トップシェア企業が恐れるデジタルジレンマとは?
2007年4~9月期の携帯電話・PHSの国内出荷台数が前年同期比12%増と伸びている。
背景には、ソフトバンクの参入による番号継続制度の導入による競争の激化によるものが大きい。そんな中、圧倒的トップシェアを持つドコモだけが、唯一シェアを落としている。なぜか?
その背景の一つに
デジタルジレンマというキーワードが関係しているらしい。
デジタルジレンマとは、トップシェア企業が現在のシェアを維持する為に、製品性能を繰り返し高めていく中で、機能が過剰になりすぎて値段が上がり。安価で勝負する新規企業に負けてしまうという現象が、デジタル製品を扱う企業では生じてしまうというものらしい。
最近の携帯で言えば、カメラ機能や、テレビ機能、電子財布機能、音楽プレーヤーなど、様々な機能が充実しているが、誰しも全ての機能を使いこなすわけではない。人によっては必要ない機能もたくさんある。省いたほうが良いといった機能も使う人によってはあるはず。
しかしながら、一部の機能を省く方が、コストがかかるということだ。
同様に、PS3でも、高性能半導体を開発して性能高めたが、消費者には価格も高くなり、反応が良くない。そんな中で成功したのが任天堂。消費者ニーズを捉えた、新たなゲーム戦略を展開した結果だ。
ユーザーニーズがたとえ分かっても、それを実現することがトップシェア企業になればなるほど難しいということが、デジタル商品にはありえることを、認識しておかなければならない。