court:ノーパソ版レペタ訴訟勃発
名古屋の弁護士さんが犯罪被害者の付添で法廷傍聴をしていて、パソコンでメモを取っていたところ、パソコン使用は認めないと廷吏に、そして後に裁判官に、いわれたそうだ。
そして国家賠償請求訴訟提起をしたとある。
それで思い出すのが、写真の欧州人権裁判所(ストラスブール)でのこと。
傍聴は、事前申し込みが必要だが、基本的に誰でも見れる。
そして、中では関係当事国の代理人チームや関係者でごった返していて、彼らがてんでにタブレットで写真をとったりスマホでメールしていたりする中、私がノートパソコンでメモを取り始めたところ、警備職員が目ざとく見つけて、パソコンはダメだと言う。
タブレットで色々やっているじゃないかというと、とにかくパソコンはダメだというのだ。といって取り上げたりする風でもないのだが。
そのように、謎の基準があって、傍聴席で使って良いもの悪いものの線引をしているようだが、その基準の合理性は議論する気はないというのが管理者的立場というものである。
想像するに、キーの音がうるさいからということでキーボードの付いた端末はお断りということなのだろうが、ざわざわと関係者が私語をしている傍聴席でキーボードを使っても、そう大した問題では無いようにも思う。でも大勢が一斉にパソコンを使いだせば、やはりうるさいかもしれないというのは、記者会見の時の音声を思い出すと分からないでもない。
そうなると、タブレットでもキーボードを接続して使うのはダメだけどタブレットだけならいいとか、そういう仕訳になるかもしれない。
しかし日本の裁判所の場合は、どちらかと言うとスマホとかタブレットとかでメモを取っていると通信しているのではないかというあらぬ疑惑をかけてダメだという傾向にある気もする。
また、たとえ通信していなくても通信しているかもしれない紛らわしいことは全てダメにしておくという、利用者の便宜とか必要性とかを一顧だにしない管理者の立場だけを考えた論理がまかり通る傾向にもある。
それを改善するには、やはりこの弁護士さんのように一つ一つに手間のかかることでも抵抗の声を上げていくことが重要なのであろう。
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