マイナンバーって技術の問題なのか

https://www.tokyo-np.co.jp/article/261168 相次ぐトラブルと、マイナンバー保険証への反対の声など、このへんで政府としてもちゃんと検討して対策を行うことをPRしなければならないのか、国会閉会中審査が行われた。

結果はといえばしっかり対策して進めますという、既定路線の再確認というところ。問題の本質には触れることはなかった。

要するに、
  • 間違った紐づけなどが紛れ込んでいることが発覚したから、データが正しいかどうか点検する
  • システムの仕様に不適当なところがあったから改修する
  • 人為的ミスによる誤データが発生していたからマニュアルを点検し厳格な運用を行う
  • そのうえで、マイナンバー保険証へ円滑に移行できるよう、万全の対策を行う
ということである。

というか上に書いた審査会の結論というのは、その前に私が想像したものである。
少し目新しいのはプッシュ通知を検討するという話かな。だが、何をどういうタイミングで何に対して? スマホまで登録しろということだろうか。いずれにせよまた技術でごまかそうという態度にしか思えない。

私の見込みどおりの結果となり、結局、政府は全く反省せず、失敗はシステム業者と、運用に関わった関係機関の職員の責任である、政府としては監督に問題があったことは反省し、今後、このようなことがないように、札束(税金!)も少々用意して、それで厳しく尻をたたくというわけだ。

たしかに性急なデジタル化で不具合があったの遺憾なことで、デジタル庁の取り組みを強化するということになる。またも力任せの解決をはかろうというわけだ。

しかしこの問題はICTの問題とか、デジタル庁の問題とかではないと思う。こうした問題を多数誘発したのは、マイナンバー制度及びマイナンバーカード制度そのものにある。
デジタル庁はなんでも技術で解決しようという姿勢、それが無理なら運用する人間が悪いとする姿勢で一貫しているようだ。とても制度そのものをよくできるような役所ではない。

長官は「マイナンバーカード」という名前が悪いとか言っているらしいが、名前を変えると同時に、制度全体を見直すという趣旨であればあっぱれである。


私はICTを前提としない諸外国の国民IDにならって制度を全面的に見直すべきだと考えている。
国民IDは秘匿するものではない。本名を秘匿しないのと同様である。(もちろん知られたくない人にどちらも教える必要はない)
国民IDはユニークなものでなければならないから、ユニークネスを保証するシステムさえあれば十分である。(⇒名寄番号

住民基本台帳番号、マイナンバーと、失敗を繰り返し、この間、何兆円もの費用をかけてきた。
しかし、そのおかげで、国民IDに対する忌避感は、マイナンバーへの忌避感に置き換えられて、もっとシンプルでコストのかからない制度にするならそうしてほしいという輿論に向けることができると思えば良い。
勉強代にしてはいささか高すぎたけれど。

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