しぜん‐しゅぎ【自然主義】
読み方:しぜんしゅぎ
1 哲学で、自然を唯一の実在・原理として、精神現象を含む一切の現象を自然科学の方法で説明しようとする立場。
2 倫理学で、道徳に関する事象を本能・欲望・素質など人間の自然的要素に基づいて説明する立場。
3 文学で、理想化を行わず、醜悪なものを避けず、現実をありのままに描写しようとする立場。19世紀後半、自然科学の影響のもとにフランスを中心に興ったもので、人間を社会環境や生理学的根拠に条件づけられるものとしてとらえたゾラなどが代表的。日本では明治30年代にもたらされ、島崎藤村・田山花袋・徳田秋声・正宗白鳥らが代表。→リアリズム文学
しぜんしゅぎ【自然主義】
自然主義
【英】:NATURALISM
自然対象を様式化したり、観念的な表現を行うのでなく、見えるがままに忠実に再現しようとする芸術制作の態度。自然主義は、自然に価値の原理を置き自然の理想化と相反しないところから写実主義の範疇に入るが、それと同時に、理想化を否定する狭い意味での写実主義とは矛盾する性質を持つ。この用語が特定の流派に結びつけられて初めて用いられたのは、17世紀イタリアのマンフレーディ、ホセー・デ・リベーラなどカラヴァッジオの後継者を指して呼んだ時だが、一般的には、19世紀後半にクールベの影影下に現れた写実主義の新しい傾向を指す。批評家カスタニャリが、1860年代から70年代のサロンに出品されたルパージュやベローの都市の新しい風俗を描いた作品や、マネによるパリの観楽街の描写などを自然主義と呼んだ。これはゾラが、自然科学の実験的方法を取り入れ、個人的感情を排して現実世界の観察を徹底させる文芸の方法を自然主義と呼んだことに対応する。
自然主義
自然主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/23 07:48 UTC 版)
まず、客観的価値は存在する、したがって、ある価値判断の真偽は、原理的に認識可能であると考える。この点で、客観説もしくは認識説と立場を同じくする。そして、それにとどまらず、価値判断に関する命題は経験的事実に関する命題に還元可能であると考える。この点で、還元説もしくは一元論と言うことができる。 古来、「善」や「正義」について語ってきた多くの思想家が、経験的事実への言及を積み重ねることで倫理的価値判断の真偽を結論づけてきた。その意味で、彼らの立場は自然主義であったと考えることができる。そのおもな例は、功利主義であり、進化主義(社会進化論もしくは社会ダーウィニズム)である。 しかし、20 世紀初頭にG. E. ムーアが「自然主義的誤謬」の問題を提起して以降、経験的事実のみから価値判断を導くことには疑問が投げかけられている。
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「自然主義」の例文・使い方・用例・文例
- 自然主義
- 自然主義者
- 徹底自然主義
- 自然主義的な作家の学校
- 米国の自然主義者で、古生物学と地質学に貢献した(1884年−1960年)
- フランスの自然主義者で、比較解剖学の父として知られる(1769年−1832年)
- スイスの自然主義者で、現代動物学の創始者の一人(1516年−1565年)
- 厄介なビザンチウムのスタイルを放棄し、より自然主義的なスタイルを開発したフィレンツェ人画家
- 英国人の自然主義者(アルゼンチン生まれ)(1841年−1922年)
- ドイツの自然主義者で、中南米を探検し、物理的宇宙に対する包括的記述をもたらした(1769年−1859年)
- 国立公園の作成を主唱した米国の自然主義者(イングランド生まれ)(1838年−1914年)
- ドイツの自然主義者で、動植物が小さい生物『滴虫類』で作られるという推測が細胞説につながった(1779年−1851年)
- ドイツの自然主義者(1709年−1746年)
- オランダの自然主義者、顕微鏡使用者で、昆虫の分類を提案し、いち早く動物の細胞を認め、最初に赤血球を見た(1637年−1680年)
- 英国の自然主義者で、チャールズ・ダーウィンの進化論に似た進化論を定式化した(1823年−1913年)
- (論理学で)自然主義という思想
- 自然主義という考え方
- 自然主義演劇という,正確に現実を模写しようとする演劇
- 自然主義という文学の思想
自然主義と同じ種類の言葉
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