あまつきの第1話を見ました。
第一夜 雨夜之月
『もしもこの世界でない所にいけるとしたら…なんて心理テストがあった。そういう話に憧れたことはなかった。世界はいつだって俺とそれ以外でしかなかったから』
高校一年生の冬、日本史のテストで赤点を取った
六合鴇時は春休みに補習として、最先端技術を利用した次世代型博物館・大江戸幕末巡回展を訪れる。
そこはCGとの合体により、特殊なゴーグルをかけることで幕末を体験できるテーマパークだった。
そこで、出席日数が足りずに補習に来ていた
篠ノ女紺と会い、着物に詳しい
紺にテーマパークを案内してもらおうとする
鴇時。
ところが散策の途中、
紺と逸れた
鴇時は突如現れた妖、鵺に襲われ、江戸時代幕末に似てはいるが、人と妖が存在する異世界“あまつき”に飛ばされてしまう。
「危なかったな、少年。でも鵺に襲われるなんて何者だ?」
「鵺?」
「そうだ、獣の方を鵺と言い、小さな人型の方を夜行と言う。獣はアレでも死んでない、元に戻ってまた現れる。厄介な奴だ」
「…!?」
「どこか怪我したのか?」
「アレ…!?俺、ゴーグルは!?」
「ごーぐる?何だ、それは」
橋が崩れて川に落ちてしまう
鴇時。
鴇時は目覚めると、長屋で眠っていた。
「目が覚めたみたいだな」
「お、お前、篠ノ女、だよな…!?どうしたの、その頭…その格好…」
「お前…あぁ、あん時の赤点…確か5点だっけか」
「そうだけど…あん鴇ってさっき逸れたばっかじゃん」
「お前にとっちゃ、さっきなんだな。だが、生憎俺に取っちゃ大分昔のことだ」
鴇時と同じく幕末巡回展を訪れていたにも関わらず、同級生の
紺は2年前に飛ばされていたらしく、頭も茶髪から黒髪に変わっていた。
鴇時の左眼は鵺に視力を奪われ、
紺の右腕の肘から先の感覚が奪われていた。
紺に町案内してもらう
鴇時は観光気分でいた。
「そういやお前、名前は?」
「六合鴇時」
「緩い性格の割になんかごっつい名前だな。で、鴇。鴇でいいよな。お前は今、どんだけ現状をつかめてる?」
「…ヒヒ」
「分かった。でも、まぁ、お前はまだマシなんだぜ。先人がいるんだからな。俺がこっちに来た時はそりゃパニクったさ。この町並み、鵺、右腕…何だか分かんねえことが次々と起こり、疲れ果て、くたばれそうになってた時に拾われた。破傷風に罹っててな、一月寝込んだよ。その後、紹介された御隠居の所で読み書き他諸々習った。婆さんにも扱かれつつな。その頃にようやく分かった。此処は俺のいた普通の世界と全くの別物で、待っていても目が覚めることなんてないってことに。日本史赤点でもここが江戸時代だって事くらい分かるよな?250年続いた徳川の代のお陰で平和だったと言われる、特に庶民が元気だった時代だ。ところが、そこへ大砲積んだ黒船に乗って外国人達がやって来た。全く異なった文化を持ってな。それを歓迎する奴、しない奴、長き太平の反動か、いざこざも連鎖反応で拡大中。なわけで今、この国は身内で喧嘩の真っ最中。治安も悪化し、犯罪件数激増中ってな。と、ここまでは歴史の授業のままの江戸の町なんだが、厄介なのはあっち方面だ。これから行く所もそっち方面なわけなんだが…」
「俺の見た鵺とかいう化け物とか、夜行とかのこと?あの女の子は…妖って言ってたけど」
「幽霊なんかと一緒で、アレはごく一部の奴にしか見えない妖怪ってヤツさ」
「篠ノ女、信じてるんだ?」
「俺も自分の目が信じらんねえがアレだ」
通りを歩いていた男の背中についていた雑魚妖怪を手で取った
紺だが、ほとんどの人には見えないので喧嘩を売ったように思われてしまい、絡まれてしまう。
「火事と喧嘩は江戸の華ってな。喧嘩相手にゃ困らねぇ…」
「貴様は案内もそっちのけでまた喧嘩か!?」
朽葉に後頭部を蹴られてしまう
紺。
適当に生きてきた
鴇時は
朽葉に厳しく接しられ、心の闇に触れないようにするように
紺に言われるのだった。
次回、「狗をよぶ聲」