第18話 チカ君のハニー打倒宣言桜蘭高校ホスト部第18話 チカ君のハニー打倒宣言 第三音楽室の扉を開けようとするハルヒに話しかけるメガネをかけた少年。 ハニー先輩を呼ぶように頼んできます。 扉から顔を出したモリ先輩に肩車されているハニー先輩。 「あれ~、チカちゃん!?どったのぉ?珍しいねぇ、高等部に来るなんて」 「光邦、覚悟!!」 突然、ハニー先輩に襲い掛かるメガネの少年。 ハニー先輩はうまく回避します。 状況がうまくつかめていないハルヒ。 「ちょ…ちょっと、待って!!モリ先輩」 「ん!?」 「ん!?って…」 強力モーターとともに現れたれんげは2人の戦いを実況します。 「チカの先制攻撃を余裕でかわしました、ハニー先輩。ひらりと華麗に宙を舞うハニー先輩は現代の牛若丸か!?っと体勢を立て直す暇を与えずチカが再び攻撃!!ハニー先輩、避けた!!そのまま足払いへ。両者一歩も退かず、激しく技を繰り出しあいます」 観客として、双子、環、鏡夜が現れます。 「おー、やってるな」 「せめて、場所を選んで欲しかったがな」 何をのんきなと言うハルヒ。 環が指差すので、振り返るハルヒ。 先ほどからチカと呼ばれているメガネの少年が武器を取り出しました。 「おおっと、ここでチカが武器を取り出した!!」 武器を使って戦うメガネの少年を反則じゃないのかと言うハルヒ。 「ハニー先輩が飛ばされた!!」 「チカの初勝利か!?」 モリ先輩とれんげの目が細まります。 「やった…」 勝利をかみ締めるメガネの少年。 「いいえ、ハニー先輩の勝利ですわ」 「れんげくんの言うとおりだ」 「え!?」 「影縫いだ」 メガネの少年の足が床に縫い留められています。 「くっ…いつの間に!?」 無傷なハニー先輩。 「ハニー先輩の一瞬の隙をついた見事な手裏剣捌き!!」 部室が暗くなり、そのシーンが上映(リプレイ)されます。 手裏剣って…と呆れているハニー先輩。 「もはやチカ、一歩も動けず!!いや~、いい試合見させていただきました」 地下に消えていくれんげ。 全くついていくことのできないハルヒはそもそも彼が誰なのか尋ねます。 「お!?顔を見て、分かんないか?ハニー先輩の弟さんだよ」 「あっ!?」 よく見りゃそっくりだと思うハルヒ。 埴之塚靖睦、通称チカ。 中等部3年で空手部主将(柔道部兼部)らしいです。 埴之塚家は華族でありながら、古来、武芸に秀で、あらゆる武術を取り入れた独自の武道を作り上げてきました。ですから、埴之塚の男子は外では空手や柔道を学びつつも、家では埴之塚流を極めることに努めているなどと説明している靖睦。 出会ったらとりあえずバトルするように教えられているそうです。 さっきのは家訓だったのかと納得するハルヒ。 ケーキを勧める環ですが、甘いものが嫌いだと言う靖睦。 「埴之塚流の基本は私心を戒め、無我を目指すことにあります。快楽や欲望をむさぼるなどもってのほか」 ケーキ1つで何を言っているのかと言う環。 甘いもの好きで最も甘えたちゃんであるロリショタボーイである埴之塚次期当主がそこにいると言う双子。 美味しそうにケーキを食べているハニー先輩を睨む靖睦。 「ちっ。言っておきますけど、光邦みたいな半端者は次期当主として絶対認めませんから。兄さんは確かに強い。しかし、自分を律することをやめ、堕落した兄さんに埴之塚流を名乗る資格はありません。1年前に気まぐれで空手部をやめ、ぬいぐるみやケーキに現を抜かせてるような者が兄でも埴之塚の家を継がせません。前からそれをはっきり言いたかったんだ。それと光邦、いつも言ってるけど、学校では俺に近づくなよ」 部室から出て行く靖睦。 窓の外を眺めているハニー先輩に話しかけるハルヒ。 落ち込んでいるハニー先輩に余ったケーキどうするか尋ねる環。 食べる~と笑顔で答えるハニー先輩。 色んな家の事情を抱えているんだなと感じるハルヒ。 何故、空手部を辞めてホスト部なんかになったのかハニー先輩に尋ねるハルヒ。 ホスト部なんかにとは何だとちょっと怒る環に空手部の方がずっとまともな部活じゃないですかと言うハルヒ。 ガーンと隅っこで体育座りをする環。 それを知るには少し過去に遡らなければならないぞと言う双子。 ホスト部ができるちょっと前の、ハニー先輩の空手部鬼主将伝説を話してくれます。 2年前 埴之塚家 高校生になったハニー先輩は1年生ながら、空手部主将を任せられるほどだとかと話している大人たち。 成長期であるとはいえ随分と小柄だとか言われています。 次期当主があれでは…とも。 周囲の目は自覚しているなとハニー先輩に言う当主。 より一層己に厳しくするようにと言います。 弱さと甘さを完全に捨てるのだと。 「ハニー先輩はそして努力なされたのだ。そりゃもう頑張られた」 相槌する双子。 武道の練習に励んだんですねと言うハルヒに違うと言う環。 周りの目を意識し、可愛いものグッズを封印されたそうです。 勇ましい男のイメージに近づこうと、似合っていないけど男らしいかばんの持ち方をやったりされたそうです。 男らしいメニューを頼んだりしていたが、その努力は周囲にバレバレだったそうです。 スウィ~ツに目を奪われるも、我慢するハニー先輩。 女子生徒には萌の炎が燃え上がっておりました。 それがどうして空手部の鬼主将伝説なのか尋ねるハルヒ。 2年前 桜蘭学園 空手武道場 部員達が気を使って、明らかに社交辞令で主将は男らしくて厳しくて鬼主将だよなと言っていたようです。 鬼主将、漢という響きに笑顔になっているハニー先輩。 泣ける話だと言う双子。 結局どうなったのか尋ねるハルヒ。 練習しているハニー先輩をぬいぐるみによって呼ぶ環。 部を立ち上げてみませんかと言う環。 容姿を活かして、暇をもてあます乙女達を慰めようと、可愛らしい小物、甘いケーキに囲まれて楽しく過ごしてみませんかと誘う環。 俺はケーキなど好きではないと断るハニー先輩。 可愛いものには興味はないと言いつつも、ぬいぐるみに釘付けになっているハニー先輩。 「俺は武道には詳しくないのですが、強さとは…真の強さとは一体何なのですか?失礼ですが、本当の自分を隠し、見栄を張ることは俺には逃げに見えます。自分が好きなものを知り、それを認めること、楽しもうとする前向きな力、それこそが本当の強さではないんですか?また、お伺いします。ゆっくり考えてみてください」 影から聞いていたモリ先輩。 真の強さとは一体何なのか父上に尋ねるハニー先輩。 お前の身体に直接教えてやろうと父上は道場に来いと言います。 埴之塚始まって以来の武道家だった父をこてんぱんにしたハニー先輩。 その頃から武道の実力は今と同じくらいに完成されていたように思われると言う環。 その時の審判を務めたのが、たまたま当時の防衛庁長官で以後、公の場では本気で戦わないようにお願いしたらしいと説明します。 何でか尋ねるハルヒ。 もし、ハニー先輩の実力が公の目に晒されると我が国は大量破壊兵器を持っていると言う疑いで国連の査察を受けるらしいとまで言う環と、恐ろしい~と言う双子。 まさに恐るべきな最終兵器のハニー先輩は空手部を辞め、このホスト部に入部したそうです。 型破りなハニー先輩のスケールは埴之塚にはおさまりきらず、弟のチカは埴之塚の家風でがちがちに育ってると言う感じだと言う双子。 これで本当にチカちゃんに嫌われちゃったねと言うハニー先輩。 これより埴之塚家ブラザー仲直り大作戦を開始すると言う環。 靖睦は本当に厳しくて鬼主将だと言われています。 本音のようです。 だけど実力はお兄さんのハニー先輩には到底及ばないんだろうと言っている部員。 「俺のところで兄さんの話をするな」 主将のチカくんよと女子生徒の見学者がいます。 可愛さではお兄さんには敵わないわねと言う女子生徒の後ろでメガネが怪しく光ります。 扉が閉められる道場。 次の練習メニューに移れと指示する靖睦は休憩は?とか言う部員に、この程度の練習で休憩はいらないと言います。 その様子を覗いているホスト部メンバー。 いつも比較されるので必要以上に兄が憎くなるパターンで、コンプレックスになっているなと言う双子。 可愛くて人気のある兄の方が実力的にも強いので、性格が歪んだなと言う馨。 ありきたりでつまんないと双子は別の遊び、探そうと言います。 非協力的だぞと言う環に、もっと面白そうな理由が隠されていると思ったと言う双子。 嫌われてもいいと言うハニー先輩。 遠い目になり、元気に育ってくれればいいと。 十分すくすく育ってると言う双子。 うるさいんですけどと言う靖睦。 ギクッと固まる双子と環。 学校で近づくなと言ったばかりだろうと言う靖睦は蹴りを仕掛けるも、ハニー先輩に避けられてしまいます。 「ちっ。この宇宙人め!!」 「チカちゃん…」 宇宙人?と言う双子。 いくらお兄さんの方が強いからって宇宙人呼ばわりなんてと言うハルヒ。 ケーキやうさちゃんのぬいぐるみが何故いけないと尋ねる環。 「それがただのケーキとうさちゃんなら、俺だって何も言いませんよ。俺は兄さんが強いから宇宙人扱いしてるんじゃない。皆さんは何とも思わないんですか?あの人、毎晩夕食食べた後にホールケーキ3個とか平気で食べるんです。いいですか?マジでホールケーキ3個ですよ!!」 ハニー先輩、家でそんな生活を…とちょっと呆れ気味の環。 「そして、先週のことです。夜中にふと目が覚めて食堂から明かりがもれているのに気づき…」 ケーキを食べているハニー先輩とうさちゃん。 今日は週に1度のスペシャルケーキナイトなのだと言います。 うさちゃんと一緒に決めたのだそうです。 冷や汗たらたらの靖睦。 「は、はっきり言って怖くないすか?怖くないすか?そんな地球人が存在すると思いますか?うさちゃん電波で一晩中ケーキ食べてるんですよ!!正直、宇宙人だと思いませんか?」 靖睦の方が正しいような気がしてきたホスト部メンバー。 それでも昔は仲が良かったと言う靖睦。 人より甘いもの好き、可愛いもの好きくらいで、だけど一時期それらを断った時があり、そのとき誰かに余計なことを吹き込まれたようだと言います。 自分が本当に好きなものを認めるのが真の強さだとか何とかと。 ギクッとなる環。 それ殻は一気にたかが外れて、今みたいな宇宙人になったと言う靖睦。 靖睦の苦労は元を辿れば環のせいなんだと言う双子。 きっといい解決策があると慌てて言う環。 「解決策ならある。な、光邦」 今までごめんねと靖睦に謝るハニー先輩。 でも、今の自分を変えようとは思わないから、男らしく埴之塚流でけりをつけようと言うハニー先輩。 靖睦が勝てば、少なくとも夜中にケーキを食べるのはやめると言うハニー先輩。 分かったと言う靖睦。 始め!!と言うモリ先輩。 戦う埴之塚兄弟。 部室での戦いと流れが似ていると言う環。 逆バージョンだなと言う鏡夜。 「光邦は少なくとも意図的だろう。おそらく、靖睦が手裏剣を出す。俺は長年2人の手合わせを見てきたが、靖睦は必ず前の手合わせで光邦が使った動きを取り入れてくる。光邦はそれに気づいていて敢えて靖睦がその技を出すきっかけを作ってやってる。宇宙人などと言っても、武道において靖睦が光邦を尊敬し、近づきたいと思っているのは明らかで、目に見えなくても繋がるべきところでちゃんと繋がっている。兄弟というのはそれでいいんじゃないかと俺は思う。それにこの勝負なら心配ない。光邦は靖睦にわざと負けて、靖睦に勝負を譲るつもりだろう…。あいつのことなら何でも分かるさ」 モリ先輩の考えとは裏腹に、手加減なしのハニー先輩。 靖睦に勝ちました。 小さくなっていくモリ先輩。 ケーキ、ケーキと喜ぶハニー先輩は勝ったのでスペシャルケーキナイトを週3回にするそうです。 完敗の靖睦。 白く固まっているモリ先輩にドンマイと声をかけるふ双子と環。 ケーキの方が弟への愛よりも勝るのかと呆れているハルヒ。 第18話完 ジャンル別一覧
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