一四部隊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 09:11 UTC 版)
茅原 那姫(かやはら なつき) 海洋遠征軍・“開拓一四部隊”の統括。綺麗に整った目鼻立ちの可愛らしい少女。15歳。身長が平均よりやや低いが、胸元の肉付きは服の上からでもわかる程度には女性的。鈴の音の様に透き通った愛らしい声。 身元不詳だが、使える系統を評価され、5年前に龍次郎によって連れてこられた。能力で生産性を支えているため、最年少の14歳で“赤服”を与えられ、東京の居住区画を任されており、物資集積地の現場責任者も務めている。また、新設の“一五部隊”についても実質的な司令官として指揮下に置いている。 仕事があるときはB.D.Aで脳波コントロールして何日でも徹夜できるが、一度熟睡すると6時間以上経たないと梃子でも起きない。初任務の際は年齢も身長も低く、アラビア海の海賊との交渉も侮られて“Mini Ma’am(ミニ・マム)”の蔑称で呼ばれたこともあり、低身長がコンプレックスになっている。しかし、ホルモンバランスの崩れる不規則な生活習慣や動物性タンパク質をあまり取らない食生活の弊害で、成長が停滞気味。一方、植物性タンパク質を多く取っているので胸が急成長している。今でこそ自重が見られるようになったが、高適合者特有の悪癖で他人を頼れずスタンドプレーに走り過ぎる傾向があり、赤服になる前はよく龍次郎に殴られていた。 親しい異性を得ることに消極的で、自分の未来より国の未来に重きを置いている節がある。特権で再現部門に回す注文票は全て部隊を増強する為の機械ばかりで、そのせいでロクな私服を持っていない。また、幼少期に鉄塔に登っていた時、アマルティアに宙ブラリにされたトラウマで、今でも若干高所恐怖症。 周辺国の情勢についてもよく学んでおり、国家間の交渉人としても極めて有能。仕事に真面目に取り組んでいるつもりで理詰めの100倍返しで言い返している為、極東で逆らってはいけないトップスリーの女傑として年上の男衆から恐れられている。また、能力などを求めた見合い話が舞い込んでいるが、その全てに対して一律に“仕事が忙しい”という理由で切って捨てている。 世界に2人しかいない稀少な不可逆変換型の高適合者で、他にも虚数変化や流体操作など計7つの系統を使い分ける逸材。粒子適合率は20%。専用のB.D.Aは右腕用の“Beard of whale(鯨王の大髭)”。2巻からは両足用のB.D.Aを新調している。不可逆返還の力により、極東の生産力を支えるのみならず、医療や科学の分野でも重宝されている。さらに、複数の系統を緻密に使いこなし、散雨の様な連撃を紙一重で避け、触れた建造物を素材に変容させて大規模質量攻撃を行うこともでき、虚数空間の展開で加速路を形成することも可能。反面、体内の粒子量が20万と平均より少し上程度しかないのが欠点で、粒子量を細かく分ける事で普段は騙し騙し戦っており、本来ならば体質的に短期決戦しか出来ず、長期防衛戦や乱戦は最も苦手な分野。加速路形成も人1人を跳ばすのは2回が上限。また、体内の粒子体が過剰燃焼した状態でも、変質したタンパク質を戻すことで発熱で即死するのを防ぐことが可能。 実は300年もの間アマクニが待ち続けていた“天孫”、つまり日本の皇族直系の末裔。5歳の時、所属していた海上移動要塞都市“アルカディア”が“ウロボロス”によって滅ぼされた際に、与えられた天賦の才を奪われ失いながらも1人生き残り、先生の遺言に従って極東に向かった。油断により“アルカディア”を滅ぼされた反省から、詳しい出自を知っているのは龍次郎と隼人の2人だけに限定される。 大阪での戦いでは、一真がジャバウォックに対処している間に、“死幻蝶”を市街にばら撒いていた“合寙 ”の死骸を千尋の誘導で破壊する。九州における“大山祇命”との決戦では、桜島中心部に安置される“天叢雲剣”を確保する為、アマクニに自らの出自を明かし、地上に戻ると一真と共に“大山祇命”に伸びていた全ての菌糸を焼き切った。Override in Type Hermes Diva(限定解除 タイプヘルメスディーヴァ) 両足のB.D.Aを起動させるPower of word。虚数化による質量の希薄化と全心筋の増強を行うことで最高到達速度は第二宇宙速度に匹敵、全身から魂の色を模した紅い極光を発して空を翔け、彗星の様な一撃を放つ。但し、体内粒子の少なさから最大戦力は2、3秒しか維持できない、自滅する危険性も低くはない、使用後は全身に激痛が走り、無理に適応しようとした体内の粒子体によって代謝機能が壊れて普通なら即死するほどの発熱を起こすなどリスクも大きい。 天ノ宮 千尋(あまのみや ちひろ) 開拓一四部隊に所属する“赤服”の1人。艶やかで長い黒髪をカチューシャで留めた、強い感情が浮き彫りになりやすい整った顔立ちと力強い目元、豊満な胸の女性。16歳。龍次郎は伯父で、日番谷姉妹は従妹。一真の妹・立華の子孫。 B.D.Aは知覚操作型。専用のB.D.Aはイヤリング型の“Laplace(ラプラス)”。適合率25%のうち、実数値が3%、虚数値が17%、共有値が5%で、加速率は高くないが、合算すると30%越えする。大気中に溢れる粒子体の流動を知覚して、その結果を映像情報に出来る。高度な生体自己制御を身に付ける必要のあるこの系統は使い手が少なく、習得まで10年かかるとされるとされていることから、幼少期から知覚操作のみに焦点を絞って身につけた。また、架空粒子をB.D.Aで変質させた架空光子によって脳内に直接情報を流す精神感応(テレパス)にも適正があり、中大連から譲られた新型の架空光子感応型B.D.Aを使い、周囲に飛び交う7つの球体から放出される架空光子により、粒子妨害を受けることなく常に全体へ情報を伝えることが可能になる。ただ、架空光子を使える者でないと会話はできず、使えない相手には一方通行の念話にしかならない。実数値の低さから身体強化は得意ではないが、B.D.Aを起動した状態なら50キロのライフルを担ぎ、廃塔の間を跳びながら移動する程度の身体能力は有している。 第三国立国会図書館の現場責任者で、旧時代の文明を研究して300年前の営みや技術を再現して活用する文明復古を行なっている。研究分野は星辰粒子体研究と大和文化の復活の2つ。四季のお祭りや神道宗教の解明も目指している為、奉納演武の経験がある一真には興味がある。また、海洋遠征軍が太平洋遠征に出ている間、駐屯している部隊の臨時統括を任されている。 九州への道中に那姫が突発性の過剰燃焼で倒れた際は、部隊の総司令官を委譲された。“大山祇命”との決戦では、敵の電子パルスと濃霧で困難になった電波通信の代わりに精神感応で混乱を立て直し、シャンバラから交信してきたクリシュナの要請で着弾観測を行う為、多脚型戦車で桜島に上陸、最大限に接近した。 日番谷 響(ひつがや ひびき)・日番谷 吹雪(ひつがや ふぶき) 海洋遠征軍・開拓一四部隊に所属する将官候補生の双子。響が姉で、吹雪が妹。パッと見には同一人物にしか見えないほど瓜二つで、特徴的な亜麻色の髪をツインテールに結ぶリボンの色だけが容姿に差異を付けている。年齢は12歳ほど。5年前に両親と妹をモービーディックに殺されている為、お互いの他には千尋と龍次郎だけが肉親。 系統としては潜在的な次元干渉型なのだが、適合率が共に16%ずつしかないため、単体では力が発現せず、どちらか片方だけではポンコツだと自認している。だが、中大連から提供された“Type Gemini”を用いることで適合率30%の大台を超え、空間跳躍などの強力無比な能力を行使できることから、2人揃えば無敵を自負している。 誰かをからかう時は2人揃ってステレオ口調で話す。口調を注意されると「「じゃあモノラルで♪」」と同時に喋るが、「単一音源(モノラル)にもなってないしそういう意味じゃない」と相手につっこまれるまでがお約束。 将官候補生としての就労場所は第三国立国会図書館。世話好きで年齢の割に教養もある。 同年代は誠志郎以外全員モービーディックに殺されている。九州遠征で出会った三四と仲良くなり、彼女が生物兵器だと分かった後も態度を変えることなく、“大山祇命”との決戦では巨大菌核に融合した彼女の救出の為、王と共に最前線へ向かった。Oversynchronize in “Type Gemini” (限界突破同調 “形態、双子星”) 中大連から貸し出された最新式の同調型B.D.Aを起動させるPower of word。お互いを加速器として利用できるようになり、適合率は30%を超えて次元干渉型を発現する。ただ、まだ調整不足なので高粒子濃度の空間に干渉する力は無く、巨大菌核などの内部では短距離跳躍するのが限界。
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