第3話 初仕事、姫様応援団プリンセス・プリンセス第3話 初仕事、姫様応援団 グラウンドで練習している野球部や陸上部、サッカー部など。 メイド服で応援している姫3人組。 盛り上がる運動部。 むすっとした様子の実琴。 「私達が応援しています」 また盛り上がる運動部。 「地区予選大会、頑張ってくださいね」 更に盛り上がる運動部。 むすっとしている実琴でも盛り上がる運動部。 ここまで効果があるとはと階段に座って亨が裕史郎に話しています。 これで外の部は全部回ったそうです。 後は屋内だと言う裕史郎。 屋内といっても体育館や柔道、剣道、弓道などの道場です。 あと、プールも。 まだ文化部もいくつかあるみたいです。 外に応援に行くのは絶対に嫌だと言っている実琴。 姫達には地区予選大会まで毎日、各部を応援してもらうと言う有定。 毎日!?と驚く姫3人組。 バレー、バスケ、卓球、野球、陸上、サッカー、テニス、剣道、柔道、弓道、水泳部の11運動部とブラスバンド、合唱、将棋、コンピューター部の4文化部の計15部を毎日回るのだそうです。 15という数に驚く姫3人組。 有定は詳細(傾向と対策)を載せたファイルを手渡します。 優秀な部員を重点的に褒めるツボが事細かに書いてあり、士気を高めるためにもより念入りに応援して煽って頑張らせようという作戦のようです。 有定に煽ったのか尋ねる亨。 もちろんだと答える有定は名女優張りに煽ったと言います。 そのおかげで県大会どころか全国大会にまで進んだようです。 外でもあの格好をするのかとかなり嫌がっている実琴。 亨も裕史郎も閉じた空間の中だから許されるものであるので外であの格好をするのには抵抗があるようです。 有定は大丈夫だと言います。 理由は地区予選は日程が重なり、全部を回りきることが出来ないので不公平となるために応援には行かなくていいからです。 それを聞いて安心する姫3人組。 ただし、そこを勝ち抜けたら次は応援が付くことになっているらしく、応援が欲しければ勝ってと暗に言っているわけだそうです。 それを聞いて、姫3人組は勝利者のご褒美として予選を突破したら応援に行かなければならないのでテンションダウンです。 亨は有定に応援に行ったのか尋ねると、さっき全国大会まで行ったと言っただろうと答えるので驚く姫3人組。 生徒会役員は美しかったなと有定の応援を思い出しています。 しかも、相手校の選手まで見惚れていたらしいです。 って外に応援に行くことになったらどうするのか心配な亨。 会長が行ったから逃れられないなと答える裕史郎。 応援するのを止めようと言い出す実琴。 それも無理だと言う裕史郎。 理由は誰か1人でも逃げたら連帯責任で姫の特典はなくなってしまうので、実琴が逃げれば、自分達にもとばっちりが来ると言う裕史郎。 実琴はもともと姫をやりたかったわけでも、特典が欲しかったわけでもないと言いますが、今更そんなこと言っても始まらないだろうと言う裕史郎。 この格好で外に出るのは嫌だと言う実琴。 子どもみたいなことを言うなと言う裕史郎。 「いつもいつも俺に突っかかってきやがって!!」 「実琴がわがまま言うからだろう?」 「わがままとは何だよ!?わがままとは!?」 亨は裕史郎にそんなに嫌なら無理させなくても良いと言います。 実琴は前から裕史郎に言おうと思っていたことを尋ねます。 自分のことが嫌いかどうかということを。 「うん」 その回答に落ち込む実琴に嘘だと言う裕史郎はくだらないこと言ってないで次の衣装合わせに行こうと言います。 「四方谷なんか大嫌いだ!!」 家庭科室 名田庄が作った新しい衣装はナーステイストのメイド服でした。 喋りすぎる名田庄を止めようとする部員達。 しかし、興奮して止まりません。 有定のアイデアで頑張る部員達に奉仕する愛のメイド達となったそうです。 しかも、全部の大会用に衣装が用意されているそうです。 地区大会用にナース服、県大会用にチアリーダー風、全国大会ではウエディングドレスだそうです。 「嫌だ!!嫌だ!!絶対嫌だからな!!」 そこまで何故嫌がるのか分からない亨と裕史郎。 ウエディングドレスをかなり嫌がる実琴は何で俺がお嫁に行かなければならないんだと訴えます。 大げさだなと言う裕史郎。 姫の衣装は着ているのにと言われますが、実琴はそれとこれとは別だと言います。 何で男の嫁さんにならなければならないんだと言う実琴に裕史郎は子どもだと言います。 そして、やっぱり自分のことが嫌いなのかと裕史郎に尋ねる実琴。 「嫌いだよ」 この言葉に実琴がまた落ち込みかけるので、嘘だと言う裕史郎。 何泣きそうな顔してるんだと言う裕史郎は、ただ癇に障るんだと言います。 亨はフォローになっていないと言うも、実琴は目を回しています。 本当に嫌いだったら突っかかったりしないし、わざわざ名前で呼んだりしないと言う裕史郎はそれとも嫌って欲しいのかと尋ねます。 首を振る実琴。 「それよりどうするよ?思うんだけど俺達が応援しただけじゃ仮に士気は上がっても能力が上がることはないんじゃない?」 「それってどういう意味?」 「つまりさ、応援したところで結果は部員次第ということ」 その言葉で全部予選落ちしたら問題ないのかと気づく実琴。 しかし、甘いと言う裕史郎。 応援に来て見れば、皆やる気を出して無茶苦茶頑張って練習しているのです。 実琴に笑顔になるように注意する裕史郎。 野球部員のバットを持つ手にそっとやさしく手を添えるという傾向と対策通りにする亨。 将棋部員の将棋を持つ手に手を添える裕史郎。 柔道部員に技をかける実琴。 その様子を窺っている有定。 疲れて寮の食堂に戻って来ても、寮生に見られています。 有定からもらったガイド通りにやって効果があるのか疑問な亨。 喜んでいたのは間違いないと言う裕史郎。 辻に話しかけられる姫3人組。 亨はこの席がどうにかならないのか尋ねます。 すべての寮生のテーブルから見える位置にある姫専用のテーブル。 寮とはいえども、他の生徒が見えるところでは姫らしくしてもらわないといけないのだそうです。 仕事じゃ仕方ないと思う亨。 実琴はよくやるよなと亨に言います。 ここに来て日が浅いのに、最初は引きまくっていたのに、よくやるなと思っているそうです。 今では実琴より馴染んでいるので、まるで四方谷2号みたいだと実琴は言います。 「環境の変化には早く馴染んだ方がいいだろう?そうするにはどうすればいいのか、分かってるし。突っ張ったり、反発したりしても状況は良くならない。プライドを持っていたって邪魔にしかならないし。だからうまく生きるには周りの望むような姿になるのが1番なんだ」 「河野…」 「な~んてね。回りくどいこと言ったけど諺で言う郷に入っては郷に従えってやつだよ。人から強制されてやってると思うより自分が好きでやってるって思った方が楽だろう?実琴もそんな気持ちでやってみろよ。楽しくなるから」 「それが出来れば苦労はしないよ!!」 正直というか、不器用というかと言う亨に悪かったなと言う実琴。 さすがに1週間となるときついと感じている姫3人組は校舎のベランダで疲れています。 もう動けないと言っている実琴。 そこに坂本が今日も応援かい?とやって来ます。 お仕事だと答える姫達にご苦労様と労いの言葉をかけます。 応援したからと言ってどうにかなるわけじゃないと言う裕史郎に、坂本はどの部も姫の応援をとても喜んでいるので、そんなことないと言います。 「物凄く張り切ってるからもしかして…」 「それだけは駄目だ!!」 そこに地区予選を突破したと連絡しにやってくる野球部員達。 その言葉に顔を見合わせる姫3人組。 やってくれたねと有定。 野球部は藤森学園の1番の弱小チームであり、10年か地区予選で消えていたのだが、まさか突破第1号になるとはと言っています。 それだけではないと生徒会役員達。 バレーもサッカーも連勝中で、陸上は大会記録更新中で、柔道剣道も個人戦で勝利だと嬉しそうで、姫達の応援の賜物だと言います。 ファイル(応援の傾向と対策)は効果あったんだと裕史郎。 有定は微笑みながら、次の日曜日の朝10時に応援に行ってもらうと言います。 仕方ないよと言う亨と裕史郎。 実琴は嫌だと言います。 あんな格好で外に出られないと訴えますが、勝ち抜けば応援しに行くと約束しただろうと言う裕史郎。 確かに約束したけど、本当に行くとは誰も思ってなかっただろうと実琴は言います。 「それはそうだけどさ…」 「そりゃみろ!!俺だけじゃないだろう?姫の姿で外に出るのが嫌なのは」 止めるとなれば姫特典がな…と言いながら亨の顔を見る裕史郎は仕事もせずに恩恵だけ受けるのはどうなのかと言い、それは姫の格好をするよりよっぽど男らしくないとも言います。 良くないとは思ってると言う実琴ですが、外で姫の格好だけはしたくないと言います。 特典なんかどうでもいいと言う実琴に、裕史郎は黙れ、子どもと言います。 また言ったなと怒る実琴。 わがまま言うなと言う裕史郎に、実琴はどうせ俺はわがままだよと言うので、収まりが付かなくなってきます。 なので、有定が落ち着くように言うも、口喧嘩が止まらないので有定が落ち着いてとオーラーを出しながら言うと2人は怯えて止まります。 当日は応援よろしくと言う有定。 はいと言ってしまう2人なのでした。 大浴場の横の姫専用風呂に入っている亨。 扉の前には誰も入らないように見張り(姫番)がいます。 さっぱりして頬を染めながら風呂から出てくる亨に近づいてくる生徒を姫に近づけないようにガードする姫番。 P-ROOMに戻ると、亨はベッドで横になって本を読んでいる裕史郎に次どうぞと言います。 さっきの物音は何なのか尋ねる裕史郎にまた姫番に引っかかったんだと答える亨。 裕史郎は風呂入るのにも一苦労だなと言います。 亨は裕史郎に、実琴に対しての今日見たいな絡み方は良くないと思うと言います。 裕史郎は分かってはいるんだが、ついチクリと刺したくなるんだそうです。 亨は実は好きな癖してあんな態度とっているとかえって嫌いだと誤解されると言います。 もうそう思われてるんじゃないと言う裕史郎は、実琴はまっすぐだからと言います。 そのために突っかかりたくなるのかと尋ねる亨にお前はならないのかと尋ねる裕史郎。 俺に突っかからないのかと尋ねる亨にお前は違うと言う裕史郎は、自分と似ている気がすると言います。 今は何も聞かないけどとも言います。 実琴は素直に愛されて育ってきたという感じがすると言う亨。 羨ましいからつい苛めたくなるのだと言う裕史郎。 絡むのは程々にしとけよと亨は言います。 実琴はベッドで横になって何か考えているようです。 応援当日。 実琴の姿が見当たりません。 もうすぐ試合が始まる時間です。 実琴は外出許可も取っていないことが辻のおかげで分かります。 裕史郎は辻にもう1度寮の中を探してもらい、亨と一緒に学校の敷地内を探します。 裕史郎は実琴の性格からして、規則を破ってまで外には出ないと、学校の敷地内にいると言います。 いつも文句ばかり言うけど1度も来なかったことはないそうです。 しかし、学校中を探すも見つかりません。 もう時間なので諦めて2人だけで行こうと言う亨。 特典がなくなってもいいのかと言う裕史郎。 今はそうするしかないと言う亨は着替えに行こうと言います。 裕史郎は亨を止めようと名前を呼びますが、止まらず家庭科室に入っていきます。 家庭科室の中にはナース服を手にした実琴がいました。 朝から家庭科室にいたと言う実琴。 理由は裕史郎に男らしくないと言われ、そうだなと反省し、亨の言った通りの自発的にやってみようと思い、朝一で家庭科室に来て衣装を着ようと思ったそうです。 決心が付かなくてここで悩んでいたのかと尋ねる亨。 だってナースだと言う実琴はそう簡単に着られるかよと言います。 裕史郎は時間切れと着替えるように言います。 心の準備がまだと言う実琴ですが、時間がないので無理やり着替えさせます。 試合会場 押され気味の藤森学園。 9-0です。 諦めかけている野球部員達。 そこへナース服姿の姫達が応援に駆けつけます。 「待たしちゃってごめんなさい」 「試合はまだまだこれからですよ」 「私達が力の限り応援するから」 「「「だから、諦めないで頑張って下さい」」」 姫達の応援で、やる気を出す野球部員達。 最終的に9-22で勝ちます。 応援のおかげで勝利を収めることが出来たので、褒美として姫たちは大浴場を貸し切って風呂に入ります。 いつもは小さい風呂なので、やっぱり広い方が良いねと言う実琴。 亨は実琴にご褒美に大きいほうの風呂にしてもらってよかっただろうと言うと、あれだけ恥ずかしい思いしたんだからこれぐらい当然だと言う実琴。 裕史郎はサッカー部もブラスバンド部も予選突破したらしいと言います。 亨はテニス部も突破したと聞いたと言います。 実琴がまだ外に行かなければならないのかと言うので、逃げるなよと言う裕史郎は男らしくないぞと言います。 何か言えよと言う実琴に諦めるんだなと言う亨。 第3話完 |