BretagneのパルルマンとCité judiciaire
さらにスゴイのは、現役の控訴院=高等裁判所として使われていながら、復元された内部の見学を認め、その窓口にツーリスト・インフォメーションがなっているということである。
つまり、観光客オッケーというわけだ。
ただしいきなり言ってもダメで、予約が必要。今回はその予約ができなかったので、入り口で引き返すはめになった。しかしこれを見るためだけにレンヌに来ることも考慮に値する文化施設である。
上記のツーリスト・インフォメーションサイトに、少しだけ内部の写真もある。
さて、時間が余ったので、レンヌの通常裁判所にも足を運んだ。こちらの建物も、コルビジェという名前が思い浮かぶようなユニークなフォルムである。ただし本当にコルビジェ作品かどうかは知らないが。
玄関前で引き返そうとする私を同行した妻が、せっかく来たのだから中にはいろうと言って背中を押してくれたので、ゲートをくぐり、開廷していた軽罪裁判所の法廷を傍聴してきた。
事案は、離婚または別居した夫婦の間で、妻が家族事件裁判官の命じた面会交流を妨げたとして、訴追され、(元?)夫が付帯私訴原告となったもの。附帯私訴とは言うが夫の告訴に基づいて起訴されたものであろう。
付帯私訴原告の代理人弁護士も被告人の弁護人も裁判官も書記官も女性で、検察官と廷吏だけが男性という、司法の女性化が進んだフランスらしい法廷であったが、妻の弁護人の弁論によれば、夫には暴力癖があり、妻が子供を守るために妨害したのだという。
しかし、家族事件裁判官の面会交流を命じる決定に際しても、そのことは認められなかったようで、その点についての言い分は真っ向から対立したまま。
結局、20分ほど休廷した後に言い渡された判決は、懲役4ヶ月、執行猶予2年、その条件として家族事件裁判官の命じる面会交流に従うこと、そしてその経過は呼出しに応じて刑執行判事に報告をすること、というものであった。
下の写真は、再びレンヌ控訴院正面の復元されたプレート。焼け残った部分と復元された部分とが、色が変わっていて見て取れる。
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