今日は、ブリード2012の総括をしておこうと思います。
昨年は、自分でも情けなくなるくらい下手くそな飼育をしてしまい、意図しない早期羽化を♂で4頭、♀では16頭も出してしまいました(>_<)
原因は、2つ考えられます。
1つは、早めに菌床飼育を開始したこと(4月下旬~5月中旬投入群から発生)
もう1つは、エコ目的で導入した床下飼育で9月上旬には積算温度に到達してしまったことです。
床下飼育を試みたのは、一昨年の温度モニタリング結果より、床下環境に魅力を感じていたからです。
床下は、7月下旬から9月中旬まで25~26.5℃の範囲で温度が安定し、外気温が10℃変動しても0.5℃以下の変動幅で、実に温度の安定した空間であることがわかっています。
さらに「暗い」「静か」「酸素供給に優れる」などの飼育に適した条件がそろっている上、電力も消費せず経済的です。
昨年は、能勢5番、6番、7番の中からランダムに床下飼育に回してみましたが、♀の多くが早期羽化してしまいました。
今年は、割出時期を遅らせるなどの修正を加え再挑戦していますので、うまく行くことでしょう・・・。
余談はさておき、昨年度の総括です。
まず、久留米は80~81mm辺りは出たものの、手応えを感じることもなく、ここで取り上げるほどのこともありません。(残した個体もブリード用に譲渡した個体もゼロです)
2010年Aラインは、私の元を離れて活躍する個体も散見されます。
やはり♂との相性により雲泥の差がでますね^^;
私の♂親は84.8mmですが、本当なの?って感じでした(笑)
一方、能勢はまずまずの成績!
♂親は、’10マサレッド8番83.8mmと871ギネス同腹82.5mmの2頭に絞り、それぞれに3♀を交配したところ、インライン配合以外はそれなりの手応えでした。
羽化個体の特徴としては、親の形質が継承され、5~7番はガッシリとした太めの個体、8~10番はスラッとした細めの個体が多くみられました。
以下が、来年の種親として残した一覧となります。
せっかくなので、簡単に各ラインの説明と所感を記載しておきます。
【5番系統】
847同腹の流れを汲む系統です。
インライン配合の弊害を心配しましたが、85.1mmが出たことで、冒険が吉と出ました。
なぜそこまで心配したかというと、この5番の種親の同腹は、幼虫時死亡や羽化不全が非常に多く、さらにインライン交配を続けることに抵抗があったからです。
しかし、★や不全傾向が次世代に継承されるか確かめたかったことと大型の血を選別して残したい思いから敢行したところ、★1羽化不全1のみに終わり、よい意味で予想を裏切られる結果となりました。
そして、完品で羽化した85.1mmは、サイズを狙うには有利と思われる長顎で、次世代以降のサイズ狙いに使用する楽しみが出てきました。
一方、♀は9頭中7頭も早期羽化させてしまい、これが痛恨のエラーです。
【6番系統】
インラインを回避しつつ847系で構成された配合で、5番がインラインで失敗した場合の保険の意味もありましたが、結果は安定しており、頭幅のある格好いい個体が多かったように思います。
また、866系と血縁的に離れているため、使いやすいのではないでしょうか。
このラインの♂を残さなかった理由は、同じ♂親の5番から85.1mm、7番から83.5mmが羽化しており、それらを残すことにしたからです。
ただ、このラインの♀も失敗で、9頭中5頭を早期羽化させてしまいました。
【7番系統】
この配合は、能勢2番と♀が同腹で、♂親は異なるものの847系で類似しています。
これらは、準ギネス系P7952という稀少ラインを含みますが、来年以降、2番と7番のどちらが有望なのか・・・考えてもわかりません。
このラインは、16頭中12頭が♂に偏り、2♀は早期羽化となりましたが、通常羽化の2♀はどちらも54mmを超えて来たため、密かに期待し、♂83.5mmと共に種親として残しました。
【8番系統】
871同腹のインライン配合で、当たるか外れるかの興味も含め期待していましたが、一番振るいませんでした。
クワ友さんと幼虫を折半して11頭を飼育し、♂6頭が羽化して80mmオーバーは2頭だけでした。
血統的には超良血ですが、インラインによる頭打ち現象を感じましたので、871血統の流れを汲むラインは、成績の良かった9番と10番を種親として残すことにしました。
【9番系統】
幼虫時の経過では、体重判断で最も期待の大きかったラインですが、終わってみれば80mm未満はでなかったものの83.6mmが最高でした。
ただ、準ギネス系のP8250の血を含むため、将来の血のバリエーション確保を考えると残して発展させたいラインだと思っています。
個人的には大きな♀が出たラインの次世代は有望と思っていますので、2頭の55mmUPの結果から密かな期待はあります。
【10番系統】
自己ギネスを大きく更新する86.7mmが完品で羽化しました。
871ギネス同腹♂と前ギネス866同腹♀との交配ですが、血統的な後押しと共に871系と866系の相性のよさを感じます。
867は、このラインのなかでは頭幅もあり、♀側の866系の影響が大きいのかもしれません。
来年のうちのエースとして色々な♀に交配してみようと思っています。
このように異なる2系統からある程度の種親を確保できたことで、組合せのバリエーションは広がりました。
しかし、世の中の飛躍的な羽化サイズの伸びについて行くためには、さらなる強化を検討したいところです。
あと何年ブリードを楽しめるかわかりません。
飼育条件の検討だけでなく、血統管理、優良な種親の確保など、私なりに全力投球で行きたいと思っています。