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訴訟中毒と言われたアテナイで、著者の解説によれば、今で言う権力分立の一翼に法廷での弁論が位置づけられるという。そこでは、民事訴訟に置いても、アテナイの政治・外交、軍事に関わる施政の是非が問題とされ、いわば公共の関心事であると強調して法廷弁論に力が入れられた。

そうした本筋の他にも、民事訴訟法を学ぶと出てくる「防訴抗弁」という言葉が出てきて、現在とは興味深い違いのある仕組みが説明されていたり、公訴については民衆が誰でも提訴できるが、私訴に関しては被害者しか提訴できないとか、民事訴訟法的な制度の興味もとても刺激される本だ。