菌床を使う場合、ボトル製品を使う場合はそのまま使うだけですが、ブロックを使う場合の注意点を確認しておきます。
①菌糸の膜をきれいに取り除くこと!
面倒くさがったり、量が減少することを嫌ってそのまま使用する方がおられますが、クワガタは分解したオガを摂取するので邪魔なだけです。
②ブロックはふるいにかけた後均一に混ぜて使用すること!
ブロックには通気腔があるため、その周辺は乾燥し、重力で水分も下のほうに分布しています。
ふるいで崩して良く混ぜて使用しないと安定した結果を得られないでしょう・・・・。
③1本目のビンから充分な容積のものを使用すること!
昨年1月にプリンカップ飼育の弊害と題してReportを書きました。
要約すると200ccのプリンカップ菌床で3令まで飼育したものは頭幅が9.6mm前後しかなく、その後大きな菌糸ビンで飼育するも羽化サイズも頭幅も小さかったというものです。
普通に800cc以上のビンで飼育すれば国産で11~12mm、Hopeiで12mm以上になります。
金魚を小さい水槽で飼えば大きくならないようにオオクワ幼虫にも同じことが言えます。ただ、何cc以上が必要充分なのかはわかりませんが・・・。
④ビンに詰める時は壁面をしっかりと!
柔らかく詰める、堅く詰めるに係らず、壁面は親指などでしっかり詰めておくことで、ビンと菌糸の間にキノコが生えたり水滴が溜まったりすることを予防できますので、持ちが違ってきます。
貼付画像は、3令虫を入れて6ヶ月以上が経過した1400ccプロー容器の表と裏です。
このように詰めの甘いところには隙間が生じてきますが、うまく詰めておけば6ヶ月でもこの状態です。
⑤瓶詰めから使用までの期間について
これは、新鮮な内にできるだけ早くという考えとじっくり寝かせて使用するとう相反する考えがあります。
どちらがよいのかはわかりませんが、ビン内の二酸化炭素の状況から判断すると最低1週間以上は経過して使用するのがよいのではないでしょうか・・・。
⑥管理について
・温度
菌床の使用温度は22~25℃くらいが最適と言われ、それ以下ではキノコが生えやすく、それ以上では劣化が早くなると言われます。しかし、実際に使ってみると確かに低温ではキノコが出やすくなるものの銘柄や湿度でも差がでますし、高温には意外と強く30℃くらいでも見た目には問題のない菌床もあります。
そうは言いましても理想的な温度は23±3℃辺りでは・・・・。幼虫にとっての快適温度も考えないといけませんし・・・・。
・保管
通気性がよい場所、振動・騒音のない場所、暗い場所などストレスのないところがよいのは間違いありません。
最後になりますが、害虫を持ち込まないことも大切です。
本日貼付した菌糸ビンですが、中から27g近い幼虫が出てきました。
菌糸ビンの劣化速度は、幼虫によっても違います。
このように、「居食い幼虫」「ダニなし」「壁面をきちんと詰めてある」「24~25℃にて温度管理」「暗室で紫外線をカット」の条件が揃えば6ヶ月でも何ともない場合もあります。
あと2ヶ月でも使用できる雰囲気でしたが、どうなっているかを知りたくて昨日ビン交換した例でした。
