アバンギャルド
「アバンギャルド」とは・「アバンギャルド」
アバンギャルドとはアート、音楽、ファッション、ビジネスなどの各業界で、前衛的な人やもののことを指す用語である。「アバンギャルド」の熟語・言い回し
「アバンギャルドな人」、「アバンギャルドなファッション」、「アバンギャルドな芸術」、「その芸術家集団はアバンギャルドだ」などと用いられる。アバンギャルドな人とは
文学や芸術やファッションの分野で前衛的な人物のことを「アバンギャルド」な人と呼ぶ。「アバンギャルド」な芸術家や「アバンギャルド」な表現者、「アバンギャルド」な文学者などの言い方をする。また、一般社会においては、エキセントリックな先端的な人物を「アバンギャルド」な人、あの人は「アバンギャルド」だなどと呼ぶ。また、先端的なファッションに身を包んだ人を「アバンギャルド」な人物などと呼ぶこともある。これらには、前衛的、先端的などの共通点がある。より、専門的な意味合いで「アバンギャルド」な人とは前衛芸術を行う芸術家を指す場合が多い。前衛芸術には、「前衛美術」「前衛音楽」「前衛演劇」「前衛文学」などの各分野がある。また、「アバンギャルド」「前衛的」の意味合いは各時代により異なってくる。例えば、19世紀における「アバンギャルド」と現代の「アバンギャルド」とでは意味合いも、ニュアンスも異なる。また、先ほど述べた各分野においても、「アバンギャルド」の意味合いは若干異なってくる。これらの、意味合いやニュアンスの違いはあるが、基本的に前衛的な感性を持った人、前衛的な表現をする人々の総称として、「アバンギャルド」な人という。
アバンギャルドフランスとは
「アバンギャルド」という言葉は、元々、フランスを起源とする言葉である。フランスの社会主義者であったオランド・ロドリグが当時の芸術家たちを「アバンギャルド」と呼んだことが起源だ。19世紀や20世紀前半の芸術界の中心はパリなどの都市を抱えるフランスであり、ここから「アバンギャルド」という言葉が生まれたことは一つの必然であった。「アバンギャルド」と呼ばれた芸術家達は、革新的な芸術運動を展開した。当時の芸術において、シュールレアリスムの芸術家達もまた、「アバンギャルド」と呼ばれた人々のうちの一つであった。
なお、現在においてはフランスでも、より前衛的な表現をする芸術家のことを「アバンギャルド」な芸術家と呼ぶことが多い。ここでいう、芸術家とは広義な意味での芸術家のことであり、ジャズや電子音楽などの領域も含まれる。また、映像芸術においても前衛的な表現をした映画を「アバンギャルド」な映画などという。なお、「アバンギャルド」という言葉の語源はフランスの軍隊用語であり、これは「前衛的な部隊」を意味する。転じて、当時の社会において前衛的な存在であった芸術家達のことを「アバンギャルド」と呼ぶようになった。
元々は、主にフランス国内で使われていた言葉であったが、やがて西洋を中心に世界中で使われるようになったという経緯がある。現在においては、フランスでも前衛的な芸術活動をする個人や集団のことを「アバンギャルド」と呼ぶ。さらに、現在では芸術の分野だけではなくより広域な各分野においても、前衛的な活動をする者のことを「アバンギャルド」な人とか「アバンギャルド」な集団と呼ぶようになった。
「アバンギャルド」の使い方・例文
・「彼はやはりアバンギャルドだ」・「アバンギャルドなファッションに身を包む」
・「アバンギャルドな雰囲気を醸し出す」
・「アバンギャルド映画祭」
・「アバンギャルドな映像作品」
・「アバンギャルドな監督」
・「アバンギャルドな詩」
・「アバンギャルドな音楽」
・「とても、アバンギャルドな感性」
・「アバンギャルドな活動」
アバン‐ギャルド【(フランス)avant-garde】
アバンギャルド[avant-garde(仏)]
アバンギャルド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/18 09:01 UTC 版)
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アバンギャルド、または、アヴァンギャルド(仏: avant-garde)[1]、漢語表現で「前衛」と呼ばれているものについて解説する。
概要
フランス語でもともと「前衛部隊[† 1]」を指す語であり「最先端に立つ人」、芸術の文脈においては、《革新的な試み》や《実験的な試み》を指すようになった。
美術・音楽・映画・演劇・舞踏・文学・書道・生け花など、各分野で「アバンギャルド」と呼ばれる表現が存在する。漢字で表現する場合は「前衛」とし「前衛芸術」「前衛美術」「前衛音楽」「前衛文学」等の用語・概念がある。
「アバンギャルド」がもともと軍事用語を引用したことからも「何かへの攻撃の先頭に立つ」というような、政治的ニュアンス、挑戦的な姿勢を示す言葉である(例えば、旧世代に属する芸術、保守的な権威、資本主義体制など、様々なものへの挑戦する姿勢、戦いを挑む気概などを含んでいるものを指す用語・概念である)。
政治的ニュアンスを含んだ言葉としての最初の使用例はアンリ・ド・サン=シモン[2]の『新キリスト教』(1825年)とされている。ロシア革命前後に起こったロシア・アヴァンギャルド[3]は、革命を象徴する芸術活動として活発な活動を行った。
1960年代がアバンギャルドの全盛期であった。保守化が目立った1980年代には、「"前衛"は(もう)古い」と見なすような風潮が見られたが、21世紀に入ってから再評価され、復活してきている。
- 類義語
- 「avant-garde」の類語に「experimental...(実験...)」がある。
- 「avant-garde」と「contemporary~」との相違点
- 「contemporary~ コンテンポラリー~(現代~)」が類語として用いられることもあるが、「contemporary」は単に「現代(同時代)」でしかなく、基本的に「時」や「時代」で線引きしているにすぎず、場合によっては、既存の価値観やシステムにすっかり屈服してしまった、なんら革新性の無いものですら含みうる。 よって、「avant-garde」(既存のものに挑戦する姿勢を指す概念)と「contemporary」とは、根本の概念が異なっている。
- たとえばある時代の映画の現場全体が「前衛」の気質に満ちていると、その時代の「現代映画」は「前衛美術」でありうるが、その時代の映画の現場が反骨精神を欠いていたら(たとえば、その時代の映画が既存の権益に迎合して、たとえば営利主義に満ちていたりしたら)その時代の「現代映画」は「前衛映画」とは異なっている、という関係になる。1960年代は「現代~」という表現を「前衛~」と同義語として用いることができたが、それは1960年代が「たまたま」前衛芸術の全盛期だったからである。類義語と見なせたのは、過去の話である。その後、世の風潮が、既存の価値観に迎合的になってしまった近年では「現代~」と「前衛~」は、しばしば、指す活動内容や、指す芸術家のリストが異なっている。
詳細
アバンギャルドという言葉のもつ「(既存のものへの)挑戦的な姿勢」という概念は、芸術制作の一部ジャンルとして存在する。用語として「アバンギャルド」「前衛芸術」というとき、それは20世紀に起きた一連の芸術運動のことを指す。イタリアのライター、レナート・ポッチェリは1962年の著書で、ヴァンガード文化がボヘミア文化の多様性や、サブジャンルである可能性を指摘した。
例
- モダンアート - 近代美術のこと、その当時に「モダン modern」とされた物。
- 現代アート - 20世紀末に新しいとされた芸術。
- ビバップ - 戦後の1940年代後半に確立されたチャーリー・パーカーから、ディジー・ガレスピーらにより創造されたジャズ。芸術音楽ではあるが、前衛音楽には含まれない場合が多い。
- フリー・ジャズ - オーネット・コールマンらが創造した前衛ジャズ
- 現代音楽 - 20世紀前半に生まれた新しい音楽ジャンル。クラシック音楽とは異なる新しい音楽。
前衛美術
前衛音楽
カールハインツ・シュトックハウゼン、ヤニス・クセナキス、ピエール・ブーレーズ、マウリシオ・カーゲル、アルフレート・シュニトケ、ルイジ・ノーノ、リゲティ・ジェルジュ、ジョン・ケージ、オーネット・コールマン、アルバート・アイラー、デレク・ベイリー、ムーンドッグなどの作曲家による楽曲が知られる。
「実験音楽」参照
前衛演劇
アンチテアトル、オフ・ブロードウェイ、オフ・オフ・ブロードウェイ(en:The Living Theatreなど)、アングラ演劇など。
アングラ演劇の代表は、1960年代の激動の時代を反映した寺山修司の天井桟敷、劇団黒テントなど。現在でも月触歌劇団や演劇実験室◎万有引力、J・A・シーザーらが、寺山のスピリットを引き継いだ演劇を発表している。
前衛文学
前衛映画
実験映画 も参照
ギャスパー・ノエ、ケネス・アンガー、スタン・ブラッケージ、ジョナス・メカス、アレッハンドロ・ホドロフスキー、デンマークのドグマ95など。
前衛舞踏
大野一雄、土方巽、伊藤ミカらが活躍した。暗黒舞踏も、この分野に含まれる。
前衛書道
前衛書道を参照。
前衛生け花
中川幸夫による前衛生け花が知られている。
前衛芸術の例(世界)
前衛芸術の例(日本)
脚注
注釈
出典
関連項目
- コンセプチュアル・アート
- ハプニング
- ブルームズベリー・グループ
- メルツバウ
- インスタレーション
- エログロナンセンス
- シュプレマティスム
- メタモダニズム
- ニュー・ブリティッシュ・スカルプチュア
- 危ない1号
- 作者の死
- 幻視芸術
- 47年グループ
- 63年グループ
- スペクトル楽派
- ニューヨーク・スクール
- ピエール・モリニエ
- マジックリアリズム
- 新即物主義
- スペキュレイティブ・フィクション
- 幻想文学
- メフィスト賞
- ヌーヴォー・レアリスム
- ヌーヴォー・ロマン
- テル・ケル
- ウリポ
- 荒地 (詩誌)
- ポストモダン文学
- ミニマリズム
- アヴァン・ポップ
- シカゴ・イマジスト
- ローブロー
- YBAs
- スリップストリーム
- フラッシュフォワード
- ビートニク
- カットアップ
- レトリスム
- 芸術世界
- ロシア・フォルマリズム
- ロシア・アヴァンギャルド
- ターボ・リアリズム
- シュルレアリスム
- フュマージュ
- オートマティスム
- スーパーフラット
- ドゥニ・ディドロ
- メタフォリカルレアリズム
- 新表現主義
- トランスアバンギャルド
- マルティン・キッペンベルガー
- 未来派
- ヴォーティシズム
- 加速主義
- 資本主義リアリズム
- ダダイスム
- ネオ・ダダ
- ヴァンガード
- コブラ (芸術運動)
- 反芸術
- アンダーグラウンド・コミックス
- オルタナティヴ・コミック
- アブストラクト・コミックス
- 六師外道
- ミシェル・オンフレ
- 秘密集会タントラ
批判・反動
アバンギャルド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 03:26 UTC 版)
振り子式の多機能ペン。機能は油性ボールペンの黒・赤・青、シャープペンシルの0.5 mmの4つ。
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