こう‐ず〔‐ヅ〕【構図】
構図
構図
構図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/17 03:14 UTC 版)
窓辺で男女が談笑をしており、2人は構図と光によって対照的に描かれている。女性は半ば開けられた窓からの日光を受けて輝いている。これに対して男性は、壁やテーブルクロスの明るさに対してシルエットのようになっている。男性は背面を向けているため、表情と左手の様子はほとんど見えない。女性は笑顔を浮かべて開放的であり、白い頭巾と黄色いドレスも明るさを強調している。女性の表情から、男性も会話を楽しんでいるであろうことが推測できる。 鑑賞者は男性の肩越しに観るような構図になっている。人物の明暗が明確なため、2人が光を囲んでいるような効果を与えている。これはカラヴァッジョ風の画家を指すカラヴァジスト(英語版)から続く表現だが、人物が正面から向かい合う配置はフェルメールの作品としては珍しい。 透視図法を意識して作図されており、閉じた窓枠の消失点は2人の中間にあり、2人の視線は消失点とほぼ同じ高さにそろえられている。開いた窓や、男性が座る椅子の枠は、左側の消失点に集まるようになっている。女性の頭上にある地図の下端は男性の額へと達しており、2人の心理的な距離が近く見えるようになっている。 向かい合っている2人のうち、手前の男性は女性に比べると大きく見え、奥行きが見て取れる。男性の大きさに加えて、後方へ伸びる窓枠によって遠近法が強調されている。前景の半分近くを占める男性の大きさは、広角レンズや凸面鏡から見た光学効果に似ている。そのため、フェルメールが光学装置を用いて制作したという説のきっかけとなった(後述)。 『兵士と笑う女』はフェルメールが様式を確立する過渡期にありながらも、光の表現、厚塗りの処理など、彼の特徴が見られる。のちの作品では、人物の見かけが大きく異なるように描くことはなくなるが、左側の窓、奥の壁との並行などの要素は引き継がれていった。
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