Bunkruptcy:給食業者の破産の影響
民事再生や会社更生による企業再建型手続には、得てして自己責任でつぶれた会社をなぜ助けてやらなければならないかという疑問の声が出てくる。
そんなときに、企業そのものの存在価値が社会的にもあるのだということを持ち出すのだが、この例などはその好例と言える。
破産手続きに入ったのは、同市明和町の豊田食品(西沢則穂社長)。1974年から給食の供給をしていたが、今年2月に委託料の早期納入を求めてきた。市は経営状態が悪化していることをつかんだが、同社から給食の供給は続けられるという説明を受け、今年度も委託を続けていた。ところが、今月19日に営業を維持することができなくなり、22日で供給を打ち切ると連絡してきたという。同市の保育施設は98園あり、中断するのは、公私立保育園と公立幼稚園を一体的に運用している同市独自のこども園が10園、認定こども園が2園、幼稚園が2園の計14園。
会社が経営にいきずまり、倒産するということ自体はやむを得ないことだが、突然の経営破綻で取引先が迷惑を被るというのは、債権が焦げ付くというだけではないということがこの例に現れている。むしろ破産企業の債務者に相当する取引先こそ、営業に差し支えるわけだ。
ということで、特に会社更生法の存在理由を説明する実例としてメモ。
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