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テーマ:アニメあれこれ(27183)
カテゴリ:シドニアの騎士
地球へ…の第7話を見ました。
section07 反逆のシロエ 「ふざけんな!!待てよ、シロエ。この班のリーダーは俺だぞ。いつもいつも勝手なことしやがって。チームワークも採点されるんだぞ!!」 「ふん、誰がやったって同じだよ。なら、より優れた人間がやった方が…。君達なんかと組まされた僕の身にもなってよ。足を引っ張って欲しくないね」 「騒がしいな。新入生か?君達の担当教官は?」 キース、サムは成長し、メンバーズ候補生として最終学年生となり、廊下を歩いていた2人の前でシロエが揉めていた。 「お前らも元気なのはいいが、体を動かすんならトレーニングルームでも行くんだな」 《キース・アニアン…。エディケーショナルステーションE-1077の始まって以来の秀才。マザー・イライザの申し子…。エディケーショナルステーションE-1077、SD体制の下人々を統べる人類統合機構にとって、そこはエリート育成を目的とした教育の最高学府、皆の憧れの場所。でも、僕にとっては…》 「スウェナ、見ろよ」 「あ、新入生ね」 「初々しいねェ。落ち着きがないというか、ふわふわして頼りないというか、俺達も4年前はあんなだったかなぁ?」 「誰かさんは未だに落ち着きがないけどね。仕方ないわよ。成人検査を受けて、親元を離れて1~2ヶ月の14歳。まだまだ不安で落ち着かない時期よ」 「そうだったかねぇ?お前は初めっからしっかりしたもんだったよな?キース」 「毎年あんなものだ。だが、そのうちここがどれだけ安全な場所が分かってくる。そうすれば、じきに慣れる」 「それっていいことなんですかね?僕には彼らより、先輩方やこのステーションにいる人達の方がよっぽどおかしく見えますけどね。監視され、言うことを聞かされ、すっかり飼いならされている。しかも、そのことに疑問すら抱かない。一体、あの中の何人がマザー・イライザのテレンテクダから逃れられることができるのか…。半年も経てば、おそらく全員、マザー牧場の羊だ」 「色々あなたの噂は聞いています。優秀なんですってね。マザー・イライザの機械の申し子…。僕、あなたとお近づきになりたいんです。プロフェッサーも言ってました。自分より程度の高い人間と付き合えって。僕の名前はセキ・レイ・シロエ、シロエって呼んで下さい。よろしくお願いします、先輩」 キースはシロエを相手にせずに歩いていきます。 「セキ・レイ・シロエ、新入生の中でもトップクラスのエリート。だが、システムに対し、反抗的な態度を取り続ける。要注意との指示が出ている」 「聞いたか?あのシロエって奴、あの野郎、入学した頃のお前の成績を全部抜いてやるって豪語しているらしいぞ。おまけにステーション中でお前のこと嗅ぎ回ってるって」 「構わないさ、放っておけ」 宇宙鯨の映像を見て、盛り上がっている生徒達。 「何だ?あれ」 「宇宙鯨。スペースマン達の伝説、異星人の船なのか、道の生物なのか誰も知らない」 「ふぅん、知ってたか?キース」 「いや、興味がない」 「永遠に暗い宇宙を彷徨い続けてるって。帰る場所もなく、何かを求めて。見てみたいな、本物を。願いが叶うなら、なおのこと」 「いつまでも夢見る少女だな、そんなの船乗りのホラ話に決まってるって」 抱き合ってキスしているカップルを注意するキース。 「僕達には使命がある。恋愛をしたり、家庭を持ったり、そんなことをしている余裕はないはずだ。そうだろう?スウェナ」 「そうね…」 「スウェナは?」 「帰ったよ、具合が悪いって」 「そうか」 シロエは自分が作ったロボットのようなものに乗ってくると、生徒達に囲まれて笑顔になっています。 シロエは技術系第三階級のエネルゲイアー出身なので、道理で機械に強いわけだとかも言われています。 そんなシロエを見て、笑うサム。 「どうした?」 「話したよな、前に。俺の幼馴染のこと」 「あぁ」 「何だか似てるような気がしてさ。ジョミーもあんな目をしていたような気がするんだ。いつも前を向いていて、強く輝いていて。そういえばあいつも怖いもの知らずで何かしちゃ、先生に怒られてたっけなあ。ま、あんな嫌味な奴つじゃなかったが。ジョミー、今ごろどうしているんだか」 そこへシロエがやってきて、亜空間理論と移送幾何学の成績歯抜かせてもらったとキースに言います。 「おめでとうと言えばいいのかな?」 「やれやれ、受けてたつ気はないですか。張り合いがないな。ところであなたの彼女は?」 「彼女?誰のことだ?」 「スウェナか?あいつがどうかしたのか?」 「ふぅん、お2人ともご存じないんですか。機械の申し子にも分からないことがあるんですね。いや、機械の申し子だから分からないのかな?」 スウェナは宇宙港の技師をしている人と結婚するそうです。 「かなわないものを追いかけるのに疲れちゃった…」 「今から一般コースに移って、また勉強し直すってのか?折角ここまで来たってのに。分かんねえよ。お前からも何とか言ってやれよ、キース」 「何を言えばいいんだ?スウェナが決めたことだ、仕方ない。我々が口出しできる問題じゃないだろ」 「そうよね、あなたには…分かってなんかもらえないわよね…」 「どうしたんだ?」 「何だよ、それ。他に言い方あるだろ。仕方がないって…仕方がないって何だよ!?俺達はずっと一緒にやってきた仲間じゃねえのかよ!?スウェナの気持ち、お前には分かんねえのかよ!!」 彼氏と一緒に星を出て行くスウェナ。 《さよなら、キース。あなたは信じた道を進んでね、グッドラック》 「この間は言い過ぎた。すまなかったな、キース。俺にとってスウェナの存在は特別だったんだ。育った町が一緒で、こん中にあいつとの思い出があるんだ。だから、何だか。あいつと一緒に残ってる微かな記憶までなくしちまいそうな…そんな気がして。こんな、記憶、お前に言わせりゃ、早くなくした方が勉強に身が入るってもんかもしれんがな」 「結婚なんていったって所詮ただの逃げ。挫折でしょ。あるのはせいぜい慰めだけ。そう言って悪ければ、心の平穏かな」 シロエに怒りをむきだしにするサムを止めるキース。 「付き合っている相手をみればその人間の程度が分かる。あんな人と行動を共にしていたようじゃ、あなたも大したことないのかも。僕の敵じゃ…なかったかな」 マザーからキースに脳波が乱れているので何か悩み事でもあるのかとコールが入るが、ご心配には及ばないと答える。 一方、シロエは悪夢を見ていた。 『セキ・レイ・シロエ、お捨てなさい。あなたの過去を、全ての記憶を。意志はいらない、感情はいらない』 目覚めたシロエは自分の本を見て、まだ覚えていると思う。 《僕の中の大切なものが、皆消えていく…。怖い…怖いよ、ママ…っ…ぅ》 《忘れない、僕は忘れないぞ。記憶がどんどん薄れていく。僕の故郷、エネルゲイア。知っているはずの場所さえ何の実感も湧かない。飼い慣らされた羊達。いつか、僕も…。嫌だ、嫌だ、嫌だ!!》 人の噂でキースに成人検査以前の記憶がないと聞いたシロエはコンピューターを探ったり、記録上同じ出身地や同じ船でやってきた人に聞いても知っている者がいないことを不審がる。 キースがゲームをしていて人だかりができていた。 《どうしたんだ?キース。いつもはレクリエーションルームなんかに来ないくせに》 シロエもキースの隣にやってきたので、キースは記録をリセットして勝負を受ける。 『タイムアップ。キース・アニアン1457点、セキ・レイ・シロエ1215点』 「これでお終いだ。追いかけっこはもうお終いだと言ったんだ。勝負はついた。これ以上僕に付き纏うのはやめてもらおう。じゃ」 「逃げるのか、卑怯者!!そう、卑怯者だ。あなたは別に冷静なわけじゃない。ただ人の気持ちが分からないだけなんだ。分からないから怖くて逃げてるだけなんだ。あなたには過去の記憶も感情も、人間らしさなんてまるでない。だから彼女の気持ちも分からないんだ。その肌の下も、きっと冷たい機械で出来てるんだろうさ。やっぱりあなたはマザー・イライザの申し子だ。機械仕掛けの冷たい操り人形なんだ」 キースはシロエを殴り、殴られたシロエは笑う。 「機械でも怒るんだ」 次回、「震える心」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 19, 2007 09:18:15 PM
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