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月別アーカイブ  [ 2006年01月 ] 

菌床考察Part3

菌床を使う場合、ボトル製品を使う場合はそのまま使うだけですが、ブロックを使う場合の注意点を確認しておきます。
①菌糸の膜をきれいに取り除くこと!
面倒くさがったり、量が減少することを嫌ってそのまま使用する方がおられますが、クワガタは分解したオガを摂取するので邪魔なだけです。
②ブロックはふるいにかけた後均一に混ぜて使用すること!
ブロックには通気腔があるため、その周辺は乾燥し、重力で水分も下のほうに分布しています。
ふるいで崩して良く混ぜて使用しないと安定した結果を得られないでしょう・・・・。
③1本目のビンから充分な容積のものを使用すること!
昨年1月にプリンカップ飼育の弊害と題してReportを書きました。
要約すると200ccのプリンカップ菌床で3令まで飼育したものは頭幅が9.6mm前後しかなく、その後大きな菌糸ビンで飼育するも羽化サイズも頭幅も小さかったというものです。
普通に800cc以上のビンで飼育すれば国産で11~12mm、Hopeiで12mm以上になります。
金魚を小さい水槽で飼えば大きくならないようにオオクワ幼虫にも同じことが言えます。ただ、何cc以上が必要充分なのかはわかりませんが・・・。
④ビンに詰める時は壁面をしっかりと!
柔らかく詰める、堅く詰めるに係らず、壁面は親指などでしっかり詰めておくことで、ビンと菌糸の間にキノコが生えたり水滴が溜まったりすることを予防できますので、持ちが違ってきます。
貼付画像は、3令虫を入れて6ヶ月以上が経過した1400ccプロー容器の表と裏です。
このように詰めの甘いところには隙間が生じてきますが、うまく詰めておけば6ヶ月でもこの状態です。
⑤瓶詰めから使用までの期間について
これは、新鮮な内にできるだけ早くという考えとじっくり寝かせて使用するとう相反する考えがあります。
どちらがよいのかはわかりませんが、ビン内の二酸化炭素の状況から判断すると最低1週間以上は経過して使用するのがよいのではないでしょうか・・・。
⑥管理について
・温度
菌床の使用温度は22~25℃くらいが最適と言われ、それ以下ではキノコが生えやすく、それ以上では劣化が早くなると言われます。しかし、実際に使ってみると確かに低温ではキノコが出やすくなるものの銘柄や湿度でも差がでますし、高温には意外と強く30℃くらいでも見た目には問題のない菌床もあります。
そうは言いましても理想的な温度は23±3℃辺りでは・・・・。幼虫にとっての快適温度も考えないといけませんし・・・・。
・保管
通気性がよい場所、振動・騒音のない場所、暗い場所などストレスのないところがよいのは間違いありません。

最後になりますが、害虫を持ち込まないことも大切です。
本日貼付した菌糸ビンですが、中から27g近い幼虫が出てきました。
菌糸ビンの劣化速度は、幼虫によっても違います。
このように、「居食い幼虫」「ダニなし」「壁面をきちんと詰めてある」「24~25℃にて温度管理」「暗室で紫外線をカット」の条件が揃えば6ヶ月でも何ともない場合もあります。
あと2ヶ月でも使用できる雰囲気でしたが、どうなっているかを知りたくて昨日ビン交換した例でした。

6ヶ月経過菌糸ビン16ヶ月経過菌糸ビン2







[ 2006/01/30 22:11 ] 菌床について | TB(-) | CM(-)

菌床考察Part2

今日は、オガの粒子の大きさについてです。
以前は、微粒子が主流でしたが、最近は目の粗いものが増えてきています。
チップ菌床は、材飼育に近く形のよい個体が羽化するとか大顎の太い個体が出やすいとかの怪しい宣伝もありますが、粒子間が詰まりにくいため通気性に優れていることは間違いありません。また、使用してみて持ち具合が格段によいのも事実です。
初2令には摂食しやすい微粒子菌床がよいと言われる一方で、私の経験からは初令から粗めを使用しても問題なく大きくなっています。
ここら辺もきちんと比較したデータを示しておかないといけないようです。
もし私が業者なら微粒子菌床を販売するでしょう・・・。どんな原料を使っても小さく粉砕してしまうとわからなくなりますし、ビン交換サイクルが早いければ儲かりますから!とこんなことも考えながら世間の情報を鵜呑みにしないよう心がけているのですが・・・。
これまで色々使ってみた経験から総括すると、「初令には微粒子でも粗めでも問題ないが、堅く詰めすぎない方がよい」「3令以降は持ちがよいチップ菌床を堅く詰めて使用するのがよい」「最終のビンには、よい蛹室をつくるのに適した菌床があるはずなのでさらに検討したい」と、こんなところでしょうか・・・・。

最後に水分含量について
水分含量が高くなると通気性は悪くなりますが、順調に大きくなります。
逆に水分を抑えたものは、羽化不全を起こしにくく仕上げ菌床に向いているとも言われます。
ただ、私の場合、水分50%未満の菌床で成長不全の個体に出会うことがあり、平均して大きくならなかった経験があります。最近は、水分含量を自己測定し54%前後のものを使用していますが、これもどの範囲が最適なのか未知の部分です。また、同じ微粒子と言っても粉砕の状態に違いがありますから、こんなところからも差が出るのかもしれません。
ここまで、菌床の性状から私の思いを紹介しましたが、みなさんも実践してよい話があれば教えて頂きたいと思います。
次回は菌床のパフォーマンスを高めるための「菌床の使い方と管理」について考えてみたいと思います。
[ 2006/01/26 21:14 ] 菌床について | TB(-) | CM(-)

菌床考察Part1

今日から菌床をテーマに書いてみます。
「菌床の組成からみた特徴」「菌床のパフォーマンスを高める使用法」について考えてみましょう!

まず、組成については公表されていない添加剤については全くわかりませんが、わかるところで分類してみます。
①菌糸の種類
ヒラタケ、オオヒラタケ、カワラタケ
②オガの種類
クヌギ、ブナ、ナラ、ミックス
③粒子の大きさ
微粒子、中粒子、チップ
④水分含量
市販品は43~62%(waizu実測値)

上記4ポイントの違いに加えて添加剤の影響もあるのでしょう・・・実際に使ってみると各銘柄で「持ち具合」「初令時の死亡率」「冬場のキノコ発生率」など、使用感は違ってきます。
これらは、地域や温度管理法(エアコン、温室、常温)によっても違ってくるはずです。
しかし、使用感などは二の次の話で、最終的に目的の個体が羽化するかどうかが問題ではないでしょうか。
要するに持ちが悪ければその都度ビン交換すればよく、キノコが出ればその都度取り除けばよいだけのことで、直接の菌床評価にはなりません。ビン交換は少ない方がよいとの固定観念もありますが、常に新鮮なオガの方がよい結果が出るかもしれません。(手間を省いて効率を高めることが目的なら話は別ですが・・・・)
一般的に太く大きくカッコよく安全に羽化させることが目的で、まずは幼虫体重を重くすることがポイントになるのではないでしょうか・・・。
では、上記のファクターをどう組み合わせて使うのがよいのでしょう?
ここはだれもが思考錯誤をしている部分で全くわからないのですが、私の考えを提案してみます。
まず菌種については、世間でオオヒラタケと呼ばれているものが使いやすく銘柄も豊富なので、これがよいことにしておきます。
次のオガですが、一般的に流布している「クヌギの栄養価が高い」という話も怪しいものです。成分分析をした場合、組成に大きな違いはないようですから・・・・。
また、3令終期までクヌギを使うとお尻の長いカッコ悪い個体が出やすくなるため3令後期はブナがよいとの情報はどうなのでしょう・・・・。
昔はクヌギ100%が持てはやされたのに最近はブナや混合菌床が増えてきています。
業者の都合で情報がつくられている可能性もありますから、根拠を示したいものですね!
そこで今年は、初令から羽化まで菌床を替えずに飼育する群も設定したいと思っていますが、果たして余力があるかどうか・・・。
よく成長過程に合わせた菌床選択が大切と言われますが、どの過程に何が合うのかを探すことから始めてみたいと思います。今日はここら辺りで、続きはまた・・・・。
[ 2006/01/24 16:42 ] 菌床について | TB(-) | CM(-)
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