2009/08/07
■開業つれづれ:茨城県職員は憲法違反を叫ぶ 「日立総合病院産科休止 『ドミノ倒し』懸念の声」
どうもマスコミも公務員も医師を奴隷にして働かせたい、
という本音がボロボロ見えています。
「医師は人権無視しして強制配置」
というのは基本的人権を
無視していませんか?
どうしても好きに配置したいのなら、
県職員や国の職員にして
派遣をするようにしたらいいと思います。
無理やり強制的にある一定の職業だけ
縛り付ける、
というのは無理です。
逆に
これ以下のレヴェルが
世界のスタンダードであり、
今までの日本の医療レヴェルが
世界最高だった、
という報道がなぜなされないのか
本当に不思議です。
県政を問う ’09知事選(下) 日立総合病院産科休止 『ドミノ倒し』懸念の声
東京新聞 2009年8月6日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20090806/CK2009080602000084.html
「地元の病院がハイリスクのお産に対応できないのは、いざという時に困る」。小さな子どもを連れて、日立市の日立製作所日立総合病院に来ていた同市の母親(34)がため息をつく。「四つ年上の姉は、二人目の子どもを妊娠することすら迷っているんです」
危険を伴う出産や新生児医療までを担う県北地域の「地域周産期母子医療センター」に位置付けられていた同病院が今年四月、センターを休止してから四カ月。お産の拠点が失われたことが、地域の女性に妊娠をためらわせるほどの不安を与えている。
休止のきっかけは昨年五月。日立総合病院には常勤産科医が六人いたが、派遣元の東大医学部が医師不足を理由に、今年三月末で全員の引き揚げを告げてきたことだった。
結果的に若手の常勤産科医一人が残ることにはなったが、手が足りないため、危険性のある分娩(ぶんべん)から通常分娩まで年千二百十二件(二〇〇七年)を取り扱ってきた県北地域の出産の受け皿は当面、幕を下ろすことになった。
日立総合病院の周産期センター休止のしわ寄せがきているのが、出産時に危険性を伴う県北の妊婦らの受け入れ先となった水戸市の水戸済生会総合病院や水戸赤十字病院など、県央地域の病院だ。
水戸済生会総合病院の山田直樹産婦人科部長は「春から扱う妊婦が月平均十人弱は増えた印象だ。先月中ごろからは二十一床ある産科のベッドの満床状態が続いている」と、産科医の激務に一層拍車が掛かったことを明かす。
日立総合病院や日立市、県は来春、同病院で通常分娩だけでも再開することを目標に、産科医探しに努めている。県の仲介で秋以降、水戸赤十字病院から日立総合病院に日替わりで非常勤産科医が派遣されることになった。週数回の手伝いを申し出る開業医も四、五人見つかった。だが、これに残留した若手常勤医一人を加えても「指導的立場の核となる常勤医がもう一人いないと、通常分娩の再開は厳しい」というのが日立総合病院と県の共通認識だ。
同病院の竹之内新一副院長は「水戸の病院にまで負担を与えており、このままでは(県内で)産科医のドミノ倒しが起きてしまう。わらをもすがる思いで産科医を探している」と話す。
地方の医師不足の原因の一つに、新人医師が自由に研修先を選べるようになった卒後臨床研修医制度の導入が挙げられる。医師が出身大学の医局に戻らなくなり、従来のように医局が地方の病院に医師を供給する機能を果たせなくなった。
こうした現状に、
医療分野の複数の県職員
からは病院や自治体が医師を確保することの限界を指摘し、
「医師不足の地域や診療科目には一定の強制力で、医師を配置する制度をつくるべきだ」
とする声が上がる。
一方、地域医療に詳しい城西大の伊関友伸准教授は「産科医や小児科医は、やりがいを感じる医師でないと長続きしない。給与の向上、扱う分娩数や当直日の低減など、待遇を改善していくことが医師確保には遠いようで近道」と語る。
住民が地域で安心して暮らし続けるため、待ったなしの問題となっている医師不足。新知事には国への働き掛けも含め、“処方せん”を示すことが求められている。
(この企画は伊東浩一が担当しました)
>医療分野の複数の県職員
>からは病院や自治体が医師を確保することの限界を指摘し、
>「医師不足の地域や診療科目には一定の強制力で、医師を配置する制度をつくるべきだ」
>とする声が上がる。
同じようなことを
弁護士や他の職業の方にも
あてはめるといかにおかしい理論かわかります。
弁護士不足の地域には一定の強制力で、弁護士を配置する制度をつくるべきだ
書店不足の地域には一定の強制力で、書店を配置する制度をつくるべきだ
家電量販店不足の地域には一定の強制力で、家電量販店を配置する制度をつくるべきだ
スターバックス不足の地域には一定の強制力で、スターバックスを配置する制度をつくるべきだ
耳かき専門店不足の地域には一定の強制力で、耳かき専門店を配置する制度をつくるべきだ
…ね、
変じゃないですか?
他の業種に、県職員が
「強制配置する制度を作るべき」
といったら
どれだけ変だと思います?
でも、マスコミの
キャンペーンのおかげで
「医師だけは自由に強制配置するべきだよね」
という風潮になってしまっています。
茨城の県職員は
”医師は奴隷になって自分たちの好きに配置させるようにしろ”
と言っているのと同じなのです。
おかしな理由は、まず
採算性が合わないからです。
もし
僻地に耳かき専門店の
ニーズがあったとしても
大都市でしか商売として成立しないからです。
必要な部分に配置を行えるのが
警察、消防、自衛隊などであり、
国が必要と認めているわけです。
しかし、
これらの分野は採算性などを
追及されてはいません。
一方で採算性を求められ、
他方で不足している地域には
強制配置してでも必要、
というのは矛盾しているとは思いませんか?
あれほど
なんて医療は赤字を垂れ流す???
といわれて叩かれてきましたが、
料金設定自体は
国が行っているわけです。
国が医療の料金を
赤字になるようにしてるわけですから、
当然のように赤字になるわけです。
医療機関が
どうやっても赤字まみれで
国の料金設定に従って僻地から撤退します、
といったら
今度は
「病院はくまなく全国に配置しろ」
「できないなら強制力を使ってでもやれ」
という暴論が新聞社から出てくるのです。
(1)
警察や消防に採算性を求められない、
だから医療にも採算性を求めない。
これはありだと思います。
(2)
医療も採算性を求めるべき。
だから不採算な場合は撤退もやむを得ない。
これもありでしょう。
なのに、二律背反である
(3)
医療は採算性を求めるべきだが
僻地にもくまなく強制配置もするべき。
というのは
本当にわがまま、
と言うほかありません。
わがままな意見を育てているのは
読売新聞をはじめとするマスコミと
国の医療政策です(1)。
憲法違反といわれても、
それでもなお
マスコミは「医師の奴隷化」を目指して
少しずつ国民の意見を
誘導して行ってます。
1)
■読売社説 日本の医師に自由はいらない(笑) 「医師を全国に計画配置、医療改革で読売新聞社提言」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-412.html
(2)
産科医療のこれから
医師の計画配置は「憲法違反」 舛添厚労相インタビュー
http://obgy.typepad.jp/blog/2008/10/post-1341-67.html
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コメント
No title
医療分野の複数の県職員(?)による不用意な発言が、県の心根を映し出し、医師をさらに遠ざける。ってことに気がつかないのか不思議でならない。
2009/08/07 09:00 by こんた URL 編集
No title
(ry)?無視?
本当に社会主義なのか新自由主義なのかはっきりしろよといいたいですな。
2009/08/07 10:09 by 雪の夜道 URL 編集
No title
厚労省の「おかしい」にあわせて、「そうだそうだ。医局が人事を握るなんておかしい。医者はもっと市場原理に従って自由に仕事先を選ぶべきだ。医局支配は終わらせなければいけない」とさんざん煽って世論を誘導してきたのは間違いなくマスコミの皆さま方です。
それを掌を返したように「大学医局が医師を派遣できないとは何事か!医者は強制配置だ!」って、おかしいだろ。
7-8年前の自分のところの新聞を読み返してみろ、と言いたいです。
小泉改革の下、自己責任の社会を選んだんだから、あきらめてください。
自己責任である以上、医師を集めたいのなら、いい労働条件をちゃんと提示できたら集まります。そうしている病院は結構増えてきてますからね。
2009/08/07 10:39 by Seisan URL 編集
No title
電車が無いなら都心並み料金での路線バスの運行を!
何なら路線ヘリでもいいお!
台風でも大雪でもダイヤが乱れれば訴えちゃうからね。
勿論低料金でサービス満載で、運転士さんや車掌さんはイケメンがいいな^^
赤字でも撤退なんて許さないゾ!
これ聞けば誰でも発言者を袋叩きしそうですが、医療だとなんでちゃうんかしらとw
2009/08/07 15:46 by スピカ URL 編集
正義を為すことより悪を為すことのほうがよっぽど楽。
その理論で行けば産婦人科のいない地域住む患者が悪いはず。
本来の小泉改革に個人責任てそういうものではなかったの?
「医療はサービス業だ」
なるほど!ならばなおさら強制的配置なんておかしい話。
エルメスを田舎の人も買いたいから強制的に山奥で店を出せ が通るわけではないでしょう。
「不況対策だ 就職先を作り出す必要がある」
すでに介護職に就いている人が大勢いて社会的にも需要はあって、けれどお金を削りまくるから離職率が跳ね上がり、既に産業または職業として成立ぎりぎりまで来ている現状。
すでに存在する職業をぶっ潰しておいて、何をぬかあしやがる!
所詮、この国では医療はどこまで行っても悪者で奴隷。でたらめだらけのこの国の行政に明るい期待をかけられるわけないでしょう。
私は医者を辞めて訴えるほうに回ることを最近考えています。
だって、そっちのほうが楽だし金になりそうだもん。
正義を為すことより悪を為すことのほうがよっぽど楽。
2009/08/08 10:30 by 朝○と毎○新聞は大嫌い URL 編集
本当の計画配置とは?
基本的な用語の使い方が間違っています。
本当に医師を計画配置したいのなら、各自治体がその責任において地域医療計画が達成できるだけの医師数確保を市場原理に基づいて行えば良いだけの話です。医師にかかる人件費は膨大になりますが、あとは財政的負担と地域医療の必要性を天秤にかけるだけの話です。
金もかけずに人を縛り付けるなどと言う前時代的な発想を先進国の大手新聞社が論じていること自体を恥るべきだと思います。
2009/08/08 11:08 by 地方小児科医 URL 編集
おかしいな
そこには、「私たちは日本国憲法を尊重し、擁護する」旨が書かれているはずですよ。
この人たちは採用されたときのことを忘れたのでしょうか?
2009/08/08 18:19 by 中の人 URL 編集
水戸医療センターも産婦人科休止
レジデントもたくさんいた立派な病院だったんですけどね。
http://www.hosp.go.jp/~mito-mc/medical/14fujin/index.html
~当院産婦人科診療休止のご案内~
既にご案内の通り、産婦人科医師の人員減に伴い、当院では10月以降、常勤医一名で婦人科診療を担当することになり、婦人科手術、癌化学療法などの新規入院診療を制限し、婦人科外来診療を主体とした診療体制を行っておりました。
医師補充の要請を関係各方面に働きかけているところですが、全国的な産婦人科医の不足により、医師補充・増員に関する見通しにつきましては大変残念ながら現時点ではまだ目途が立っていない状況であります。
そうした中、平成21年12月末日をもって、常勤医師が退職することになりました。誠に恐縮ではございますが、平成22年1月以降、産婦人科外来および入院診療全般を休止とさせていただきます。
今後、出来る限り早期に産婦人科医を補充し、産婦人科診療の充実を計り、従来どおりの産婦人科診療を再開したいと考えております。
地域の皆様には大変なご心配・ご不便をおかけ致しますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
ご不明な点、あるいはご相談などがございましたら、当院地域連携室までお問い合わせ願います。
平成21年12月1日
2010/01/01 14:39 by URL 編集
十二分に理解しております
2010/01/01 15:30 by アーメン URL 編集