ん摩羅)と呼ばれていた。

春駒と呼ばれる様になったのは、この菓子が献上され、その名称を尋ねられた時に、「うまんまら」と言う表現が直接的だった事から、周囲が閉口してしまった為、言い替えられた物であるとされており、その時に献上された人物については、当時の島津藩主や、行幸で鹿児島を訪れた皇族等、諸説様々な話が伝えられている。

1924年(大正13年)の春、高村光太郎遠山村(現・成田市)駒井野に住む水野葉舟とともに下総御料牧場を訪ねたときに作詩したもの。三里塚記念公園内に詩碑が建立されている[13][14]

脚注

参考文献

  • 『旅芸人のフォークロア―門付芸「春駒」に日本文化の体系を読みとる (人間選書)』川元祥一、農山漁村文化協会 (1998/03)

関連項目

外部リンク


「春駒」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



春駒と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「春駒」の関連用語


2
若駒 デジタル大辞泉
94% |||||









春駒のお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



春駒のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
中経出版中経出版
Copyright (C) 2025 Chukei Publishing Company. All Rights Reserved.
社団法人日本人形協会社団法人日本人形協会
Copyright (C) 2025 社団法人日本人形協会 All rights reserved.
※このホームページに掲載されている文章・写真・イラストなどの無断転載を禁じます。
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの春駒 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS