蛹自身が作成した蛹室に勝るものはないことを前提として、キノコ発生、菌床劣化、不充分な空間容積などのトラブルにより、そのままではよい結果を出せないことが想定される場合、人工蛹室を使用する場面も出てきます。
そこで今回は、安く簡便で安全に羽化させられる人工蛹室について考えてみたいと思います。
特に最近あれこれ試すようになった背景には、低温飼育によるキノコ発生があります。蛹化ビンを発酵マットにすれば回避できますが、サイズに影響が出ないとのエビデンスがありません。その内検討する必要がありますが・・・・。
そこで、まずは菌床劣化などあらゆるシーンで活用できる人工蛹室について検討しておくことにしました。
ウレタン素材の人工蛹室が販売されているものの、私の中では信頼性がありません。
前蛹から入れると★になることも多く、蛹から投入すれば★になることはほとんどありませんが、意外にも羽パカなどの羽化不全を経験しています。
どうも壁面の角度がきついところに問題があるような気がしています。
また、あの価格であの安全性では買う気になりません。
いろいろ試した結果、安全性が高いのは、昔から紹介されているオアシスやキッチンペーパーを利用したものでした。
本日は、まずキッチンペーパー編です。
最も簡単にできるのは、トイレットペーパーの芯に濡らしたキッチンペーパーを巻いて、適当な容器に固定して終わりです。しかし、75mmを超えるような大型個体には小さくて役不足のような気がします。そこで、紙パックでできたグリコのカフェオーレ容器を半分にしてキッチンペーパーを巻いてみました。(貼付画像1)
そして20gある大きめの蛹を入れてみたのが2枚目の画像です。
この写真は6月3日のものですが、先日無事に完品で羽化しました。
後日紹介しますが、期待のファラオだったのでホッとしています。
私としては、結構よくできた人工蛹室だと思っていましたが、前蛹から使用した場合に重大な欠陥があることがわかりました。
その事に関しては次回のreportで紹介します。