CLANNAD~AFTER STORY~の第16話を見ました。


第16回 白い闇
渚の体調は悪化の一途をたどっていた。
仕事を休めない
朋也の代わりに、昼間は
早苗が
渚に付き添い、
秋生も頻繁に様子を見に訪れる。
そんな2人の協力を受け、
朋也は内心の不安を隠しながらも、
渚のために毎日ひたすら仕事に励み続ける。
誰もが
渚のことを第一に考え、できる限りのことをしていた。
そんな折、
朋也はある思いにかられ、
早苗に
渚のことで自分を恨んでいないかと尋ねる。

「もしかしたら、早苗さんは俺を恨んでるんじゃないかって思う事があります。俺と出会わなければ、渚は危険と隣り合わせの出産なんかしないで済んだ…俺が渚を変えてしまったんです。初めて会った時のアイツは本当に弱々しく見えたんです。俺が声をかけなかったらずっと坂の下に立ってたんじゃないかって思うくらい。俺は自惚れていたんです…。アイツは俺と出会ったのがきっかけで強くなった、俺もアイツのお陰で強くなれたって…」
「その通りです、朋也さん。私も秋生さんも朋也さんにどれくらい感謝しているか…」
「でも、俺は分からなくなったんです。俺がいなければアイツは今でも家にいて、友達は少なくてもそれなりに幸せだったかもしれない…。でなきゃ、俺なんかよりいい奴と出会ってもっと幸せになっていたかもしれない」
「そんなこと考えられませんよ、朋也さん」
「早苗さんは優しい人だからそういってくれるのは分かってました。でも…」
「本心ですよ」
「すみません、少し甘えてしまいました」
新年を迎え、
春原や
杏、
椋、
ことみが
朋也の家を訪れ、皆で年賀状を見ながら楽しい時を過ごしていた。
「男の岡崎、父親になるってどんな気分だ?」
「妙なこと聞くんだな。」
「あたしも興味ある」
「親になるってどんな感じなんでしょうか?」
「僕はさ、親になるってまだ先の話だと思ってたんだ。でもさ、お前らがそうなるって聞いていきなり身近なことに思えてきたんだよ。お前らの前でこんなこと言うのも何なんだけどさ。父親なんて好きでなるもんじゃないと思うんだ、地震とか雷とかそういう天災みたいなもんだと思ってる。だから、どんな気分でそんなものになろうとしてるのか知りたいんだよ」
「さぁね、分っかんねえ。正直、実感だってあるんだかないんだか分からない。ただ好きな人ができて、そいつのために生きてたらそうなった、それだけだよ」

見ることも感じることのできない『隠された世界』の研究について
ことみから聞いた
朋也は『終わった世界の女の子』の物語を思い出す。
『何だ!?どうして急にあの時のことなんか思い出したんだ!?終わった世界の女の子、何故俺はあの物語を知っていたんだ…?』
病院が建つあの森の広場を訪れていた
朋也のもとに
秋生もそこへやって来る。
「オメーも来てたのか。町は変わり続けていく、何もかも変わらずにはいられないんだ。人が生きてくってのは、そういう事なんだよ」
「でも此処はあんたにとって大事な場所なんだろ?もし、この工事を妨害したら渚は元気でいられるのかな…何かふとそんな気がしてさ」
「馬鹿言うな、此処に大きな病院ができるのは街の住人にとっていいことだ。俺達の感情でどうこうできる問題じゃねえ」
「俺、この街が嫌いになりそうだよ」
「実はな、関係者に頼みこんで木は何本か残してもらうことになってるんだ。ともぴょんもやったんだろ、似たようなこと」

大雪が降り、車も電車もストップして街の機能が麻痺する中、
渚は熱を出し、同時に予定よりも二週間早く陣痛が始まってしまう。
早苗や
秋生、八木も駆けつけてくれ、八木が指示を出してくれる。
「渚、俺は此処にいるからな。負けるなよ、渚。無事に生んで始めような、汐と三人で新しい生活」

『渚は何度も気を失った。また痛みで目を覚ます、目を覆いたくなるほど残酷な光景だった。長くて、出口の見えない時間が永遠に続くかと思った。俺自身が気を失うかと思った。心が耐えられなくなったのだろうか、全てに絶望してしまったのだろうか…』
無事に赤ちゃんは生まれ、汐を抱きながら
渚に話しかける
朋也。
「渚…渚…渚!!」
「朋也、くん…」
「此処だ。渚、此処にいるぞ。聞こえるだろ?俺達の子どもの泣き声。ほら、最初に抱いたよ俺」
「はい、可愛いです…」
「俺達の子だぞ、汐だ。元気な女の子だ。よくやった、本当に…」
「でも少し疲れてしまいました…ちょっとだけ休ませて下さい…」
「渚、待ってくれよ、渚!!もう少し話をしよう、聞いてくれてるだけでいいから。…渚、ずっと傍にいてくれるって言ったよな…?うっと一緒だって、何度も何度もそう約束したよな?それが俺の夢だった、生きてたっていいことなんて何もない。くそ面白くもない人生だってそう思ってた奴がやっと見つけた夢なんだ。なぁ、渚、渚…っ!!」

『出会わなければよかったんだ、このまま別々の道を歩いてればよかった。俺は渚と付き合わず、結婚もしない。そして、汐も生まれない、そうすればこんな悲しみは生まれなかったのに…。出会わなければよかった…』
次回、「夏時間」
CLANNAD AFTER STORY 4 初回限定版
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