しゃじつ‐しゅぎ【写実主義】
写実主義
【読み】:シャジツシュギ
【英】:REALISME
客観的現実を尊重して、それをあるがままに描写しようとする芸術制作の態度や方法を指す。描写する対象を様式化、歪曲化(デフォルマシヨン)、抽象化、理想化することなく、対象の特徴を正確に再現しようとする。しかし客観的現実の本質的な特徴を捉えようとする志向は、外面的な細部描写を排除して理想化が入り込む余地を残しており、実際にはかなり幅の広い表現方法が含まれる。狭義には1840年代に、クールベ、ジャン・フランソワ・ミレー、ドーミエらによって興され、50年代に頂点に達したフランスの美術運動を指す。これは、近代市民社会の成立を背景として表われ、新古典主義やロマン主義のように歴史やアレゴリーを主題とせず、クールベが庶民の生活や労働を描いたように、美醜を問わず真の姿を表現しようとするものであった。その後のリアリズムを名のる主な運動としては、ソビエト連邦など社会主義国で展開した社会主義リアリズムや、1960年代から70年代にかけて欧米に現われたスーパーリアリズムなどがある。
【英】:REALISME
客観的現実を尊重して、それをあるがままに描写しようとする芸術制作の態度や方法を指す。描写する対象を様式化、歪曲化(デフォルマシヨン)、抽象化、理想化することなく、対象の特徴を正確に再現しようとする。しかし客観的現実の本質的な特徴を捉えようとする志向は、外面的な細部描写を排除して理想化が入り込む余地を残しており、実際にはかなり幅の広い表現方法が含まれる。狭義には1840年代に、クールベ、ジャン・フランソワ・ミレー、ドーミエらによって興され、50年代に頂点に達したフランスの美術運動を指す。これは、近代市民社会の成立を背景として表われ、新古典主義やロマン主義のように歴史やアレゴリーを主題とせず、クールベが庶民の生活や労働を描いたように、美醜を問わず真の姿を表現しようとするものであった。その後のリアリズムを名のる主な運動としては、ソビエト連邦など社会主義国で展開した社会主義リアリズムや、1960年代から70年代にかけて欧米に現われたスーパーリアリズムなどがある。
写実主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/02 00:36 UTC 版)
写実主義(しゃじつしゅぎ)、あるいは現実主義は、現実を空想によらず、ありのままに捉えようとする美術上、文学上の主張のこと。リアリズム(英:Realism)、レアリスム(仏:Réalisme)。
主な写実主義
- ルネサンス以降の美術は現実をそのまま表現することを目指してきたため、広義の写実主義と呼ぶことができる。その流れは西洋美術の伝統となり、権威付けられた。フランスで伝統の牙城となった芸術アカデミー主体のエコール・デ・ボザールの写実主義は、象徴主義や印象派から批判された。
- 19世紀フランスではロマン主義の風潮に対抗し、ギュスターヴ・クールベが写実主義を主張した(レアリスム宣言)。
- 文学史上の写実主義としてはフランスのギュスターヴ・フローベールやオノレ・ド・バルザック、イギリスのチャールズ・ディケンズ、ロシアのフョードル・ドストエフスキー、ブラジルのマシャード・デ・アシス、ポルトガルのエッサ・デ・ケイロスが知られる。
- ロシア革命の後、社会主義リアリズムが唱えられた。
- 近代日本では坪内逍遥が『小説神髄』で戯作や勧善懲悪を否定し、写実主義を主張した。
- 中国では茅盾が写実主義文学作家として知られる。『子夜』や『中国的一日』が代表作である。
関連項目
- ミメーシス (アウエルバッハ) - ヨーロッパ文芸の現実描写、文体、リアリズムの歴史について述べた書籍
- リアリスト芸術家
- スーパーリアリズム
「写実主義」の例文・使い方・用例・文例
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